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プラチナコロイドに要注意

Posted on 10月 8th, 2006 in 未分類 by apj

 ちょっと調査しないといけないネタになってきつつあるのでメモ代わりに書いておく。
 JUN-Kさんのblogのエントリ「時代はプラチナ微粒子らしい」に関連して。
 今度は、東大の宮本教授がやってる産学連携発の水商売が出てきた。「活性酸素を消去する」というふれこみの水は、九州大の白畑教授が「活性水素水」の宣伝に登場し、それが、実際の実験と宣伝内容にギャップがある状態が続いている。宮本教授の説は、抗酸化作用の原因物質は活性水素ではなく、白金ナノ粒子だろうというもので、白畑教授の説とは異なる。研究の展開が、白金ナノ粒子の薬理作用を動物実験で調べるというまっとうなものだったので、今後薬剤としての展開があるかと思ったら、手っ取り早く健康飲料に参入してきた。
 以前、宮本教授が立ち上げたのは、株式会社シーテックというベンチャー企業で、私も企業を立ち上げた人と懇親会で同席したことがある。それが、今度はアプト株式会社に営業譲渡されたらしい。まあ、ベンチャー企業をそのまま中堅から大企業に発展させるよりは、早々と売り払って創業者利益を手にするというビジネスのやり方もあるから、今回はそっちなのかな、と思ったり。

 例によって大事なことは、実際の実験と宣伝内容のギャップを確認してから判断すべきということである。私が話を聞いた時点では、宮本教授の実験は、脳梗塞や筋萎縮性側索硬化症のマウスかラットだかに白金ナノ粒子を投与して、症状の改善あるいは病気の進行を遅らせることができたというものであった。それが活性酸素除去機能によるだろうというのが、実験結果の説明であった。ここまでは通常の科学である。
 しかし、治療薬に使えるものを薄めて健康飲料に使っていいか、というとそれは全くの別問題である。抗ガン剤をうんと薄めて癌予防に使おう、などと主張したら、「それ何てホメオパシー?」と突っ込まれるだけだろう。最近、あっちの掲示板で話題になっているのだが、プラチナの量は4μg/lは4ppb程度ということだ。宣伝では、東大教授の研究成果を使っているということが前面に出されているようだが、教授の肩書きも大学の名前も、宣伝の内容の科学的正しさを担保しないことは、これまでに経験してきたことである。この話題のチェックポイントは以下の通りである。
○宮本教授の実験(一部の疾患に効果あり)の実験条件と、一般向けの水で主張していることのギャップの確認
・単位体重あたりの投与量と投与期間を、実験動物と水を飲むヒトで比較。どの程度近いか、あるいはかけ離れた話なのか?これが、宣伝内容とどうつながるのか、どの程度離れているのか。
・活性酸素を消去するのが本当にいいことであるのか?感染症の時は、体内で活性酸素を作ることで殺菌しているのだから、むやみに活性酸素の効果を減らしていいものではない。このことはきちんと検討されているか?もし本当に目立った消去効果があるなら、風邪ひいたら飲むなとか、おなかを壊したら飲むな、といった注意書きがなされるはずだが……?
・半減期が書いてあるが、ナノ粒子は体内でどう移動するのか?移動しないところで効果は発揮されないわけで……。
○ナノ粒子の安全性の確認
・金属イオンと、目に見えるようなサイズの金属箔と金属ナノ粒子とでは作用が異なる。この区別は正しくなされているか?
・炭素系のナノ粒子(カーボンナノチューブなど)は安全性の確認をする研究プロジェクトが産総研できようとしているところだが、金属ナノ粒子は手つかずのはず。どこまでやったのか?ナノサイズであることそのものが原因の副作用というのもあり得るし、安全性の基準はナノについては別扱いでこれからの研究待ちのはずだが?
・体内での蓄積の有無の確認と測定方法。物質の量に対して測定法は妥当か?
・蓄積の有無や動態は、ヒトで確認されているか?
・医薬部外品の申請基準で、ナノ粒子はどう扱われているか?ナノ粒子というのはいわば新物質と考えるべきであり、規制が追いついていない可能性もあるのだが……。産総研の状況を見ると、厚生労働省が手を打っているかどうかがちょっと不安である。

