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学生への返事

Posted on 11月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 「明るい、前向きな言葉」をかけた場合と「汚い言葉」をかけた場合で花の育ち方が違うと中学の先生が言ってたがこれは嘘か?という質問に対して。

 そんなことくらいで花が良く育つなら、例えばオランダの花卉農家では「明るい、前向きな言葉」をかけまくるという農法がとっくに行われているはずだが、なぜそうなっていないのか考えようよ、と答えてみる。

模範六法

Posted on 11月 5th, 2009 in 倉庫 by apj

 生協の店頭で模範六法を見つけてゲット。
今年も、模範六法+模範小六法を使う予定。

新型インフルエンザ対策

Posted on 10月 30th, 2009 in 倉庫 by apj

 新型インフルエンザ対策で、今年度の入試は再試験をする方向でどこの大学でも調整が続いているはずなんだけど……。
 話を見聞きした限りでは、
   試験監督者である教員が感染して何人も抜けた場合にどうするのか
が一切触れられてもいない件。
 受験生が感染することは想定していても、教員が感染することは全く想定していないように見える。しかし、毎日大人数を集めて教えているわけだから、教員は感染については高リスク群だろう。

 また、去年だったか、季節性インフルエンザでセンター試験を別室受験になった受験生の試験監督をした教員が、監督後にインフルエンザを発病している。別室受験については監督者も学生もマスク着用などを行っているが、効果がなかった。無事に治ったから良かったのだけど、今のままだと、多少毒性の強いインフルエンザが流行した場合、万が一教員が死んでも死に損なのだが……。

 感染源が受験生だということになったら、教員の労災申請の件数がはね上がりそうな気も。

 感染症対策という観点からは、現状の大学入試のうち、特に大人数を1箇所に集めるセンター試験は見直した方が良いのでは。大学ごとの試験なら、センター試験ほどの人数が1箇所に集中することはないし。

日経サイエンス12月号

Posted on 10月 30th, 2009 in 倉庫 by apj

 ブックレビューを見ていたら吹いた。104ページ。

<白い虚塔 201X編>
教授「財前君、これ以上逆らうと、君を私の後任教授にするよ」
准教授「東先生、そこまでお怒りなんですか」
医局員「じゃ、教授、私は辞めますので。明日からがんばってね」
研修医「5時になったので帰ります」
患者「治療費はつけておいて。そのうち払うから」
警察「病気を治せない場合には逮捕し起訴します」

 医療崩壊ここに極まれり、みたいな。

宇都宮先生の本

Posted on 10月 26th, 2009 in 倉庫 by apj

 「弁護士、闘う―宇都宮健児の事件帖」を書店で見つけたので衝動買い。

弁護士、闘う―宇都宮健児の事件帖 (単行本)

 確か、消費者庁を作る時の集会(名前を忘れたが、福田首相(当時)も挨拶に来られたイベント)の後の懇親会で、宇都宮弁護士と会ったことがある。たまたま席が前だったので、beyondさんと一緒に握手してもらった。「当分この手を洗えない……」とアイドル扱いになってたことは内緒w。オウム真理教の被害者救済をやった弁護士だということは知っていたが、その時はそれ以外の活動いついては知らなかった。

 それはともかく、水関係でマルチ商法の会社を相手に訴えたり訴えられたりだという話をしたら、宇都宮先生に「悪徳商法の批判をやっているのなら、悪徳業者から訴状が来るのは勲章」と言われてしまった。

 今回、本を読んでみて、世間で大被害を出して話題になった消費者被害の救済を他にも数多く手がけてこられたことがわかった。また、消費者庁の設置のための活動も続けておられたことがわかった。訴状が来るのが勲章だという意味も、よくわかった。

アートコミュニケーションから削除要求(追記修正あり)

Posted on 10月 24th, 2009 in 倉庫 by apj

 私が大学の方でやっている、TOSSウォッチング掲示板に、次のような投稿がなされた。これについて、株式会社アートコミュニケーションから削除要求が来ている。一連のスレッドの流れは次の通り。

 このまま紛争ということになると、何はともあれ証拠(名誉毀損で争う場合は文言の特定が重要になる)が必要なので、印刷イメージのPDFファイルを作っておぃ。関連ツリーの本日のスナップショット(pdf)。まあ、やるなら、相手方が甲号証として出してくるんだろうけど、念のため。

