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学生実験

Posted on 6月 21st, 2006 in 未分類 by apj

 学生実験のテーマの1つである「光吸収測定」は、ウチでは従来はニッケル錯体の水溶液を測定していた。すると、2日ある実験日の初日で測定が終わってしまう。で、去年からこのネタを追加した。お茶の色素の色がpHに依存して変わるというのを実験で確認するというもの。レポートは、お茶の葉の主な色素分子が何であるかということ、pH依存性が既に知られているものと矛盾しないことなどをまとめてもらうことにしている。まあ、二日目に何もせず遊ぶことになるよりは、世間で出回っている「アルカリイオン水だとお茶の色が濃くなるのはよりよく抽出ができているからだ」というたぐいのインチキ話を一目で見破れる経験をしてもらおうか、ということである。抽出精製した色素を使うとより精密な実験になるのはわかっているのだけど、試薬代がかさむので、お茶をそのまま使っている。
 実験の前に、市販のペットボトルのお茶を適当に選んで買ってきて渡すことにしているのだが、たまたま今日は私が買い忘れたので、TAに頼んで生協に走ってもらった。そうしたら、
十六茶を買って来やがりますた……orz
 行ってもらったのは、この実験の意味も説明しつつ、試薬高いしねぇ……などと言いつつ、デモ実験を一緒にやった博士前期課程の院生である。「主成分がお茶の色素」だから何とかなっている実験に、発色の主な原因物質の見当がつかない十六茶を買ってきて一体どうするんだと小一時間(以下略)。
 結局、学生が飲みかけの生茶と新品十六茶のトレードが成立(笑)して、実験は無事終了した。

アガスティアの葉

Posted on 6月 19th, 2006 in 未分類 by apj

 マイミクさんの日記経由、mixiのコミュに「アガスティアの葉」に関する情報が出ていた。アガスティアの葉とは何かというと、

大昔のインドの何やら偉いアガスティアっちゅうオッチャンが、これから生まれてくる全人類一人一人の運命について占って、それを葉っぱに書き記したものらしい。この葉っぱには、日本人の運命についても書いてあるのだが、それを見たい人はインドまで行って自分の葉っぱを捜さないといけない。

 ところがそれは手間も費用もかかるから、葉っぱ探索を有料で代行する(ってか、むしろぼったくりに近い)業者が出てきたということだそうな。
 たかが葉っぱのクセに、ずいぶんな情報を持ってるという設定だな……と思ったのだが、このご時世だと、何も大金払って代行業者なんか使わなくても、そのうち、
アガスティアの葉検索サービスをGoogleが提供する
が一番ありそうな展開のような。そういうややこしい検索対象があったら、Googleが黙って見ているはずがない罠。あそこの会社のこれまでのやり方からしてきっとやる。「Google アガスティア」。検索したいようなしたくないような……w。

(注)「アガスティアの葉」はインド版おみくじみたいなモノだということが既にわかっている。

フィンガーチョコレート

Posted on 6月 18th, 2006 in 未分類 by apj

 二日連続食べ物の話。子供の頃から身近なおやつとして食べていた森永製菓のフィンガーチョコレートだが、最近どこのスーパーでも見かけないと思ってお客様相談室に問い合わせてみたら、製造中止になっていた。OEMで出していた分の供給もやめているということ。代わりになるものはないか、と探していたら、株式会社メリーチョコレートカムパニーSKが、「テーブルチョコレート」という名前でほとんど同じものを出していた。百貨店などに入っているブランド洋菓子メーカーなので、子供用おやつの森永よりは割高だが、ビスケットにビターチョコレートコーティングという基本(?)はふまえていて、なかなかおいしい。
 ネットで探すとフィンガーチョコレートのファンはかなり居るようだが、製造中止で欲求不満になっている方々に、とりあえず代わりの品としてお薦めしたい。

