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新幹線混みまくり

Posted on 11月 20th, 2005 in 倉庫 by apj

 お茶の水大に立ち寄って、論文1つオンラインでsubmitしてから山形に戻る。午後の新幹線は指定席が軒並み埋まっていた。何か東京から山形に向かう人が非常に多い。紅葉はもう終わってるはずだが……。
 早めに用が済んだので、丸の内の丸善で時間をつぶすことにした。久しぶりに大型書店を歩き回っていくつか興味深い本が出ているのを見つけて、メモしてきた(買うと重いから……)。

 そういえば、週末の京都行きも、宿がとれなくて困った。京都は高いところしか空いてない、大津あたりでナントカしようと思ったがそれもだめ。西の方はちょうど紅葉のシーズンで、観光する人が妙に多かったということらしい。

溶液化学シンポジウム

Posted on 11月 18th, 2005 in 倉庫 by apj

 溶液化学シンポジウムに参加。本当は昨日から参加するつもりでいたら、環境ホルモン濫素事件の口頭弁論とダブルブッキングしたので今日からの参加。午前中のポスターセッションで発表した。次回開催が山形大学なので、総会で亀田先生のアナウンスの様子を見たり、懇親会でちょこっとだけ壇上に上がってウェルカムメッセージをしゃべったりしていた。

 ここ数日かなりばたばたしていたのだが、買ってまだ1年たってない外付けHDDのポートの1つが認識しなくなった。近々修理に出す予定なのだが、その間のバックアップを何とかしなければいけない。で、安いUSB接続のポータブルHDDを買ってここ数日バックアップしている。USBなので遅い遅い。USB2だともうちょっとマシなのだろうが、古い方のG4 PowerBookはUSB2にはなってないみたい。FireWireなら一晩もあれば全部終わるのに……。やっぱりFireWire接続のものにした方が良かったかなあ。でも、USBの方が種類も多いし軽いものもたくさん出ているので、微妙なところだよな。最初バックアップを大体やってしまえば、日々のファイルコピーはそんなに多くないし。

環境ホルモン濫訴事件:第四回口頭弁論

Posted on 11月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

 本日の傍聴人は全部で23人。パイプ椅子などを追加して全員着席できた。原告代理人は、中下・神山・中村弁護士の三人で、原告本人は欠席。裁判官の一人が交替したので弁論の更新をした後、反訴被告の答弁が始まった。
「請求が正当であることは元の訴状を読めば分かる」
「反訴被告の提訴の意図は反訴原告に対する攻撃であるというが、訴状を読めば分かるとおりそんな意図はない」
と述べた後、まさか言うまいと思っていた爆弾発言で(傍聴席に)笑いの燃料投下。

「プレスリリースは新聞記者に対する説明のために出したもので、付随的なものであり、本件訴訟の目的にはあたらない」

 訴訟代理人の弁護士名義で出したプレスリリースの中で訴訟の目的が説明してあれば、読んだ人はそれを本当のことであると受け取るのが普通ではないのか。記者だってそれを前提に新聞に載せる。中下弁護士は、プレスリリースには真実でないことを書いてもいいと主張したとしか見えない。しかも裁判官の前で。
 これって、弁護士の行動として倫理的に大変問題があるのではないか。プレスリリースを掲載したマスコミの皆さんは、見事にかつがれたということだから、大いに怒って良さそうだ。

 中下弁護士の演説はさらに続いた。
「(反訴原告を攻撃する意図の背景に)代理人がダイオキシン・環境ホルモン国民会議の役員であることが指摘されているが、国民会議は158名の女性弁護士が作った団体で、たまたま受任した代理人がこれに参加していたというだけである」
「学問的批判であれば、事実に基づいて行うべき。本件は事実に基づかない批判である。また、学問的批判であるというなら、どうして、反論の機会を保証せずにwebに掲載したのか。なぜ一方的に行ったのか。学問的批判はシンポジウムなどで直接行うべきである。」
「どうして(松井氏から)抗議メールがきたのに、それを公開しなかったのか(公開して反論しなかったのか)」
「批判は他者の名誉を傷つける可能性がある。他者への批判は自己への批判と結びついていなければ建設的ではない」

