Feed

アウトライン機能を持ったワープロ

Posted on 9月 25th, 2005 in 倉庫 by apj

 込み入った文章はTeXで処理することにしているのだが、何章かあるような文章を書く時には、テキストエディタベタ打ちではちょっと苦しいときがある。一つの章が比較的長くて、章をまたぐ節の移動がほとんど無い場合は、章ごとに別ファイルにして\input{}で読み込むというのでもいいが、節の入れ替えを章をまたいでやる場合には不便である。しかし、アウトラインプロセッサのOmniOutliner、Sh-Out ! My Brain 、TAOなどは、項目の入れ替えと同時に文章の入れ替えもできるが、前後の文章の中身をその場でスクロールして見るのがうまくいかないので、ちょっと使いづらい。私に必用な機能は、
・章、節の構造が縦にならぶ
・章、節を入力するときに、\chapter{}、\section{}などを直接打ち込むと、テキスト形式で保存したときに正しい位置にそのまま入る。
・章や節をクリックすると、文章中の該当する位置にジャンプする。
・本文をスクロールすると、直前の章や節の内容も普通のワープロのように読める
 これらを満たしているMac用のソフトに、Kacisマイノート2があり、いつも愛用している。つまり、Kacisで編集→miエディタで読み込み→コンパイラを呼び出す、というフローになる。ただ、Kacisマイノート2はMS-Wordや一太郎のような超売れ筋ソフトではないので、もう1つ位は同じ機能を持ったものを考えておかないと安心できない。それで、いろいろ探して、 Mellelもこの目的に合うことを確認した。USA製のソフトなのでドキュメントが全部英語だからちょっと敷居が高いかもしれないが、メニューは日本語化されている(というkさ最初から各国語対応している)。ただしUnicodeなので、そのままではMacのTeXが通らないから、テキストで保存した後、miで読み込んでシフトJIS変換してから、TeXコンパイラを呼ぶ必用がある。構造を持った文章を書く時にはお薦めのソフトである。というか、売れ筋ソフトがどうしてこういう機能を持たないのかが不思議だったりする。

永井豪先生の還暦祝い

Posted on 9月 24th, 2005 in 倉庫 by apj

 漫画家の永井豪先生の還暦お祝いパーティーに行ってきた。年末にファンクラブの人たちと顔を合わせて、年度がかわったあたりから会に出るようになったのだけど、とうとう御大のお姿を拝むことができた。もともとはマジンガー系のファンから入ったのだが、まあ、永井豪のマンガとアニメで育った世代ではある。
 子供の頃、1つ上とか下の男の子が回りに多くて遊び友達だったのだが、みんながウルトラマンのソフビを買ってもらっていたとき、私だけデビルマンを買ってもらったのを覚えている。母親は「悪魔」の外見に難色を示してウルトラマンをすすめたが、私はデビルマンに拘ったのだった。多分、キューティーハニーとデビルマンのアニメを見たのが、永井豪作品に触れた最初だったと思う。その後、マジンガーZを再放送も含めて何回か見た(でも通しては見ていない)記憶があり、なぜかグレートマジンガーがすっぽり抜けて、グレンダイザーがやたら印象に残っている(こちらはほとんど通して見た)。これと並行して、マンガの方で「ハレンチ学園」に爆笑し、「手天童子」の謎めいた雰囲気に魅せられた。短編読み切りの「ススムちゃん 大ショック」は、価値観というか先入観をひっくり返される鮮烈さがあった。これも雑誌でリアルタイムだったと思う。まあ、アニメばっかり見て他のバラエティやドラマはまったく興味がなかったので、ハレンチ学園のドラマが放映されたことや、当時のPTAがさんざんクレームをつけていたことは、ずっと後になって知った。
 その後、親が邪魔したので永井豪のマンガ購入が滞ったわけだが、その時期に筒井康隆を読んでやっぱりタブー破りの異様なパワーに惹かれるものを感じた。それで、だいぶ前から機会があるごとに「永井豪と筒井康隆は天才だから、あの二人だけは差別表現やら公序良俗云々でクレームをつけずに何書いてもいいことにすればいいんじゃないの」なんて言ってたのだが、最近になって、永井豪ファンクラブの初代会長が筒井康隆だったときいてのけぞった。
 今回初めてお会いすることができ、握手してもらって、出席者に配られた豪ちゃんマーク入りの袋にサインまでもらってしまったため、当分手を洗う気がしなくなった上、袋はその場で宝物に決定したわけだが。「楽しい時間をありがとうございました。これからも本買います」って挨拶した。
<独り言>
 ところで豪先生、ここ数年、マジンサーガの続きが気になって仕方がないのですが、続きはいつから始まるのでしょう?あと、CBキャラワールドのDVD化の予定はないのでしょうか?
</独り言>