マンゴージュース十番勝負

Posted on 6月 17th, 2006 in 未分類 by apj

 都内某所のホテルの会議室を借り切って、マンゴージュースの飲み比べに参加してきた。と学会会員の本郷ゆき緒さんが企画したものである。
 お茶の水大前のナマスカというインド料理屋でマンゴージュースを頼んだらおいしかったのでドはまりしてしまい、輸入食料品店を回っては買って飲んでいた。fjを使っていた時は、マンゴージュースの購入先やおすすめの品について質問したこともある。池袋東武の地下に、メキシコ産のジュースのパックを置いていたのだが、いつの間にか姿を消していた。それ以後、なかなかおいしいジュースに出会えずにいた。
 今回、10種類のジュース+アルフォンソマンゴーの缶詰+干しマンゴーのきき味大会だったので、とにかく参加して、おいしいものがあったら入手先を訊くのも目的の一つだった。お酒は飲まないので聞き酒には参加しても意味がないが、ジュースならOKである。
 私の基準は「できるだけ他のジュースとブレンドしていないこと」である。果物は香りが強いので、ブレンドするとマンゴーの香りを殺してしまうことが多い。さらに、ピーチネクターを濃縮したようなとろみがあるのがマンゴージュースのおいしさのポイントで、氷を入れて少し溶けて冷えると、ちょっとだけ薄められて飲みやすくなる。
 ブレンドしたものは、ミックスジュースとしてならどれもそれなりに楽しめるが、マンゴージュースとして合格点になったのは、株式会社グレイスが輸入元のマンゴージュースである。参加者の評判も総じて良かった。果汁100%でブレンドはしていない。製法は特殊らしく「特許出願中」とあるが……今回は許す(笑)。輸入酒店のやまやで扱っている。

 反対に許せなかったのがマルカイコーポレーションの「順造選」のマンゴージュース。実は、最初に東京都内で見つけたのが1999年前後で、インド料理店のジュースと匹敵するおいしさで、大ファンになった。マンゴーの濃度が高いのでとろみもあって良かった。それからも、見かけるたびに買って、研究室に持って行き、休憩時間に飲んでいた。しばらくして、普段行く店で見かけなくなってしまった。広島大に着任し、西条のスーパーで、小瓶に入ったのが売っていたので、即買い。変わらぬおいしさを楽しんだ。人気は高いらしく、品切れになっていることもしばしばだった。とある日、買ってきて飲んでみたら味が全く違う。どうやら、レシピを変えたらしく、レモンジュースで薄めたまがい物になっていた。それ以後買うのをやめた。
 今回の十番勝負でも順造選のジュースが入っていたので飲んでみたが、レモンジュースモドキの味に変化は無かった。このジュース、瓶にはやたらと「こだわって作った」という能書きが印刷してあるわけだが、そんな講釈を垂れる前にレシピを最初のに戻しやがれと小一時間(以下略)。

 アルフォンソマンゴーの缶詰は別格のうまさだった。もともと糖度20%と甘いので、参加者は食べている間、言葉が少なくなってしまった。シロップを捨てるなんてもったいないことは誰もせず、氷を入れてジュースとして味わった。検疫の都合で生は輸入不可だから、日本では缶詰でしか食べられない。

 終了後は池袋近辺の買い物ツアーとなった。グレイスのジュースを買って、やけにサイケデリックな雑居ビルに入っている輸入食料品の専門店で缶詰を買った。食べ終わったあたりで誰も何も言わなくても、グレイスのジュースと缶詰の購入に行くことは自動的にケテーイw。

 今回の調査結果はいずれ同人誌として出版されるだろう。

どうせランキングするなら……

Posted on 6月 16th, 2006 in 未分類 by apj

 chem@uさんのところで出ていた、大学の偏差値ランキングの話題について。
 入試を受ける側にとっては、偏差値ランキングが有効でしょうが、入ってからのことを考えるなら、もっと別のランキングをどんどんやって公表してほしい。特にやってほしいのが
・教員一人当たりの研究費(校費)の額
・学生・院生一人当たりの教育予算
 大学が、教育と研究を重視してるかどうかの判断は、これらの金額のランキングで判断するのが有効である。毎年、3%の効率化ということで予算が減らされているが、下に降りてくる校費の減額割合はこんなものではない。この10倍である。5年前までは年間90万円程度の予算が教員一人当たりについていたらしいが、今年の理学部の教員一人当たりの校費は34万円となった。この中から、たとえば、担当している教養教育で配布するプリントのコピー代なども全部支払うことになる。
 学生一人当たりは、もっとあり得ない金額となっている。4年生の場合は一人引き受けても数千円程度で、実験で使う試薬代にもならない。せいぜい卒業論文のコピー代といった程度か。博士前期課程一人でも、一万数千円程度、さすがに博士後期課程だと年間10-15万円ほどだが、国内学会発表の旅費を出したら、あとは安い試薬が返る程度である。
 ぜひこの金額の大学別ランキングを作って欲しい。代ゼミより日経新聞あたりがやってくれるとなおいい。大学が、どれだけの費用を学生の養成にかけているかで、学生にとっての環境の善し悪しが決まる。偏差値よりずっと役立つランキングだと思うが、どうだろう?

