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ジャパンスケプティクス

Posted on 3月 20th, 2006 in 未分類 by apj

 4月23日に開催されるジャパンスケプティクスの総会案内と招待講演の情報が届いた。それによると、東京海洋大学・小松美彦教授による「臓器移植法案と科学者の倫理」だということだ。送られてきたメールには「小松教授によると、脳死から臓器移植に至る枠組み自体に擬似科学的要素がある、ということで、人の死に係わる科学者の倫理について討論しよう、ということです。」とあるので、どんな議論になるか今から楽しみである。

 ただ、脳死=人の死、とする考え方は、疑似科学というよりも、むしろSFの発想じゃないかと思ってしまう。今は、脳が先に死ぬことを前提にして移植のために臓器を取り出そうという話ばっかりが強調されているけど、裏を返せば、体が死んでも脳が生きていればその人は生きているということになる。これって、SFじゃすっかり定番となった「サイボーグ」が作られる状況そのものではないの?体が無くなったけど脳だけ取り出して生きてますって設定、古くはキャプテンフューチャーのサイモン・ライトがあるし、それ以後もいろんな作品で登場した。サイボーグ(サイバネティック・オーガ二ズム)という概念はそもそも科学の側から出てきたものである(実現はしていないが)。
 脳からの信号で、脊髄損傷で動かなくなった腕を動かすとか、義手を動かすといった研究は進んでいるわけだから、脳からの信号で機械となった首から下を動かすのは原理的に不可能ではないだろう。正常な状態を保って脳だけ生かすにはどうするかとか、五感をどう入力するかといった問題はあるけれど、脳死=人の死ということを受け入れるのであれば、行き着く先は臓器移植ではなくて、サイボーグを人として受け入れることにつながっているように思う。

まあ、SFといっても、時代が変われば科学に取り入れられちゃったりもするわけで……。

自爆ボタン

Posted on 3月 18th, 2006 in 未分類 by apj

 「たのみこむ」から届いた案内に出ていた「自爆ボタンPRESIDENT」。インテリアにほしいんだけど、おもちゃの値段としては、買う決心できるかどうか微妙だったり^^;)。
 商品を見ているうちに、昔読んだショートショートを思い出した。確か星新一作だったと思うが……。人間を拉致して、ボタンを見せて「これが人類滅亡のボタンだ」とやって、押すか押さないか決断を迫る幻を見せると、連れてきた人がことごとくボタンをポチっとな、した。で、「何でこいつらボタン押すんだー」と拉致した側が頭を抱えていたという内容だけど、細かい部分やオチは記憶にない。何という作品だったか……。

そういえばポリシーを示してなかったな

Posted on 3月 17th, 2006 in 未分類 by apj

 「技術系サラリーマンの交差点」の、「実名ブロガーは「匿名による批判へのポリシー」を示しておいてはどうか」より。 実名vs匿名論争の歴史はfjでもあったが、パソコン通信を知らないので、歴史的にいつ頃から問題になったのかが分からない。
 ポリシーの類型としては3通り紹介されているが、ウチは果たして……と考えてみた。んで、今現在の結論は(書いてないけど)、

 ダブハン禁止、後は内容で判断。ただしspamは削除。

……我ながらいい加減だな……orz。つか、掲示板と変わらんがな(´・ω・`)。内容で判断、の基準は、向こうの掲示板運用ポリシーに準ずると考えている。細かく言うと、運用ポリシーで判断するのが私、ポリシーに触れない部分(議論の質とか内容とか)について判断するのは不特定多数の訪問者、ということになる。
 ただ、実生活でやってることとネットで出してる内容の整合性を保つという部分が生命線であることは確かで、この点では酔うぞさんの意見と一致している。別人格を演出するよりも同じにしておいた方が楽、というのもあるが、同じにしておかないとネットの利点を享受できない上、下手すると勝手に利用されるわけで、むしろ防衛のために同じにしているというのが正直なところである。

そう言われてみれば……

Posted on 3月 17th, 2006 in 未分類 by apj

 スラドの投稿記事より。Winnyの話。

真実を暴く力 (スコア:5, 興味深い)
Anonymous Coward のコメント: Thu 16 Mar 10:55AM (#902442)
少し昔、ネットワークの発達によりマスコミを超えるジャーナリズムが現れると言われましたが、マスコミを超えたジャーナリズムは匿名掲示板や市民メディアではなく、「ファイル共有を利用したウイルス」でしたね。
機密情報収集癖のある自衛隊員だとか、今回の警察の件だとか、責任の所在は兎も角、資料の扱いに不正がある事は間違い無いですが、旧来のマスメディアの力ではそれを暴く事は出来なかったでしょう。

