Feed

処分も指導も不要なケース

Posted on 7月 13th, 2009 in 倉庫 by apj

 京都新聞の記事より。

Kyoto Shimbun 2009年7月12日(日)
AV出演が発覚、退部処分
立命大アメフット部員
 立命館大アメリカンフットボール部の部員の男子学生(4年)がアダルトビデオに出演し、部から退部処分を受けていたことが12日、分かった。大学も学生への処分と部への指導を検討している。

 大学によると、学生は1年生だった2006年から07年にかけてビデオ6本に出演。今年6月中旬に関係者が事実を把握し、「学生の本分にもとる行為」として部の倫理規定に基づいて退部処分とした。学生は「スカウトされ、金になるアルバイトと思って出演した」と話しているという。学生は準レギュラーで公式試合にも出場していたが、「個人的な行動」として部の活動は続ける方針。

 ビデオ出演をめぐっては、大阪経済大ラグビー部が大麻取調法違反で部員が逮捕後、部員らのアダルトビデオ出演が発覚し、大学は10日に部活動の無期限停止処分とした。

 フットボール部は、学生が任意で参加しているいわばオプショナルな活動であり、部を追い出されたところで、授業料を支払い単位を取得し卒業証書を得る、という大学の機能の利用には何ら影響しない。従って、部独自の道徳的基準に従って、退部にしてもかまわないだろう。
 しかし、大学が学生を処分するとか、部を指導するというのは別の話である。
 AV出演がアメリカンフットボール部の斡旋により組織的に行われていたのであれば、部としての本来の活動を逸脱しているという理由によって、大学から注意されても仕方がない。しかし、学生のAV出演と部としての活動に関係が無いのであれば、大学が部を指導するということは、学生に対する「しつけ」を大学が部に担わせるということにほかならない。これは話が違うだろう。この部分は、学生のAV出演と部としての活動の関係がどうであったかによって判断が分かれることになる。
 もっと問題なのは、AVに出演しただけでは違法ではないので、大学が学生を処分する根拠にならないということである。違法でないアルバイトの職種について、大学が学生に対して口を出す権利は無いはずである。「学生の本分」は、勉学をして単位を取ることであり、それ以外にアルバイトで何をしていようが、大学にとやかく言われる理由はない。立命館大学を卒業見込みの学生がAV製作会社や出演者派遣会社に内定をもらった場合、立命館大学がしゃしゃり出て内定先の業種を理由に学生を処分するとは考えがたいし、そんなことをすれば権利侵害で提訴されて大学が敗訴することはまず間違い無い。従って、アルバイトの内容がAV出演だったからといって、大学が学生の処分を検討することについて、正当な理由を説明できない。
 「学生の本分」などという、どうにでもとれる内容を基準として、強制力を伴う処分が行われるのでは、紛争発生の種になるだけである。処分に用いる基準として、個人の倫理観や好き嫌いごときではブレない基準を立てておかないと、手続きが安定せず、逆に違法になったり不道徳な結果をもたらしたりする。中の偉い人が、私立大学のブランドだか体面だかを維持する目的で、在学生のAV出演許すまじという方針をとりたいのであれば「AVに出演したら○○の処分をする」と学則に明記した上で公開し、前もって入学する学生の同意を得ておくしかない。この方法なら、入学者は全員「在学中にAV出演したら処分される」ことを了承した上で入ってくることになる。私立大学であれば、そういう学則をつくっても、社会的に非難されることは無いだろう。それでも、就職内定先がAV関連業界であることについては不問とするということとの整合性はとれないが……。

 ちょっと前の京都教育大のように、明らかに違法な行為を行った学生を「教育的配慮(笑)」をタテにかばいまくった挙げ句準強姦罪の加害者に教師になる道を残して社会不安を煽ったかと思うと、今度は、権利もないのに学生の処分を検討するという、大学の迷走ぶりに呆れた。教育現場だから社会と異なった基準が通用する、という思い込みをそろそろ捨ててはどうか。「教育」を特別視した途端、権利に対する考え方が雑で無神経なものになるのは何故だろう(少なくとも私にはそう見える)。

 なお、学生の「不道徳」な行動については、学科とか学部の顔見知りの先生や、担当のアドバイザー教員がこっそり呼びつけて「説教する」あたりが正しい対応で、会議に報告されて記録にも残るような「処分」をするのはバランスを欠いているのではないか。

