岩波講座
「岩波講座 物理の世界」が刊行されているのに今頃気付いた。何か、化学の学科に就職してついスルーしてしまっていた。実験屋としては「技法」のカテゴリーに惹かれるものがあるわけだが。生協で見たら、小さめの薄い本で、気軽に読めそうな雰囲気が漂っている。集めようかどうしようか迷うな……。今からだと、月3冊くらいずつ買えば、そのうち既刊のものが揃うか。
必修の化学英語Cの追試をやることに。試験でしくじって追試を喰らった経験もあるが、やる側に回ったのは今回が最初。これからはもっとあるだろう。そういえば、私が学部時だが、追試ですごい日程のものがあった。2年次通年の必修科目の追試が、年度がかわった3年次のガイダンスの終わった後に行われるという……。ということは、春休み返上して追試対策しとけという、非常に有り難い取り計らいともいえる(春休みなのにおちおち遊べないとも言えるが)。当時は、成績入力がコンピュータ化されていなくて、紙で管理していたから、結構変則的な追試も可能だったらしい。
会議の方は、カリキュラムに関するもの。重複しすぎな所なんかを見直そうという話だが、学生時代を振り返るといろいろ引っかかることが。
とある日は、1日5コマのうち、別々の講義3コマで、水素原子波動関数の変数分離による解法をやる羽目になったのを思い出したりして。重複しすぎどころか、今日は変数分離のために大学に行ったのかよ、という感じ。1日3回もやるとさすがに印象に残るが、よく勉強したのだか効率が悪いんだかいいんだか、どう突っ込んでいいかよくわからない。
なお、教える側のテキストを読むと見通しが良くなることもある。私が在学した当時は既に故人だったのだが、鈴木康孝先生という優秀な先生がいらしたそうで、物理の教程試案を学内紀要に書いたものが図書館にあった。それを見つけた頃、悩んでいたのが量子力学のちょっと進んだあたりの第2量子化の話。最初に勉強したときの見通しがさっぱりで、さてどうしたものかと思っていたら、「そのネーミングに問題があるのであって、場の量子化は1回だけだよ」と書いてあって、試案と朝永の量子力学で一気に展望が開けて目の前が明るくなったのを覚えている。その日は思い切り興奮して明け方まで朝永と試案を交互に見比べていた。
まあ、そういう見通しを一気に良くするような教育手順を思いつけばいいのだが、なかなか難しい。前期も終わったので、後期の専門の選択科目をどうするか悩みながら、前期の教養で学生さん達からもらった質問やコメントをウェブに載せるために編集作業をしていたりする。
「岩波講座 物理の世界」が刊行されているのに今頃気付いた。何か、化学の学科に就職してついスルーしてしまっていた。実験屋としては「技法」のカテゴリーに惹かれるものがあるわけだが。生協で見たら、小さめの薄い本で、気軽に読めそうな雰囲気が漂っている。集めようかどうしようか迷うな……。今からだと、月3冊くらいずつ買えば、そのうち既刊のものが揃うか。
科学リテラシーの講義用メモ。実は、何とかダイエットとか何とか健康法について、「これはどうですか」という質問がたくさん学生さんがから出ていた。「摂取かロリー < 消費カロリー」となるもの以外はどこかにウソがあるか無理がある、と説明しているのだけど。これを知らない学生さんが後期にまた質問を書いてくるかもしれないなあ。
流行の低炭水化物ダイエット、米アトキンズ社が破たん
【ニューヨーク=大塚隆一】炭水化物の摂取を極端におさえるダイエット方式で話題を呼んだ米アトキンズ・ニュートリショナルズ社は1日、経営が破たんしたため破産裁判所に再建手続きを申請したことを明らかにした。
同社は世界的なベストセラー「新ダイエット革命」などで知られるロバート・アトキンズ氏が1989年に設立。糖質の高い炭水化物に代えて肉やチーズを摂取することを勧め、3~4年前から大きなブームを巻き起こした。昨年初めには、米国人の大人の10人に1人がこのアトキンズ式ダイエットを試みているとされた。
その後、無理なダイエットの悪影響を指摘する声もあって人気は急降下し、経営状態も悪化していた。
(読売新聞) – 8月2日11時54分更新
