ソフトランディングさせる方法はあるのだろうか
chem@uさんの「教育における法治と道徳」を読んで。
もっとも、私はすでに「否応もなく子どもたちに回されることになる」ところまで現状が進んでいると認識している、元記事にトラバいただいた、このリンク先では、まだ「現場に背負わせることができる」と考えている、そういったポイントオブノーリターンの判断点の違いと見ると、考え方にそれ程大きな違いはないのかもしれませんが。
教育はどうなるのか。「古きよき時代」を続けることがこの先不可能になるのか、もしなると考えるなら、どういった未来像を描けばいいのか、そういったことを考えています。
私もまだ、ドライに割り切って法的対処のみに進めていくべきなのか、ウェットな関係が継続していけるのか、自らの教育の場での姿勢を切り替えるほどには現状に悲観していませんが、楽観もできないと感じます。学生と築く信頼関係とそれに依存した教育、これは、信頼関係を築けないケースでは脆弱です。どうするのか?、この答えの一つは「ムラ社会型の教育機関への縛り」を排除することですが、信頼関係と両立しえるのかは難しい問題。「地雷」を踏む前には自分なりに決着させなくてはいけないのだけれど。
chem@uさんはまだ逡巡しておられるようだが、昨年、私は既に「地雷を踏んだ」経験をしてしまった。だから、本当に困窮している人に手を差しのべる方法を盛り込みつつも、ドライに割り切る以外に方法はないだろうという感触を持っている。
私が踏んだ地雷は、去年、キャンパスハラスメントの加害者にされかかったという件である。私が実際にしたことを、弁護士にも相談したら「あなたの件はこれまできいた話の中で一番何も(ハラスメントの実態が)ない」と言われたのだが。この時の経験で、「提訴の方が教員にとって安全」というエントリーを書いた。ためらわずに教師と学生の関係ではなく人対人の関係に移行せよ、という、つまりは法的対応のススメである。
一方当事者の言い分であるということと、守秘義務故に詳細が出せないことを予めお断りしておく。端的に言えば、ムラ社会の論理(好き嫌いとか、多分に個人の価値観に依存する「教師はこうあるべきだ」という理想像や、ローカルな信頼関係を最優先したいといった発想)を全うするために、ドライな法的手法で処理することになっている手段(=ハラスメント処理手続)を利用して、他人(この場合は私とあともう一人)に攻撃が仕掛けられた、ということである。私の推察するところ、元々がムラ社会的発想の人々が仕掛けてきたものだから、ドライな法的センスによる反撃は予想していなかった節がある。むしろ、「教師の立場」「教師のあるべき姿」といった従来型の縛りの存在を当然の前提として、その縛りの範囲内で対処しようとすれば何一つできないだろうという発想で仕掛けてきたように見えた。それで、私は、その縛りから敢えて離れて法的センスによる対応に踏み切ったので、まあそれなりに何とか手を打つことができた。
自己の欲求を通すためにドライな法的手法を利用してくる相手に対しては、ウェットな信頼関係の維持を優先するという縛りは邪魔どころかむしろ危険ですらある。従来型の縛りにとらわれていて反撃の機会を失ったことで不利な立場に立たされたら、ドライな方の法的手法は(それが法律ではなく、学内規則といったものであっても)この社会では何らかの実効性を伴うから、本当に抹殺されかねないのである。この危機感を肌で感じたから、私は、教育機関であっても法的対応を優先すべきだという立場をとることにした。
それで、chem@uさんのコメントに対する私なりの現時点での回答をしてみる。
従来型のムラ社会型の縛りから教育機関を解き放つしかない、ウェットな従来型の関係を継続するのはもはや不可能というのが私の結論である。だから、反対意見もあることを承知の上で、学費不払いの対処についても、法的に対処すべきという立場を支持し続けている。
私だって、従来型の縛りのウェットな関係がまだ有効に機能している環境で、生徒としての時間を過ごしてきた。従来型の縛りはそれなりに快適だし機能していたことも体験している。それでも、残念だけどもう無理だろうという感触を持つに至ってしまった。
この方向に進むと、必然的に敵対することになるのは、従来型の縛りを支持する人達ということになる。その中には、従来型の人間関係や「教師の立場」といったものを重んじる、個別に見れば教育者としては望ましい資質を持った人達が含まれる。「いい先生」(これは皮肉ではなくて本当の意味でいい先生)に向かって「善意(←一般用語)で問題は解決しない」という、身も蓋もないことを言わなければならない。これだけ見れば、ほとんど嫌がらせである。その一方で、アカデミックハラスメントをやってしまうような、教師としての権力で他人をコントロールしたがる人とも正面衝突することになる。ウェットな従来型の関係を否定することは、そういう人達が拠って立つものを否定することに他ならないからである。この道を行くなら、悪役になりきる覚悟はしておいた方がいいかもしれない。
