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「健康情報 本当の話」草野直樹著

Posted on 6月 30th, 2008 in 未分類 by apj

 「健康情報 本当の話」草野直樹著 楽工社 の紹介。目次を引用しておく。

はじめに 3

■第1章 危ない健康食品 13

●八木田旭邦「新免疫療法」 13

進行がんには成果なし 14
手術すれば助かったかもしれないために裁判に 19
独自の判定で居直る現在 26

●師岡孝次監修『末期ガンに一番効くアガリクスは何か』 28

「食品」と「医薬品」の違い 28
ついに逮捕者が出た「がんに効く」書籍 31
担当医の話がない不思議さ 33
使えるネタを無原則に採り入れる論理矛盾 36

●新谷弘実『病気にならない生き方』 40

120万部突破のベストセラーというが…… 40
新造語や独自のPR 42
総花的な「健康」情報と科学的根拠の曖昧さ 46
「抗がん剤」で治療できる患者に対する責任 49
誰でもいえる「正しいこと」が説得力を持たせる? 53
医学的に使ってはならない単語の横行 56

●清水妙正『医者が体験した末期ガンからの生還』 60

「マイタケで生還した」現役医師の体験談 60
医師としては批判せざるを得ないが…… 64

●他の健康食品事件の数々 68

プロポリスの薬事法違反で実刑 68
CPLのバイブル商法 70
イチョウ葉エキスと大豆エキスで催眠療法 72

●バイブル商法に騙されてはならない 76

食品にもいろいろある 76
それ以外の「自称健康食品」 81
バイブル商法がいまだのさばっているのは…… 83
健康「食品」であるかぎり、「抗がん」のEBMはない 85

■第2章 健康観と治療法の疑似科学 89

●川竹文夫 NPO法人ガンの患者研究所 90

1124人のがん患者が交流した集会 90
がんはライフスタイルを改めれば治るのか? 94
「5年生存率向上」はまやかしなのか? 99
「4週間小さくなる」抗がん剤は無意味か? 102
医師の治療を受けることも自覚的である 105
カルト団体傘下の保険適用外治療を紹介 109

●福田稔・安保徹「自律神経免疫療法」 114

交感神経と副交感神経のバランスが大事と提唱 114
量・質ともに不足したデータ 116
科学的見識を疑うコラム 119
「リンパ球の数だけ」で見る現実にそぐわない珍論 121
誰とでも組むことで医学を否定することになりはしないか 128

●野島尚武「超ミネラル水」 130

薬事法的にはアウト、ヒトのデータなし 130
気をつけておかなければならない点 134
「超ミネラル水」にこだわる人たちの体験 136

●朝倉一善『医者もおどろく奇跡の温泉』ほか 140

体験談と飲泉商品紹介の「温泉バイブル本」 140
疑似科学用語の数々 144
温泉に過度の期待を抱かないこと 146

●その他の“ちょっとおかしい”療法 150

石原結實『ドクター石原結實の若返り健康法』ほか 150
甲田光雄『少食の実行で世界は救われる』ほか 154
山田豊文『細胞から元気になる食事』ほか 155

■第3章 テレビの健康情報 157

●関西テレビ「発掘!あるある大事典」 158

主要な部分はすべて捏造 158
企業と科学者の癒着も「反科学」の根源に 161
公権力の揺さぶりだけで根本的な解決にはつながらず 164
痩せ信仰を大きく変える文化が必要 165

●日本テレビ「おもいッきりテレビ」 168

「おもいッきりテレビ」とは何だったのか 168
ありふれたことで煽り、ありふれたもので落とす 171
番組隆盛の背景には「ビジネス」と「国策」 175

●NHK「ためしてガッテン」 179

アディポネクチン値に疑問 179
くずされた言い分 181
健康は特定の数値と全体とのバランスを見るべき 185
「ガッテン」の批判は的はずれか? 190
なぜ「ガッテン」に甘いのか 194