民青同盟の学生さんが来て、原水禁世界大会に参加するので、とカンパを求めてきたので1000円出した。パンフレットをもらってみたが、主義主張の内容は私とは合わない。私は、軍隊があって法によりコントロールするのが普通の国だと思っているので、何が何でも拳法9条をそのままにするという意見には反対である。大体、原水禁と原水協で別れていつまでたっても統一できない人たちが、世界平和を実現できるとどうして確信できるのかが大きな疑問というか、説得力がまるで感じられない。ただ、この手の運動は実際に行って見てくれば、良い点悪い点、その限界がわかることもあるのだろうなと思う。だから、「主義主張の内容では私はあなたたちとは争うことになるよ、ただ、学生時代にいろんなものを見てくるのは勉強になると思うからカンパはするけどね」と言ってから出したのだが、主義主張に賛成で出した人との区別をつけてほしいなあ。
中西氏応援の件、ほんのちょっとだけ進展。とはいっても、レンタルサーバの料金振り込んだだけ。でも、これで、独自ドメインでアクセスできるようにDNSの書き換えをしても良くなった。早速書き換えたので、あと2,3日ほどで新しいドメインが使えるようになるはず。
コンテンツを可能な限り早急に用意するつもりだが、夜しか作業できないから、全部一度には無理かなあ。予定としては、形を整えたら、打ち合わせをやったメンバーで内容をチェックして、中西氏のイメージを壊さないように調整してから一般公開という手順で、第三回口頭弁論前までには掲示板ともどもオープンにしたいと思っている。
科学リテラシーの講義なんかしてる関係で、「世界はこうしてだまされた」「世界はこうしてだまされたII」高倉克祐著(悠飛社)を読んでいる。扱ってるネタはUFOで、空飛ぶ円盤に誘拐されたとか宇宙人に会ったとか、NASAがアポロプロジェクトの時にUFO(異星人の乗り物)に遭遇したが隠しているとか、まあこの手の伝説や神話の信実がどうであったかを議論している。もちろん、情報不足のため何だか結局分からない飛行物体があることは事実だが、それが宇宙人の乗り物だという話を支持する証拠はこれまでのところ一つもない。
実は、UFOブームの頃、私は小学生だったので、矢追さんの番組などを見る機会があったはずなんだけど、どういう訳か記憶にない。記憶に残っているのはピンクレディーの歌と、カップ焼きそばのUFOの発売があのころだったかなあ、という程度である。事故で地球帰還ドラマの大スペクタクルを演じてしまった13号のときも、リアルタイムで見た記憶がない。
ただ、UFO話とあまり触れた記憶がないのは、私の場合に限って言えば、空飛ぶ円盤云々以前に、そもそも星空を見上げる習慣自体が無かったことの方が大きいのかもしれない。
読んでいて面白いなと思ったのが、初巻の27ページからの記述。
空飛ぶ円盤やそれに乗った宇宙人の存在がいくら否定されても、UFOを信じる人は一向に減らない。それはなぜかというと、現代社会には「非合理性の増幅回路」とでも呼ぶべき構造ができあがっているからだと、私は考えている。つまり、合理的に考えれば存在しえないものが、いくら否定されても再び登場してくる仕組み、非合理的なものが常に再生産される仕組みが存在しているのである。
(中略)
視聴率の問題から、テレビではUFOの存在を科学的に否定するような番組はつくりづらい。そのため、社会にはUFOの存在を肯定するような情報ばかりが流通するようになる。このような背景がある場合、ある一つのケースについてUFOの存在が否定されても、その人は「この場合にはUFOではなかったかもしれないが、次には本物のUFOを見ることができるかもしれない」と考えてしまう。つまり、一度はUFOが存在しないことを納得しても、すぐにUFOを信ずる立場に戻ってしまうのである。
このような作用を果たしているのは、テレビをはじめとするマス・メディアだけではない。というよりも、マス・メディアよりも強い影響力をもっているものがある。それはUFOに関する単行本、雑誌、コンタクティーの集会、会誌、各種のセミナーなどである。このような中規模あるいはマイナーなメディアは、規模が小さくなればなるほど、情報が過激になる傾向がある。そして、UFOを信じている人の多くは、何らかの形でこうしたメディアと接触している。その結果、UFOの存在が一度は否定されても、こうしたメディアからの情報に再接触することによって、ふたたびUFO信者に戻っていくわけである。
UFOを「健康法」や「マイナスイオン」、その他の疑似科学宣伝におきかえても、同じことがいえるのではないだろうか。