もちろん、信頼関係がまったくなければ、教育は成り立たない。おそらく、ムラ社会型の縛りを突き崩した後は、信頼関係の中身が違ってくる。従来型の「教師と学生の(情とか師弟関係とかなかなか明文化しにくいものに基づく)信頼関係」ではなくて、教師と学生の間で「相手が一定のルールを守るだろう」という、法化社会型信頼関係とでもいうものが共有されるという形になるのではないか。
※文中で法的センスによる対応とか、法的対応と書いたが、これは必ずしも訴訟法を使っての手続を意味しないことをお断りしておく。規則や制度の利用等の発想というか心構えのような部分が「法化」したという意味である。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 我楽者 at 2009-03-35 16:35:35
教師も大変ですね
ハラスメントの件、大変でしたね。
教師と生徒の関係に法的処置が必要になるのは残念ですが、相手が法を利用して来るのであれば、それに対して法的防御を行うのは当然の事だと考えます。
まして今回の相手は既に成人した人間。
どうやら統合失調症の治療を受けていたようですので、病の症状としての「妄想」から行動を起こした可能性もあるのかもしれませんね。
これは部外者の単なる推測に過ぎないのですが。
by 酔うぞ at 2009-03-39 18:37:39
どこから手を付ければ良いのか分からない
公立高校の教育事務あるいは授業運営にかかわる問題はあまりに問題が大きすぎ、複雑すぎてどこから手を付けるのがよいのかよく分からないというのが現実です。
一番始末が悪いのは、指揮命令系統が多重になっているために、結果として現場で指揮命令も責任体制も機能しない、だから事件の責任は直接現場負うことになる、ということだとは思いますが、これは「事件になったら、現場が個別に法的対応をすればよい」とも言えます。
しかし、これでは「事後対策」にしかなりませんから、問題発生の抑止には有効ではありません。
物理的というか教員の事務量が多くなりすぎている事についても、今のところ抜本的な対策がありません。
こんな問題は、大学のように助手などを用意すればだいぶ変わるはずです。
実は公立高校の助手に相当する人たちは授業以外にたくさん居るのですが、これが人事が全く別系統。
配転も現実にはありませんから、移動が多い先生の言うことを聞かない「主」のようなのが多くなったりします。
さらには、事務方と校長が疎遠ですし、校長と教師は対等だったりします。
これでは、指揮命令系統以前に「誰が何を公表するのか?」という責任すら分かりません。
そして、忙しいから「その時に問題がなければOK」とせざるを得なくなります。
わたしが、学校に社会人講師として行く時に、一番注意するようにしているのが「学校に負担を掛けない」です。
多くのNPOなどが学校に入ってきていますが、一番困るのが「後片づけを学校に押しつける」などだそうです。
こんな事を聞くと持ちこむこちらとしては完全独立型にせざるを得ず、最近では「マーカーのセット」とか「ハサミのセット」などという学校に当然あるだろうモノまで、持って歩いています。
ここらヘンの、実情を知らない人にとって「学校長はすべての責任者」と思うのが普通でしょう。
事務長の責任とか教育委員会の責任と考える以前に、ここまでバラバラだと思わないでしょう。ひょっとすると事務長の責任なんて事を全く考えないのかもしれません。
その意味では、元の記事が取材不足である、ことは間違えないところだと思うのです。
by apj at 2009-03-32 19:12:32
対学生だけじゃなかったので
我楽者さん、
問題が、「学生と教師の間」のみにとどまっていたら、ハラスメントで誤爆されようが、まだ、従来型のウェットな縛りの中で問題を解決する余地があったんです。今の時代、学生側に甘えがあるのは仕方がないし、私も教員を仕事にしている以上、それを受け止めるつもりもあった。
法的センスで対応するしかない、という方針を決定づけたのは、学生の行動を口実にしてハラスメントの既成事実を作ろうとした教員(複数)が居た、しかもその攻撃は、私だけではなくもう一人別の教員に対しても同時に行われたということが原因です。
