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これって難民問題なので、必要なのは難民キャンプでは?

Posted on 1月 4th, 2009 in 倉庫 by apj

 この年末年始に、派遣切りで仕事や住居を失った人達のために、「年越し派遣村」を作っての支援が行われている。
中国新聞ニュースの記事によると、

 派遣契約打ち切りなどで仕事や住居を失った人たちに宿泊場所や食事を提供する“年越し派遣村”(東京・日比谷公園)は三日、開設から四日目を迎え、これまで約百七十人が千代田区に生活保護を申し込んだ。派遣村の実行委員会は、最終的に申請は二百人を超えるとみている。
 派遣村には同日午後も失業者らが次々と訪れ、この四日間で四百人を突破。うち約二百五十人が宿泊している東京・霞が関の厚生労働省の講堂は、仕事始めに当たる五日から使用できなくなるため、派遣村の実行委員会は厚労省に、五日以降の衣食住の確保など六項目にわたる要望書を提出した。

 厚労省に対しては民主、共産、社民、国民新の野党四党も三日、「東京以外でも同様の状況が起きており、本格的な対応を求める」などと申し入れた。

 実行委によると、要望書提出の際、厚労省社会・援護局の幹部は「雇用政策の結果による“災害”だという認識か」との問い掛けに「そういう気持ちです」と答えたという。

 「災害」という認識はかなり実態に近いと思うが、これって、難民問題が絶賛発生中と考えて対応しないといけないのではないか。「難民」の説明としては、

1951年の「難民の地位に関する条約」では、難民は、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている。今日、難民とは、政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになっている。
 また、紛争などによって住み慣れた家を追われたが、国内にとどまっているかあるいは国境を越えずに避難生活を送っている「国内避難民」も近年増加している。このような人々も、難民と同様に外部からの援助なしには生活できない。適切な援助が実施できなかった場合、これらの人々は国境を越えて難民となり、結局、受け入れ国の政府や国際社会は、より重い負担を強いられることになってしまう。

とある。
 今回、日本では、労働政策が原因で、住む家を失い援助無しに生活できない人達を大勢生み出してしまったわけで、今、派遣村に居たり路上生活を余儀なくされている人達は、まさに「国内避難民」であり「経済難民」である。いろいろニュースを見ていると、政府は他国の難民を救済する前にまずは自国の難民を救済してくれと思うわけで、難民キャンプのようなものを国内に作って、経済活動からはじき出された人達が再び経済活動に参加できるように支援するしかないのでは。私には、具体的な手順がわからないのだけど、国内にも海外の難民支援をやってきた人達が居るはずだし、そういう人達の知恵を借りて何とかできないのだろうか。


ここからは旧ブログのコメントです。


by mishi at 2009-01-02 00:22:02
Re:これって難民問題なので、必要なのは難民キャンプでは?

「そこで石原都知事の要請に基づき、陸上自衛隊の災害派遣を…」
なんてシナリオはおそらく派遣村が最も嫌がるんだろうなあ


by shunsoku at 2009-01-58 01:00:58
難しいと思いますよ。

 「外部からの援助なしには生活できない」人々で、「適切な援助が実施できなかった」場合が、「難民」に当たるわけですから、認定に当たっては、住んでいた地域の行政に充分な統治能力が欠けていると認めなければなりませんね。
 愛知県知事や東京都知事、日本政府がそれを認めるとは思えません。
 この場合「必要な援助」が制度としては存在することになっているのですから、その制度を活用することが先になります。
 具体的には生活保護の認定と、居住する場所の紹介・斡旋ですね。実際、法律の通りに実行すれば、ほとんどの人が生活保護の認定を受けることができるはずなんです。厚生労働省の(法の精神を捻じ曲げる)余計な通達とか、生活保護費の削減ノルマとかを無視すれば。
 制度を使ってもうまくいかないときには、緊急避難としての特例措置の実行と、制度の改善を行う、という順番だと思います。


by miya.h at 2009-01-08 06:30:08
複雑な気分

 たしか、何年か前に新卒高校生の派遣会社への就職が解禁となり、内心やめとけと思いながら、何も出来ずに日々を送ってきました。もちろん正社員になっても半分は三年で辞めるわけですが、それとこれとは話の本質が違うわけで、このようなニュースを聞くたびに忸怩たる思いがします。
 多少景気が上向いてきたきた頃は、職種を多少変えても堅実な就職を勧める指導はどうも古くさく思えて、なんとなく時代に乗り遅れているように感じたものです。指導者として浅はかでした。だからといって、そのときに今を予想できたとしても、自分に何が出来たかというと、実はよくわかりませんが。
 ところで、生活保護が住民票が無くても出来るというのは今回初めて知りました。千代田区に大量の申請が来ると、そのために事務が滞ってしまわないか心配です。一度に170人ですよね。あとお金の工面はどうなるのかな?