著作権は守られるべきだと思いますが、これほど「真実を暴く力」を副産物として持つ道具は、結果的には社会的に有用なのではないか、と思ってしまいます。

まぁ、自分が被害者にならなければ、と言う勝手な考えですが、(そして、自分がWinny利用者でなくとも被害者になり得るワケですが、)

 確かに情報管理の不適切な実態をこれほど容赦なくすっぱ抜く「ジャーナリズム」は今まで存在しなかったわなぁ。「報道」に人の手が介在しないというのは、恣意性が無いし、他人をある方向に誘導するということもないから、この点だけに限って言えば優れものかもしれない(弊害の方は言うまでもなくとんでもないが)。
#「すっぱ抜く」ぢゃなくて「ぶっこ抜く」だろうというツッコミは却下^^;)。
 もう1つ笑ったのが、

Re:いや、つくづく (スコア:3, おもしろおかしい)
Anonymous Coward のコメント: Thu 16 Mar 03:53PM (#902719)
実は日本版エシュロンなのですよ
 ・ 民主主義に基づき情報公開優先
 ・ 自由平等に基づきフリーソフト
 ・ 主権在民に基づき市民による運営
(洒落になっとらんがな)

 個人的には、割れ物に手出しするつもりもないし、音楽やDVDの中身を手に入れようとも思わないが、一野次馬としては流出した情報は見てみたい。漏洩情報収集目的でこれからWinnyを使う人、増えてくるんじゃないかな。

 そりゃそうと、「ケミストの日常」の記事の中にこんな記述が。

ちなみに大学の情報の中でもっとも機密性の高いものは何だろうと考えてみると。
個々人の教員の未発表研究成果も機密性は高いですが、一般的にはやはり試験前の入試問題かなあ?
入試問題が漏洩したらそれこそ大事です。
Winnyで漏洩したなんて話がとりあえず無い様で、一安心です。

 大学の場合、影響力のでかさから順に、試験前の入試問題、学生の個人情報、未発表研究成果、か。もちろん、試験問題編集用パソコンは、ネットには一切つながない・専用マシン・持ち出し不可で金庫で保管、が基本。紙情報は会議終了後即シュレッダー行き。個人情報は、余分なものを持たないようにしている。研究関係は……漏洩したとして、普通はその個人が泣くだけの話だが、信用に関わるのが受託研究の資料で、契約書で守秘義務を課されているから気を遣うことになる。金庫までは用意できないにしても、持ち出さない、持ち帰らないことにしている。

環境ホルモン濫訴事件:ちょうど1周年

Posted on 3月 16th, 2006 in 未分類 by apj

 ずっと被告の中西氏を応援している「環境ホルモン濫訴事件」が、今日でちょうど1年になる。1年前のこの日に、原告は訴状を提出し、同時にプレスリリースを行った。
 応援を始めた時は、1年では終わらないが2年程度で終わるだろうと予想していた。また、そのときの私の認識は、プレスリリースのあり方から、「環境ホルモン=絶対悪」でないと困ると思っている環境系市民団体がしくんだ訴訟による言論封殺ではないかというものだった。それが、口頭弁論を重ねるにつれて徐々に裏切られ、結局、原告の「失礼だ、謝れ!」しか実体がないということが見えてきた。どうも、原告と代理人の思惑が細部まで一致してないのではないかという疑いも出てきた。

 自然科学では、新規なことがらを主張する側が証明責任を負うというのが当たり前で、このことは、疑似科学を退ける時にも役立っている。トンデモ理論を主張しておいて、間違っているなら証明してみろというのはダメで、そのトンデモ理論を主張する側がそれが正しいことを証明しなければならない。
 民事の証明責任は、これに比べると回りくどい内容である。「ある事実が真偽不明である場合に、その事実を要件とする法律効果の発生を受けられない一方当事者の不利益をいう」というもので、裁判所の自由心証によっても真偽が不明である場合に機能する。これは、事実がわかりません→裁判できません、では、国民の裁判を受ける権利が侵害されるので、裁判の拒否を防ぐために導入されたものである。なお、主要事実についてのみ証明責任が適用される。

 もともと、名誉毀損訴訟は、力の無い側が力のある側(主にマスコミ)を訴えるということを想定していたようで、証明責任が被告にある。名誉毀損したと訴えられたら、それが名誉毀損に該当しないこと(そもそも名誉を毀損していない、名誉は毀損しているが公益性があるから責任を問われない、など)を被告が証明しないと裁判に負けてしまう。マスコミは取材力があることが前提だから、立証責任を課してもまあバランスがとれていたのだろう。これが、ネットの時代にはそぐわなくなってきている。被告のリスクが大きすぎるのである。

