国セン相談窓口存続
消費者相談窓口存続へ 国民生活センター廃止案転換
2007年12月07日16時52分内閣府は、所管する独立行政法人「国民生活センター」について、消費者からの相談を直接受け付ける窓口を存続させる方針を固めた。独法の整理・合理化の一環として廃止を検討してきたが、消費者団体の強い反対に加え、福田首相が消費者重視を政策の基本に据えることを打ち出したことから方針を転換した。
岸田国民生活担当相が7日午後、渡辺行革担当相との会談で伝える。その際、渡辺氏は同センターと別の2独法の消費政策部門との統合を提案する見込みで、岸田氏は内閣府の所管とすることを条件に賛成する考えだ。
内閣府によると、直接相談窓口を残したうえで、自治体の中で消費者相談を担当する消費生活センターとの情報共有に携わる部門を強化。国から消費生活センターへの資金援助も検討する。一方、直接相談窓口の廃止とともに、消費者団体などから疑問の声があがっていた商品テストの一部外部化の方針は変えないが、委託先の研究機関との連携を強化する。
直接相談窓口をめぐっては、内閣府の有識者検討会が9月、「全国の消費生活センターの相談業務と差異がない」として廃止を提言。消費生活センターで解決できないトラブルや専門的な相談への対処に特化する形での合理化を検討していた。
しかし、消費者団体から「被害を見つけ出す能力が薄れる」などと批判が続出。さらに福田首相が国民生活センターを視察し、「こういう機関は国民の生活を考えた場合には大事にしなければいけない」と表明したことなどから、再検討を進めていた。