もっとGoogle八分について教えよう

Posted on 6月 15th, 2006 in 未分類 by apj

 最近、私の知り合いのサイトのいくつかが、Google八分にされている。Google八分とは、Googleで検索したときにリストに出ないように削除されることである。つい最近も、平和新軍観察会のサイトがGoogle 八分された。
 Google八分をしかけてきたのは、民事で係争中の 「ラーメン花月・平和神軍事件」の一方当事者、グロービートジャパンという会社と考えられる(他に利害関係者はいない)。

 Googleという会社の基本姿勢は、「個人の主張と企業の主張では、企業の言いなりになる」というものである。私が知る限り、Google八分にされているのは、「特定企業を批判している個人のサイト」であった。サーチエンジンの順位をアルゴリズムで決めているというのは実は正しくなく、恣意的に見えなくするいうことが陰で行われている。問題は、誰かの権利の侵害をしているといえないサイトでも、Googleの独断と偏見で一方的に見えなくされてしまうということである。つまり、訴訟で係争中ということは、判決が出るまでどちらの言い分が正しいかわからないわけで、結果次第では、権利侵害など無かったということもあり得る。だが、それを待たずにGoogleは検索結果を操作した。

 Googleだって私企業だから、何をどうしようがGoogleの勝手ではある。そのかわり、「Googleの検索結果からはある特定企業にとって都合の悪い情報があらかじめ削除されている可能性がある」ことを意識して使わないと、検索結果に騙されることになる。

 教養教育では「科学リテラシー」というタイトルで講義しており、学生にはレポート課題として、「科学的にみて怪しい宣伝を選んで、何が怪しいか、どうすれば検証できるか議論せよ」といったものを与えている。毎回、ネットから情報を拾ってくる学生が多数いる。レポートは、学生が自分で考えて書くことになっているから、検索したとき批判サイトが出てこなくてもかまわない。その場合でも、Google八分の存在については教えておく必要がある。
 私は、高等教育の目的の一つは「王様は裸だ」と言える人材を養成することだと考えている。調べ学習なんかで教えられる「ネットは便利だからどんどん使いましょう」だけではだめである。大学まで来たのならはやっぱり、「一見中立に見える情報が実はゆがめられている可能性を意識しながら使う」ことが出来ないとまずい。情報リテラシーに関連する講義をしている先生方には、ぜひ、Google八分についてもきちんと教えていただきたい。

 ユーザーがとれる消極的な方法としては、複数のサーチエンジンを使うこと、もっと言うなら、複数のサーチエンジンが存続できるような使い方をしていくことが大事だろう。何でもかんでもGoogleに頼っていてはいけない。一極集中が弊害をもたらすのは、サーチエンジンの場合にもあてはまる。
 もう一つの方法は、Google八分されたサイトだけを登録する検索サイトを有志で立ち上げるというものになる。「Googleに引っかかるサイトの数>>(越えられない壁)>>八分されたサイトの数」は今後も成り立つだろうから、Googleの向こうを張って設備を増やす必要はない。ただし、Google八分を仕組むような企業はろくでもない悪徳企業であることが予想されるので、そういうサイトを作れば当然圧力はかけられるだろうから、脅しに屈しないだけの理論武装と対抗手段を持たなければならない。従来のマスコミによる情報伝達ルートを併用して、サイトの存在や活動を宣伝するといったことも必要になるだろう。

