分光器を譲り受けた
私の大先輩が使っていたラマン分光器U1000を譲り受けた。リタイアするんで、廃棄するしかないという話だったんで、そんなもったいないことはしちゃいかん、私の方はすぐには装置も買えないし(そもそもこの分光器は既に製造中止だし)ってことで、ありがたく使わせていただくことに。もとは先輩が理研に居た頃に買った物だそうで、てぇことは税金でまかなったわけだから、これをちゃんと使い倒すのは、税金の有効利用ということになる、
冨永研で動いている世界で15台目日本に1台のクレージー分光器には分解能の点で及ばないが、低振動の仕事をするには充分かな。あとはレーザーをもっと高出力のものにすれば液体関係はほぼ問題なく測定できるだろう。
どうも、最近は、お手軽ラマン測定の方が主流みたいで、マルチチャンネルで広い範囲を一気に測定する分析用のものとか、光ファイバーを使ってまあまあの分解能で取るかわりに、プローブ先端を液体や固体に押し当てるだけ、といったセンサーのような使い方をするものとか、そういうのがはやってるみたい。偏光を考えずに、振動モードのパターンだけ見るならファイバーでもいいんだよな。ただ、液体のダイナミクスやろうと思ったら、やっぱり分子間相互作用の出るところを測定しないといけないので、高分解能のものが欲しくなる。
ただし、譲ってもらったものは短波長に特化している。共鳴ラマンをやれる性能があるかわりに、普通のArでは水の伸縮振動を見るのは強度が弱くてキツイかもしれない。かなり癖がありそう。定盤には穴が開いてないし、ステアリングミラーを、薄いマグネットベースで立てるか、ねじ穴開いてるプレートを置いて止めるかで悩んでいる。20mmのロッド立てて、腕の長さが5cmで、ステアリングしながら90度方向を変えて飛ばそうと思うと、足下の方が混み合うんだよなあ。やっぱ、ネジ止めする方式でいくかなぁ。