[705] 教室ツーウェイ最新号
ID = 060221776ec036958b7466c4f3efceba ( 851937dbba924903b31e16be2c780026 )
ドラゴン のコメント: 2006-07-10 09:50 :
最新号の目次などです。
http://www.meijitosho.co.jp/zasshi/shosai.html?bango=20327

「特集 中学生宮廷画家(ハプスブルク家)を誕生させた酒井式描画指導法」
だそうです。
次号予告も含めて、向山氏は、権威がお好きなようです。

[706] 無題
ID = 060221776ec036958b7466c4f3efceba ( 851937dbba924903b31e16be2c780026 )
ドラゴン のコメント: 2006-07-10 18:03 :
まだ現物は見ていないので、推測です。
EU市民交流年行事として参加したようなのですが、たぶん「新世紀宮廷芸術博覧会 2005」でしょうか。インスブルックで、美術系のイベントはこれくらいです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eu/report/calendar/austria/03.html

この主催者のハプスブルク芸術友好協会と(株)アートコミュニケーションは、ちょっと問題な団体のようです。
http://www.artcommunication.jp/habsburg.html
http://www.artcommunication.jp/index.html
協会は、アートコミュニケーションの中にあるようで、お金を払えば会員となって(審査はあるようですが)、宮廷芸術会員となれるようです。(言い回しが微妙なので、判断に困りますが)
アートコミュニケーションの業務もよくわかりませんが、社員募集とQ&Aを見ると、芸術家に電話をかけて展覧会や図録への参加を呼びかけるようです。歩合制の給料のようです。

こんなところでも話題になっています。
http://www.marin21.com/akutoku/cgi-bin/akubbs/treebbs.cgi?mode=view&code=5231
http://blog.livedoor.jp/sophya/archives/50288816.html?1141528976
http://academy4.2ch.net/test/read.cgi/gallery/1033411664/

ちなみに協会の原語で、検索しましたが、日本のリンクばかりです。ドイツのヤフーでも引っかかりませんでした。
今回の特集と関係があるかはわかりませんが、ちょっとした情報です。

[707] 無題
ID = fa4aa60f0430b3701fcbc2162675a2d9 ( b51a08d6a1b09b53eb004a99c3bc13e3 )
NOBITA のコメント: 2006-07-12 01:44 :
ドラゴンさんの言いたいことは、この特集は、悪徳商法に引っ掛かったのを知らずに自慢しているか、悪徳商法に荷担しているか、どっちかということですね。
どっちにしろ、批判能力がないというか、トホホですね。

[708] よくわかっていないようです
ID = 060221776ec036958b7466c4f3efceba ( 851937dbba924903b31e16be2c780026 )
ドラゴン のコメント: 2006-07-12 13:48 :
小心者のうえ、推測なので、断定的に言いづらかったので、情報提供のような形にしました。
わかりづらくてすみません。
8月号見ました。
向山氏は、「ハプスブルク家が酒井式の絵を買い上げた。だから宮廷画家の誕生だ」ということで、あとは酒井式の賛美と反酒井式の批判です。
宮廷画家になったという子どもの原稿では、
�酒井式で描いた絵を、年齢を隠して出展していた。
�いくつかの団体から、パーティや出展の話がきたが断っていた。
�ハプスブルグ芸術友好協会のエヴァ博士から推薦がきた。
�協会に入会して、盾が贈られてきてハプスブルク家宮廷芸術家の仲間入りをした。(中二)
�翌年、オーストリアの展覧会に無審査出品ができるとの案内がきたので出した。
�10月にオーストラリアの会場へ行くと自分の絵が展示されていた。
�会場では素晴らしいパーティが開かれ、国会の議長などの偉い人が来ていた。オーストラリアはすばらしかった。
ということです。
本人はいたって満足しておりますので、悪徳は言えないでしょう。

ただ、これをもって酒井式が高いレベルとして認められたというには、無理があるようです。
先にあげたリンクを見ると、ある程度のお金を出せば、できる範囲のことのようです。
この子が本当に認められたのかどうかは、これだけでは実際にはわかりません。
印象として、向山氏(TOSS中央事務局)は、ことの顛末をよく理解していないように思います。

ハプスブルク芸術友好協会と(株)アートコミュニケーションは、問題のある団体のようですので、TOSSが教育団体を名乗るなら、この関係は明らかにする責任があると思います。同様にこの雑誌の出版社も確認する責任があったでしょう。