 大麻取締法違反のケースとの比較は適切ではない。大麻は、在学中に手出ししても、就職してから手出ししても、違法である。刑事罰を科される行為を行った事に対する処分ならば説明可能である。

さくらインターネットに内容証明を出したが無駄になった件

Posted on 7月 10th, 2009 in 倉庫 by apj

 本日昼過ぎ、さくらインターネットに内容証明を1通出したが、結果として無駄になった。経緯は次の通り。

 7月6日に、竹村龍二氏について書いたエントリーに対し、削除要求があった旨、さくらインターネットから通知があった。返答期限は7月13日正午で、回答の無い場合はこのサイトの公開停止措置があり得る、という連絡だった。
 状況を調べた上で、7月7日に、権利侵害の部分を特定せよ、とメールで返事をしたが、メールを受け取ったという連絡がさくらインターネットから無かった。
 7月9日に、回答を再送し、メールを受信したら受信確認の返事が欲しい旨記載。
 7月10日の昼になっても、受信確認のメールが来なかった。

 この場合、メールの事故等で、「送った」「受け取ってない」の行き違いが生じて、公開停止になったりすると、プロバイダと私の間で先々面倒なことになる。これを避けるためには、私の回答が期限内にプロバイダに届いたことを示せる状態にしておかなければならない。そこで、昼過ぎに、メールで書いた回答内容と、届いたことの確認が取れていないために別便で送るという説明を書いた内容証明郵便を作って発送した。

 しばらくして、「既に回答は受け取り、相手方に送信し、相手方からの回答待ちである」旨のメールが届いた。そこで、「メール事故を想定して回答を別途郵送したが、メールの方が無事届いているのなら郵送分は不要なので捨ててもらってかまわない」と、再度メールにて連絡した。