●他のテレビ放送のトラブル 197

白インゲン豆ダイエット法 197
「クローズアップ現代」の番組改編疑惑 198

■第4章 危機煽り本の危うさ 203

●三好基晴『ウソが9割 健康TV』 204

「商売科学」こそ「健康トリック」の真犯人 204
健康情報番組のトリックを暴く 206
「健康」を煽るのも「不健康」を煽るのも同じではないのか 208
科学的誠実さを欠いた危機意識の煽り 211
脱力するしかない結論 215
リスクとベネフィットの両面を示せ 218

●中村三郎『水道水も危ない!』 221

アスベストのリスクは不明 221
20年前のデータを現在は明らかに違う 227
引用と吸入のリスクははっきり区別されている 232
残留塩素はそんなに危険なのか 236
殺菌塩素と抗がん剤の共通点は? 243
安全を求めたはずの結論が「地下水」「ミネラルウォーター」だって? 248

■第5章 芸能人の健康情報 251

●水道橋博士『博士の異常な健康』 252

『博士の異常な健康』読んでみました 252
硬水を勧める無責任さ 253
旧式の体験談で今を語ってもいいのか 255
そんなに若返ることが大切なのか 258
デトックスと分子栄養学の問題点に触れない 263
ヒトを対象にした検証が必要 267
「右肩上がり」の健康感をどう見るか 271

●倖田來未「35歳を過ぎると羊水が腐る」発言 274

「羊水腐る」に「一理」なんかあるものか! 274
彼女は疑似科学の信者であり喧伝者だった 280
彼女だけを責めて済む問題ではないが…… 283

■第6章 “怪しい健康情報”からわかったこと 285

健康情報・こんな点に気をつけよう 286
疑似科学は社会の仕組みを知った上でとらえるべき 292
「理科教育だけ」論は他分野の研究者からも批判 297
疑似科学は一般社会人が自発的に発送するものではありえない 299
「カマキリ叩き」だけで問題は解決しない 301
取り締まれば済む問題なのか 304
代替医療=非科学という紋切り型批判の問題点 307
代替医療に向かう社会的要因 311
今の時点でいえること 314

■健康情報についての参考書籍・サイト 318

 これまでにメディアに登場した健康法や健康食品について、どういう問題があるのかを具体的に指摘し、議論した本。立派な装丁で本が出ていても、博士の肩書きがあっても、広く視聴されているテレビであっても、そういうことには関係なく、まんべんなくインチキ情報が紛れ込んでいることがよくわかる。健康食品や健康法の変なものにはまると、必要な治療が遅れたり、健康被害が発生したりすることになる。「うまい話にご用心」というのは、対悪徳商法だけではなく、健康法や健康食品についてもあてはまる。
 今後もインチキ健康食品や健康法は増えることはあっても減ることはないだろう。以前もどこかで指摘したが、大学教員の評価基準に社会連携が入っているので、バカ健食の宣伝に荷担する大学人も後を絶たないだろうというのがその理由である。自衛のためにも、ぜひ一冊買って読むと良いだろう。
 著者の草野氏は、メールマガジンでは大槻教授を強く批判しており、多少感情的かなと思う面もあるが、この本では冷静な議論をしているので、大変に読みやすい。

ポスドクに限った話じゃなかった

Posted on 6月 30th, 2008 in 未分類 by apj

 asahi.comの記事より。今度は弁護士の就職難の話。

「弁護士の就職難」鮮明に、未内定者が倍増 日弁連調査

2008年6月30日11時8分

 年内に修習を終える司法修習生を対象に日本弁護士連合会がおこなったアンケートで、「就職が決まっていない」と答えた修習生が前年同期の2倍になっていることが分かった。法曹人口の増加に伴って問題になりつつある「弁護士の就職難」。今年はさらに厳しくなっているようだ。