by apj at 2009-03-41 19:26:41
大学にも助手はほとんど居ません
酔うぞさん、
>こんな問題は、大学のように助手などを用意すればだいぶ変わるはずです。
大学にも助手(学校教育法改正後は助手又は助教)はほとんど居ません。以前は、教授ー助教授ー助手、で一組という目安で、3分の1位は助手人口があったのですが、大学院重点化で助手のポストを助教授や教授に振り替えてしまったので、助手が0という学科も少なくありません。しかも、新規採用の助教や助手が任期制というところが増えています。ということは、そのポストに採用された若手は、雑用をしていたのでは将来が無くなります。任期の間に必死で研究をして論文を書いて次の職をさがさないといけないので、とても、雑用をしている余裕なんかありません。
一般用語として補助的仕事をしてくれる人という意味での「助手」の方は、ほとんどの場所で期待できません。余程の力のある研究室がでかいプロジェクトをやるため補助として秘書を公募する、ということはありますが、そういうのは巨大研究室以外は有り得ません。
トップから有能と目をつけられた人から委員会のメンバーに入れられ、会議と雑用で追いまくられて、研究室にはろくに居られず、学生の不満が高まるというのが現状です。国立大学法人についていえば、大学法人化の後、運営に関わる業務が激増し、それが全部教員にかかってきて、教育や研究に割けるリソースは減る一方です。
少しだけ触れたキャンパスハラスメントについて。
1件発生すると、委員会を開き調査担当者が調査し報告書を作って報告し学内調停もする、と、関係者の時間と手間を相当消費します。
ところで、新聞には、本物のハラスメント事件が時々報道されています。一般の人達は、あれが「本物のハラスメント事件の氷山の一角」で、教育機関には教員から学生に対するハラスメントで表面化しないものがもっと多いはずだと思っているかもしれません。実際には「他人をコントロールしたい」バカが多いために、教員同士の「(まともな原因を伴わない)ハラスメント申立合戦」が無視できない割合で派生しているようです。ハラスメントの処理システムが、他人をコントロールしたいという欲望を満たすための恰好の道具に成り下がったという方がむしろ現実に合っているかもしれません。
by 我楽者 at 2009-03-42 04:08:42
成るほどそういうことでしたか(納得)
>学生の行動を口実にしてハラスメントの既成事実を作ろうとした教員(複数)が居た、しかもその攻撃は、私だけではなくもう一人別の教員に対しても同時に行われたということが原因です。
そういう事態であれば、完全決着をつけるしかありませんね。
学生はどちらかと言えば上手く利用されたようですね。
まぁ二十歳過ぎている事ですし、元々精神疾患で判断力が鈍っていたとは言え、事態を引き起こしたのはあくまで本人なのですから、これはもう自業自得で仕方ない。
しかし彼を利用した教員について、教師としての社会的責任から何らかのペナルティを食らうべきではなかろうかと言う気がします。
本来ならハラスメント提訴の前に相談された時点で、その事実を確認して提訴すべきかどうかを「その学生の将来を考えた上で」(誤爆だと本人が色々な面で辛くなる)考えるべきであると思います。
しかし、apjさんのみならず、「他の教員1名も」攻撃対象だったというのは、何やら表には出せない大学内部の事情と言うものがありそうですね。まぁ、何処の世界でも同じようなものですが。
ところでこの件、「モンスタースチューデント」といった感じで個人blogのネタにさせてもらおうと思いますが、構いませんか?
万一支障あるようでしたら、自分のblogのゲストブックか日記のコメント欄に書き込みいただけるとありがたいです。
by 酔うぞ at 2009-03-02 04:48:02
小中高では
apj さん
> 大学にも助手(学校教育法改正後は助手又は助教)はほとんど居ません。
なるほど。
ではありますが、小中高の先生は単純に仕事が増えたんですよね。
そして、以前からそれこそ給食費の徴収なんてものもやっていて、それは変わらないままで、不払いとか出てきている。
普通に考えて、事務量は増えた、仕組みは昔と同じ。
であることは動かないわけです。
さらに、授業時間の短縮(土曜の休み)がある一方で、ゆとり教育系統の教材作りとかは増えた。
全体として「どうすれば良いのだ?」状態のままで推移しています。
副担任性を取っている教室も多いですが、これも助手じゃないから手分けして動かないケースが多かったり・・・・・・・。
なんでこんな事を放置しているのでしょうかねぇ?