 インターネットの登場によって、普通の個人がメディアを手に入れることになった。ネットが登場する前までは、個人が安価に簡単に広く情報を伝える手段は存在しなかった。情報を伝える手段がマスコミに限られていたときは、発信する情報のチェックがあったり、ある記事を書いた記者が訴えられるときは会社も一緒だったりすることが多く、個人が名誉毀損訴訟の被告になるケースは少なかったのではないか。ところが、従来のメディアの数の力には及ばないとしても、今や誰にでも情報発信が可能となった。これに対応して、起きる紛争の方も個人対個人で名誉毀損訴訟をやるということになる。すると、従来の名誉毀損訴訟で想定されていた力の差が無いわけだから、被告にのみ証明責任を課すのは、被告にとってリスクが大きすぎることになる。このあたりのバランスを今後どうしていくかによって、ネットが表現の媒体として十分使えるものになるかどうかが決まってくるはずである。

 応援を始めるに当たって、利害と趣味で応援し、決して主義で応援しないということを考えた。応援の活動は広く知られるわけで、なぜ応援しているのかについて理解が得られないと失敗すると思ったからである。
 利害の方は、専門家同士の批判で提訴は冗談じゃないだろうということで、こんな訴訟で被告が負けたら、私がやっているネット上の表現活動にも支障を来すから今のうちにできることをしておく、というものである。
 趣味の方は、民事訴訟を丸ごと実況中継して見せたらどうなるか?という興味である。こちらの方は、ネット=メディア、という性質によって可能となった。民事訴訟の教科書はいくつも出版されているが、詳しい教材になるのは、有名な裁判や込み入った裁判であり、その場合でも証拠書類が全部載っている本は、そうそう出版されていない。大抵は、判例をまとめたり、法学者の先生が解説したりといった形になる。本であれば、出版と流通に物理的コストがかかるから、法学としてはありきたりの(失礼!)訴訟などを取り扱ってもペイしない。しかし、ネットになると話は別である。原告被告双方の書証や答弁書の全てを自由に読むことができれば、民事訴訟とはどんなものかを知る格好の教材になるはずである。たとえそれが、学者や法曹の目からみてありきたりなつまらないものであったとしても、現実にこの社会で動いている生きた紛争だから、得るものがあると思う。

 まあ、ずっと訴訟の事を考え続けなければならない当事者は、何かと大変に違いない。ともかく、1年お疲れ様でした>中西さん。

水伝批判記事リスト

Posted on 3月 16th, 2006 in 未分類 by apj

 mixiのきくまこさんのまとめトピより。「水からの伝言」関連に対し、批判的な内容を掲載した書籍や雑誌などのリスト。

「トンデモ本の世界T」(2004、太田出版、藤倉珊さんの記事)
「Popular Science 日本版」(2005/1号、Trans World Japan、渋谷研究所Xのコラム)
「世界」(2005/7号、岩波書店、二村真由美さんの記事)
「AERA」(2005/12/5号、朝日新聞社)
「Forbes日本版」(2006/4号、ぎょうせい)
「しんぶん赤旗日曜版」(2006/2/26号、日本共産党中央委員会)

 あと、私に取材がかかった「第三文明」と、今日の別記事で紹介した「日本物理学会誌」の巻頭言。

 これもミクで知ったのだが、「水からの伝言」批判でなかなかしゃれてるなと思ったのが、「図書館に働きかけて水伝関係の本の分類を全部超心理学にする」というもの。国立国会図書館ではさすがに超心理学に分類されてた模様。
 確かに、本屋で、自然科学のコーナーに平積みになってたりするから余計に誤解するわけで、オカルトの書棚の前に平積みになっているのなら、まあいいのかも……。(いずれにしても学校で教えちゃまずいですけどね)

今月号の物理学会誌

Posted on 3月 16th, 2006 in 未分類 by apj

 今月号の物理学会誌の巻頭言に、共同研究先のお茶の水大冨永教授による「騙されないために」が掲載されている。ニセ科学に騙されないようにちゃんと理科を勉強しましょう、というのがその趣旨である。大学なら物理学会誌はいろんなところに転がってるし、企業でも持ってる人はいると思うので、ぜひ読んでいただきたい。
 英会話を身につけるといろいろ便利で得をするが、理科を学ぶということも、同じように便利で得をするものだということを、もっと広く認識してもらいたい。テストが終わればもうやらなくていいとか、大学では文系に行くのでもう用済みというものではない。生活していく上である程度は必要、というのが抜け落ちていると、科学っぽいニセモノに騙されることになる。