 日弁連が4~5月、新司法試験と旧司法試験に合格して年内に司法修習を終える見込みの2383人にメールし、1041人が答えた。その結果、新司法試験合格者の232人(29%)と、旧司法試験合格者の31人(12%)の計263人が「弁護士を志望しているが、就職先は未定」と回答。全体の25%にあたり、前年の13%からほぼ倍増していた。回答していない修習生も含めると、推計で500人以上の就職が決まっていないことになる。

 司法試験の合格者数は、法曹人口を2010年ごろまでに年間3千人に増やす政府の方針に基づき、年々増えている。昨年も大勢の就職難が予想されたが、日弁連が弁護士事務所に強く採用を働きかけるなどしたため、弁護士登録できなかった人数は低く抑えられたという。だが、日弁連は「今年は難しい」とみている。(市川美亜子)

 普通にやって弁護士として就職できるのは1500人/年、といったところなのだろう。これならば、ロースクールなど作らずに、旧司法試験の合格者をちょっとずつ増やしながら様子を見る、という方法で対応した方が良かったのではないか。
 どちらかというと世間知らずに分類できそうな博士課程進学者と違って、弁護士志願者は社会の状況に敏感だから、入学者が激減するという形でローの定員には調整がかかりそうだが、それでも合格者の集団がえらいことになるというのでは、やっぱり当分混乱するし、あまりいい結果にはなりそうにない。
 もともとOJT必須の職種で、経済的余裕が情報収集能力に直結するので、いきなり独立開業して育っていける人というのは多分ごく稀だろうし。

日経サイエンス8月号の喫煙の記事

Posted on 6月 30th, 2008 in 未分類 by apj

 今月発売の日経サイエンスの「1本で脳が変わる ニコチン依存の新仮説」はなかなか興味深い。ニコチン依存になるまでの時間が極めて短く、吸い始めてから1ヶ月以内に依存が始まる可能性が最も高い、という報告。長年続けたから止められなくなった、ということではないのだそうな。しかも、後から禁煙に成功しても完全に元には戻らないということだから、後々厄介な事になりたくなければ最初の1本に手出しをしない、というのが正解なのだろう。

 私が喫煙しなかったのは、いつも煙草を買うことを意識しなければならなくなったらとても面倒くさいに違いない、ということに尽きるのだけど。大体、食事をするのも面倒(何を食べるか考えなければならないのが既に面倒)で、何で人間は光合成でやっていけないのかと植物を見て恨めしく思うのに、この上「煙草を買いにいかなきゃ」などという要素が1つ増えるなんて、想像するだけでも悪夢である。

バイオポスドクの問題

Posted on 6月 28th, 2008 in 未分類 by apj

 MSN産経ニュースの記事より。

ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節
2008.6.28 21:47

大学院で博士号を取得後、定職を得ずに不安定な身分で研究を続ける「ポストドクター(ポスドク、博士研究員)」。その数は国内で1万5000人以上にのぼるとされ、うち生物学や農学などライフサイエンスを専門とする“バイオポスドク”の割合が4割も占める。1990年代のいわゆる「バイオブーム」に乗って、関連する大学の学部・学科の新設が相次いだが、“出口”や“受け皿”に関しては、未整備の状態が続いている。「末は博士か…」といわれた立身出世物語も今や昔。博士の受難を追った。(信藤敦子)
 
ブームに踊らされる
 「バイオブームに踊らされたのが、われわれバイオポスドクです」
 大阪大学先端イノベーションセンターの特任研究員、吉岡宏幸さん(32)は農学の博士号を持つバイオポスドクだ。大学、大学院と農学一筋に歩み、カナダへの留学後の平成18年に阪大の研究員に。雇用期間は3年。給料も時給制で、契約時に決められた上限分しか支払われることはない。しかしそれでも恵まれているという。「保険にすら入れない人もいるんです」
 昔から植物の分子レベルの構造に興味があったという吉岡さん。大学も迷わず農学を学べるところを選択した。「高校のころは博士をとれば助手、助教授…と進んでいけると思っていました」。だが、学位取得後の吉岡さんを待っていたのは厳しい現実だった。助手になるにも採用枠は1人か2人。応募しても100倍以上の狭き門は当たり前だ。大学の正規教員になるのは「(博士の中でも)一握りのエリート」と話す。
 現在は“専門外”のレーザーを使った植物構造の解析を行う。「研究できる場があるだけ幸せ」と吉岡さん。だが、センターの雇用期間も来年で終了、契約の更新は原則ない。3年間の研究成果を携えて、職探しが始まる。
 吉岡さんは今年結婚。9月には子供が生まれる予定だ。具体的には決めていないが、九州の実家に戻り農業に携わることも選択肢に入れているという。「民間への就職も“奇跡的なマッチング”がなければ無理。これから私の本当の人生が始まる気がします」