「広げる知の世界 大学でのまなびのレッスン」

Posted on 7月 10th, 2009 in 倉庫 by apj

 next49さんと情報交換中なので。大学に入学した学生に大学での過ごし方ガイダンスとして参考になりそうな本についての話題。

 「広げる知の世界 大学でのまなびのレッスン」。英語の先生方の共著。目次は次の通り。

第1章 大学の魅力
 はじめに—大学の起源
 大学はどういうところか
 なぜ大学に行くの?
 大学での勉強—高校までとどう違うか
 大学でしかできないこと
 学問するってつまらない?
 大学の魅力—教授陣、カリキュラム
 図書館—知識の泉
 グローバル化する大学教育
 おわりに
  まとめ
第2章 有意義な大学生活と学習・研究
 はじめに
 大学と高等学校の違い
 大学でいかに学習・研究するか
 大学生活の目標
  課題1 大学生活の目標
  課題2 日記
 タイムマネジメント
  課題3 1週間の生活
 スタディースキル
  まとめ
 [コラム]昔の大学と今の大学
第3章 大学の学習・研究の実際
 はじめに
 履修と登録
 カリキュラム
 クラスの種類
  課題1 クラスの種類
  課題2 自主学習時間
 必修と選択
 単位
  課題3 卒業に必要な単位
  課題4 本年度履修可能な単位と自習時間
 クラスの受講
  クラスのシラバス
  クラスの参加の仕方、聞き方
 成績
  まとめ
 [コラム]成績評価
第4章 ノートの取り方
 はじめに
 ノートの種類
 なぜノートを取るのか?
 よいノートとは?
 使用する文具
 講義ノート
 読書ノート
 アウトライン
 講義ノートと読書ノートの連結
 おわりに
  まとめ
  課題(2題)
 [コラム]現代の大学
題5章 大学生のための読解
 はじめに
 関連知識(スキーマ)の整理と読む材料
 読み方
 目的に合わせた読み方
 内容整理
 読書週間
 おわりに
 [コラム]音読のすすめ
 課題
題6章 情報収集
 はじめに
 どのような目的でどのような情報を探しているのか
 どのような場所に情報があるのか
 情報を探す
 その他の資料
 情報をどのように保存するか
 おわりに
題7章 インターネット
 はじめに
 大学生活をサポートするインターネット
 レファレンスツールとしてのインターネット
 コミュニケーションツールとしての電子メール
 おわりに
題8章 テーマの選び方
 はじめに
 テーマを考える時に重要なこと
 トピックを決める作業の手順
 プロポーザルの内容
 おわりに
 [コラム]研究テーマの選び方
題9章 情報の整理
 はじめに
 一次資料と二次資料
 数量的な情報の整理—日本に住む外国人居住者を例に
 質的な情報の整理–『あしながおじさん』を例に
 まとめ
第10章 書くことの重要性
 はじめに
 「読む」ことから「書く」ことへ
 「書く」ことのイミ
 [コラム]書くことの重要性
 課題
 課題のヒント
第11章 レポートや論文を書く
 はじめに
 大学生とレポート
 上手なレポートの書き方
 まとめ 
 [コラム]量と質
 課題のヒント
第12章 プレゼンテーション
 はじめに
 プレゼンテーションとは?
 プレゼンテーションをするための準備
 プレゼンテーションの実践
 おわりに
 プレゼンテーション評価シート
第13章 テストの準備と受け方
 はじめに
 大学のテストの重要性
 テストの種類や内容
 テストの準備と受験
 GPA制度・大学の成績評価改革
 おわりに
 [コラム]テストは要領?
第14章 クリティカル・シンキング
 はじめに
 考えることはつらいこと
 クリティカル・シンキングとは?
 情報をどのように受け止め、発信するか?
 主張と証拠
 理性的な論理
 上手にクリティカル・シンキングをするには?
 おわりに
 [コラム]目に見えないチェックリストと物差し
第15章 プレイジャリズム(剽窃)
 プレイジャリズム(剽窃)とは何か?
 プレイジャリズムを避ける方法
 プレイジャリズムの例外
 どのようにしてプレイジャリズムを確実に防ぐか
 おわりに
 [コラム]自分のオリジナリティー
第16章 教授と知り合い、指導を受けよう
 はじめに
 教授とはどのような人?
 学生の教授に対する態度
 教授から何を得るか?
 教授にどう接するか?
 教授に対する礼儀
 おわりに
 [コラム]アメリカの教授と学生
第17章 パソコンの便利な利用法
 はじめに
 パソコンと大学生活
 パソコンの購入法
 使いやすい環境を整えよう
 オンラインソフトの利用
 おわりに
 [コラム]英語の勉強
第18章 ワープロの有効な利用方法
 はじめに
 どのコンピュータとソフトウェアを利用するか?
 ワープロとは何か?
 ワープロの長所
 ワープロの短所
 自分と対話しながら文章を書く
 ワープロの第三の機能
 辞書登録の操作
 おわりに
 涙なしの「超」ワープロ上達教室[西納春雄]
第19章 PowerPointを使用したプレゼンテーション
 はじめに
 PowerPointとは?
 PowerPointスライドの作り方1
 PowerPointスライドの作り方2
 PowerPointスライドのオンライン公開(ウェブ・ファイル化と留意点)
 ハンドアウトの作り方と留意点
 PowerPointを使ったプレゼンテーションの実際
 おわりに
参考資料 教育者と研究者にとっての著作権とは?

 付録CD-ROMの中に、本の中の課題をこなすための資料が入っている。例えば、「大学生活の目標」や「1週間の生活」は、本文中で示された書式で記入することができるMS-Wordのファイルが入っている。
 また、英語の先生方の本だけあって、スタディスキルやインターネットの世界など、本を補足する内容が、英語で書かれたものがCD-ROMに入っていて、読むと、同時に英語の勉強もできるしくみになっている。つまり、英語教材としても使える。

 ただ、読書の仕方やゼミの準備の仕方は、英文科の人を想定して書かれており、理学系の学生が経験するものとはだいぶ違っている。
 4章の読書ノートの取り方は、理系だと、間の数式を埋めるとか、読んだ本の演習課題を解く、といったものを記載していくことになるだろう。5章も同様で、理系の本の読み方と文系の本の読み方は異なる。しかし、共通教育で文系科目を履修した場合の作業の参考にはなりそうだ。
 8章は、理系だと、自分でテーマを決めることは少ないので事情が異なる。9章は、実験があるような理工系学部の学生には、実験ノートの書き方とデータ整理のような内容に変更すべきだ。
 それ以外の、大学生として共通の部分は、理系学生にとっても有用な内容である。