 何年か前に、「理科学習のススメ」について書いてwebで公開しようと思って、原稿を書き始めたけど結局他が忙しくて没になったのだが、その時に見出しとして考えていたものに「真理の追求はどうでもいい」というのがあって、これだけはどうしても入れたいと考えていた。
 昔、通っていた中学の理科室には「真理」「探求」などと筆で書いた紙が貼ってあり、そのときは何となく「かっこええなあ」と思っていたのだが、そういうことにあこがれるのはGeekだけで、普通の人にとっては、まあどうでもいいことである場合が多いのではないか。だから、普通の人に「ちゃんと科学を知ってください」と説得するには、真理の探究に価値があるというロジックではだめで、「いかに役立つか」を言わなければならない。ところが、科学(と技術)を利用した製品であれば日常使っているので、最低限マニュアルが読めれば、科学の知識が無くても十分便利に過ごせる。その経験をもとにして「科学が役立つのはわかるけど、何も自分が知ってる必要無いじゃん」と言われてしまったら、話がそこで止まってしまう。やっぱりそうではないんだよ、ということを言うには、製品に応用して使えるということだけではなく、知っていることそのものが役立つ、つまり英会話ができると便利だってのと同じレベルで説得しなければ、言葉が届かないのではないだろうか。

データベース登録・隗より始めてほすぃなあ

Posted on 3月 15th, 2006 in 未分類 by apj

 昨日から、ウチの大学の教員データベースのサポートが脱力モノだというネタを書いていたのだが……たった今、NHKのローカルニュースに仙道学長が出演していた。学長曰く「積極的に情報発信していく」。学長の前にはしっかりノートパソコンが……。
 しかしだ、教員データベースの学長の項目は空欄のまま。学内のサポート体制はヘタレで、学内講習会までやっておいて、入力トラブルの相談先は4月にならないと決まらない。ちなみに、論文リスト一括登録については、内部の下馬評(っていうのか?)じゃ、「ん~多分無理なんじゃない」という何とも頼りないコメントが聞こえてくる有様で……。
 いやもう、画面に映った学長に向かって全力でツッコミ入れるしかなかったよ。
 「そのパソコンで学長本人の入力しろ~記者にしゃべる前にデータ入れてよ~」
 今のままじゃ、ニュース見てウチの教員リストをポチッとな、とした人が脱力し倒す罠。

データベース登録・ADVゲーム開始Stage 1 w

Posted on 3月 14th, 2006 in 未分類 by apj

 教員データベースへの登録だが、下のエントリを書いて、いつもお世話になっている事務の人にメールして、理学部の担当者について訊いてみた。そうしたら、「山形大学情報データベースシステム?ナニソレ?」という内容のお返事が。そこで、印刷製本されたマニュアルを持って、2Fの事務室へ行った。マニュアルを見せると、「配った覚えはあるが……」。
 理学部事務室でも、部局の問い合わせ先は判明しなかった。そこで、データベース登録の講習会の案内を流してくれた本部の総務に電話で問い合わせてもらった。それによると、
 「この前の会議で運用担当者を決めるつもりだったが、同意が得られず、現在担当者は居ない。3月の会議でもう一度諮って決め、4月1日から任命する」
とのこと。
 一体どういう運用するつもりでいるのだか。さっさとデータを出せとか何とか言っておいて、サポート体制がこれでつか?

 ダンジョンの入り口にたどり着いてみたら「工事中」って札がかかってたようなもんだよな、これって。フラグが立つところまで到達もしないか……orz。

データベース登録・第一の関門

Posted on 3月 14th, 2006 in 未分類 by apj

 山形大学の学内の教員情報データベースに、論文一覧を登録しようとしているわけだが。論文1個を登録して毎回ポチッとな、では効率が悪すぎるので、登録ページにあった一括登録用のエクセルファイルをまずダウンロードした。所定のカラムに必要な情報を入れて、ワークシート上の「xml作成」ボタンをクリックすれば、一括登録用のxmlファイルが生成されて、後はそいつをアップロードすればいいだけのはずだが……xml作成ボタンがクリックできない(爆)。VBAは一応作られてるっぽいんだが。当方、環境はExcel:Mac 2004。テキストデータとしてxml型式のファイル吐くだけなら、そうそう環境に依存するとも思えないんだが。
 で、サポートに連絡しようと思ったら、配られたマニュアルのどこにも連絡先がなくて、「部局の運用担当者に連絡しろ」と書いてある。で、当然、「部局の運用担当者一覧」などというものはどこにも書いてない。とりあえず事務の人に誰が担当者か訊くところから仕事が始まった。

 教員個人評価や大学の外部評価用のデータを出させるのに、ウチの大学は、サポートの提供をアドベンチャーゲーム方式で行う気マンマンということらしい。