研究職は削減の一途
 ポスドクなどの余剰博士問題は、世界競争力を高めるため文部科学省が進めた「大学院重点化政策」に端を発する。博士課程の在籍者数は、就職氷河期とも重なり、この12年間で2.5倍に増加した。
 その一方で、18歳人口の減少を見据えた大学のスリム化に伴い、博士らが本来就くはずの研究職は削減の一途をたどり、ポスドクは1万5496人(平成17年度)にまで膨れ上がった。そのうちバイオポスドクは6471人を占める。
 「国の施策は10年先を見据えてやったとは思えない」。こう厳しく批判したのは、バイオサイエンス研究の権威、新名(しんみょう)惇彦(あつひこ)・奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。
 新名さんは昨年、「ポスドクとバイオ系企業との連携」と題した事例研究を行い、バイオポスドクの現状を分析したが、そこからは、行き場を失ったバイオポスドクの悲哀がうかがい取れる。「これだけ増えてしまった以上、ポスドクは(研究継続をあきらめ)普通に就職することもやむをえない」と新名さん。
 しかし、その責任を国だけに帰することはしない。「企業にも、大学にも、そしてポスドク自身にも問題があった」

実績ある研究者を優先
 DNA研究の進展とともに脚光を浴びたバイオ産業。だが時を同じくし、医薬・化学系の大手企業などの外資系による吸収合併が進み、ポスドクよりも、実績ある研究者を優先的に採用する傾向を強めていった。
 新名さんは「技術力の高い中小企業やベンチャーには人材のニーズがあるのだが、ポスドクは(採用枠の狭い)上場企業研究職を希望したがる」とし、マッチングの差異を指摘する。
 また、新名さんとともに調査にかかわったシンクタンク「ダン計画研究所」常務取締役の宮尾展子さんは、「(ポスドクは)インターンシップなどを使って積極的に企業へアプローチすることも必要なはずだが、現状では参加するポスドクは数%」と語った。そこからはポスドクの研究者としてのプライド意識が、問題の悪循環を招いている実態もうかがい取れる。
 実際、「企業のポスドクに対するイメージが、あまりにも悪いことに驚いた」と宮尾さん。調査では複数のベンチャー企業にアンケートを実施したが、「(ポスドクは)協調性がなさそう」「使いづらい」などというマイナスイメージが多数を占めたという。
 宮尾さんは「(国策としてポスドクを増やしながらも)企業側、ポスドク側双方がお互いを知る機会が少なく、そのこと自体が依然として問題視されていないことが最大の問題」と指摘。「双方が接点を作る機会を官民が積極的に創出していかなければ何も変わらないだろう」と予測した。