午前中に原研撤収。午後から都内で酔うぞさんと、中西氏応援についていろいろ打ち合わせ。その後、紀藤さんの事務所の近くで食事。メンバーは、山口弁護士(リンク総合法律事務所)、刑事被告人次瀬さん(山口さんがついてる)、山本ゆかりさん(ホームオブハート問題で原告被告両面で活躍中)、酔うぞさん、私。何だか普通でない会話ばっかりするメンバーだった。大体、山口さんからして開口一番「まともな奴一人も居ない、犯罪者、カルト、をたく、をたく、懲戒請求弁護士」。おいこらちょっとマテ、と思ったが、メンバー全員自他共にその通りだと思ってるわけで、ちっとも名誉が毀損されないという罠。
もうじきコミケが近いし、紀藤さんイケメン弁護士だから「紀藤事務所舞台にしたヤオイ小説誰か書いてないの?」って訊いたら、少なくとも関係者は書いてないということだった。ヤオイやるには女性の割合多すぎだって。山口弁護士はコミケ運営側に居るから、自分の所属事務所が同人誌のネタにされた位じゃまず訴えては来ないだろうし、安心してネタにできる貴重な法律事務所だと思ったのだが、そういう意味ではあまり注目されてないらしい。
今が旬の真光元が事務所に何袋かあるとのこと。紀藤先生が取材を受けたりして、もらってくるのだそうな。うーんやっぱり弁護士の方がステイタス高いってことだな。既に事務所じゃ密かにお茶に混入されているという話で、知らずに飲んでたことを知った次瀬さんがショックでよろめいていた(笑)。水には溶けなくていつまでも濁ったままで、舐めてみたらなんだか泥臭い味とのこと。ちなみに、値段は消費税3%で表示されてたので、一体いつのものなのか、かなり不安なわけだが。
カルト関係ではセックス教団のザインが話題をさらっていた。週刊現代の袋とじ女性幹部ヌード写真が凄いんだそうで。多分彼女達は、夢から覚めた時にすさまじく落ち込むだろうし、その後カルト被害者だと言って訴訟するなんて無理だろうなあ、というのが山本さんのコメント。
まあともかく、 誰か、リンク総合法律事務所を舞台にした同人誌見つけたら教えてください。あのメンバーがどう料理されてるか知りたいので。
ポートフォワーディングでメールを送ろうとした時、一定時間でsshが動かなくなるのは、デーモン側の設定だと教えてもらったので、設定ファイルを見直してみた。
Macの場合は、元のBSDからいろいろ変更されているので、/etcの下に、sshd_config、sshd_config.applesaved、sshd_config.applesaved2の3つがある。多分sshd_configが生きてるのだろうとは思ったが、一応、sshd_configで「TCPKeepAlive no」に、sshd_config.applesaved、sshd_config.applesaved2で「KeepAlive no」にしてみた。っとこれはMacがサーバの場合だった……(汗)。何ボケかましてんだ>自分。
っつーことで、/etc/sshd/sshd_configの中で、「KeepAlive no」が正解。FreeBSDでサーバ立ててるので。
それから、山形大で使っているメールサーバ(cm、このブログのウェブサーバと兼用)は、ファイヤウォールの外に置いているのだが、、学内からメールを送る時はメールゲートウェイを通さないと出て行けない。プロバイダから直接cmにつないでport25を使うときは、ゲートウェイ無しで行く。port forwardingの時は、山形大学内から送ることになるので、メールゲートウェイを通さないといけない。結局、手元のMac側では、
sudo ssh apj@cm.kj.yamagata-u.ac.jp -L110:cm.kj.yamagata-u.ac.jp:110 -L25:topmail.kj.yamagata-u.ac.jp:25
とやることになった。topmailが山形大のメールゲートウェイである。
昨日から実験のために原研(東海)に来ているわけだが、所内ネットワークのport25がブロックされているため、外部のメールサーバを全く使えない。しかし、sshで外部サーバにログインすることはできる。そういう時はポートフォワーディングだろうと掲示板の方で言われたので、やってみた。環境は、Mac OS X 10.4で、メーラーはEudora Proである。
1.ターミナルを立ち上げる