by 新井 at 2009-01-58 06:38:58
パレスチナ難民に9億円の人道支援するなら国内難民にも同じ人道支援を

パレスチナには9億円 派遣難民への人道支援は?
首相、パレスチナに人道支援9億円規模 アッバス議長と協議

 麻生首相は3日パレスチナ自治政府のアッバス議長と約15分間、電話で協議し、  中略  1000万ドル(約9億円)規模の人道支援をする考えを表明。アッバス議長は謝意を示した。

 強盗国家ナチラエルにより、ナチス以上の残虐な仕打ちを受けているパレスチナ難民に支援するのは結構な事であるが、自民党小泉政府の政策の結果として国内難民化している人たちに、それと同等以上の支援を行う事が当然であるのに、なぜ行わないのか。

 話はちょっとそれるが、小泉政権で竹中平蔵と組んで規制緩和に邁進した宮内の支配するオリックスは、厚生年金から膨大な金額を支出して建設したレジャー施設などのほとんどを引き受けるらしい。どうせ、建設費の100分の1以下という安値で買い取って、旨い汁を吸いとろうという官とオリックスの図式が最初から描かれていたのだろう。


by apj at 2009-01-36 07:28:36
大学も同じ

miya.hさん、

 大学は、高校ほど積極的に就職斡旋をしませんが、教員をしていると学生とそういう話をすることもあります。私としては、派遣はやめておけ、ということと、ブラックを踏むな、ということだけは伝えています。従業員の定着率が異常に悪い会社は何かあるはずだから避けろ、と。
 今派遣で働いている人達を差別したりさげすんだりする気持ちは全く無いのだけど、学生にはやっぱり、キャリアを考えて就職してくれ、と言うしかないんですよねぇ。若いうちは多少不安定でも何とかなるかも知れないけど、歳取るのは早いよ、とか^^;)。


by 摂津国人 at 2009-01-23 10:30:23
失礼ながらまたツッコミ

>政府は他国の難民を救済する前にまずは自国の難民を救済してくれと思うわけで

 「する前にまず」は余計ですね。
 気持ちはわかりますがそれとこれとは全く別の話です。
 
〈外務省のホームページより〉
>1946年から51年にかけて、約6年間にわたり日本が受けたガリオア・エロア援助の総額は、約18億ドルであり、そのうちの13億ドルは無償援助(贈与)であった。現在の価値に換算すれば、約12兆円(無償は9.5兆円)となる膨大な 援助であった。この援助がなければ日本の復興は考えられなかったのである。

>1948年から55年にかけて、日本などに送られた「ケア物資」は金額にして5000万ドル(当時では180億円、現在の貨幣価値に換算すれば約4000億円)に達した。
 その内容は、食料品、菓子、コーヒー、紅茶、砂糖、および石鹸など日用品も含め多岐にわたるものであった。
 このケア物資によって助けられた日本人は小中学生をはじめ1,500万人に上った。
 戦後の絶望的な混乱期に多くの日本人に夢と希望を与えてくれた多くの諸国の民間人、ボランティア団体(NGO)の善意と友情を忘れないようにしたいものである。
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/gaiko/oda/hanashi/story/1_2.html

 「他国の難民の救済」は平和大国日本の名誉有る責務だと思います。
 ・・・・たぶん国益にもつながります。

>国内にも海外の難民支援をやってきた人達が居るはずだし、そういう人達の知恵を借りて何とかできないのだろうか。

 そんな畑違いの人に頼らなくても日本にも労働問題や福祉のプロは居るのでは?。

 誤読でしたら申し訳ございません。


by apj at 2009-01-24 11:32:24
余力があったら、ですね

摂津国人さん、

> 「する前にまず」は余計ですね。
> 気持ちはわかりますがそれとこれとは全く別の話です。

 前に、は不適切ですね。「余力があるなら」の方が適切でしたね。他国民に対してできることが自国民に対してできないというのは、やっぱり変だと思うので。
 なお、国益を出すのはミスリードではないかと。

> 「他国の難民の救済」は平和大国日本の名誉有る責務だと思います。

 国内で、このまま放置すれば難民発生になりそうな人達を作っておいて、名誉って言われても、何だか皮肉に聞こえますけど。

 労働問題のプロが居るとして、派遣法の改悪は止められなかったんですよね。個別の紛争を解決してくれてはいるので、今後に期待したいです。


by 新井 at 2009-01-29 20:28:29
余力があろうがなかろうが

>> 「する前にまず」は余計ですね。

> 前に、は不適切ですね。「余力があるなら」の方が適切でしたね。

個々人のことで考えると、家族の面倒を見ることができた後で、つまりapjさんの仰る余力があるなら、不幸な他人の面倒を見るのが普通でしょう。貧者の一灯ということもあるでしょうが、そういうことが普遍には行われていなかったからこそそういうことわざができたとも考えられます。