 別にバイオポスドクに限らず、政府主導のブーム作りはことごとく失敗に終わっている。
 政府が「需要がある」と主張して人を増やしたところは、どこも過当競争になって、需要などなかったことが判明し、ろくでもない結果になっている。バイオに限らず、大学院重点化の時は、これから高度な訓練を受けた人材が必要だという経済界の言うことを真に受けてやってみたら、採用が増えなかった。法科大学院だって、弁護士の需要が企業でもあると主張した経済界の主張を真に受けて作ってみたら、企業での採用は無いことが判明して、惨状が明らかになりつつある。
 バイオについて言えば、90年代半ばで、冷遇の流れはあったような……。
 例えば、当時、同じ研究室の社会人大学院生の人が、バイオ技術の専門学校の講師をしていた。これからはバイオ、の掛け声でできた専門学校だったが、そこを出てバイオ関係に就職できる人はごく僅かだという状態だった。東京大学でさえ、工学部の工化合成が生命ナントカに名前を変えた途端、学部から上がってきた修士課程の男性大学院生(就職ではほぼ最強カードが揃っているはず)が、企業に就職活動のため電話して、学科名を名乗った途端「ウチはバイオは要りません」と門前払いされかかって、慌てて「変わったのは名前だけで実態は工業化学・合成化学である」と説明するハメになっていた。
 市場規模を読み間違えた人材養成をして、惨事を引き起こすというのが続いているように見えるのだが……。

Adobe Creative Suite

Posted on 6月 28th, 2008 in 未分類 by apj

 Adobe Creative Suite 3 Web Premiumを買った。主に使ってきたのが、旧マクロメディアのDreamweaver、Fireworks、Flashと、AdobeのAcrobat Professional、Illustratorで、AdobeがMacromediaを買収して一緒のパッケージで売り出したので、1つ買って全部含まれているのはWeb Premiumしかないという状況になってしまった。PhotoshopとContributeとBridgeが私にとっては今のところ余分だが、セット価格の方が安いのでこうなった。
 ちょっと前まではAdobe Creative Suiteのようなセットが無かったので、個別に買っていた。1つ2つのアップグレードのためにCS3を買うのはばからしいので、買って一気に使っているソフトがバージョンアップできるようになるまで買い控えているうちにどんどん新バージョンが出て、残すはAcrobatのみとなった。今買うとAcrobatの次期バージョンが含まれたAdobe Creative Suite 3.3に無償アップグレードができることがわかったことと、旧マクロメディアのDreamweaverがMacBook Proで動かなくなってしまったことから、思い切って買うことにした。

 Adobeになって良かった点は、Dreamweaverの立ち上げの時間が短縮されたことか。

 Dreamweaverが動かなくなった時、もっと安い単体のウェブオーサリングソフトに乗り換えようかと思っていろいろ探した。Appleだって、iWebをつけているし。ただ、ソースコードを変えながら表示を確認できて、ディレクトリ構造の深いところから転送しても該当する場所に入れてくれるソフトが他には見当たらなかったので、乗り換えをあきらめた。ワープロぽいソフトで編集したものが見たままウェブサイトに、というのは、Geeklogを入れたり他のPHPスクリプトを入れたりということをしまくっていると、何だか馴染めない。

  ところで、MacBook Proには、なぜかそのままではインストールできなかった。インストーラの初期化のところでプログレスバーが止まってしまい、延々DVDを読み続けてた。インストールDVDの内容を一旦デスクトップにコピーし、そこからインストーラを起動するとうまくできた。この方法はAdobeのサイトにも出ているが、インストーラが止まってしまう場所が掲載されているものとは違っていた。

YoKoKu

Posted on 6月 28th, 2008 in 未分類 by apj

 ネットでは犯行予告が大流行中だが、それは迷惑なだけでちっとも楽しめない。
 もうちょっとインパクトがあって、読んで楽しめる予告はできないものか……と考えてtwitterで「漫才予告」をしてみたのだが、ネタとしてはイマイチだよなぁ。
 「○○を殺します」の○○の部分に人間を入れると犯行予告になってしまう。ということは、人間以外のものを入れればよいのか。

「今部屋に出たゴキブリを殺します」
→書き込んでる暇があったらスリッパでひっぱたけ。逃げられるぞ。
「明日山の中で素手で熊を殺します」
→空手バカ一代?
「これから海に行って鯨を殺します」
→警察がスルーしても、グリーンピースと大バトルの予感。
「シロアリを殺す話がまとまりました」
→その駆除業者、悪徳じゃないことを確認した?
「今からニシンの子を大量に殺す」
→素直に数の子を食べるって言え。