 松井氏は自身のウェブサイトを持っているので、そこでいくらでも反論できる状態であった。また、メールを無断で公開することの方に慎重になるのは当然である。既に訴訟に至るまでのメールのやりとりは公開済みだが、松井氏は、送ったメールを公開せよなどとどこにも書いていない。

 で、意見表明が名誉毀損にあたらないという最高裁判例の射程距離について述べた後、次の燃料投下。

「乙5(2)のテープですが、原告は、(新聞記事の説明について?)言ったつもりで言ってない」

 これで、この訴訟は、
  原告が「言ったつもり」で「言ってない」ことを「聞いてない」から「ちゃんと言え」と指摘したら訴えられた
というものであることがはっきりした。そりゃ、「言ってない」ことは「聞いてない」のが普通だわな。要するに松井教授のプレゼンがドヘタだったということか。で、逆ギレ訴訟の挙げ句、弁護士が三人がかりで松井教授のプレゼンが下手糞だったことについて弁護している、と。

 詳細な情報は、環境ホルモン濫訴事件:中西応援団から得て欲しい。

 なお、本日原告が提出した甲号証の中に、私のブログも登場したことがわかった。これについては後ほど詳細を説明する予定である。

主戦場はマスコミではなく、裁判自体を正面から扱えるネットだ

Posted on 11月 16th, 2005 in 倉庫 by apj

 中西雑感324-2005.11.15を読んで。環境ホルモン濫訴事件についてだが、本件訴訟が起こされたとき「主戦場は法廷外と想定しただろう」と中西氏は書いている。訴訟を展開する上で明らかに足を引っ張るようなプレスリリースを出していること、もともと事実が無いのに提訴したことから、「そもそも法廷で争うような名誉毀損該当事実が存在しない時に、どうすれば相手に打撃を与えることができるか考えて“提訴”を利用する方法を考えた」と述べている。つまり、裁判で結果が出る前にマスコミが環境ホルモン問題を終わったと決めつける悪い奴、というレッテルを中西氏に貼り付けてくれればそれで良かったということだ。それだけでも中西氏の信用は落とせることになる。

 中西氏の主張には一理あると思う。ただし、これはちょっと前までの話だ。ネットが普及したため状況は既に一変している。

 私は、中西氏を応援することを決めたとき、主戦場はネットだと考えた。訴訟を正面から取り扱いながらネットワーカーに共感してもらえるような方向で動くべきだという見通しを持っていたし、これは今も変わらない。つまり、彼らが主戦場と想定したもの以外の場所が事実上の舞台になると思っていた。
 ネット上の言論の自由をどうやって確保していくか、他の権利とどう折り合いを付けるのかということは、ネットを利用するすべての人に関わる問題だからである。権利のぶつかりあいは最終的に司法で決めるしかないし、判決は社会に影響を及ぼす。

 マスコミは巨大だから、どうしても、一般受けして数が売れる、商業ベースに乗る情報しか提供できない。メディアがマスコミしか無かった時代には、マスコミを動かせばそれで足りたのだろう。しかし、ネットは違う。マスコミとは比べものにならないほど安価に、個人が、ニッチな情報を提供でき、一旦公開した情報はどこかに残り続ける。
 訴状、原告被告双方の答弁書、証拠書類といったものが、従来のメディアに載るのは、例えば、法科大学院のテキストとして出版されるといった場合がある。これ以外では、医療過誤訴訟といった、ある分野を深く知るための法律専門書に、これをやっているものがある。いずれも、専門家向けの本だから、値段も高いし数も出ないし、一般の人がそうそう手に取るものでもない。従来のメディアしかなければ、プレスリリースで、訴訟に対する印象操作をすることが割と簡単にできただろう。
 ネットがあると、プレスリリースも含めて、書証をすべて公開し、誰でも検討できる状態にして、後まで残すことができる。仮に間違った印象操作がなされても、最後に説得力を持つのはソース、つまり1次資料の内容である。ソースに説得力がなかったら、小手先の印象操作をしても、必ず最後には覆る。
 安全圏からの訴訟など、ネットが普及した後はあり得ない。誰が何を主張したか、正確な記録を残せば、後からそれを評価する人は何人でも現れる。

