手かざしの被害者
47newsの記事より。
治療受けさせず乳児死亡 宗教信者の両親に殺人容疑
低体重で、アトピー性皮膚炎を患う生後7カ月の長男に治療を受けさせず、感染症で死なせたとして福岡県警は13日、殺人容疑で父高月秀雄容疑者(32)と、母邦子容疑者(30)=いずれも福岡市東区唐原=を逮捕した。県警によると、2人は福岡市に本部がある宗教法人職員で、信者。手をかざす「浄霊」と呼ばれる行為で長男を治そうとしていたという。
親が合理的な理由なく、子どもに治療を受けさせない問題は「医療ネグレクト」と呼ばれ、児童虐待に当たる。県警によると、両容疑者は「自然治癒能力を信じており、手かざしで治ると思っていた」と供述している。
逮捕容疑は、昨年2月に生まれた長男嘉彦ちゃんの体重が減り、アトピー性皮膚炎の悪化で感染症にかかりやすい状態だったのに医療機関を受診させず、同10月9日、細菌感染による敗血症で死なせた疑い。死亡当日は、嘉彦ちゃんが息をしていないのに秀雄容疑者が気付き119番。病院から「医療ネグレクトの疑いがある」と通報があり、県警が捜査していた。
西日本新聞の記事より。
宗教理由に長男治療せず放置 両親を殺人容疑で逮捕
2010年1月13日 20:01 カテゴリー:九州 > 福岡 社会生後7カ月の長男に適切な医学的治療を受けさせずに死亡させたとして、福岡県警は13日、殺人の疑いで、福岡市東区唐原4丁目、宗教法人職員高月秀雄容疑者(32)と、妻の同、邦子容疑者(30)を逮捕した。2人はともに同区に本部がある宗教法人の長年の信者で、同法人は近代医療を否定している。県警は、宗教の教えを理由に子どもに必要な治療を拒んだ「医療ネグレクト」に当たると判断。関係者によると、児童虐待をめぐり、医療ネグレクトを殺人容疑で立件するのは異例という。
2人の逮捕容疑は、長男嘉彦ちゃんが発育不十分で重いアトピー性皮膚炎などを患っていたのに、法人が提唱する手をかざせば病気が治癒するという「浄霊(じょうれい)」をしただけで、適切な治療を受けさせないまま放置。昨年10月9日夜、自宅で敗血症により死亡させた疑い。
秀雄容疑者は「病院に行く判断が遅れた」、邦子容疑者は「今まで通りの育て方で治ると信じていた」と供述。いずれも容疑を認めているという。県警によると、嘉彦ちゃんは3400グラムで出生し、死亡時は4300グラム。7カ月児の平均体重の半分ほどだったという。
この宗教法人の顧問弁護士は西日本新聞の取材に対し「(法人は)近代医療を否定しているが、病院を受診をするかは個人の自由で強制はしていない」としている。
=2010/01/13 西日本新聞=
毎日jpの記事より。
殺人容疑:7カ月の長男受診させず 宗教法人職員夫婦逮捕
福岡県警は13日、衰弱した生後7カ月の長男を受診させず殺害したとして、いずれも宗教法人職員の福岡市東区唐原4、高月秀雄容疑者(32)と妻邦子容疑者(30)を殺人容疑で逮捕した。県警によると、自然治癒による回復を教えとする宗教の信者で、手かざしなどによる「浄霊」と呼ばれる方法で治そうとしていた。「医療行為を受けさせればよかったと後悔している」と、大筋で容疑を認めているという。
逮捕容疑は、アトピー性皮膚炎を発症した長男の嘉彦ちゃんに適切な診療を受けさせず、昨年10月9日午後8時ごろ、感染による敗血症で死亡させたとしている。
県警によると、嘉彦ちゃんは母乳などの食事は与えられていたが、アトピー性皮膚炎で衰弱し、食事がとれない状態だったという。県警は治療を受けさせなかったことが死亡につながったと判断し、殺人容疑での逮捕に踏み切った。
同10月9日夜、嘉彦ちゃんの意識がもうろうとしていることに気付いた秀雄容疑者が119番したが、搬送先の病院で死亡が確認された。死亡時の体重は通常の乳児の半分程度の4・3キロしかなく、アトピーで体の皮膚の多くがはがれた状態だった。病院が診療を故意に受けさせない「医療ネグレクト」の可能性があるとして県警に通報した。
秀雄容疑者は調べに対し「病院に行こうと思ったが判断が遅れ、見殺しにしてしまった」と供述している。邦子容疑者は「自分も母親に同じように育てられており、自然の力で絶対に治ると思った」と話しているという。
毎日新聞 2010年1月14日 0時20分
貧困の連鎖が問題になっているが、これは、「情弱の連鎖」とでも言うべきなのか。
乳児死亡で両親入信の「新健康協会」捜索記事を印刷する
福岡市で昨年10月、低体重でアトピー性皮膚炎の乳児に手かざしによる「浄霊」をし、病院での治療を受けさせずに死なせたとして殺人容疑で父高月秀雄容疑者(32)と母邦子容疑者(30)が逮捕された事件で、福岡県警は14日、2人が入信し、職員として勤務する福岡市東区の宗教団体「新健康協会」総本部を関係先として家宅捜索した。
県警によると、死亡したのは両容疑者の長男嘉彦ちゃん(当時7カ月)で、両容疑者は「手をかざせば治ると思っていた」と供述。秀雄容疑者は小学生の時から、邦子容疑者も中学時代からの熱心な信者で、両容疑者の親も信者だった。
ほかの複数の信者も嘉彦ちゃんに手かざしをしていたといい、県警は教義の内容や、死亡までの経緯の把握を進める。
新健康協会のホームページや捜査関係者によると、同協会は九州をはじめ北海道や関東、関西地方などに支部など70カ所以上の関連施設があり、約1万人の信者がいる。
一方、保健師らが市の家庭訪問事業で、両容疑者の自宅を2回訪ねながら嘉彦ちゃんと会えず、体重減少などの異常を把握できていなかったことも判明。親が子どもに治療を受けさせない「医療ネグレクト」は身体的虐待と比べ周囲が気付きにくく、ハイリスク家庭の把握には訪問事業が重要な機会で、今後に課題を残した格好だ。
福岡市によると昨年5月、乳児がいる家庭の育児相談のため民生委員が訪問。邦子容疑者から「赤ちゃんが泣いていて手が離せない」と断られ、嘉彦ちゃんの様子を確認できなかった。同9月には、嘉彦ちゃんが4カ月健診を受けていなかったため保健師が訪問したが留守だった。市の担当者は「結果として見逃してしまったことは残念」としている。(共同)
[2010年1月14日11時39分]
ニセ科学、特に医療分野のインチキは、財産的損害だけでは済まず、他人の命まで奪うのでシャレにならない。
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