[709] タイポが…
ID = 060221776ec036958b7466c4f3efceba ( 851937dbba924903b31e16be2c780026 )
ドラゴン のコメント: 2006-07-12 16:45 :
オーストラリア→オーストリアでした。
失礼しました。

 問題となっているのは、「アートコミュニケーションは、問題のある団体」という部分だそうで、あとは、関わっている子ども達のことを問題にしたのがまずいと主張している。

 また、削除要求の文書中に、提訴の準備をしている、とあり、さらに、

「当サーバ上のページに関する問い合わせや苦情のメールは公開することがあります」と書かれておりますので山形大学様に問い合わせさせて頂きました。大変お手数ですが、この掲示板の管理者と弊社を仲介して頂きたいのですが、可能でしょうか。

 と書かれていた。また、

このままこの記事が放置されますと、この記事の作成者だけではなく、掲示板スペースを提供している大学も含めて訴えなければならなくなります。

と書いてあった。

 大学は、要求の通りに私に仲介したので、要求の内容も同時に全て判明することになった。

 削除要求の文書は、メールしか無いらしい。プロバイダ責任制限法のフォーマットには則っていない。文言の特定は大甘で、このままで名誉毀損の訴状が書けるかどうか他人事ながら気になるくらい。また、訴訟の準備をしているのなら、代理人弁護士名義・代表取締役の名前も示した上で、メールではなく書面で要求があるのが普通だと思うのだけど、メールしかなく、しかも、相手方会社の担当者名も無い。
 この要求が弁護士に委任する前であるとしても、普通なら、こういう文書は代表取締役名義で出すものだろう。代表者名義で訴え、訴えられるのが日本の民事訴訟制度だから、訴訟するつもりなら法人代表者の名前が無いと話にならない。その前段階の交渉が代表者名義で行われないなら、文書を受け取った側は、相手が本当に訴訟するつもりがあるかどうかの判断がつかない。代表者を出すのが大げさなら、せめて法務部の担当者の名前でも書かれていないと、相手の本気度が予測できない。

※山陰地方の某社とやったときは、代表者がなかなか出てこなくて困ったことがある。訴訟する気があるのかどうかにつき、代表者宛に会社に手紙を送っても代表者名義の返事が来ず、担当者の返事しか来ないために、訴訟する気があるのかどうかの意思確認ができなかった。最後は、登記簿謄本を調べ、会社に送っても担当者からしか返事が来なくて意思確認ができないという事情を説明し、代表者の自宅に内容証明を送ってやっと確認がとれた。訴訟に発展するかもしれない交渉事なのに、代表者の決裁を通っているかどうかが見てわからない文書がやってくるのは困るし、余計なトラブルの元でもある。

 さらにわからないのは、訴訟の準備をしていると書き送ってきているのに、削除要求を公開されるのがイヤでわざわざ削除要求を大学に送ったらしい点。訴訟が始まれば、削除を求める対象となった文言およびその理由はオープンになるわけで、知れ渡るタイミングがせいぜい1,2ヶ月早いか遅いかの違いでしかない。訴訟の準備中だと通告しておいて、削除要求の内容の方は秘匿したいと考える相手のセンスは、私には理解不能である。個人のプライバシーの部分や企業秘密に関わる項目を除外すれば、正当な権利主張をこっそり行う必要は無いはずである。

 いくら「訴訟の準備をしている」と文面にあっても、権利侵害であるとの指摘の部分が曖昧では、本気かどうかが疑わしいし、受け取った側としては「準備不足だなあ」とか「ひょっとして訴訟云々は口先だけで、実は準備なんかしてないんじゃないの?」と思うだけである。逆に、「訴訟の準備をしている」などとわざわざ書かなくても、権利侵害の主張の内容が明確で、どういう訴状が来るか予想のつく形で書かれていたら、受け取った側は「これは訴訟の準備をしているに違いない」と判断することになる。

 以下一般論。
 削除要求については、大学に求めようが、民間のプロバイダに要求しようが、処理は同じ。要求の内容がわからない限りどうすべきかの回答もできないので、後のトラブルを避けるためには要求の内容を全て発信者に伝えることになる。大学を通せば削除要求をしたことを隠しておけると思っている節があるが、そんなことはない。

 もし、「仲介」の意味に、大学が私に対して今の段階で回答以外に何かを要求することを期待していたのだとするなら、それは勘違いというものである。大学は文字通り「仲介」しかしない(し、多分、すべきでもない)。大学は裁判所ではないので、表現が権利侵害かどうかを判断すべきではない。その判断は裁判所の仕事である。大学が出てきて何らかの判断をすると、今度はその責任が発生し、いたずらに紛争に巻き込まれる結果になる。

