火星人ゴーホーム
フレドリック・ブラウンの「火星人ゴーホーム」を途中まで読んでいる。人類3人に対して1人の割合でやってきた緑色の火星人が、どこにでも入り込んで何でもばらしまくって人類の活動の邪魔をするという話。軍事機密もプライバシーもあったものではない状態のどたばたを描いていてなかなかに笑える。原著が出たのが1955年、翻訳が1976年だから、SFとしては古い部類に入る。まあ、最近では、火星人ネタ自体がSFに登場することがほとんど無くなっているのだけれど。
ただ、この本の面白いところは、緑色の火星人=インターネット、と置き換えて読むと、50年前のSFであるにもかかわらず、今の社会に一部当てはまっているということである。軍事機密だだ漏れまではいかないにしても、人の目があるし、一旦出た情報は無かったことにはできないので、「昔のことまで調べ上げていらんタイミングで曝露しまくる火星人」と一緒に過ごしているような状況が出現していることは確かなのではないか。ただし、火星人がやってきたのではなく、人類と火星人の一人二役をやっている。