QandAというか
日本学術会議会長の金澤一郎氏によるホメオパシーに対する批判が公開された。
内容は至極もっともだと思うのだけど、ホメオパシーを擁護する人達からの反論が予想されるので、ありそうな反論を書いて、それに対するツッコミも作ってみる。
【予想される反論】
・科学が全てではない。
【それに対するツッコミ】
・一般論としては確かに科学が全てではないが、物質の種類や存在量と生理作用の関係をはっきりさせるときに人類が使えるものとしては、科学が全てである。
【予想される反論】
・パンヴェニストの論文と追試があるので、水は情報を記憶する。
【それに対するツッコミ】
・Nature vol.366 pp525-527でHirstらが追試をやって、パンヴェニストの結果を再現しなかったことを報告済みである。
【予想される反論】
・学術団体は異端を排除するのか。
【それに対するツッコミ】
・科学としては、ホメオパシーは異端ですらなく、単なる間違いである。間違いであることはとっくの昔に検証が済んでいる。ホメオパシーは、誕生した当初は、当時の科学の1つとして現れ、その後検証にかけられ、間違っているという理由で捨てられた。
【予想される反論】
・「ホメオパシーのような非科学を排除して正しい科学を広める役割を果たさなくてはなりません」などと、学術会議が権威を使って言うのは異端審問と変わらないのではないか。
【それに対するツッコミ】
・むしろこの場合は異端審問ではなくて品質管理。科学の側が既に間違っていて使えないという理由で捨てたもの(=ホメオパシー)が世の中にはびこるというのは、製造の途中でできた不良品(効果がないし使うと危ない)をゴミ捨て場においておいたら、勝手に誰かが拾って「便利なもの」として売っている、というのと同じである。製造元としては、「それ不良品だし使うと危ないから捨ててください」というのが当たり前。
【予想される反論】
・医療機関がプラセボとしてホメオパシーを使うことがない、といっても、臨床試験でプラセボを使っているんじゃないか。
【それに対するツッコミ】
・治療しないと命に関わる病気の治療法の試験でプラセボを使うことは無い。例えば対照群には従来の治療を行い、新しい治療を行ったグループと比較する。勿論患者の同意は得る。これならどちらのグループに入ったとしても、ちゃんと治療を受けられる。「放っておくと大抵死ぬ病気ですが、治験をするために、患者の半分は何もせず放置します」というのが倫理的に通る話の筈がない。
【予想される反論】
・製薬会社の陰謀だ!
【それに対するツッコミ】
・間違いを間違いというのは陰謀でもなんでもない。陰謀を主張する前に、ホメオパシーに効果があることを治験によって示すべき。体験談は却下。
というかその論法だと、外から帰ってきたら手洗い・うがい励行だって製薬会社の陰謀になるよな。石けんとうがい薬が売れるから。
- » Continue reading or コメント (0)