 いずれにしても、論文と宣伝内容を付き合わせてみる必要がある。「宮本教授の研究自体は普通の科学で、そこから思いついた製品であることも本当だが、ふれこみの内容と研究内容が直接結びつかない」なんてことになってないか、チェックしないといけない。学生向けの演習問題としては使えそうなネタだが。

接続が遅い……

Posted on 10月 7th, 2006 in 未分類 by apj

 普段、お茶大の方と山形大の方のメールサーバを両方使っているんだけど、最近、お茶大のマシンへの接続が妙に遅い時がある。別のHUBを経由してつないでいるウェブサーバはさくさくつながるし、学内から別HUB経由で見に行っても遅い場合があるということなのでので、HUBか本体かどっちかの問題に見えるんだけど……。ケーブルはこの間確認したということだが……。接続できて最初の転送が始まればあとは普通の速度で動くので、何だか微妙である。また、遅いから落ちてるのか?と思ってsshでログインしようとして、プロンプトが出たタイミングでメールの転送も始まってみたりする。で、暫くしてもう一回メールを見に行くと、やっぱり待たされたり待たされなかったり。同じ構成の山形のサーバは直ぐにつながるから、ソフトのインストール回りでこけてるとも思えない。まあ、まったくつながらなければ対策するが、こういう動きをされるとどうしたものかと思うよなぁ。

道路の水たまり

Posted on 10月 6th, 2006 in 未分類 by apj

 山形も雨が降り続いている。帰宅途中に、30メートルくらいの範囲で道路に水たまりができていた。暗くて深さが分からず、どうしようかと思ったが、3センチくらいでそんなに深く無かったので自転車で通過した。

 昔、駒場でドはまりしたことがあったのを思い出してちょっと鬱だった。そのときは、でかい水たまりだと思って自転車で進んだらいきなり深くなり、自転車を漕げなくなって、降りたら膝くらいまで水がきていた。水たまりの手前と終わったところに、警察の車と道路保守の業者のものらしい車が停まっていて、踏み込まないように見張ってたらしいが、私が自転車で進んでいくのはそのまま放置されていた。そっちは深いって、一声かけてほしかったよ>警察……orz。

 まあ、通勤に使っている道路は今のところ水没していないようだ。去年辺り、山形市内のハザードマップ(水没しそうなところを書いてある)が配られたので、後で確認しておくか。

ヌガー

Posted on 10月 5th, 2006 in 未分類 by apj

 この間の学会の帰りに、ヌガーを大量に買ってきた。日本のキャラメルよりは粘度が低く、白っぽい色で、ナッツが入っている。去年、オランダのスーパーで見つけたヌガーが甘くておいしかったので病み付きになってしまったが、日本ではなかなか手に入らない。向こうでは、普通におやつとして売っているが、日本には類似品がないし、輸入食料品店でも殆ど見かけない。
 今回、帰りにド・ゴール空港で延々待ち時間があったので、ユーロを用意して、空港で買い物することにした。ゴディバのチョコレートなんかは専用店舗を出して免税価格で売ってるが、どうやら「ブランド品」らしいので、私としては完全スルーに決まっている(笑)。有名なブランド品は輸入されて日本でも買えるし、いろんなショップを探して通販も利用できるから、わざわざ買おうとは思わない。実際に手に入りにくいのは、ブランドでも何でもない安い庶民向けのお菓子のおいしいヤツなんだよなぁ。
 いくつか店を回って、粒タイプのとバーになってるのと、味も3種類くらいのヌガーを買った。フランス製のヌガーはオランダのより若干甘みが少ない。
 他の収穫は……チェコのスーパーマーケットのおもちゃ売り場で仕入れたスホーイのベルークトのプラモデル2箱、タランチュラの実物大模型おもちゃ1個。
 帰国したときの税関は問題無く通過^^;)。