2.たとえば、apjというatom.phys.ocha.ac.jpのユーザでメールを送る場合は、
sudo ssh apj@atom.phys.ocha.ac.jp -L110:atom.phys.ocha.ac.jp:110 -L25:atom.phys.ocha.ac.jp:25
と入力する。OS Xでは、若い番号のportをforwardできるのはrootに限られているので、sudoが必要。
3.パスワードをきいてくる。最初のパスワードは、sudoに対するものなので、自分のMacの管理者パスワードを入れる。
4.最初は、sshのkeyをどうするか聞いてくるので、yesと答える
5.次にパスワードをきいてくるが、これは、atom.phys.ocha.ac.jpへのapjのログインパスワードを入力する。なお、何回かやった後だと、4.が無くて、3.、5.のパスワード入力を続けて行うことになる。が、いずれも画面上は「password:」としか出ないので、3.パスワード入力を間違えたのでもう一回訊かれてるのか、5.のパスワードをきいてきてるのか、見ただけでは区別がまったくつかないのが難点だが……。
6.ターミナルで、atom.phys.ocha.ac.jpにsshログインしたっぽい状態になるので、これはそのままにしておく。
6.Eudora proの設定ファイルを新しく作る。メール受信のユーザー名apj、受信用サーバをlodalhostまたは127.0.0.1にする。送信用サーバも、ユーザー名apj、受信用サーバをlodalhostまたは127.0.0.1にする。メールアドレスには、 apj@atom.phys.ocha.ac.jpと、本来このサーバで送った時のfromに入るアドレスを指定する。また、localhostでメール確認することはないので、メール確認のチェックを外す。
7.普段使っている、atom.phys.ocha.ac.jpを直接見に行ってメールをとってくる設定(POP,SMTP)はそのままにしておく。これがないと、メールを持って来れなくなる。
8.新規メールを作成し、from横のプルダウンメニューから、6.で作った設定ファイルを指定する。これで本文を書いてメールを送信すると、apj@atom.phys.ocha.ac.jpからのメールとして送られる。
たまに、ターミナルウィンドウ内で改行キーを押しても無反応になって、止まっちゃうことがある。その場合はターミナルを閉じて、再度やなおせばよい。この方法は、POP before SMTPを使っていても普通に使える。
と、まあここまでは良かったのだが、この方法で普段使ってるサーバが2つあるので頭を抱えたわけで。1つのMacのport forwardを2カ所にするわけにもいかないから、手動で切り替える=その都度logoutしてはサーバ変えてやりなおし、をするしかないよなあ。まあ、ともかく、port25ブロッキングは回避できることがわかっただけでもいいのか。
本日、教養の講義の最終回だったのだが、むかし、掲示板であがたしさんが書いておられたことを流用して、プリントの最後にこんなの書いてみた。
科学に関するインチキとその見分け方を一つのテーマとして講義をしてきたが、おそらくインチキは科学以外(経済、歴史、法律、その他いろいろ)にも出回っているはずである。日本は、技術立国であることを掲げ、知によって国を発展させるという姿勢を示しているのだから、(税金によって運営されている)大学で学ぶということには、それなりの社会義務を背負うということでもある。大学に行くことが珍しくない時代であっても、学んだ分だけの義務がある(学部卒、修士卒、博士卒、それぞれに応じて)。
日本は身分社会ではないが、それでも、noblesse oblige(高い身分に伴う道義上の義務)ということを意識してほしい。インチキをインチキであると、自分で学んだ学問に照らし合わせて指摘すること、それぞれの専門分野で、インチキを許さない行動を取ることが、ある専門分野を習得した人が社会にたいして果たすべきnoblesse obligeである。
2ちゃんねる風に書くと「漏れがカバーできるのは自然科学の一部でしかないから、他の分野はそれぞれの専門学んだおまいらに頼るしかないんよ、おまいらが手抜きしたら漏れが困るんで、そこんとこわかっとけや」っつーことなんだけど。がんばって勉学に励んで進級していってほすぃなあ。