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電話があったので

Posted on 1月 16th, 2012 in 倉庫 by apj

 ライアンを名乗る女性の方から夕方電話があって話をしました。ジョセフ・ライアンさんの奥さんのようです(電話では、ライアン氏のことを主人、と呼んでおられましたので)。
 途中大声過ぎて聞き取れない部分もありました。いくつかのことを話していただいたので、それを踏まえて、CBFCFへの提案をまとめます。電話では話がいろいろ飛ぶので、なかなかきれいにまとまりませんので、私の主張(=お伝えしたかったこと)を改めて書いておきます。

(1)(お話その1)本来Ryanさんがやりたかったのは、がれき処理法案の撤回訴訟である
 それならばその訴訟と、それに付随する社会的活動に専念してください。御用学者発言撤回訴訟は関係ないでしょう。

(2)(お話その2)御用学者発言撤回訴訟はバズビー氏の案で、バズビー氏は他にも訴訟をやりたがっていた(菅、枝野も訴えたがっていた、など)
 バズビーさんと揉めていることは基金側のウェブにもありますし、バズビーさんの方はバズビー基金と無関係であることを別途表明しています。今後、バズビーさんと組む気がないのであれば、御用学者発言撤回訴訟についてはサイトから削除すべきです。バズビーさんの意志によって計画したものにすぎず、本来の目的の(1)ではないのなら、バズビーさんと切れた今、継続する理由は何もないはずです。また、バズビーさんがそのような訴訟をしたいのであれば、ご本人がやればいいのであって、Ryanさんが下働きをしなければならない理由は無いはずです。
 個別にリストアップされている人達が、バズビーさんのサプリや、Ryanさんのビジネスを悪く言ったということがあったとしても、御用学者発言撤回とは結びつきません。業務妨害だと考えるなら、御用学者云々とは関係無しに、個別の発言の内容について、発言者毎に責任を問うのが筋です。御用学者でくくるのは誤解を招く元です。

(3)seldon technologiesの浄水器について
 http://www.seldontechnologies-japan.com/を見ますと、「NASAが選ぶ世界トップ50のNASAの技術に選択されました」とあります。多分、これが、怪しいのでないかと疑われた原因です。お気の毒です。日本では、インチキな商品が宣伝される時に、けっこうな頻度で「NASA」が登場したという経緯があるんです。ですから、もしこれが本当だとしても、この文章だけ書くと、疑いを誘発する効果が抜群にあります。NASA側で公開しているプレスリリース等の資料(NASAのサイトにあるとか、NASAが出版した本に書かれているとか)へのリンクを示し、事実であることが誰にでも確認できるようにしていれば、そのような疑いは回避できたものと考えられます。どうか、今からでもそのようになさってください。売れ行きが良くなるのではないかと思います。
NASAにソースありました!
http://www.sti.nasa.gov/tto/Spinoff2008/er_4.html
せひこれを販売サイトにリンクしておくべきですよ、ライアンさん。NASAの記述のところからすぐにたどれるように。この件に関しては、本当に不運だったとしか申し上げようがありません。これまでに、NASAを騙ってインチキ商売をした多くの業者のとばっちりですから。

(4)http://reproductivegenetics.com/ と http://www.rgi-ry.com/ について
 縁の深い会社で、トップ同士話せる間柄ならば、本家のRGIのサイトに代理店リストを作ってもらい、日本代理店として、rgi-ryへのリンクを張ってもらってはいかがでしょうか。そうすれば、フィッシングサイトだという疑いは完全に晴れるでしょう。
 偽物が本家とそっくりのサイトを作って個人情報を集めるといったケースが頻発していて、みんな神経質になっています。見た目がそっくりなサイトがあって、代理店であるという記述が無ければ、やはり疑いを誘発します。李下に冠を正さず、ということわざもありますので、フィッシングを行っている人達と紛らわしく見えるようなことは、避けた方が良いと思います。

(5)私がCBFCFに連絡をとった回数等について
 御用学者発言撤回訴訟の記事が上がった後、当該記事の下の部分のリンクすると出てくる、原告・被告募集のページから、被告候補として名乗りを上げました。記憶している限りでは2回です。1回目が昨年の10月20日で、2回目が10月22日です。そちらにメッセージを送った直後にブログを書いたと記憶しています。もし、その記憶が微妙にずれていたとしても、22日のものは日付が正しいはずです。ただ、最初の記憶が少しあやふやです。もしかしたら3回送ったかもしれませんが、22日以降は何も書き込んでいません。
 あとは、今日の午前中に、先日私の顔写真を許可なく掲載したことについて、それがRyan氏の指示であるかどうかと、掲載行為の責任者が誰であるかを問い合わせるメールを1通送りました。
 これ以外は、私からは何も送っていません。

(6)御用学者は裁判費用が国から出るのか?
 そういうことを書いていたボランティアの方も居ますが、根も葉もない話です。数年前に国立大学が法人化したため、紛争は、以前の行政訴訟ではなく通常の民事訴訟に移行しました。裁判費用や賠償金の補助が無いことの証拠として、たとえば、学生実習に伴う事故のための訴訟保険に教員が加入することになっています。