 早々とプレスリリースを出した割には、その後の情報のコントロールがまるでできておらず、戦略性も感じられない原告側の動きを見ていると、どうも、時代の流れに取り残されているのではないかという気がしてきた。多分、原告の考え方や運動のやり方は、1970年代なら通用したのだろう。だけど、今となっては、多分古すぎる。
 こんなずれが生じているのは、マスコミと市民団体がタッグを組んで動くという文化と、個人がフラットにコミュニケーションするという文化の、文化摩擦が背景にあるためではないかと思う。

Igor Proは最新版にするべき(Mac OS X)

Posted on 11月 15th, 2005 in 倉庫 by apj

 発売されてからもマイナーバージョンアップが続いているIgor Proだが、Mac OS X版については、最新の5.04Bにすることをお薦めしたい。OS X版になってからの最大の不満は、グラフを描くためにwaveを選ぶ操作で、X軸のwaveとY軸のwaveの組を1つ選び、重ねてプロットするため次の組を選ぼうとすると、X軸で選んだwaveが毎回calculatedに戻ってしまうということだった。選ぶべきX軸のwaveが並んでいる場合など、毎回選び治さないといけないので非常に面倒だった。最新版ではやっとそこが改善されて、XYの組を1つ選んだら、選んだモノがそのままselectedな状態に保たれるので、次々と組を選ぶ操作が楽になって、ストレスを感じなくなった。

ご飯にかけ声

Posted on 11月 14th, 2005 in 倉庫 by apj

 ミクでも書いたし、電話取材があったのでそっちでもしゃべったのだが。
 ごはんに「ありがとう」「ばかやろう」と声をかけると、早く傷んだりカビが生えたりするのが「ばかやろう」と声をかけた方で、「ありがとう」と声をかけた方が長持ちするという話(っつーかネタ)。夏休みの自由研究でこれをやる人も出てきていて、水の結晶ネタともども拡がりつつある。
 まあ、カビの生え具合など、初期条件に左右されやすいので、偶然そういう結果が出ることがあっても不思議ではない。
 疑問は、そういう結果を前にして信じてしまった(と称する)人々のその後の行動にある。「ありがとうと言いましょう」という結論にはなっても、「ありがとうと言うことにしたのでこれまでは2日しか保たなかったごはんを3日目も食べるようにした」「コンビニバイト君にありがとうを言わせているのでおにぎりの賞味期限を1日延ばすことにした」という結論にならないのはどうしてか、ということだ。結果を信じるというのなら、さっさと実用化すればいいわけで、その方が経済的効果ははるかに大きい。信じておいて、他人にもその話を広めておいて、おにぎりの賞味期限はそのままだという行動をとるのは矛盾しているのではないか。本当に信じているなら自分の腹具合を賭けてやってみろと言いたい。

 山形大生協には一般販売用の日系ビジネスが入ってなかった。大学発ベンチャーの批判記事に興味があったので、11/14日号を注文した。今日は寒くて雨だったので、街中の書店まで出向く気分にならなかった。

別の観点から考えると

Posted on 11月 13th, 2005 in 倉庫 by apj

 水結晶と道徳の話。これもミクに書いたネタだが。
 科学としては、水蒸気から結晶になるときの形は、気温と湿度で決まるということで決着が付いている。問題は、これで道徳を教えた場合、まかり間違うととんでもない方向に行くんじゃないかということ。
 今提示されているロジックは、水に「ありがとう」→きれいな結晶、「ばかやろう」→きたない結晶、という写真をつくって、だから「ありがとう」と(人に)言いましょう、ということになっている。これについては、善=美という判断のしかたをを道徳に持ち込むのは致命的だという話を既に書いたが、それだけでは済まないかもしれない。
 江本氏の結晶の作り方は、成長時の温度と湿度を完全にコントロールできない(シャーレの中の氷の表面の小さな領域の条件に左右される)から、どんな水からどんな結晶でもできる。結果は偶然に左右される。江本氏本人が書いているように、数十個凍らせて順番に観察して、見えた結晶のうちその水に一番合いそうなものを選んでいるので、科学ではない。
 ものの善悪の判断を水結晶に任せるということにした場合、「**を殺してやる」と書いた紙を水に見せて、キレイな結晶ができちゃったら、お水様公認殺人OKという結論になりかねない。結晶の形自体が偶然の産物だから、水の素性を言わずに江本氏に結晶写真の撮影を頼んだとすると、きれいな写真ができてくる可能性は十分にある。
 「殺人を行ったのは水の結晶がきれいだったからだ」というのと「太陽がまぶしかったから人を殺した」の間には、さほどの隔たりがないように思える。殺人の動機としては面白いが、こんなのは不条理文学の世界だけにしておいた方が良い。していいことと悪いことの区別は、水なんかに頼らず教育すべきだろう。