 なお、掲示板の一連の内容・相手方からの削除要求の文書・私の回答は、弁護士に見せて相談をしておく予定である。訴えられたら応訴しないといけないし、今回は私を外すつもりはないらしい。また、大学まで訴えるつもりなら、あんまり下手な対応もできないし、事前に状況を知っておいてもらった方がいいだろう。
 ただ、吉岡氏とやりあったときの大学の対応を考えるに、顧問弁護士があのままだとすると「問題の掲示板のあるサイトは大学のサイトじゃないからウチは無関係」という準備書面を出してきそうな気が激しくするわけだが。

 手続きは踏まないといけないので、大学には、既に書面で回答した。

 ところで、このような場合に大学がどこまでの法的責任を負うかという判例・下級審裁判例をなかなか出せないでいる。吉岡氏との件も、吉岡氏は大学の管理責任を問うたが、私達が当事者参加して争い、「書き込み内容に違法性がない」という結論になったため、大学の管理責任が問題にならなかった。今回、アートコミュニケーションが大学も訴えてくれば、大学側は多分「そこまでの管理責任はない」という立場で争うだろうから、裁判例を1つ出せる可能性がある。この意味では、大学も含めて紛争をやった方が、ネットを巡る法解釈の発展には役立つかもしれない(いやまあ、判例を出すのは大学の仕事じゃないと言われるだろうけど)。ただ、文言が違法でないということになったら、やはり管理責任までいかなさそうで……。私としても、大学の管理責任の及ぶ範囲をはっきりさせる目的で、明らかに違法な書き込みをわざとに放置するといった、本末転倒なことまでする気はないし。

【追記】
 掲示板投稿で「話題になっている」と取り上げれた他サイトさんのうち、「背徳のろくろ師のブログ」を見ると

アートコミュニケーションから、この記事に寄せられた一部書き込みコメントの削除要請が内容証明郵便にて届きました。指摘されたとおりに記事は削除完了しました。それらの書き込みが削除されても十分本位は伝わるだろうとの判断です。それと共に「当社の名誉や営業を回復するのに必要な処置をおとりくださいと」との要請もありました。それに関しては、名誉回復の機会は「投稿書き込み」により与えてます。まずその機会を利用もせず、「名誉毀損だ」というのはお子様論法で成立しません。と言うのがこちらの見解です。
Posted by バクステール at 2009年10月04日 20:51

 のような状況らしい。

 最近になってあちこちに削除要求出しまくりということなのだろうか。

【追記2011/08/22】
 このエントリーに対してしつこく行われている投稿ですが、投稿元はこんな感じです。

 2011/06/25 14:58:31 の東欧ヨーロッパ
nslookup 220.107.174.1
1.174.107.220.in-addr.arpa name = p7001-ipad4kokuryo.gunma.ocn.ne.jp.

011/08/21 21:49:56のGuten tagは、
nslookup 221.184.44.226
226.44.184.221.in-addr.arpa name = p1226-ipad05kokuryo.gunma.ocn.ne.jp.

おそらく同一人物でしょう。

これまでに、アートコミュニケーションがらみでおかしな投稿をしてきた投稿元は、
125.174.252.87 p2087-ipbf213aobadori.miyagi.ocn.ne.jp.
と、
116.91.8.228 d228.FtokyoFL102.vectant.ne.jp
でした。

 はっきり言ってこのしつこさの方が異常です。この手のやり方で嫌がらせをして、悪い評判を出させないようにしてきた会社ではないかと疑ってしまいます。そしてそのことは、おかしな削除要求を出すという会社の行動とも矛盾しません。興味深いので、サンプルとしてこのエントリーは残し、今後何件この手の投稿があるか調べるのに使おうと思います。

株式会社アートコミュニケーションによる削除要求についてもっと知りたい

Posted on 10月 24th, 2009 in 倉庫 by apj

 株式会社アートコミュニケーションによる削除要求についての情報を知りたいので、ご存じの方がいらっしゃいまいしたらぜひお教え下さい。
 私のところの状況は、直前に書いた通り。もともと話題が出たのは2006年7月頃。削除要求が来たのは、今年の10月である。
 私のところだけかと思ったら、「背徳のろくろ師のブログ」の管理人さんのところにも、今月、削除要求があった模様。内容証明で名誉毀損だと主張するものをもらったらしい。管理人のバクステールさんのところでアートコミュニケーションが話題になったのは、2005年12月で、その後議論が続いた後、2007年03月14日で一旦議論が終わっている。

