訴訟掲示板の方で話題になったので、まとめておく。参考資料としては経緯を公開している。私と訴訟合戦を繰り広げることになった吉岡氏の件である。
吉岡氏は、「水は変わる」という、私に対する名誉毀損本を出版し、ウェブでも内容を公開している人で、こちらの訴訟も来月から弁論が始まる。
事の経緯を時間の順にまとめると、
(1)2003年11月から12月にかけて、吉岡氏と私の間にメールのやりとりがあり、内容を公開した。
この時、吉岡氏は、磁気活水器を私にしきりに勧めたが、どの製品を勧めているかは、訊いても答えなかった。
私は、吉岡氏が、一体何の製品を扱っているのか全く知らないままにメールのやりとりを終えた。
(2)2004年3月、フォーラムにて吉岡氏と名刺交換。名刺にも、何の製品を扱っているかの情報が無かった。
(3)1年半以上、吉岡氏の方から私には音沙汰無し。私も、特に何もせず、吉岡氏のビジネスがどこでどうなっているのか全く知らないまま時間が過ぎた。
(4)(2005年の夏から秋頃、多分、公取が動いたらしい。私はそんなことを全く知らなかった)
(5)2005年10月、水商売ウォッチングを排除せよとの吉岡氏からの要望書がお茶の水大に届く。
2年近く何の動きも無かったのに、一体どうして今頃?と、私も冨永教授もびっくりする。
(6)2005年10月から11月頃、吉岡氏が「水は変わる」(要望書とほぼ同じ内容)をウェブサイトで公開する。
これによって、掲示板常連の人達がネットサーチをした結果、吉岡氏のビジネスが株式会社エッチーアールディのダイポールという磁気活水器の販売であると判明。
(7)2005年12月、エッチアールディを含む磁気活水器3社に排除命令。
(8)2006年1月、吉岡氏が、ダイポールの販売をしていることを書いた手紙とともに製本版「水は変わる」をお茶の水大の理学部長に送る。
(9)以後、吉岡氏は「水は変わる」のサイトで、天羽に対する人格攻撃を繰り返し、きくちさん、こなみさん達にも言及してめちゃくちゃな中傷を続けた。また、吉岡氏は人生100年ネットというサイトで、公取に従うつもりがないとか、「水は変わる」を出した理由は公取に対抗するためで、公取が動いたのは天羽が告発したからで、天羽は東京都にも影響を及ぼした、などと書きまくった。
(10)2007年2月10日、マグローブの設立ネタが掲示板に書き込まれた(神戸の裁判につながる最初の書き込み)
(1)から(3)までは、単なる、磁気活水器信者とのやりとりに過ぎなかった。吉岡氏も、自説を存分に述べたと思う。
吉岡氏の間違いの始まりは、(4)で公取が動いたことが天羽の影響による、と思い込んだことにある。
実際には、私は、HRDについて公取に報告したことなどないし、(5)の時点では公取が動いていることを全く知らなかった。だから、2年近くたって要望書が届いたときに、一体何が起きたかよくわからなかったのである。
また、今更吉岡氏の期待を裏切って悪いが、東京都が活水器への注意喚起文書を出したことに、私はまったく関与していない。東京都が相談したのは冨永教授だったのである。熱心に私を攻撃する理由の1つだったようだが、残念ながら空振りである。
ところが、吉岡氏は(4)の想像というか妄想に基づいて、私を攻撃する文書を出してしまった。文書を、お茶の水大に送るだけならまだしも、ネット公開なんかしたものだから、それをきっかけにいろんな人が吉岡氏をウォッチすることになり、HRDの関係者であることが比較的速やかに判明した。このため、排除命令が出た時にも掲示板で吉岡氏が関連づけられてネタにされ、動きが無ければ無いで時々話題にされることになった。このウォッチの流れが続いていたから、マグローブを作った時も、いち早く掲示板に書き込む人が現れた。このため、「水は変わる」が違法な文書であるという認識で私が書き込み、それに対して逆ギレした吉岡氏がお茶の水大を提訴するということになった。とうとう私の方も、「水は変わる」の名誉毀損の責任を問うことにして、年始提訴になった。
