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良いまとめ:

Posted on 1月 18th, 2011 in 倉庫 by apj

 「解雇規制の正体は企業の人事権である」by野川忍(@theophil21)。なかなか良いまとめでわかりやすい。

 人事権手放す気がないのに解雇規制撤廃しろなどという、企業にとってのみ一方的に都合のよい話を受け入れる必要はない。

教師の反撃は当然の権利

Posted on 1月 18th, 2011 in 倉庫 by apj

 asahi.comの記事より

「保護者の苦情で不眠症」教諭提訴 保護者「娘に差別」
2011年1月18日4時1分

 埼玉県の市立小学校に勤務する女性教諭が、再三クレームを受けて不眠症に陥ったとして、担任する学級の女子児童の両親を提訴していたことがわかった。慰謝料500万円を求め、さいたま地裁熊谷支部で係争中だ。文部科学省によると、「保護者が学校を訴える例はあるが、逆のケースは聞いたことがない」という。

 提訴したのは昨年9月。訴状などによると、教諭は1991年に教員になり、昨年4月からこの女児の学級を担任。同年6月、女児と他の女子児童とのいさかいを仲裁した際、母親から電話で「相手が悪いのに娘に謝らせようとした」と非難された。

 これを皮切りに、同月末から7月中旬にかけて、児童の近況を伝える連絡帳に母親から「先生が自分の感情で不公平なことをして子どもを傷つけています」などと8度書き込まれた。

 さらに、父親や母親から文科省や市教育委員会に対し、口頭や文書で批判されたほか、女児の背中に触れただけで警察に暴行容疑で被害を訴えられたという。

 こうした一連の行為により教諭は不眠症に陥り、「教員生活の継続に重大な支障を生じさせられた」と主張している。教諭ら学校側と両親が話し合う場も設定されたが、両親が拒否したという。

 小学校側は提訴の翌月、市教委に対し、「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないようにし、教諭が教員を代表して訴訟を行っていると受け止めている」という校長名の文書を提出している。

 両親は訴訟の中で、連絡帳への書き込みについて「娘は繰り返し嫌がらせや差別をされ、ストレスで体調が悪くなっている。このままでは学校に行けなくなってしまうので、抗議した」と説明。市教委に文書を提出した点については「教諭が話し合いを拒否している。娘が安心して学校に通うための正当な行為」と主張し、訴えを退けるように求めている。

 朝日新聞の取材に対しては「娘は担任教諭から、ほかの児童の前で数十分間しかられたり、授業中に手を挙げても無視されたりするなど差別的な扱いを受けた。訴えられるのは心外で、学校側も実態を調べないで自分たちをモンスターペアレンツに仕立て上げた」と話している。

 小学校の教頭は取材に対し、「教諭と保護者のそれぞれの人権を尊重しているため、コメントできない」、市教委は「訴訟中なので、何も答えられない」としている。

 教師側が提訴するというのは、歓迎すべき傾向。

 教育の場で行われる「人権制限」に対して、「ハラスメント」を理由に異議申立してその後それが適切な制限か不当な制限かを争う時代になった以上、教師側も、不当な異議申立に対しては法的に争う道を確保しない限り、秩序が維持できない。権利主張が一方にとって都合の良い形でのみ可能だというのはあり得ないのだから、今後は教師側もきちんと法的対応をするのが当然だろう。教育の場での権利主張を行えることにしたというのは、学校の論理に社会の論理つまりは法の論理を持ち込むことに他ならない。従って、それが裁判所に続く道だという覚悟をして行うのが当然だし、また、このために「教育的配慮」が、違法になる場合があるという理由により後退しても、それを受け入れる以外に道は無い。
 わざわざ社会と切り離しておいた学校に対して、社会の論理を持ち込んで権利主張をしたのだから、やり始めた人達は、その後何が起きてどこまで影響が及ぶかくらい認識していて当然だよね。

 契約と法で規律される労使関係の中で発生する問題である「ハラスメント」という概念を学校に持ち込むことの意味は、「今後は学校を法化社会にします」という宣言に他ならなかったということだろう。その意識のある人がどれだけ居るかは知らないが。