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都内某所で講演

Posted on 12月 26th, 2005 in 倉庫 by apj

 NEDO平成17年度「マイクロ波を利用する革新的化学プロセスに関する基盤技術調査」で、「マイクロ波による発熱のメカニズム」というネタで講演してきた。マイクロ波による加熱の応用技術をプロジェクトにするための調査のための委員会で、調査会社の人やメーカーの人や大学関係者が集まっていた。
 無極性溶媒中に希薄に分散した極性分子の化学反応をマイクロ波(電子レンジでチン)で促進するといった現象をどう記述するかは、厳密に考えるといろいろ難しい部分を含んでいる。結局素過程はよくわからんというのが現状の結論なのだが……。
 ところで、今回、私の後に新日鐵の人がマイクロ波加熱の応用というテーマで発表したのだが、これが、スライドを見ているだけで楽しめるものだった。マイクロ波による土壌の処理、というところでは、「サンプルを用意し」で、トラックの荷台一杯の土が出てきて、「容器に入れて」は人が容器の中にはいって土を均していた。不定形耐火物の施工では、しくじると爆裂して地震のような衝撃をあたりに発生させるというし、部屋で使ってるクレーンは400トンを上げられるというし……。つまり全てにおいて規模の桁が違う。大学では絶対に見ることができないものばっかりで、発表をきいていて何だか迫力を感じて「製造業かっこいい!」とちょっと感激してしまった。鉄工業なんてこれまで社会科で出てくる位で、専門も違うから意識していなかったのだが、設備の写真を見て、ぜひ一度近くで見たいものだと思った。

 久しぶりに阪大の柳田先生にお会いしたら、この間までハワイに行っておられたとか。マウナケアの天文台のGHz帯の検出器を見てきて面白かったということだ。そういう話をきいてる私のリュックの中には、「宇宙電波天文学」の検出器関係の章のコピーがしっかり入っていましたよ……。センチ波からミリ波の検出技術は電波天文屋の十八番だが、まったくもう何がどこで飛び出して関係してくるやら。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 温泉カワセミ at 2005-12-20 09:10:20
Re:都内某所で講演

あはははは、製造業の中でも「鉄屋」さんってぇのは扱うてる量の桁と言うか単位が違いますからねぇ。粗鋼なんて100円/kg切ってるから、かなりの量扱わんと商売にならんと言う面もありますが。(国内の粗鋼生産量が1億トン/年くらいでしたっけ。)

それ用の耐火構造だってシャレならん大きさやろし、高炉の耐火物積むにも職人さんの技がスゴいらしいとは聞いたこと在ります。


by apj at 2005-12-52 11:35:52
Re:都内某所で講演

 いやでも、今日の講演仕事は行ってホントに良かった。普段、訳わかんない水商売企業に悩まされてますっていう消費者からの相談と、その手の企業からのクレームばっかり見てるとですね、科学技術立国というのが激しく疑問になってくるんですわ。
 今日来てはった会社は、新日鐵さんはもちろん、調査会社もまともなレポート出してるし、ともかく科学技術立国を支えてる本物ばっかり。ああこういう人たちが支えてる会社が市場をとってる間は日本も大丈夫やなあ……と、何だか力強さを感じて、安心しちゃいましたよ^^;)。


by 造園屋 at 2005-12-17 21:24:17
Re:都内某所で講演

土木の世界もおもしろいですよ。以前土木の現場に呼び出され樹木治療を行った時の事。
溝を掘って土中の排水をしようとしましたが、溝幅40センチに4センチ位の砂利を詰めて、と思ったら、1メートル幅で掘られて、40センチ以上の大きさの砕石を敷き込まれました。
造園の繊細な神経など、一捻り、、、
似たような業界なのですが、規模が違うととんでもない物を見る事ができます。