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弁論準備@東京地裁

Posted on 12月 3rd, 2008 in 倉庫 by apj

 代休を充てて上京。吉岡他2名を訴えている裁判の弁論準備手続。
今回は被告の準備書面提出だったので、特に準備無し。5分くらいで簡単に終了。
 終わった後、絵里タンと打ち合わせ。東京地裁の1階に弁護士控え室みたいなのがあって、オープンスペースにテーブルと椅子のセットが置いてあって、隅の方にいくつかのパーティションがある。そこを使ったのだけど、両方の当事者が出てきていると、双方が終わった後の打ち合わせでまた鉢合わせすることがあるのだそうだが、電話会議だとその心配が無い、ということで、簡単に書類の検討をした。

複雑訴訟の基礎理論

Posted on 12月 2nd, 2008 in 倉庫 by apj

 学術選書20「複雑訴訟の基礎理論」徳田和幸著(信山社)978-4797254204を生協で見つけて衝動買い。今見たら、amazon.co.jpにはまだ登録されていないのか、検索しても出てこなかった。(目次は信山社の方に出ていた)。
 何せ、帯に「共同訴訟・訴訟参加等の基礎理論」とでかでかと書いてあるのを見た瞬間「これは私のために出たに違いない。この話題をフォローしないわけにはっ……!」という天の声が頭の中に鳴り響いて、気が付いたらレジで金を払っている私が居たと。
 しかし値段が11000円は高い(泣)。その上研究書。私に読みこなせるんかいなorz。

いろいろ購入

Posted on 12月 1st, 2008 in 倉庫 by apj

 頼んでおいた本がいくつかまとまって届いた。
・懐疑論者の事典 上・下
 まあ、必読書。出たばっかりのときに買わなかった方が不思議かも。
・これから学会発表する若者のために
 学生さんに読んでもらいたいので、何かの折に薦めてみようと思って購入。
・サイボーグ・フィロソフィー
 うん、まあ、ロボットとか好きだし。
・Classical And Quantum Dissipative Systems
・Quantum Dissipative Systems
 ちょいと量子力学をきっちりやらないといろいろマズそうなので……。

 で、今読んでるというか積ん読しつつちょこちょこ読み進めているのが、
・リスク 神々への反逆(ピーター・バーンスタイン著)
・信用恐慌の謎
・もっとも美しい対称性
・サイエンス・インポッシブル
・DECOHERENC AND THE QUANTUM-TO-CLASSICAL TRANSITION
 あとは、法学基礎、憲法、民法総則と労働法あたり。訴訟法はちょっとお休み。

ポータブルHD

Posted on 11月 29th, 2008 in 倉庫 by apj

 この3年くらい使っていたYANOのポータブルHDDで、ファイルが読み出せなくなることが2回ほど発生。本格的に壊れる前に、ということでBUFFALOの250GBのを買ってきて、バックアップ移行中。毎日持ち歩いて使っているので、まあ仕方がないかな。あと6GBくらいしか空きもないことだし。
 これまではFireWire400のポート2つというのがYANOの良いところだったのだけど、USB2.0の使えるマシンに移ってしまったので、値段の安いUSBポート1つのみのもので、しかもたまたま安売りしているものを近くの店で選んで買ってきた。

A型、B型……

Posted on 11月 28th, 2008 in 倉庫 by apj

昔どっかで見かけたネタ。

○「あなた、何型?」
●「A型だけど」
○「ふうん……そう言われてみればそう見えるなあ。ところで私はB型なの」
●「へぇ、とてもそんなふうには見えないなぁ」
○「ところであなたは何型?」
□「私はC型。怖いですねぇ肝炎は」

ABOじゃなくてABCの方だったというオチ。

結果として、どの辺で守るかが違ってしまったような

Posted on 11月 26th, 2008 in 倉庫 by apj

 lets_skepticさんの「ニセ科学批判の背景にある思想」について、こちらにも言及されているのでコメントしておく。向こうのコメント欄に書くには長くなった……。

 私が、ニセ科学を批判するときに実害批判寄りになっているのは、実際の商品の宣伝に使われている内容を対象にしたことが私にとっての批判の入り口であったからに過ぎない。最初は、ニセ科学の蔓延を問題にしていたのではなく、浄水器や活水器のインチキ説明の蔓延を問題にしていたし、今でもこの部分は続いている。
 「知識は正しい方が良い」という規範はもちろん受け入れていて、だからこそ、正しい知識を普及させる目的で「水商売ウォッチング」を作った(し、そのように書いてもいる)。