「論」が持つ強さではなくて「現実」が持つ強さ

Posted on 7月 9th, 2009 in 倉庫 by apj

PSJ渋研Xさんのところの「教えて、元増田」のコメントを見ながら。

Posted by zorori at 2009年07月09日 07:13さん、

>「自分は物を知っている特別な人間と思われたい」という「欲得」そのものだろう。
(中略)
人間には「欲得」は必ずありますから、主張している内容には無関係に必ず「動機が不純だ」と批難が可能になるんじゃないでしょうか。

 動機が不純だった場合、というか「欲得」を持ったことで生じる実害がはっきりしない。一方、知らなかったことによって、具体的な不利益が発生する場合がある。
 実害がはっきりしている場合の批判と、実害がはっきりしない場合の批判を、同じに扱うことはできない。

Posted by pooh at 2009年07月09日 08:13さん、

難しい部分があって、ある程度強い主張に対して対抗言論をおこなうためには、対抗言論にもそれなりの強さが求められる。ここの部分の制御はあんまり容易じゃないし、正直云って最近のJudgementさんあたりの議論はその部分がコントロールできなくなってるんだろうなぁ、みたいに感じます。ご自分の場所が、ご自分が批判している対象の質の悪いパロディみたいになってしまっている。Judgementさんのように、そもそもは相応に高い意識で言説に臨んでいるはずの方でさえ(自分自身の言動も含め)コントロールできなくなる。いや、ご本人に訊けば「意図的にやっている、コントロールは万全だ」とおっしゃるかもしれませんけど。

 ニセ科学言説が「言説」のみにとどまり、現実の社会において何ら被害を発生させないのであれば、ニセ科学に対してクレームをつけることも、それに対して対抗言論を出すことも、全て「言説」の中だけで終わる。そこには、言説同士の強さの違いは、純粋に、論としての強さだけで決まるだろう。
 しかし、実際には、ニセ科学言説の「強さ」は、現実の被害(多くは金銭的な被害)を発生させる強さである。すると、ニセ科学に対するクレームは、現実を相手にしていることによって必然的に伴う強さを持つことになるし、現実の被害に対抗する限度であれば「強さ」が過剰になることもない。これらの論が持つ強さは、論そのものに拠るのではなくて、論が現実に直接結びついていることに拠るものである。
 「ニセ科学に対するクレーム」への対抗言論は「ニセ科学を正しいと主張すること・ニセ科学が存在することに何らかの正当性があると主張すること」であって、いわゆる「ニセ科学批判批判」「批判の仕方批判」といったものではない。このようなものは、「ニセ科学に対するクレーム」に対して、対抗言論としての地位を獲得することはない。これらが、ニセ科学に対するクレームの論と同程度の強さを持つとしたら、例えば、「ニセ科学に対するクレームによってニセ科学が発生させる被害と同程度の被害を発生させる」ということが現実に起きた時だろう。この場合には、これらの論は「新たな別種の被害発生をくいとめる」という現実に土台を置くことになるので、論の強さとしては同程度になる。批判の仕方批判のようなものに強さを付与したいのであれば、「批判の仕方が良くなかった事によって生じた被害を具体的に指摘する」ところから始めるべきで、そこを欠いていたら、どれだけ言葉を並べたって脆弱なものにしかならない。
 そもそも対抗言論でもなく、拠って立つ現実にも乏しい論にしかならないものを、「対抗言論」であると錯覚して、無理に強さを持たせようとしているのだから、コントロール不能な状態に陥っても別におかしくはない。できないことをやろうとするから無理が生じる。見せかけの強さは長持ちはしない。

 一方、共通の現実を相手にしている論の場合は、対立があっても、無理に強さを持たせるようなものにはなっていない。例えば、刑法総論の学説の対立を見ると、プロの学者同士の対立だけあって、相当強い論同士の対立になっているのだが、論の強さのコントロールができなくなるといった無理は生じていない。刑法でなくたって、法学の本を読んでいると、判例・通説・多数説・小数説・有力説、などと並んでいたりする。これらは、いずれも、すべて同じ現実(世の中で起きた事件や紛争、立法、裁判)を相手にしている、つまり全て現実を取り扱うものなので、無理は生じていない。

二次元絵の規制には反対だが……

Posted on 7月 8th, 2009 in 倉庫 by apj

 それ以前の疑問として、一応メモ。
 なんで、「日本ユニセフ協会」がのさばっているのかの方が疑問。報道されている内容を見る限り、まともな話が通じそうな相手に見えない。資金源はどこだ?