いい加減に国旗と国歌と労働運動を返せ

Posted on 9月 23rd, 2005 in 倉庫 by apj

 別サイトでやってる掲示板に、コピペと思われるが「国民のつとめ」というタイトルの書き込みがあった。その中に「今の日本は、不逞な第三国人が跳梁跋扈し、北朝鮮の工作員も我が物顔で活動する、とんでもない国になってしまいました。これも占領憲法を支持する左翼勢力や日和見主義者たちのせいです。これらを排除し、本来の日本を取り戻しましょう。」というのがあって、勘違いもとうとうここまで来たかと思った。
 現実には、第三国人の入国を認めたがっているのは経団連あたりであって、左翼との利害関係はないのではないか。研修生名目で安い給料でこき使うとか、日本人のかわりにもっと安い給料で働かせるというのが主な目的だろうと。
 戦後のある時期までの日本で、国旗と国歌が右翼に奪われ、労働運動を左翼やら共産主義者やらに奪われたために、まともな市民社会の発展が随分と阻害されたんじゃないかというのが私の意見である。「奪われた」ってのは、まあ、シンボルとして持って行かれたという意味だが。
 左の方から言っておく。労働者の権利だけしっかり守って利益団体として普通に活動していればいいものを、どういう訳か憲法9条にまで手を広げたり、原水爆の禁止だの、共産主義というイデオロギーだのを抱き合わせてくれたために、結果として労働組合の組織率下がりまくりだし、政治方面でも影響力失いまくりになっているように見える。で、派遣関連の立法の中身の綱引きを労働者の利害からやってもらわなきゃならない今になって、労働者の利害を代弁してくれるはずの政党がぼろぼろで役立たず、経済団体のいいようにやられて、経済的弱者を大量に産み出している。労働者の利害を代表すると騙って、別のことまで主張した共産党と旧社会党の連中の責任じゃないのか。挙げ句にいろんなところの労働組合が、今だに9条を云々している。労働組合だったら本来の趣旨に立ち返って、9条なんかスルーして、27条と28条をきっちり守れ、法律がちゃんとその趣旨を考えて立法されてるかどうかをチェックしろと言いたい。賃金と労働条件の交渉をするのに、イデオロギーは邪魔なだけだと気付いてほしい。
 右の方にも言いたいのだが、国旗と国歌をシンボルにするのは止めてほしい。あれは国民が普通に使うはずのものだ。国と国が付き合うときに、お互い相手の国旗と国歌をどう扱わなければいけないかという知識を定着させるのに、イデオロギーを無理矢理くっつけられるとやっぱり邪魔である。 How to useを考えるはずの話が、思想信条の自由の問題に化けているのは、右の連中が国旗と国歌を奪っていらんイデオロギーをくっつけた(で、左がまたそれに過剰反応した)からではないのか。ついでに言うと、どういうときに国旗と国歌を使うかということを定めるのなら、同時に濫用も禁止すべきではないか。国のシンボルにするのなら、別なナニモノカのシンボルにされてはやっぱり困るわけで。

ちょっと違う理由で

Posted on 9月 22nd, 2005 in 倉庫 by apj

半落ち」が文庫になったので買った。ミステリーなので、あまり詳しく感想を書くとネタバレになるので簡単に。数人の人物の視点を変えながら、被疑者の行動の謎が描かれる構成がしっかりしていると思った。この順番と、刑事手続きの順番がきちんとかみ合っている。
 で、これを買った理由は、直木賞作家の渡辺淳一氏が、人間の書き方が薄っぺらいとか何とか酷評してるという話をネットで知ったから。ちなみに、渡辺淳一氏は、日経新聞で「愛の流刑地」を連載中だが、ネットでさんざん酷評されている。愛ルケの方は50代半ばの冴えない男性と30代半ばの人妻の不倫小説だが、出会った→口説いた→定期的にHシーン→プレイの最中に女性が扼殺される→男性自首、という流れで進んでいる。小説としてはドラマチックになるはずの要素があるにもかかわらず、設定が内部矛盾しまくりの文章に加えて女性はまるでデリヘル嬢か人形みたいな書かれ方、ポルノとしても中途半端だし文学にしては悩み方が足りない脳天気小説のため、ネット上では文学史上に残る駄作だと評判になっている。ちなみにここ1箇月は死体描写が続いていたし(日経読者は毎朝それを読むことになる、ご愁傷様)、ちょっとまえの逢い引きのシーンは、「職場で出したらセクハラになる」という代物だった(日経新聞朝刊の連載小説が、ですよ!)。
 読んでみた感想は、ストーリーの破綻のなさといい、緊迫感といい、人物描写の深みといい、
「半落ち」>>>>>(越えられない壁)>>>>>「愛の流刑地」
でしたよ勿論。つか、もし「半落ち」が連載だったら、その方が日経新聞としてはずっと良かったんじゃないかと思ったり。組織の人間として縛られる個人の苛立ちなんて、仕事してる人たちにはとっても身につまされる話だしなぁ。