さて、ポテンシャルをどう教えるか……

Posted on 6月 14th, 2006 in 未分類 by apj

 学生実験が18時頃に終わって、そのあと明日の講義の用意をしていたら日が変わって1時回ってしまった。高校物理をやってないウチの学科の1年生に物理を教えるわけだが……。指導要領の制約がない&高校物理の公式暗記型は見通しが悪くてやってられない、ということで、駿台文庫の物理入門など見ながら、最初から微積分使いまくりで導入することにした。
 位置、速度、加速度が時間微分で導けるというのと、運動方程式と作用・反作用の法則をやって、力積と運動量の変化、運動エネルギーと仕事まで、可能な限り3次元(ベクトル表記)でまとめた。前半で微積分も微分方程式もやってあるので、復習することにもなる。
 何とか明日の分はまとめたが、次回やるはずのポテンシャルの話をどう持っていくとすっきりするか思案中。仕事を先に定義したから、保存力を説明してポテンシャルの話につなげばいいのか……。「理工系物理学」など引っ張り出して眺めてみたり(でもこの本、アマゾンでも表紙や著者の氏名が登録されていない。著者は鐸木康孝氏だと思うんだけど、手元の本にはISBNが振ってないorz。見通しよく書かれているけど、最初に独学で読んで味わえるかというとちょっと疑問だ)。

また名探偵原理w?

Posted on 6月 13th, 2006 in 未分類 by apj

 午後から学生実験を見ていたら、実験で使う寒剤の塩化ナトリウムが足りなくなりそうだったので、出入りの業者に急遽電話して、学生実験中であることも伝えて配達してもらった。実験室前で品物を受け取ったら、ちょっとこれを見てください、と印刷物を手渡された。
 一体何かと思って見てみたら、内容は怪しげな磁気活水器の宣伝。錆を取るというふれこみだが、説明の方では水を変えるとなっている。水が反磁性体で磁場の影響はほとんど受けず、磁場の影響が後に残ることもないことを、まずは説明した。よく宣伝の中身を見ると、鉄管の外に永久磁石を置くタイプ。ここで、磁気回路について説明し、磁束の殆どは鉄の部分を通るから、内部の水には届かないということも説明し、全体として業者の説明が怪しいことをわかってもらった。何でも、知り合いのおばあさんの家に「取り付けられてしまった」らしい。またドッカのインチキ企業が、年寄りの無知につけ込んで強引な営業をしたらしい。

 その上、シンクロニシティかっていうタイミングで、伊藤園のエンジニアの方が、日本流通産業新聞に掲載された水関係製品の特集記事のコピーを送ってくださったのが届いていたりする。こちらも、まともな企業とおかしな宣伝をしている企業がごっちゃになっていて、正直頭が痛い。っていうか、こんなところに同列に並べられたら困るのは、まともな商売をしている会社の方じゃないのか。まあ、業界紙だから読む側もプロを想定しているので、情報の評価は自己責任でやれということなのか。この新聞記事を読んで、どれがニセ科学でどれが本物の科学か、見分けられる企業とそうでない企業が出てくるのだろうなぁ。怪しい方に乗っかる企業も出てくるだろうなあ。業界の自己責任に任せている限り、インチキが無くなることは無さそうである。公取あたりに頑張ってもらうしかないのか。

e-holster

Posted on 6月 12th, 2006 in 未分類 by apj

 ホルスター型の携帯&PDAケースを愛用しているのだが、買い換え候補が出ているサイトを見つけた。e-HOLSTERというそのまんまな名前のサイト。ケースとベルトを別々に頼んで好きなように組み合わせられるらしい。iPodも一緒に持ち歩きたかったりするので、そろそろ両側に収納できるものを……と探していたのだが、なかなか良さそう。ナイロン製のものもあるので、洗濯もできそうだ(皮製は、夏は臭ったりしがちなので……)。
 まあ、こんなのを手に入れたら、また空港のボディチェックが大変になりそうな気もするが。

ハニーフラッシュ

Posted on 6月 10th, 2006 in 未分類 by apj

 2006/06/10付けでとりあげた「言葉で核反応」な、高木氏と江本氏のコラボ発表について。
 私は当日会場には行けないので、私のかわりに、
「『ハニーフラッシュ!』と叫んだときに水の中の元素はどうなりますか?」
という質問を物理学会の会場でぶつけてくれる勇者を募集
したい。
#コメントの方では、takuさんが提案してくれたが、やはりこういうことは当人達に会場で言うべきだろう。

 まあそこはそれ、そういうネタなんだろうということで……。誰かやってみて、彼らがどう答えるか、レポートしてくれませんか?多分、この発表に限り、この手の質問をしても、した人の質的な評価には影響は無いことが予想されますし。