つまり、妄想で他人を攻撃→みんなにウォッチされる→新ビジネスまでからかわれる→提訴→妄想の責任を問われて今度は被告に、という流れになったというわけである。
もし、吉岡氏が(4)の妄想を抱かず、「水は変わる」を出さなかったとしたら、ネットで注目されることなど無かったに違いない。すると、HRDに排除命令が出ても、マルチのお仲間以外で、そのことを吉岡氏と結びつける人は居なかっただろう。掲示板の過去ログを見ればわかるように、吉岡氏が「水は変わる」をネット公開する前は、吉岡氏が何を売ってる人かという情報は誰からも出てきていなかったし、誰も積極的に調べようとはしていなかった。吉岡氏と並んでダイポールの講習会の講師に名を連ねていた人達は、今、全く注目されていない。多分今頃は、排除命令に従って穏当な表示をするようになったダイポールを、とりたてて騒ぎも起こさず順調に売っているに違いない。
吉岡氏が注目されていなければ、HRDから別れてマグローブを作っても、既にたくさんある磁気活水器のメーカーがまた1つできたというだけのことだから、掲示板にわざわざそのネタを書き込む人はまず居なかっただろう。すると、私の方もコメントするきっかけもないし(「水は変わる」がなければ、万が一投稿されても、何だまた磁気活水器マルチかよ、位の印象しか無かったはず)、神戸の裁判も無く、東京の裁判も無かっただろう。
こう振り返ってみると、全ては、吉岡氏が「公取が動いたのが天羽のせいだ」という妄想を抱いたことから始まっている。それ以前にメールのやりとりがあったではないかというツッコミもあるだろうが、あれは、吉岡氏の方が、頼みもしないのに勝手に磁気活水器擁護を始めただけである。何て言うか、もう、ご苦労さんとしか言いようがない。そんな無駄なことはせず、私の批判などスルーして新会社を立ち上げていれば、今頃は訴訟もなく、ビジネスに専念できたはずである。世の活水器メーカーの数は多いから、そのうちのいくつかに私がコメントしたとしても、吉岡氏のマグローブに偶然あたる確率は、かなり低かったはずである。マグローブの宣伝自体は科学的とは言えないが、他の磁気活水器だって似たようなものなので、マグローブが格別目立つというわけではない。今現在マグローブが格別目立ってしまっているのは、吉岡氏の執拗な個人攻撃によるものであって、製品自体が謳う性能や、アレな宣伝文句によるものではない。吉岡氏の戦略は、悪目立ちしたい場合にしか有効ではない。
これだけいろいろやることになった原因が、吉岡氏の妄想だけ(しかも中身が丸ハズレ)というのは、ある意味凄まじいオチではある。何だかもう脱力するしかない。
なぜこの話が今頃出てきたかというと、これまで、何故か誰一人として「HRDを公取にちくったのはお前か」という質問を私にしなかったからである。吉岡氏は、かつてのマルチのお仲間にそういうことを主張していたらしいが、私の方は吉岡氏のトンデモ文書(人生100年ネットに出たもの)にわざわざコメントする必要性を感じなかったから何も言わなかった。たまたま、一昨日、あなたが吉岡氏憎しでHRD社を公取に告発し云々、と書いた人が居たので本当のことを述べることになった。
いずれにしても、相手が本当は何をしているかということを知らずに、勝手な想像で攻撃をしかけると、この程度の紛争にはなるということである。私としては、状況判断を間違えて、脅せばなんとかなるだろうという安易な思いこみで他人を攻撃する人をそのまま許すつもりは全くない。相応の代償は支払ってもらう。吉岡氏には、これから、当分の間東京地裁でお付き合い戴くというだけのことである。