 しゃれた予告ってあんまり思いつかない……orz。「今夜零時、国宝の仏像を戴く」とかじゃあ、どう見ても江戸川乱歩の世界で、怪人二十面相と明智小五郎の名勝負が展開してそうだし。

 秋葉原事件の加藤容疑者は予告した上に実行した、つまり「有言実行」であった。事件以後、犯行予告で捕まっている人達は、軒並み実行する気がなくて予告だけ書き込んでいる、つまり「有言不実行」。それで、唐突に思い出したのが、小学校の時の先生がクラスの標語にしたのが「不言実行」だったこと(汗)。平たく言えば「無駄話しないで勉強や掃除や作業をしろ」というつもりだったらしい。あの当時はのどかだったから、この標語でも問題が無かったが、こうも実行する気のない犯行予告が続出すると、「不言実行」をモットーにするのは別の意味で差し障りがありそうな……。

パリティ7月号

Posted on 6月 27th, 2008 in 未分類 by apj

 生協で見かけたので衝動買いした。パリティ7月号。特集は「超音波物理の最前線」。
 以前、atom11の掲示板でキャビテーションの話やらソノルミネッセンスの話が出て、予備知識が無かったのであまり議論できなかったのだが、パリティの解説はとっかかりとしては良さそう。
 気泡の圧縮が、過程の全てにおいて断熱的ではない(等温過程も混じる、準断熱過程)であるとか、発光スペクトルから気泡の温度を求めると10000Kに相当するという話が出てくる。気泡内部も一様ではなくて、内部がもっと高温と考えられている。

 圧縮でどれだけの領域が高温になるかわからないのだが、普通の意味で温度を考えていいのかが微妙な気が。この分野の参考書はまだ読んだことがないのだけど、黒体輻射をあてはめていいような話なのかなぁ……。
#参考文献にあがっている、一番基本的っぽい本は品切れ絶版で入手できないし。

嘘を見破る質問力

Posted on 6月 26th, 2008 in 未分類 by apj

 404 blog not foundで紹介されていたので買ってみた。
「反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力」荘司 雅彦著(日本実業出版社)

 前もって相手の退路を断っておくために回り道をする、というのは参考になる。と同時に、嘘をつき通すコストは半端ではないということもわかる。

 弁護士が書いた反対尋問の本としては、「ある反対尋問―科学者証人への反対尋問例」松波 淳一著(日本評論社)がある。随分前に買って読んだのだが、今見たら品切れ中でプレミア価格になっていた。環境ホルモン濫訴事件の尋問を楽しむには役立った。

 荘司氏の本は読みやすいが、本格的に学ぶなら、本の中で紹介されている、“The Art of Cross Examination”, Francis Wellmanを読むしかないだろう。古い版の日本語訳は、ウェルマン著「反対尋問の技術」として青甲社から出たようだが、上下に分かれていて上巻だけがプレミア価格になっていた。旺文社文庫の「反対尋問」の方が入手は容易で、amazonマーケットプレイスに何冊か出ていたので、コンディションの良さそうなものをとりあえず注文。原著の方は改訂がなされており、ペーパーバックで入手は容易。

 神戸の裁判が、次あたり人証をどうするかという話になりそうだし、一応勉強しておこう。反対尋問のことを英語でcross examinationと言うのは、今回初めて知ったので、1つ雑学が増えた^^;)。