 現実の被害者が居るものだけ取り締まれば、あとは従来通りのわいせつ物の取り締まりの範囲でやってればいい、というのが私の立場ね。それもむやみに対象を広げるべきじゃない。
 最近の児童ポルノの規制の動きを、いきすぎた部分については「非合理」として撃った方が良いと思い始めたのだけど、その前に情報収集しないと……。

コメントはまともだなぁ

Posted on 7月 8th, 2009 in 倉庫 by apj

 msn産経ニュースの記事より

神戸大法科大学院でネットいじめ、処分検討 掲示板に実名「自殺に追い込め」
2009.7.7 14:05
このニュースのトピックス:殺人事件
 神戸大法科大学院(神戸市灘区)の特定の学生の実名を挙げて誹謗(ひぼう)中傷がインターネット掲示板「2ちゃんねる」に大量に書き込まれ、同法科大学院が学生の所属するコースの学生らに「発信元を調査し個別に事情を聴く」などと警告を行っていたことが7日、わかった。同法科大学院は「法曹を志す学生として情けない。書き込んだ学生には懲戒処分も検討している」と憤っている。
 書き込みは、同法科大学院法学研究科実務法律専攻の1年次生の特定の学生をターゲットに実名を挙げ、「ストーカー殺人をしたことがある」「自殺に追い込め」などの誹謗中傷が大量に書き込まれていた。被害者の学生から6月29日に相談を受け、同法科大学院側が調査を始めた。
 同じコースに所属する学生でなければわからないような授業内容や欠席者なども細かく書かれていたことから、同法科大学院では一部の書き込みを同じコースの学生によるものと判断。今月3日、山本弘法学研究科長名で「名誉棄損罪・侮辱罪および民法上の不法行為に該当するものが多数含まれている。ハラスメント事案として全学委員会による調査が行われる可能性もある」などとして、書き込みを繰り返さぬよう呼びかける警告文を学内の掲示板に張り出した。
 同法科大学院では「書き込みは見るに堪えない内容で、大変失望している。人権を尊重しながら紛争解決する法律家を目指す学生が、顔の見えないインターネットで人権侵害を行っていたのは誠に遺憾。個人面談を含め、調査をして処罰も検討したい」としている。
 神戸大学法科大学院は、毎年全国トップレベルの司法試験合格者数を誇る名門。

 勉学に集中しないと将来があやうくなる筈のロー生にしては、ネットで低レベルの人権侵害書き込みをしているなど情けない限り。しかし、研究科長の発言はさすがにまともで、教育的配慮(笑)でごまかしまくりの京都教育大とは違う。ハラスメントは、教員と学生が居たら都合4通りの組みあわせで考え得るということもちゃんとわかっているし、どの法に触れるかも、刑事と民事を分けて言及している。こういう発言を見るとちょっとほっとする。
 処罰は当然だろう。非常識な数学者とか非常識な物理学者なら(褒められたものでないにせよ)成果さえ出すなら人類の知識の発展に益をもたらすから存在意義があるが、非常識な法曹というのは、社会にとって、害をもたらし益はない。

私はアニメ・同人関連の板の住人なんだが

Posted on 7月 7th, 2009 in 倉庫 by apj

 渋研Xさんのところのコメント経由、「ゴミクズ野郎の独り言(3)」より。

以前、「2ちゃんねる」の天羽スレで
素朴な疑問を書いたら
袋だたきにあったことがある。
別に中傷でも何でもないよ。
「毎日、ブログを書く時間がよくありますね」と
書いただけだ。
そしたら、そんなに羨ましいのか、とか
お前も悔しかったら天羽先生のようになれというような
コメントがズラーッといくつもついた。
初めから喧嘩腰だ。
それも続々書き込まれて薄気味悪くなった。
(中略)
その一方で、毎日ブログを更新する天羽は
スケプティクスの口先だけ偉いセンセー方とはあまりにも
違うから、いったいそれはどういうことだろう
ということを知りたかっただけなのだ。