 がりオアなどの援助は確かにありがたがったですが、何も米国は旧敵国を、食うや食わずでかわいそうだという哀れみの感情だけで援助したわけではないでしょう。援助の背景には、企みといって悪ければ、国家戦略、必ずがあるものです。

 第一次世界大戦後のベルサイユ条約で、援助されるどころか、膨大な賠償金を取り上げら疲弊したたドイツの、その後の第三帝国出現を招いた手痛い経験から、戦後日本の貧困飢餓状態を放置しておくと社会状況が極めて不穏となること、それにソ連の脅威が増大してきた国際状況等を考慮して、日本に援助する事が米国の利益に最適であると判断したからこそ援助を行った事は明らかです。また、戦争継続用の食料その他の資材が終戦で余ったために、それらの余剰食糧などのはけ口としての援助だったということも認識すべきです。

 対日援助を示す例として挙げられた外務省のHPの記事は、米国務省の在日出先機関の一面もある外務省の発表ですから、かなり割引して読む必要があるでしょうね。

 援助に感謝する事は当然ですが、米国を初めとする連合国の占領軍の維持費用は全て日本が負担していたので(例えば、戦後処理費という名の占領費用を捻出するために、多くの新税が課された)、それを勘案すると、正味の援助金額はそう大したものではなかったようです(摂津国人さんのような資料探索能力がありませんので資料を示す事はできませんが)。

 勿論、国家戦略の一環として援助を利用する事が悪いとは言いませんが、失政のために生じた国内難民を見殺しにして、外国に援助する必要性を私は認めません。

 最後に、今回のガザへの緊急援助とは関係ありませんが、これまでの対外援助の、おそらく、大部分が、援助を必要とする人たちではなくて、支配者の懐に入ったという事実も対外援助疑問視を裏付けるものです。

 例えば、「可哀そうな」パレスチナ難民への援助のかなりの部分がアラファト議長により横領され、その遺産数億ドルが彼の「パレスチナ人ではなくて白人の」妻の手に入った事も記憶に新しいところであります。


by 新井 at 2009-01-53 20:51:53
アラファトの夫人について

 ↑の投稿でアラファトの夫人を白人と書きましたが、調べましたら誤りでした。下記のとおりです。

イタイハナシ より

 スーハ夫人について、
彼女は、1963年に ナブルスの裕福な家庭に生まれる。仏ソルボンヌ大学で学ぶ。   90年ごろキリスト教徒からイスラム教徒に改宗。  アラファトと、1991年に結婚。28才と62才の超年の差カップルとなる。現在は、愛娘ザフワさん(9)とパリに暮らす。月々5万ドルの仕送りを議長から受けていたとか。地元メディアでは、夫人への送金は、既に900万ユーロ(12億円強)を超えるという報道もある。

 夫人がキリスト教徒ということを読んだことがあって、そのために白人と早合点していました。


by 摂津国人 at 2009-01-56 23:22:56
Re:これって難民問題なので、必要なのは難民キャンプでは?

apjさん、ご返答有難うございます。
>なお、国益を出すのはミスリードではないかと。

 貿易・通商国家である日本が外交にある程度のお金を使うのは充分に経済活動でもあります。
 上に新井さんが書かれているパレスチナへの「人道支援」も石油を中心に資源大国を多く抱え、地理的にも日本にとって重要なイスラム諸国へのアピールと見るのが当然では?。
 例え余力が無く借金をしてでも必要と考えられる「投資」をするのも経済だし中長期的には雇用対策でも有るでしょう。
 これもミスリードと言われるのでしたら仕方有りませんが。

 とりあえず申し上げたいのは社会コストについて単純に「我々」以外に使われるお金を「まずこちらにまわせ」と考えるのは余りに安直では無いかと(具体的な無駄遣いは別として)。

>労働問題のプロが居るとして、派遣法の改悪は止められなかったんですよね。
  
 そりゃ法律を作るのは立法府の政治家の仕事ですからねえ。
 
 大げさな言い回しは「愛国者(笑)」なもんですみません。


by 摂津国人 at 2009-01-11 23:39:11
Re:これって難民問題なので、必要なのは難民キャンプでは?