 私は、「株式会社アートコミュニーションが、過去の批判的な記事に対して片っ端から訴訟をちらつかせて削除を求めはじめた」のではないかと疑っているが、サンプル数は現在2件である。

 過去に、株式会社アートコミュニーションの商売のあり方などについて問題がある、あるいは批判敵な議論をしたというサイトの管理人さんで、最近になって名誉毀損だと主張するなど訴訟をちらつかせた削除要求をもらった方が他にもいらっしゃるかどうかを知りたい。このネタをまとめているサイトがあったらぜひ訪問したい。何か知っている方がいらっしゃいましたら、ぜひお教え下さい。

 消費者センターへの問い合わせ内容が分かれば、もっといろいろ出てきそうだし、いざ紛争になった場合は相手が悪徳だというところまで証拠を示して言えれば楽になるんだけど、さて、どうすりゃいいのか……。

石教研養護教諭部会 理論研修会

Posted on 10月 23rd, 2009 in 倉庫 by apj

 表題通りの研究会で、「飲料水の科学とニセ科学」というタイトルで講演してきた。
石狩管内の養護教諭の集まり。正しい健康情報を、生徒や保護者に対して発信する立場の方々なので、怪しい健康情報をしっかり見抜いて啓蒙していただけると大変助かる。その役に立ちたいと考えて、話をしてきた。

Business Media 誠が水素水に関するデマを広めている件

Posted on 10月 21st, 2009 in 倉庫 by apj

 Business Media 誠の水素水の記事より。

銀座に「バー」まで登場……「水素水」ブームの予感
一般にはまだなじみの薄い「水素水」だが、最近は愛飲するトップアスリートが増えているという。都心にも「水素バー」が登場するなど、ブームの様相を呈している。

 住宅建材大手のパナソニック電工と九州大大学院薬学研究院は先ごろ、水素を含む水をあらかじめ飲用することで、パーキンソン病などの脳神経疾患の予防と治療に有用な可能性があると発表した。一般にはまだなじみの薄い「水素水」だが、最近は愛飲するトップアスリートが急増。都心のど真ん中にも「水素水バー」が登場するなど、ブームの前夜の様相を呈している。

 検証結果によると、水素水を飲用することで、パーキンソン病に見られる脳の神経細胞の脱落を抑制できたという。0.08ppmの低濃度でも効果が見られたうえ、神経細胞の脱落の原因となる、活性酸素によるDNAの酸化損傷を抑制することも確認されたため、米オンライン科学誌に結果を掲載した。水道水の電気分解時にも水素が生成されるため、パナソニック電工などが販売するアルカリ浄水器(実売価格2万9800円)で電気分解された後の「電解アルカリ水」にも水素が含まれるという。

 水素水の効用は、トップアスリートやエステティシャンの間では以前から知られていた。体内に蓄積した活性酸素は疲労や老化、重大疾病の原因とされる。それを水素が持つ強力な還元力で抑制。細胞やDNAの損傷を軽減することで疲労しにくい体を作るほか、高い美容効果も実証されている。そのため、市販の水素水を日常的に愛用したり、水素水を精製する浄水器を導入する事例が昨年以降増えているのだ。

 180ミリリットルパウチタイプの高水素濃度ウオーター「SWAT」(メディカルパートナーシップ、10本3000円)を愛飲するプロテニスプレーヤーの中野佑美(21)は、「1試合で最低6本は飲んでいますが、試合中に疲れにくいうえ、翌日の目覚めが最高に快適。プロスポーツ選手はもちろん、スポーツ好きな方や体調管理に自信がないサラリーマンの方にも良いのでは」と話す。

 テニスのクルム伊達公子やプロ野球の高橋由伸、大相撲の豊ノ島など多くのアスリートたちも愛飲。そんななか、東京・銀座6丁目に今月、「水素水バー SUISOS(スイソス)」がオープンした。

 代表の立花守満氏は日本で唯一、水中の水素含有量を限界値(1.8ppm/7度)まで高めることに成功した水素水の第一人者。同店では常時、専用サーバーで水素水を無料供給するほか、500ミリリットル700円の専用真空容器を購入することで、営業時間の午前11時から午後7時まで何度でも店内のサーバーから高濃度水素水「SUISOS」をくむことができる。