 「知識は正しい方が良い」を、道徳的に善あるいは倫理的に正しいと考える立場を貫くこともできる。ところが、企業の利益に関わる批判とぶつかったときに、道徳的あるいは倫理的な立場を主張すると、おそらく議論はかみ合わない。利益を主張しての反論に対応するためには「知識は正しい方が良い」を、企業が主張する利益と比較可能な利益を用いて議論できるようにしておく必要がある。そこで、「間違った知識の蔓延は社会的損失をもたらす」という主張をすることになり、例えば、消費者が欺されるとか、企業の研究開発が歪んだ結果本当に良い製品の開発機会を失うとか、間違った知識で効果を主張して被害発生で訴えられたら企業は多分敗訴するとか、お役所が研究費配分を間違うことによる損失といった個別の具体的な主張にまで落とし込むことになる。

 菊地さんと私の批判スタンスの違いは、私が、現実の商品宣伝を批判の対象にしたことで、企業の利益と直接関わることになってしまった部分にあると思う。このため、企業から仕掛けられる訴訟を常に意識しながら批判をすることになった。
 lets_skepticさんが指摘したように「嘘つくな」という要求は、意識して出している。これは、この主張がわかりやすいからである。おそらく裁判官にとって。

 もう一つは、ネットの普及に伴う大学からの情報発信をいかにして守るか、が、ほぼ自動的に私が取り組むべきテーマの1つになってしまったことである。これについても(科学のとは違う意味での)実験が必要で、実際に、これまでいろいろ訴訟を手がけたりしてきて、現在も進行中である。法でどこまで守れるか、どんな方法なら守れるか、を実践とともに出して行くというのが、私が求めていることの1つである。

 こんなことを考えていたら、別の話が聞こえてきた。
 既に企業が開発費を投じた装置の効果について、某大学の先生が検証実験をしようとしたところ、企業から訴訟をちらつかせて大学もろとも脅されているという話である。検証実験で正しいとわかれば、より技術の裏付けができるはずのところ、いきなり脅しというのは、やはりどこかでズルをしているのだろうと考えざるをえない。
 別に、ニセ科学批判をしていなくたって、金が絡めば現実はこんなものなのである。

※なお、この場合の対処方法としては、脅した事実について動かぬ証拠を確保することが最優先、その後速やかにその事実を第三者にわかる形で公表する、というのが、邪魔されないための対抗策だろう。つまり、脅しはきかないことを相手に意思表示して分からせるというのが、安全を確保する方法になる。

 私達がやっている訴訟の方法が、大学での研究に対する不当な圧力に対抗するための何らかの参考になるなら、それも、私が目指すものの1つである。単に、研究者が訴訟を怖がらなくなるというだけでも、一応は成功である。

横浜国大で1回講義

Posted on 11月 26th, 2008 in 倉庫 by apj

 横浜国大で、リスクの社会的側面についていろんな事例を紹介するという講義の1コマ分を頼まれた。
内容は
・ニセ科学宣伝で、一般消費者向けに、いかに「リスクをごまかした」宣伝が行われているか
・科学はなぜ必要かといった基礎的な話
・大学発の情報発信と裁判の現状
 クレームが付いたときに、守る方法として、訴訟参加や、先制攻撃として確認の訴えを起こすということがあり得る。
といったあたり。ちょっと切り口を変えて話をしてみた。

 声をかけてくださったのが益永先生なのだが、益永先生とは中西応援団の時に初めてお会いした。研究分野は全く違うし所属学会も重ならないので、つながりの説明が長くなるというか……。

血液型性格判断について、技術開発者さん風に学生に向かって一言

Posted on 11月 25th, 2008 in 倉庫 by apj

 共通教育の講義の最後の方で、血液型性格判断について言及。内容は、菊地さんのまとめたものの抜粋。
で、最後に一言。
「B型自分の説明書、とかが流行っているけど、今、楽しく血液型性格判断を受け入れて社会に蔓延させることに手を貸したりしていると、君たち、4年後に就職するときに謂われもなく血液型が理由で不採用になったりするかもしれないよ」

金と謝罪はよく考えてから受け取ろう

Posted on 11月 24th, 2008 in 倉庫 by apj

 「finalvent氏の不誠実さについて」で、議論の最後の方でfinalvent氏が謝罪したり敗北宣言したりしたことについて、私は「(1)完敗宣言も謝罪も却下し、受け取らない。
 議論はそもそも勝ち負けではないし、何についての勝ち負けだかはっきりしないものについての完敗宣言など意味不明である。」と書いた。これについて補足しておく。