新井さん
>国内難民を見殺しにして

 現在の報道を見ると少なくとも結果的には「見殺し」にはしていないような気がしますが。


by shunsoku at 2009-01-06 10:56:06
横レスですみません

>摂津国人さん

 現在のその問題に関する報道は、「困っている人を誰かが集めた状態」の場所に行って、情報を流しています。
 たとえば、この冬すでに凍死した人や餓死した人が何人イルカの統計さえこの国にはないので、「見殺しにしていない」とはいえないでしょう。
 これまでだって、餓死・凍死したホームレスの全国集計なんて、一度も取ったことがない国なんですから。


by 摂津国人 at 2009-01-52 20:08:52
御指摘有難うございます。

shunsokuさん
 おっしゃる通りです。まだまだ多くの人が「見殺し」にされているのは間違いありません、良くない書き方でした。
 希望的観測過ぎかもしれませんが今回のマスコミの報道、厚労省の対応や千代田区の生活保護申請窓口の開設は

> 具体的には生活保護の認定と、居住する場所の紹介・斡旋ですね。実際、法律の通りに実行すれば、ほとんどの人が生活保護の認定を受けることができるはずなんです。

への新たな物差しの小さな第一歩だと評価したいのです。


by shunsoku at 2009-01-46 08:45:46
本当に、改善の方向へ向かえばよいのですが。

摂津国人さん
>新たな物差しの小さな第一歩だと評価したいのです。

そうであってほしいと私も思うのですが。

今回、「年越し派遣村」経由の人の生活保護の申請は受理されたようですが、認定されたわけではないようですので、今後の情報に注意ですね。
 生活保護の申請に住民票は不要だ、ということを、私はうかつにも初めて知りました。とにかく生活に困ったら申請できるように、制度自体は作られているんですね。

 ところで、貧困に関する調査を改めて行うつもりはないか、という社民党 辻本議員からの質問に対して、首相は「これまでの調査で十分だ」と、今日の国会で答弁しました。
 どうやらこの冬も、凍死者 餓死者に関する統計は、政府は作るつもりがないようです。現状を把握しないで対策が作れるはずがないと、私は思います。


by くりくり at 2009-01-07 04:55:07
無知晒してますね

なにか気の利いた変わった事言いたいのかもしれませんが、無意味な言葉の言い換えをしたり、知りもしない日本の外交戦略に無意味な言及をしたり、いつもながら質が低いですね。パレスチナ難民支援は外務省と首相官邸で様々な要素を考慮した上で決定したものです。政府の総予算の中で何かを削って何かに増やすという決定事項の中で、派遣切り問題とパレスチナ支援問題をは何の関係もないものです。派遣切りを難民と買ってに呼び変えたら、そのようなリンクが出来るという強弁は、2ちゃねるかなんかみたいで滑稽だと思います。


by apj at 2009-01-40 06:21:40
いつもながら読解力が低いですね

くりくりさん、
 パレスチナのことなんか何処にも書いてないのに読み取るなんて、どういう読解力なんでしょうねぇ。


by apj at 2009-01-26 06:29:26
いつもながら読解力が足りないですねぇ

くりくりさん、

 パレスチナのことなんか何処にも書いてないのに読み取るなんて、どういう読解力なんでしょうねぇ。コメント欄で書いた人が居るには居ますが、それなら、誰に対するコメントかくらいはわかるように書いた方がいいのでは。

 私の元エントリーでは、別にパレスチナを想定してません。また、「難民」と敢えて書いた理由は、安易かつ行きすぎた自己責任論に対抗するためです。
 2ちゃんねることは知りません。というか、気に入らない言論を見かけたら2ちゃんねるに結びつけるあなたの議論の仕方の方が滑稽です。


by 新井 at 2009-01-46 20:12:46
無知で悪いですか

くりくりさん

 パレスチナ難民のことを書いたのは私ですが、「知りもしない日本の外交戦略」とは何を根拠にそう断定しているのですか。私はマスコミやネットで報道された情報を基にしてそういう外交戦略について言及しましたがなぜそれが無意味なんでしょうかね。それとも貴方は首相官邸などの政府中枢の関係者であるとか、何か特殊なルートを持っているとかで、私のような普通の国民の知りえない特別な「外交戦略」を知っているとでもいうのでしょうか。

 政府の行為については誰でも批判の自由はありますし、そういう批判が多数を占めれ政策を変更させることにもなり、過去にもそういう例はいくらでもあります。「首相官邸で様々な要素を考慮した上で決定した」ものであってもその決定が全て正しいとは言えないでしょう。それとも貴方は「・・・様々な要素を考慮した上で決定した」政策であれば全て正しいと考えているわけですか。民主主義の下では国民の多数が正しくないと考える事が正しくないことになるのです。オワカリですか。