予告の方法がローテクに……

Posted on 6月 25th, 2008 in 未分類 by apj

 msn産経ニュースの記事より。

「高校生殺す あきばのじけんたのしそう」 埼玉の高校に脅迫文2通
2008.6.25 19:29

 埼玉県松伏町の県立松伏高校(生徒数692人)で25日までに、「松伏高校生を殺します。あきばのじけん、たのしそう」などと書かれた脅迫文が2通見つかった。県警吉川署が威力業務妨害などの疑いで調べている。
 県によると、20日午後、女子生徒が体育館の女子トイレで、東京・秋葉原の無差別殺傷事件に触れた内容のリポート用紙1枚を発見。25日朝には、学校職員が正門付近の植え込みに置かれた茶封筒を見つけた。
 封筒には「僕が目立つ 1番なんだよ はじめの人はバラバラ」などと書かれた原稿用紙が入っていた。脅迫文はいずれも手書きだった。
 同校では25日、生徒を集団下校させるなどの対策を取った。

 秋葉原の事件以来、確実に捕まるとわかっているのにネットでの殺人予告が絶えなかったが、今度は「茶封筒」「手書き」「直接届ける」というローテクな方法に逆戻りしたということか。実際に封筒を置きに行くと、今時のことだからどこの監視カメラで見られてるかわからないわけで、それならば遠く離れたポストにこっそり投函、という古式ゆかしい(?)方法が、犯罪者にとっては一番安全ということかもしれない。いずれにしても、ろくでもない行為であることは確かなので、果たしてこれは学習効果と言ってよいものやら、どう突っ込んでいいかわからない。事が事だけに、「古き良き時代の作法にのっとり……」「昔ながらの確立された……」という修飾語を付けるのも何だか違う気がするし。

昔から登校拒否とかであったような……

Posted on 6月 25th, 2008 in 未分類 by apj

 ZAKZAKの記事より。

若者に急増する“新化型”…「うつの真実」

 受診待ちが出るほどの“うつ病”の急増。その背景には精神科に受診しやすくなったこともあるが、顕著なのはいまや4割を占めるといわれる“新型”の出現。いったい従来のうつ病と比べて、どう違うのか。

 【症状】

 近年、臨床医を悩ませている急増中の“新型”。特徴的なのは、仕事や日常生活がままならないことに対して従来型の『自分を責める』のではなく、『他人や環境のせいにする』傾向が強いこと。「会社が悪い」「上司が悪い」「異動させられたのが悪い」などの言葉が口癖のようにかいま見られる。

 「ほとんどが20-30代前半の若い世代に発症して、逃避型や回避型などと呼ばれている」と話すのは、日本精神神経学会理事で池上クリニック(川崎市)の池上秀明院長。さらに、気分の落ち込みが継続する従来型と違って、会社で仕事をしていると重くなる。

 【原因】

 本来、うつ病の原因には、真面目で責任感が強いなど本人の素質による“内因”と、職場環境や人間関係などの“外因(環境因)”があり、双方がからみ合って発症している。

 外因が強いようなケースでは環境を変えてやるだけでも“抑うつ状態”は比較的よくなる。一方、内因の方が強い場合には薬は効くが重症化しやすい。ところが新型の場合、一見、会社に問題があるように思えるが、そこがフェイント。「本当の原因は当人の心の構え方にあるので、たとえ会社の環境を変えてもあまりよくならない」など、原因の究明が一層複雑になっているのが特徴だ。

 【治療】

 “うつ”の悪化自体は抗うつ薬で抑えられるが、根治的な治療をするにはカウンセリングを要し、時間もかかる。

 「試行錯誤を繰り返しながら年齢を重ね社会に妥協できるようになれば、少しずつ心の構え方も改善されていく」と長い目でみることが肝心だ。

 「周囲では少し“わがまま”に映るが、このタイプのうつ病が増えていることの理解とサポートが重要」と池上院長。

 上司と部下の溝を深める新型のうつ病。蝕まれる前に会社単位の対策が必要だ。

ZAKZAK 2008/06/25

 「心の構え方」まで病気に入れるという部分がちょっと疑問なのだが……。単に甘やかされて周囲が見えなくなっているだけの人とどう区別するのだろう?

【追記】
 その一方で、こんな本もあったりして。
「心の傷」は言ったもん勝ち 中島聡著 新潮新書
書いたのは精神科医。専門家の間で本当はどういう見解になっているのか知りたいところ。