 立花氏は「近隣のエステティシャンやホステスさんはもちろん、高級日本料理店の方なども1日に数回、水素水を調達にこられます。日ごろから体の疲れや肌荒れ、持病やメタボ体形に悩みを持つ方は、ぜひ利用してほしいですね」と言う。「水素」が新時代のキーワードになりそうだ。

 パーキンソン病への効果については、このエントリーで紹介したが、パーキンソン病そのものへの治療を行ったわけではなくて、「パーキンソン病と同様の神経破壊を起こさせる薬の効果が軽減された、しかも動物実験でありヒトでは(そんな実験は倫理的に問題があるからそもそもできないので)未確認」というだけである。この記事の書き方だと、読んだ人が間違った情報を信じることになる。
 活性酸素であれば、どの分子種も寿命は短いので、体内に蓄積することはあり得ない。すぐに他のものと反応して無くなってしまう。
 水素ガス(水素分子)の「還元力」は、アスコルビン酸のような、フリーラジカルを直接消去するような強いものではないので、強力な還元力、という書き方は間違っている。このあたりは、活性水素検証の実験を行った杏林大の平岡さんが指摘している。

 ところで、共通教育の「科学リテラシー」の講義では、「食卓の安全学」(松永和紀著、家の光協会)をテキストにし、期末レポートでは、この本に書かれた科学記事の見極め方をまとめる、というものを課題の一つにしている。その章の最初の目次のいくつかはこんな具合だ。

1 有名人のお墨付きにはご用心
2 「体験談は信用度ゼロ」と思え!!
3 動物実験にごまかされてはいけない
4 記事広告にも気をつけて
5 数字、単位、グラフのトリック

 記事内容が正しいかどうかを判断するために列挙された項目の最初の3つが、松永さんの本を見てわざとに書いたのかと思うくらいに、そのまま当てはまっている。
 私の講義を半期受けた学生なら、この記事を信用することなど無いだろう。また、この記事をネタにすれば楽勝でレポートが書けるだろう(注意:私が既にここで書いちゃったし、ネット情報の丸写しは大幅減点だから、残念だけどこの記事はレポートのネタにはならないよ>受講生全員)。

 仮に、何かの病気の治療法として水素が有効であることがわかったとしても、治療法≠健康法であるのが普通だから(∵例えば癌予防のために普段から抗がん剤を飲むことを健康法として実行する人などいない)、水素水を常用した場合の結果が保証されているわけではない。水素水の健康に対する効果を調べたければ、水素水を摂取した人とそうでない人でその後のどんな病気になるかに差があるかを追跡する、大規模な疫学調査をしないと結論は出ない。今のところ、前向きコホート研究が行われたという話は無い。根拠が何もないのに、水素水が健康にいいかのように装った商売をすることにもそれを助長することにも問題がある。

特異所在不明者

Posted on 10月 15th, 2009 in 倉庫 by apj

 時事ドットコムの記事より。

友人や雇い主も可能に=不明者届け出、幅広く受理-警察庁
 警察庁は15日、所在不明者の捜索を求める届け出について、親族や後見人などに限っている現行制度を改め、親しい友人や恋人、同居人、雇い主にも拡大することを決めた。単身世帯の増加に加え、生命や身体に危険が迫っている恐れのある「特異所在不明者」が増え続けているため、届け出を幅広く受理することで不明者を漏れなく把握し、迅速な発見につなげる。
 不明者の捜索は1976年の通達を基に運用してきたが、新たに国家公安委員会規則を制定。規則案に関する意見を16~29日に募る。
 同庁によると、年間の所在不明者は56年以降8万~11万余で推移。2008年は8万4739人で、6年連続で減少した。一方、特異不明者は増加傾向が続いており、08年は3万4710人(全体の41%)で、人数、割合ともに統計の残る02年以降で最多だった。
 規則案では、現在使っている「家出人」の表現を「所在不明者」に改め、犯罪や事故などに巻き込まれた恐れがあることを明確にする。警察署長が発見に関する責任者であることも明示した。(2009/10/15-10:20)

 事件を早期発見できるのなら歓迎だが、運用次第かなぁ。事件性がはっきりしないと動けません、とやられたのでは意味がないし、かといって不明者全部を捜索するだけの人手は警察にも無いだろうし。

 それはともかく「特異所在不明者」という呼び方を初めて知った。