ドライボックス

Posted on 10月 2nd, 2006 in 未分類 by apj

 先週末に、4年生と院生に手伝ってもらって、実験室の奥に棚を設置し、新しく購入したドライボックス(光学部品等用、湿度を25-35%に保つ仕様)を置いた。マニュアルによると、結構凄い勢いで水を取るようなことが書いてあった。で、付属の湿度計を入れて暫く待ったが、湿度高過ぎで値が出ない。もうちょっと待ってみるか、と4時間位待ったがダメである。2台まとめて初期不良か、それとも湿度計2個まとめてウソを報告してるのか……と思いつつ、電源を入れっぱなしにして様子を見るため週末そのままにしておいた。今朝来て確認したら、湿度はきちんと下がっていた。ちょっとほっとした。運転開始時だからかどうかはわからないが、最初はそれなりの時間待たないと湿度が下がらないということらしい。

ツッコミどころというかツボというか

Posted on 9月 29th, 2006 in 未分類 by apj

 暴走族が起こした事件。赤字は私がつけた。

殺人未遂と監禁の疑いで暴走族5人逮捕
2006年09月29日

  熊本東署は28日までに、住所不定、無職塚本誠容疑者(30)、熊本市御幸笛田5丁目、スナックアルバイト勝尾哲全(よし・はる)容疑者(22)ら県下最大の暴走族グループ「コイヘルペス」の計5人を殺人未遂と監禁の疑いで逮捕・再逮捕した。大筋で容疑を認めているという。

  他の逮捕者は、同市渡鹿6丁目、作業員前田秀男容疑者(27)、植木町の青果店アルバイトの少年2人(ともに19)。

  調べでは、塚本容疑者らは4月29日午前2時ごろ~午前4時半ごろ、熊本市御領2丁目の国道57号で、蛇行していたオートバイ1台に、八代市の塗装工員男性(18)の乗用車が接触したことに因縁をつけ、車を止めさせて男性を殴るなどしたうえ、勝尾容疑者が男性の車で数回ひき、さらに菊陽町に連れ去って数回ひいた疑い。男性は頭などに全治約2週間のけが。車には八代市の飲食店従業員女性(18)と芦北町の作業員男性(16)も同乗していたが、けがはなかった。

 「コイヘルペス」というグループの名前に突っ込んでいいのやら、被害者男性が無闇に丈夫だという方に突っ込んでいいのやら(普通もっと重傷か、死んでると思うぞ……)。

アー、アー、只今マイクのテスト中……

Posted on 9月 29th, 2006 in 未分類 by apj

 11月に、第29回溶液化学シンポジウムを山形大学がホストになって開催する。当然、化学分野で液体をやっている人が中心、ということで、亀田教授を事務局のヘッドに、私も下働きをしている。
 このシンポジウムは、もちろん溶液や液体関係の研究者が集まる学会なのだが、本番開始の前日にプレシンポジウムをやることになっている。それの企画もしているのだが、開催地が山形だというのが実は大問題である。溶液の研究者の人数の分布が見事に西高東低なのだ。例年であれば、最近活発な若手を呼んで……といった企画になるのだが、これは近場の大学からさほどの負担なく講演者を集められる場合の話。事務局側の企画で山形に前日から数人集めるとなると、旅費やら滞在費やらを援助しなければならなくなるが、そんな予算はどこにもない。プレシンポジウムで最低限実現しなければならないことは何か?と話し合った結果、会場の設備のチェックだろうという結論になった。それなら、実行委員が何か話をして、予行演習をすれば目的は果たせる。というわけで、産総研の金久保さんと私で、前日つまり11月21日の午後に1時間ずつ話をすることになった。
 事務局メンバーの責任の一部だと思って引き受けてはみたものの、自分の研究発表は既にポスターセッションで出してしまっていて、それとは別に1時間モノの液体の話をするとなると、過去の仕事の総集編でもやるしかない。プレシンポジウムは無料で、誰でも聞けるのだが、前日から来る人は多分少ないだろう(∵多数のメンバーは西の方に棲息しているから山形は遠い)。結果として聞いてくれるのは会場係として動員されるであろう学生さん達数人ということになりそうである。ぶっちゃけマイクのテストなら何をやってもいいや……ということで、私は「科学とニセ科学について考える」というタイトルで話をすることにした。水のネタを入れておけば、一応溶液や液体ってジャンルは外してないよね、ね?この手の話は春の物理学会でもやったし、夏頃にも会社の人達相手にも話をしたし、今回は会場準備で疲れたバイト学生さん達にのんびり聞いてもらえればいいや。