by apj at 2009-03-08 04:57:08
Re:ソフトランディングさせる方法はあるのだろうか
我楽者さん、
アメーバブログはアカウントをとらないとゲストブックに書き込みができないので、一応こちらで書いたあと、そちらにも書きにいきます。
守秘義務が絡むので、私の方からほとんど情報は出せません。この点、他の訴訟とは状況が違います。公開可能な情報だけご利用ください。学内処理の決着がついたら、情報開示手続をやって、残りの部分の資料を入手するつもりですが、年度をまたぐ可能性もあります。
私は、私の個人情報の開示を求められる立場ですから、名前を特定しての開示がかけられます。一般の情報公開手続でやるには、人の特定ができませんから、例えば、「平成20年4月1日から平成20年12月31日までに申し出がなされたキャンパスハラスメントの調査結果の報告書」といった特定の仕方でなら、個人を特定する情報を除いた部分が全部出てくる可能性があります。
元のきっかけとなった移転前のblogの該当の記事は、魚拓が残っているかもです。
あと、2ちゃんねるのどこかにも、当該学生が書いたらしい思われるものがあるはずです(私はまだ確認していません)。blogの方は早々に消したので、むしろ2ちゃんねるのログの方が資料として使えるかもしれませんが、まあ、2ちゃんねるですから、それなりの扱いになるのでしょうけど。
人相手の仕事だから、クレームが来るのは、まあ仕方がないことです。企業と違って、専門のクレーム処理の部署は大学にはありませんから、教員が個別に対応したり、ハラスメント処理の委員の人が対応したりするしかありません。この点、経験の蓄積という意味では、企業よりも相当不利な状況にあります。また、企業の対応と同じで、クレーム処理というのは、クレームをつけた人にペナルティを与えるものではなく、説得したり、場合によっては味方にする方向で動いたりといった対処が必要だと考えています。
でも、クレームを口実にして同僚を背中から撃とうとする人が職場にいる状態で、クレーム処理システムが機能するかというと、それは多分無理でしょう。民間企業でも多分無理ですよね。
by apj at 2009-03-00 05:02:00
政治的に正しくない仕事熱心と努力
酔うぞさん、
>ではありますが、小中高の先生は単純に仕事が増えたんですよね。
>そして、以前からそれこそ給食費の徴収なんてものもやっていて、それは変わらないままで、不払いとか出てきている。
総じて、真面目な努力家が教師になることが多いため、無理なことを言われても素直に実行しようと限界まで努力してしまったからではないでしょうか。
一時的に現場が混乱しても、無理は無理と社会に分からせれば、手当がなされたのでしょうが、「うまく回っている」外見を維持してしまったからますます負担が増えたのでは。
ただ、現場の混乱=生徒への被害、を意味しますから、無理難題に抵抗するにも生徒を人質にとられた恰好になってしまっていて、使命感を持ったいい先生ほどそちらに進むことは難しいのでしょうね。
超人的な努力を求められる前に努力を放棄して、崩壊の兆しを見せる方が政治的に正しい対応だったのかもしれませんが……。
by apj at 2009-03-36 05:27:36
補足です
我楽者さん、
>学生はどちらかと言えば上手く利用されたようですね。
>まぁ二十歳過ぎている事ですし、元々精神疾患で判断力が鈍っていたとは言え、事態を引き起こしたのはあくまで本人なのですから、これはもう自業自得で仕方ない。
>しかし彼を利用した教員について、教師としての社会的責任から何らかのペナルティを食らうべきではなかろうかと言う気がします。
この問題の厄介なところは、当該学生を利用した教員が、
「病気の学生の為を思ってやった」
「教師として学生の言い分を信じるのは当然」
という大義名分を掲げることができるという部分にあります。さらに、私に対しては、
「客である、守ってやるべき学生に反論するのは教師として問題」
「話し合って解決しろ、妥協しろ」(←従来型ムラ社会の縛りの強制)
といった内容の非難が行われることになります。
この構造を、何かあった場合に外部の人にも分かるような形で突き崩さなければならないので、こちらも下手なことはできないという状態です。
by 我楽者 at 2009-03-52 08:45:52