 もし、私が、finalvent氏の謝罪やら敗北宣言やらをそのまま受け入れたとしたら、同時に「議論の趣旨を見ても内容は一向に定かではないが(←ここ重要)、finalvent氏は私に対して何か謝罪しなければならないことをした」「finalvent氏と私の議論は勝ち負けをはっきりさせるために行われた、若しくはそういう種類のものであった」ことを認めることになってしまう。私は、そんなことは全く考えていないので、私自身が考えてもいないことを認めないために、finalvent氏の完敗宣言や謝罪については、明白な形で却下の意思表示をしておく必要がある。

 別にこれは、ニセ科学の議論に限った話でもないし、finalvent氏に限った話でもない。

 ついこの間も、職場の某トラブルで、私が謝罪を受け入れては、という案が出てきたので、即座に突っ込んだ。
 「謝罪しても、バカが賢くなるわけではないし、無知なのが知識を得るわけでもないから、謝罪など無意味なので不要。トラブルの原因は当事者の無知に起因すると私は認識しているので、謝罪の代わりに○○という本を読んでレポートを出す、といったあたりが適切と考える」
 曖昧な謝罪で丸く収めようとした上司は渋い顔をしたが、知ったことではない:-P。
 謝罪で済ませて感情的なしこりを残さないようにしたとしても、問題が改善されずいつまた同じパターンで発生するかもしれないという不安の方はしっかり残る。後の方がより問題である。

 うかつに謝罪を受け入れると、本来の問題がごまかされたり、本質的な解決が行われないままになったり、もともと無かった設定を受け入れることになったりという副作用がある。このあたりは、うかつに金を受け取ると、別の意味が発生することがあって後々面倒なことになるのと似ている。
 まあ、金の方は罰則を伴うことがあるのでそれなりに慎重な人が多いかもしれないが、謝罪の方は経済的物理的実体が無いからチェックが甘くなりがちではないか。

 金と謝罪は安易に受け取るな、理由と発生する効果をよくよく検討してからにすべし、というのが私のモットーである。

サイエンスアゴラ

Posted on 11月 24th, 2008 in 倉庫 by apj

 サイエンスアゴラに行くため日帰りで上京。
 日本学術会議 科学と社会委員会 科学力増進分科会主催の「擬似科学とメディア」を見に行った。
 毛利衛・日本科学未来館館長に紹介されて、事前打ち合わせのときに顔合わせ&挨拶。今回は知り合いの先生の紹介で、一度毛利館長に連絡するようにと言われ、連絡をとったら急にこのイベントを知らされたので、何がなんだかよくわからなかったが、とにかく簡単に挨拶だけさせていただいた。
 その後、科学未来館を見学したり土産物を買ったりしてから夕方のシンポジウムへ。
 登壇者は池内了(総合研究大学院教授)、佐倉統(東京大学教授)、毛利衛(日本科学未来館館長)、長谷川壽一(東京大学教授)、司会は鈴木晶子(京都大学大学院教授)。

 質疑応答は活発だったが、JSTの人から出た最後の質問がちょっと引っ掛かったでコメント。個別の擬似科学への批判(シンポジウムではもぐら叩き、と表現された)をするのに、一体いくら予算を付けたら学術会議は動いてくれるのか、という内容の質問で、毛利館長が「科学の知識を普及させる方に力を注ぐべきで、個別の対応はする必要はない」といった意味のことを答えていた。
 私は別の理由で、個別対応をする時には、学術会議あたりはよほど慎重に動いてもらわないと弊害の方が大きいだろうと考えている。つまり、今でも、科学は権威だと思って無意味に反発する人がいるわけで、科学政策サイドが率先してもぐら叩きにまわったら、さらに権威の押しつけという誤解が広がりやすい状況になって、不必要な反発を助長するという弊害が出てくるということである。

 擬似科学に対する批判は、擬似科学を蔓延させたら、巡り巡ってどういう被害をうけることになるかを認識してもらうということを併せてやらないとうまくいかない。「今、血液型性格診断を受け入れたら、将来、謂われもなく自分や自分の子供が、血液型が合わないという理由で希望の職種に就けなかったり仕事の種類を制限されたり昇進で差別されたりするかもしれませんよ」といった話なわけで……。