PostgreSQLのデータ型

Posted on 11月 10th, 2005 in 倉庫 by apj

 掲示板のコメントを間違って消してしまい、バックアップから復旧させることになった。pg_dumpallで丸ごと吸い上げているので、そこからデータを取り出すには、一旦別の場所にデータベースを作ってからやればいい。それで、このマシンで動いているPostgreSQLに突っ込もうとしたらエラーで動かない。古いバージョンで使えたdatetime型が新しいバージョンではサポートされなくなり、timestamp型を使わなければならない。で、castしろというメッセージが出るので、素直にcreate castしたら、datetimeなどというデータ型は知らんがな、というエラーが出てうまくいかない。結局、
psql -e -f dump.file template1 > textout
とやると、データベースの復元はできないが、textoutに、データベースの中身を読み出した記録がテキストで書かれるので、そちらから必用な部分を引っ張り出すことになった。
 本当にクラッシュしたときは、一旦古いバージョンで復旧させてから、データのみを新しいバージョンに移行するといった作業になるのだろうか。もっとスマートな方法もありそうに思うが、ネットを探してもなかなか見あたらなかった。

さっさと本題に入れやゴルァ!

Posted on 11月 7th, 2005 in 倉庫 by apj

 勧誘電話が相変わらずうざいって話。今日は別のがかかってきた。しかも、熱力学の本読んで佳境に入ってる時にだ。今日のはこんな感じ。

営業「**と申します。昨年から山形大学の先生方のところで云々……」
私「それで何?」
営業「実は先生方の共済に**を……それでマンションを……」
私「共済これ以上いじる気ありません(ガチャ)」

 で、何でこうも勧誘電話が鬱陶しいのか考えてみた。

 あのな、本題に入る前が長すぎるんだよお前ら!こっちとしては、おまいらが大学にいつから出入りしてようが、教員の誰を有力顧客に捕まえてようが、知ったこっちゃないわな。話聞くか止めるかの判断材料を迅速に提供しろと。「**会社の**と申します。いつもお世話になっております。(ここから即本題)」なら、まあ許せる。この間からマンションだの不動産だの電話が来るけど、何でみんな「教職員の方に……」「山形大学で営業……」とかどうでもいいことばかり長々と言って、なかなか本題に入らないんだよ。こっちは関西出身でイラチなもんで、「用件は何?早く言え」って毎回電話口で叫ぶ羽目になってるんだぞ。お互い時間の無駄だからさ、さっさと用件切り出せや。

Igor ProのXOPのコピー

Posted on 11月 7th, 2005 in 倉庫 by apj

 IgorProをデータ解析に使っている。分光実験屋にとっては必須のソフトだが、XOPという機能拡張を読み込ませると、さらにいろんなことができる。で、装置からのデータを読み込むためのXOPを作って(別売りのXOP Toolkitを使ってCやC++で書いてコンパイルする)、別のパソコンに入れようとしたら、CodeFragmentの読み込みがこけたとか何とかで動かない。これまでこんなトラブルは無かったのであれこれ試していたのだが、コピーの方法に問題があることがわかった。
 開発したマシンからXOPファイルをUSBメモリに入れて、別のマシンに移動させていたのだが、これが、一見正常にコピーされてるようで実はされていないということらしい。StuffItで圧縮したものをUSBメモリに入れて、別マシンに持って行ってから展開したものは正常動作した。これまでこんなことが無かったので、何が問題なのかわかるまでにしばらくかかってしまった。いやだって、システムのライブラリのどっかで起きてるエラーにしか見えないから、OXをアップデートしたりIgor自体のバージョン変えたり、他にコンフリクトしそうなものがないか探しまくったり……しちゃうよね、普通。
 環境は、Mac OS X10.3.9や10.4.3、Igor Pro 5でやっている時の話。