 そりゃ、ただ単に書いた場所が悪いし、尋ねる相手を間違っている。私のblogの更新頻度について疑問を持ったのなら、2ちゃんねるに書き込むのではなくて私に直接訊くべきだ。その質問をして、仮に、喧嘩腰でない「実は○○だから更新できている」というもっともらしい答えが匿名の連中からいくつも得られたとしてだ、その信憑性って一体どうなんだ。誰が答えたかわからない噂でしかないだろう。

※私は2ちゃんねるについてはアニメや同人関連の板は見るけど、自分に関するスレには興味がないし、特に用が無い限り見る気もないし、実際見てもいない。自作自演はしていない。ってか、下手に自作自演をやって、それがバレて、「普段からこんなことをしてる奴です」とか、裁判所で出された場合のリスクを考えると、逆にうかつなことはできない。他人をぼろくそに書くならきっちり実名でやって、出てきそうな(出せそうな)証拠も最初から見当がついている状態で、書いた内容についての責任を負う方がずっといい。

だから回答次第では、
筆者は彼女を同会の役員に
推薦するつもりだった
しかし、そういうことがあったから
気持ち悪くなって
そんな気は失せてしまったんだよ。

 私が直接コントロールできない他人の(勝手な)振るまいを理由にして、私に対する扱いを変えるというのは、非合理な考え方だろう。ところでジャパンスケプティクスの役員って、「blogを更新する頻度が高い人」が求められていて、推薦されるかどうかは「そいつがblogを高頻度で更新できている理由を匿名の不特定多数の他人が冷静かつ合理的に説明できること及びその説明された内容」に依存していたのか?
何じゃそりゃ……。

もっとも、上記の書き込みが天羽自身のジサクジエンなら
また話は違ってくるのだが(笑)

 ジサクジエンなら、「2ちゃんねる工作員」として役員に推薦したとかそういう話?何だかなぁ……。

 ただ、これが本当なら顔も名前も知らない2ちゃんねる住人のおかげで私は助かったことになる。本業(教育と研究)があってプライベートもあって、ニセ科学関連やネット関連では訴訟もしなきゃいけなくて……というのを限りある時間でやっているのだから、この上役員仕事なんぞ回されたら、blogを書く時間は其の分だけは確実に減ったに違いない:-P。

さくらインターネットに返事

Posted on 7月 7th, 2009 in 倉庫 by apj

 一応、さくらインターネットに返事を出した。内容は次の通り。

 お世話になっております。
 ご連絡いただきました削除要求について回答いたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 指摘されたURLによって表示される文書には、
(1)「悪徳商法?マニアックス」の記事の引用
(2)私の意見論評
(3)第三者のコメント
が含まれております。
 この中には、相手方とは関係のない私個人の裁判についての
経験を書いた部分や、紛争一般について書いた部分も含まれて
います。

 これらのうち「事実と異なる」のが具体的にどこであるのか
特定がなされていません。
 また、「私の人格権に基づく名誉権が侵害されている。」とありますが、
該当する文書のどの部分の表現が名誉毀損であるかの指摘もありません。
 従ってこのような曖昧な削除要求には応じられません。

 相手方には、名誉を毀損している文言を具体的に特定した上で
削除要求を出すようにお伝え願います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 コンテンツ公開の停止は行わないで下さい。
 表現が名誉毀損であるかどうかは、最終的には当事者同士で裁判所で
争って決着させるものであるところ、訴訟の前に公開停止にされてしまうと、
訴訟をする機会そのものを失うことになってしまいます。

 あとは、メールアドレスをこのblogの左の方に画像で出しておいた方が良いかな。旧blogでは出していたのだけど、こっちに移ってから出すのを忘れていた……。

【追記】
 名誉毀損で争う場合は、1つの文章のどの部分が名誉毀損なのかを細かく指摘した上で、その表現は事実摘示か意見論評か、という振り分けをしながら争うことになる。まあ、文書全体から受ける印象が、という場合もあるが、普通は、どの部分かを決めてから争いになる。ということは、最初の削除要求があった段階で、表現のどの部分で争うつもりなのかをできるだけはっきりさせておいた方が、紛争に備えるという意味でも役立つことになる。
 URL××で表示される内容の「○○○……」の部分が、という程度に特定してからでないと、何をどう攻撃防御したらいいかがあやふやなままになってしまって、争うに争えない。

自分でできる調査は自分で……

Posted on 7月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 まず、スレッドランキングのドメイン所有者。IPドメインsearchの結果。