ヘタレExcelユーザ

Posted on 9月 29th, 2006 in 未分類 by apj

 普段仕事をしていても、たまにしかExcelを使わない。データ処理は波形解析が命だからIgor Pro以外は論外である。それ以外のデータを自分で管理するのは成績を出すとき位で、つまり前期と後期の最後の数日しか使わない。他には、事務からExcelファイルで回ってきた文書に必要事項を記入して提出するとき位か。ということで、数値を入力して、罫線を引いたりセルの色を変えたりして、あとは平均とか割り算とか合計するという数式を、ヘルプを見ながらポツポツと入れる程度である。正直、これ以上の機能はどうやって使っていいかわからん。グラフも作ったことはない。
 ところが、3,4年に一度、ExcelのVBAでやると楽という仕事が降って湧く。今日は、11月の溶液科学シンポジウムの予稿集巻末の索引製作作業をExcelでやっていた。
 発表登録者の情報はPostgreSQLに突っ込んであるので、テキスト形式で適当なデリミタを入れてダウンロードしてExcelのシートに突っ込む。そこから、講演番号と発表者一覧とふりがな一覧を持ってくる。索引だからソートしなければいけないので、発表者とふりがなが1対1対応の関係を保ちながら、発表者それぞれに講演番号を割り振ったテーブルを作る。そのあと、発表者名でソートし、丸印付きの発表者の講演番号は太字にするといった処理をして、最後にTeXのテーブル形式でテキストファイルに保存する。何でこうなるかというと、1つの講演番号で識別される演題は複数の共同発表者がいることが多く、そのうちの一人が登壇者となっていて、いろんな演題の共同発表者になっている人もいるからである。これを、最終的に、発表者と講演番号の1対多対応の表にし、その発表者が登壇する講演の番号だけ太字にしたものを、発表者名でソートしたのが、欲しい索引ということになる。
 とても手作業ではやってられないというか、やる気にならない作業である。だから、発表登録の時から、共同発表者は・で区切れとか、登壇者に○をつけろとか、細かく書式を指定してウェブ入力してもらうようにしてある。勿論間違いはあるがそれは数少ないので手作業で修正して、索引生成VBAマクロにかけている。
 perlとかawkでも十分書けるんだろうけど、途中処理が目に見える方がバグ取りがしやすいという理由でExcelでやっている。
 問題は、こんな作業は滅多にないから、一回やって、完璧に何をどうしていたか忘れた頃にまたVBAが必要になるということで、毎回ほとんど白紙の状態から作業するはめになることだったりする。まあ、今回は、前回の学会事務作業で作ったマクロをそのまま取っておいたから、何をしてたかは殆ど忘れている割に、作業はあっさり終わった。

 そういえば、最初にExcelを使った時も、マクロ書きから入ったなぁ……。アルバイト仕事だったけど。グラフもろくに描けないけどマクロやVBAは触るユーザってのもなんだかなぁ。

トラックバックが……

Posted on 9月 28th, 2006 in 未分類 by apj

 水伝批判のエントリについたコメントで、中/川/翔/子/に云々(検索除けしときます)てフレーズが登場した途端、し/ょ/こ/た/んロリエロサイトからのトラックバックがしつこく来るようになった。さっき送信元を確認して、ドメインまるごとアクセス禁止にしてみたが……。キーワードだけで自動宣伝トラバを打ってきてるんだろう。それにしても話題が違い過ぎる。第一、ac.jpドメインに対してロリエロサイトの宣伝なんかしに来るなと。

学会発表終了

Posted on 9月 26th, 2006 in 未分類 by apj

 本日午後に物理学会で発表だったので千葉大に出かけた。発表自体は、現在データを溜めてる状態の途中経過報告だからあっさり終わったし、いろいろ測定ネタも仕入れたのだが……。途中でふと気になってAir H”をつないでメールを取り込んでみたら、急いで返事しなければならないメールが来ていて、返信と連絡に大わらわになった。その上、ウチがホストをやる溶液科学シンポジウムのサーバが異常に重くなってつながらないということだったので、慌ててログインしてrebootしたり。学会会場の横の方で、他の人の発表を聞きながら仕事に突入するのも何だかなあ……。まあ何とかなるにはなったが。さて、後期の講義やら仕事やらに向けて頭も気分も切り替えないと。