こちらでお話しましょう
>apj様
アメーバは「コメント」に書いていただいても良かったのですが、わざわざアカウントを取っていただくよりは、私がこちらにお邪魔します。
私の書こうとしているのは、大それたものではなく「この様な事もあるのだ」程度の、収集した情報を集めてt章分析した程度のものになります。
もちろん情報ソースは、apjさんが既に公開している情報(というか、ボヤキですね)と、相手が公開している情報、及びにちゃんねるなどの書き込みです。
あらたまってapjさんから情報を頂くつもりは毛頭ありません。
2ちゃんねるについては今日読んだはずなので、見つかったらこちらでお知らせします。
それでは今回はこれで失礼します。
by apj at 2009-03-20 09:11:20
お越しいただきありがとうございます
我楽者さん、
こちらにお越しいただきありがとうございます。助かります。
なお、2ちゃんねるについては、私は一切この問題に関連することを書いてはおりません。キャンパスハラスメント一般に関する議論も、全く書いておりません。
相手が、私が書いたと誤認している可能性がありますし、匿名掲示板の常として、私を騙る者が現れるといったことが起きたかも知れませんが、私とは無関係です。
問題が始まった時から、最悪の場合は裁判所でのやり取りになる可能性も考えていました(今のところまだ大丈夫のようですが)。うかつなことを書いて、相手にログを抑えられIPから特定されることがあったら、私の方の大失点になりかねません。ですから、一切2ちゃんねるには書かなかったし、学内手続が始まってから決着するまでの間、相手が私の管理するところに書きに来たものも、ログを保存後速やかに削除し、アクセス禁止にするといった措置をとっています。
by 我楽者 at 2009-03-34 09:52:34
2ちゃんねる残っていました
apj様
考えてみれば、今は裁判の事だけでも相当お忙しいはずでしたね。
apjさんの状態も考えずに、また本来こちらがお断りを入れるべき所を、「こちらに来い」などと申しまして、大変失礼な振る舞いをしたことを恥じて陳謝致します。
申し訳ありませんでした。
ところで訴訟慣れと言うと褒めているのかどうか判らない気もするのですが、先を読んだ対応ですね。
>一切2ちゃんねるには書かなかったし
>相手が私の管理するところに書きに来たものも、ログを保存後速やかに削除し、アクセス禁止
この様に言っては申し訳ない気もするのですが、正直読んで勉強になります。m(__)m
ところで私が情報元として扱おうとしているのは、以下のようなものです。
・2ちゃんねるメンヘル板?http://unkar.jp/read/life9.2ch.net/mental/1212628738
・ハラスメント提訴者のblog http://yamagatanohigeki.blog.shinobi.jp/
・前記blogの魚拓(2008年9月10日)http://s04.megalodon.jp/2008-0910-1558-11/yamagatanohigeki.blog.shinobi.jp/
・Matilog http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2008/06/blog_868f.html#comment-31794436
・事象の地平線キャッシュ(2008年6月5日)http://s03.megalodon.jp/2008-0605-0101-24/www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=9851
と、こんな所です。
提訴者のblogは検索ですぐに引っかかりました。
後は2ちゃんねるが引っかかったので、そこのリンクから芋づる式にMatilogやキャッシュやらが出てきました。
2ちゃんねるを精読すればもっと関連情報へのリンクがあるかもしれません。
上記について(特に削除した前ブログのキャッシュなど)取り上げることに問題があれば(流石に学生証ナンバー等は記載を控えますが)ご指摘頂ければと。
もっともそれ以前に私のような「当事者と利害関係のない第三者」でも、情報収集とそれに対するコメントなどをネットに流す事でapjさんに対して何らかの支障がありますでしょうか?