Domain Information: [ドメイン情報]
[Domain Name] BBSNEWS.JP

[登録者名] Yoshimoto
[Registrant] Yoshimoto

[Name Server] ns1.value-domain.com
[Name Server] ns2.value-domain.com
[Name Server] ns3.value-domain.com

[登録年月日] 2004/10/27
[有効期限] 2009/10/31
[状態] Active
[最終更新] 2008/11/01 01:05:04 (JST)

Contact Information: [公開連絡窓口]
[名前] バリュードメイン登録代行サービス
[Name] VALUE-DOMAIN.COM
[Email] info@value-domain.com
[Web Page] https://www.value-domain.com/
[郵便番号] 541-0059
[住所] 大阪府大阪市中央区博労町4-7-5
本町TSビル 6F
[Postal Address]
[電話番号] 06-6241-6585
[FAX番号] 06-6241-6586

whois情報検索

指定ドメイン => 「 bbsnews.jp 」
  取得ホスト名 => bbsnews.jp
  取得IPアドレス=>  70.85.186.114 (IPv4)

……あれ、70.85.186.114がどこに割り当てられてるかがたどれないな……。

竹村龍二から削除要求が来ました

Posted on 7月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 竹村龍二から削除要求が来た。
迅速に削除してるのに平気で提訴した竹村龍二」に対するもの。

 プロバイダからのメールは次の通り。

Subject: [重要:要返信] さくらインターネット株式会社abuse対策チーム
■ご連絡日 [2009/07/06]

平素は弊社のサービスをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
 さくらインターネットAbuse対策チームの○○と申します。

ご利用の弊社サービス「さくらのレンタルサーバ プレミアム」で運用されて
おりますコンテンツにおける掲示内容につきまして、竹村龍二 様より掲示内容
削除の要請がございましたのでご連絡いたします。

-----------------------------------

 タイトル
 迅速に削除してるのに平気で提訴した竹村龍二

 URL
 http://www.cml-office.org/archive/?logid=396

 削除を要請する理由
 現在の掲示内容は事実と異なる内容である。私の人格権に基づく名誉権が侵害
されている。

-----------------------------------

 弊社では事の真偽について存じませんが、上記申し立てに対しコンテンツ管理
者として至急ご確認いただき、ご対応いただきます様お願いいたします。
また、対応後に弊社までご連絡くださいますようお願いいたします。

 尚、本件につきましては2009年7月13日 正午をご対応の期限といたします。
同期限までに何らかのご返答がいただけない場合、誠に遺憾ではございますが、
ご対応の意思が無いものと判断し、コンテンツの公開停止措置等を取らせていた
だく場合がございますので、予めご了承ください。

以上、宜しくお願いいたします。

不明点・お気づきの点などございましたら、弊社サポートセンターまで
お問い合わせください。

[さくらインターネットカスタマーセンター]
URL: http://www.sakura.ad.jp/
Email: support@sakura.ad.jp

 中1日の調査で削除したのに提訴するのはヒドイのではないか、という意見を書いたし、この意見を公表することは、常識的に考えて権利侵害でも何でもないと考える。ということは、「削除が中1日かかった」という部分がどこまで本当かで話が決まるのだろう。

 削除までの期間について立証可能な見通しが立てば、削除に応じず、竹村氏と争う方向で問題を処理したい。中1日の調査で削除したのに提訴するというのは、濫訴だと考えるからである。
 とりあえず、beyond氏にもうちょっと詳しく事実確認をしてみる。

 先日の口頭弁論は擬制陳述だと事前に知らされており、裁判所に出向いてもbeyond氏には会えないことがわかったので、傍聴には行かなかった。

【追記】
 メールのやりとりと訴状はゲット済だった。添付ファイルがうまくたどれなくて見えてなかった(汗)orz。メールフォルダをコピーすると、時々、メールと添付ファイルのつながりがぶっちぎれるんだよなぁ。
 現在、beyond氏と竹村氏の間のやりとりが、今持っているものだけで全部かbeyondさんに最終確認中。本当に今見ているものだけで全部なら、削除に応じたりせず、訴訟に突っ込んで、濫訴を考えるの方の題材にした方がいいかもしれない。
 確認がとれたらさくらインターネットに1回目の返事を書く予定。