(7)会計報告をお願いします
 今回、Ryanさんの会社までいろいろと調べられて疑われた理由として、私が見たところでは、Ryanさんが過去に行った寄付金についての会計報告が見当たらなかったということが大きな原因となっています。早急に、金額や寄付先の公表をお願いします。これがあるのと無いのとでは、信頼度に天と地ほどの差が出てきます。たくさん会社を持って事業をしていて多忙とのことですが、手を広げすぎて報告がおろそかになっては、逆に信用を失ってしまいます。そのようなことが無いように、ぜひ、きちんと報告してください。

(8)私の職場の電話対応について
 とりあえず真に受けるのは考え物です。
 以前、神戸の磁気活水器マルチの会社とまさに裁判していたときに、その社長から電話があり、電話をとった担当者が「ご迷惑をおかけしています」などと不用意に口に出したため、相手の会社社長のブログに「大学が謝罪した」と書かれるといったことがありました。この社長が、社交辞令でも言質をとりたくてクレームをつけてきたのはわかりきっていますが、どうもウチの事務はそういうことに対して脇が甘いんですよ。ですから信用しないでください。
 ついでに、ハラスメントの件ですが、あれは、私が被害者で学生が加害者の脅迫事件です。ハラスメントに仕立て上げようとした人達が学内に居ただけです。私も営業に差し障りますので、事実関係をhttp://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/lab/apjinfo/harassmentに公開してあります。

(9)情報を集めることについての注意
 私もきくちさんも震災より前から、かたせさんは多分震災以後から(?)、意見表明を快く思わない人から執拗な嫌がらせをされていました。いろんな掲示板等で悪口を書かれたり、言ってもいないことを言ったとされたりしました。特に、私ときくちさんは、マイナスイオン等の広く普及したニセ科学製品を批判したため、そういったものを売りたい人からいろいろと嫌がらせされています。私の場合は、絵画商法(?)の会社の寄付金の集め方を批判して、しつこくブログを荒らされたりしました。ハラスメントの件でも、学生の書き込みを真に受けた人が、私をあちこちで中傷しています。職場に、頼んでも居ないブルーベリーサプリが送られてきたこともありました。
 バズビー基金で提訴対象リストに載り、さらに情報募集が行われると、そういった方々がでたらめをいっぱい書いて送りつけるというのは、いかにも起こりそうなことです。また、ボランティアの方の中に、CBFCFを利用して私達に嫌がらせをしようとする人達が紛れ込む可能性もあります。

(10)訴訟について
 私が、ライアンさんに「どうぞ訴えてください」と言ったら、最初のうちはなぜか興奮しておられて「訴えるだけで済むと思うな」とのお返事で、後の方は落ち着いてこられて、私に「訴訟が好きなのか」などと訊かれました。
 バズビーさんの発案とはいえ、御用学者発言撤回訴訟をするぞ、と先に宣言なさってますし、追加の告訴と提訴対象者リストも先日公開されましたし、がれき処理法案に対しても訴訟をするとおっしゃったのは、バズビー基金の方です。私から見れば、訴訟を好んでいるのはどう見てもバズビー基金です。

 これだけ、先に「訴えるぞ」な内容をウェブで公開しておきながら、さっさと訴えてくださいというと、人間は仲良くできるものだとか争うのは良くないといった理由をつけて難色を示すというのは、私の頭ではもうどうにも理解不能です。(旦那さんの)Ryanさんによる訴訟を止めさせたいので会いたいといわれても、意味がわかりません。訴訟が解決方法だと考えているから、そのようにウェブで予告しておられるのではないでしょうか。名指しして「訴えます」と公表したのだから、訴状を書いて出す以外に余計なことをする必要は無いと思うのですが……。僭越ながら、ご夫婦でよく方針を話し合われた方がよろしいかと思います。

 人生観や価値観についてライアンさんと話し合っても平行線だと思いますし、その気もありませんが、一応、私の考えを書いておきます。
 法治国家において権利が侵害された場合に訴訟をするのは「個人の権利であると同時に社会にとっての義務である」というのが私の基本的な考え方です。これを考えたのは、勿論私ではなく、イェーリングというドイツの法学者で、「権利のための闘争」という本に出てきます。私の愛読書の1冊です。
 また、「法的紛争は近代社会における個人の自立の証」である、とも考えております。これは確か「法学セミナー」に出ていたものです。
 私自身としては、法は活きている、とか、法のダイナミズムのようなものを実感しているといったところです。作ったきり誰も使わなければその法は死にます。裁判制度も同様です。常に使い続けてブラッシュアップするという、不断の努力無しには、法治国家というシステムは維持できず、個人の権利も守れないだろう、というのが私の考え方です。

 あ、しまった。バズビー基金では情報提供者に謝礼が払われることが明記されていたというのに、只で情報提供してしまった。今頃気付いたぞ。後で10万円よろ>ライアンさん。それとも、2時間近くも電話でお話したのに、本人提供の情報は貴重では無かったというご判断?[:ショッキング:]