2ちゃんねるでは昨年半ばから既に「知る人ぞ知る」状態であったようですが、万一迷惑をお掛けする可能性があるのであれば、取り上げることはありません。
しかし提訴者は、自分のblogとは言え生い立ちから学歴、現所属先まで記した上に(本人と思われる)顔写真まで露出した上で、2ちゃんねるに書き込みをするとは、大した度胸(実際には世間知らずの怖いもの知らず?)ですね。
まぁ「化学板?」でコテンパンにとっちめられて、メンヘル板に移ったようですが。
やはり本人は「只者ではない(普通ではない)」オーラを発していそうです。[:ショッキング:]
by apj at 2009-03-23 12:21:23
Re:ソフトランディングさせる方法はあるのだろうか
我楽者さん、
既に公開済みの情報から意見論評を書くのは、どなたでも自由にして良いことです。私に止める権限はありませんし、そのようなことを主張する立場でもありません。
ただ、本人特定につながる情報をことさら取り上げるとか、その情報へのリンクを貼るということは、本人のblogは別として(∵本人のblogであれば本人が公開を望んでいる情報と見做すしかありませんので)避けていただけるとありがたいかと。匿名掲示板の場合は、第三者が嫌がらせでばらまいた個人情報が混じっているかもしれませんので。それに、未熟故にネットで個人情報を晒すことの危険を十分認識していない可能性もありますし、2次被害を増やすようなことは避けていただければと思います。
この問題に教員が絡んでこなければ、対学生についてはもっと軟着陸させる方法を模索できたのではないかと思います。残念ながら、教員の行動が学生の勘違いをさらに誘発した可能性もあった上、教員への対処まで視野に入れて全体の対策を考えることになって、私の方に、手加減する余裕が無くなってしまいました。
今回の件は、学生の問題というよりは、周りの大人の対応が悪かったことの影響の方がずっと大きいのでは、というのが私の認識です。
迷惑になるかどうかは、私にも予想がつきません。教員の側が、私への攻撃材料に使う可能性が無いとは言えませんが、そうなった場合、私の方も反撃のカードを得ることになります。
私が管理する場所への書き込みの保存&削除、匿名掲示板には書かない、というのは、訴訟対策もありましたが、勤務先との関係のこともありました。
ハラスメント処理では、当事者の主張には守秘義務が課されます。特に、セクシャルハラスメントでは、申立人が受けた被害を秘匿したいことがほとんど(場合によっては2次被害を恐れて提訴もためらうかも)ででしょう。
今回は、申立人がネット上で率先して情報開示しまくったようですが、そのような場合でも、守秘義務が課されます。大学としては、個人情報保護法がある関係で、守秘義務を課さないわけにはいかないのです。
相手の学生が私の管理する場所に処理の途中経過を出してしまうと、相手も守秘義務違反になると同時に、私の守秘義務にも抵触するおそれがあります。ですから、証拠を確保した上で、直ぐに削除するしかありませんでした。
どこの組織でも同じでしょうけど、ハラスメント関連の処理は、事の詳細を表沙汰にせず、限られた関係者のみの間で被害の回復を図ったり人間関係の修復をしたりするものになっているはずです。ですから、当事者がネットで情報開示しまくるという行動は、ハラスメントの処理手続には馴染まないように思います。その意味では、特異なケースかもしれません。
by 我楽者 at 2009-03-57 18:25:57
色々と考えさせられます
apj様
公開済み情報に対する意見論評及びapjさんの立場について了解しました。
私は「既に元が削除されているがキャッシュのみが残っている情報」についての取り扱いが気になっていたのですが、良く考えてみれば、公開されているブログに堂々とコメントを記載したのですから、例え書き込んだ先のサイトが無くなっていても、今更無かったことには出来ませんね。
二次被害への注意についても承知いたしました。
>、教員の行動が学生の勘違いをさらに誘発した可能性もあった上
どこかで「相談したら云々」という文章がありましたね、確か。
>迷惑になるかどうかは
一晩経って方向がまとまりました。
内容は淡々と情報整理を行い、事態の推移等を記述するものになる予定です。
自分のブログは読者も多くて50人/日程度です(人数は関係ありませんが)ので、(恐らく)山形大学内部の問題に関しては影響を及ぼすことは無いものになるだろうと、考えています。
良く考えれば、影響があるかどうか「ものが出来上がってみないと」判らないのは当然であり、自分の思考でもその結論に達したはずですが、私がapjさんにわざわざお尋ねしたのは、万一の場合の「責任逃れ」という逃げ場を無意識のうちに作ろうとしていたのだろうと、自己分析をしてみました。
>当事者がネットで情報開示しまくるという行動は、(中略)特異なケースかもしれません。
今回の件は提訴者はアカデミックハラスメントのつもりなのかも知れませんが、どうも私にはハラスメントの提訴と言うよりは、サービス提供者とそのユーザーの間で起きる「クレーム」に近い印象を感じています。
まぁこの件に関してはじっくりと考えて文章化したいので、ブログ記事としてアップできる時期は、いつになるのか一寸自分にも予測できませんが、暇を見つけて色々と考えて見ます。
お忙しい中お相手くださり、ありがとうございました。