京都駅ビルの地下で

Posted on 9月 20th, 2005 in 倉庫 by apj

 最中を見つけました。「わすれ傘」という、ちょっと長細い形のやつ。製造元は(株)大原女家YNKと書いてある。数少ないこしあんの最中で、甘みもけっこうあっさりしていて気に入った。甘いもの好きな人にはおすすめ。

発表とかいろいろ

Posted on 9月 19th, 2005 in 倉庫 by apj

 とりあえず何とか発表。今回は直前にしくじってたことが判明したので、中間報告ってことで^^;)。
終わってから、帰ろうかとおもったら神奈川大の窪谷さんとその友人達に遭遇したので一緒に食事に行ってしまった。あとは、あれこれ大学の現状とか企業の現場のトホホさ加減について盛り上がった。まあ、学会の時くらいしかなかなか顔を合わせられない人も結構居る。みんな全国に散らばってるし。

大津に着きますた

Posted on 9月 18th, 2005 in 倉庫 by apj

 明日からの物理学会のため大津のホテルにたどり着いた。同志社大学が会場なので、京都市内の方が便利は便利なのだが、ホテル料金が軒並み「国際観光都市京都価格」なので、とてもじゃないけど仕事で来て支払う気分にならない。貧乏性なんよ^^;)。
 ホテルはネット環境完備で快適だ。一応どこでも接続できるように、モバイルのアンテナとカテ5のケーブルは担いでるのだが、部屋に10Base-Tのコンセントがあって、ケーブルも備え付けになっていた。
 普段テレビを見ない生活をしている(というか主な番組をやっている時間に家に居ないので、TV無しで過ごせることがわかってしまった)ので、ちょっと前までは、学会でホテルに泊まる日が唯一普通にテレビを見る日だった。土曜ワイドみたいな2時間物ドラマを見れるのは、その曜日に宿泊して、その時間帯にホテルに居る場合だけなのだった。ところが、最近はホテルに着いたら荷ほどきしてまずネット、という状態になってしまい、ホテルでもテレビを見なくなった。今日も、フロントに置いてある本日のテレビ番組表はスルーということで。

温度制御

Posted on 9月 17th, 2005 in 倉庫 by apj

 物理学会の発表用のメインデータに10分周期で思いっきりおかしな変動が出ているわけだが(汗)。学会発表は明後日なわけだが……orz。で、分光器のサンプル室の温度変化を測定したら、多分部屋のエアコンだとおもうが、10分周期で0.8℃変動していることが判明。シビアな実験やるまではこんなの見えてこなかったんで……。もう今回は間に合わないから、別のときに測定したデータも使って報告することにした。しかしこの変動、くそでかい超臨界用のセルで測定してもまだしつこく出ている。外部のこの程度の温度変化とその周期が伝わるはずがないサイズなんだが……。一体装置のどこが敏感に拾っているのだろう?帰ったら真っ先に原因追及だなぁ。

とりあえず東京へ

Posted on 9月 16th, 2005 in 倉庫 by apj

物理学会の発表打ち合わせのため一度東京へ。ということで本日夕方から移動。
移動している最中に酔うぞさんから電話で、中西応援団の掲示板のHOMEの設定が抜けてると連絡があった。モバイルの準備はしているが、山形新幹線は結構山の中を通ってたりするので、PHSじゃ途切れまくる罠。結局、日が変わる頃にようやく対応できた。やれやれ。

環境ホルモン濫訴事件:中西応援団

Posted on 9月 15th, 2005 in 倉庫 by apj

 だいぶ前から告知してきた、環境ホルモン濫訴事件の被告中西氏支援組織だが、やっとウェブサイトを作って公開できるようになったのでお知らせしたい。
環境ホルモン濫訴事件:中西応援団
http://www.i-foe.org/

 山本さん、浜田さん、私の三人で、「ネット評論と濫訴を考える会」という小さな支援組織を作った。おそらく、みなさんが一番見たがっていた、訴状や、提訴の理由となった中西雑感の全文を一挙に掲載している。また、訴訟に至るまでの当事者の行動も、時間を追ってまとめた。掲示板も設置したので、ぜひ利用してほしい。馬鹿げた訴訟にNo!という世論を盛り上げていければと思う。