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博士が100にんいるむら

Posted on 5月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

博士が100にんいるむらがネットのあちこちで話題になっている。最初に見かけたのは2ちゃんねるだったが。で、内訳は
16人 医者
14人 助手(最近は任期制)
20人 ポスドク(任期制)
8人 会社
11人 公務員
7人 他分野
16人 無職
8人 死亡あるいは不明
ということだ。元データは博士の生き方の「数字で見る博士課程修了後」の「第1回:博士課程修了者の選択肢」の表とのこと。平成12年度の調査がもとになっている。
この中で、まあそれなりに安定した将来を歩めることが確実なのは、医者+会社+公務員の35人だけだろう。任期制の職は、終われば無職突入だし、博士終わった直後で無職だとその後職にありつくのは非常に大変である。任期付き助手とポスドクの一部が職を得るとして、せいぜい4割ちょっとが何とか幸せになれるのかな、と思っていたら、平成14年度の統計では、社会人の大学院後期課程の院生が約2割だそうで。てことは、100人中40数人の職に困らない人のうち20人は最初から職があった人たちということになる。てことは、無職&数年後無職が50人以上、博士を得て新規に職を得られる人が20人ちょっと位、で、社会人以外で進学して何とかなるのは1/3ってことになる。
 これじゃ、アカデミックへの期待を煽って博士進学を勧めるのは犯罪的行為に思える。進学を勧めるとしたら、在学中に企業のインターンシップなどの利用を促し、フレッシュマンとして3年間終わった後で企業に入るという進路を提示しながらでないと、人生棒に振ることになりそうだ。
 文部科学省は修士の学生を企業で研修させることを考えているが、理工系の修士課程は実はそんなに就職に困っていない。困っているのは博士課程の院生で、修了時に会社に行ければ良いが、下手にポスドクをやってしまうと人生のやり直しが難しくなる。むしろ、博士課程の院生にこそ企業での研修をさせた方が良いように思う。


ここからは旧ブログのコメントです。


by いいじま at 2005-05-55 01:45:55
Re:博士が100にんいるむら

文科省の意図はそこにはないと思います。
むしろ、フリーター400万人問題が絡んでいるのではと。理工系修士(&文系学士)の就職って、会社とのミスマッチで辞めてく人がそれなりにいるんです。確たる統計はありませんが、よく言われるのが「1/3が3年以内に辞める」。そのあとフリーターになる人が少なからずいるので、就職前に自分と会社双方の「本性」を把握させよう、という意図だと思います。

ポスドク問題はまだ文科省の頭には入っていないんじゃないかなあ。私の周辺でもポスドクと&ポスドク予備軍は昔より確実に増えていますが…。
(そのうち一人だけは訳あって一般企業の大半がNGなので仕方ないですが。)

それはそうとして、そろそろ重点化第一世代が企業なら主任・係長クラスになる年ですので、「最終学卒からたとえば5年後どうなったか」を学部・修士・博士で比較した追跡調査が必要ですね。