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携帯電話のログ

Posted on 6月 25th, 2008 in 未分類 by apj

 SoftBankの携帯を使っているのだが、携帯電話の通話記録を取り寄せようとしたら、2ヶ月分しか保存されていないということだった。半年分くらいは後から取り寄せられる方が何かと便利ではないかと思ったり、それはそれで膨大だから事業者としてはストレージに困るということなのかと思ったり。

吹いた……

Posted on 6月 23rd, 2008 in 未分類 by apj

 msn産経ニュースの記事より。

空自の“自虐ポスター” 情報漏洩防止に効果!?
2008.6.20 14:15

 「私が情報を漏らしました 元自衛官が実名告白」…衝撃的な“見出し”が並ぶ「週刊秘密保全」の広告。実はこれ、航空自衛隊が隊員に情報の漏洩(ろうえい)や流出の防止を呼びかける秘密保全がテーマの啓発ポスターなのだ。週刊誌の車内つり広告をまねたユニークな発想と、“自虐的”な見出しが空自内で話題となっている。全国の部隊で掲示されているが、その効果は!?
 “見出し”に見立てた標語には「家族にも内緒で毎晩ファイル共有ソフト」「WINNYにハマった懲戒免職までの日々」「どんだけ~!公私の区別がつかない隊員達 平気で秘密文章をコピー、仕事を家に持ち帰る上官」などと続く。
 また、実名告白した元自衛官の顔写真をモザイクをかけて登場させている。
 極めつけは、空自トップの田母神俊雄航空幕僚長が会見で使って物議を醸した「そんなの関係ねぇ」を使った「そんなの関係ねぇでは済まされない あなたのパソコン緊急点検ポイント100」。
 このポスターを正式採用した空自に対し、陸上自衛隊などからは「われわれの組織では考えられない」との声も。
 ポスターを企画した航空幕僚監部調査課によると、昨年9月に空自全部隊に応募を呼びかけたところ、約500作品が集まった。その中から厳正な審査で5点が採用となったが、「週刊秘密保全」は最高の評価だったという。5点のポスターは6月から全国の部隊で掲示されている。

 どんなポスターかというと、これ
!!$img1!!
です。本文も作って欲しいしぜひ読んでみたいという気が……。

デュアルブートしてみた

Posted on 6月 22nd, 2008 in 未分類 by apj

 VMware FusionとWindows XPを買ってインストールしてみた。一応は動いているが、さて、この先どうしよう^^;)。
仕事はMacで足りてるから、Macじゃできないフリーソフトのゲームでもやるしか使い道が無さそうなところがアレなんだが……。
 FileMakerもやっと9にバージョンアップ。

計算ミス

Posted on 6月 22nd, 2008 in 未分類 by apj

 神戸新聞の記事より。

平安人は勉強家? 九九を何度も練習 豊岡の木簡 

 兵庫県豊岡市日高町の祢布ケ森遺跡で大量出土した木簡の中には、九九の練習で計算間違いをしているものがあった。調査した豊岡市教委は「当時の官吏の人間味が感じられる」と話している。
 木簡は勉強するとき、現代のノートのようにも使用していたという。間違いが見つかった木簡は長さ三一・六センチ、幅二・九センチの細長い形で、裏面に九九を記していた。
 現代とは逆に大きい数の九九から始め、六九から四九までを飛ばした後、「三九廿四(さんくにじゅうし)」と間違えている。
 見つかった二百三点の大半は、この木簡のように文字や計算を練習した跡だった。
 表面を削って再利用できるが、木片も多く確認されており、繰り返し勉強した様子がうかがえる。
 九九が書かれた同時期の木簡は他にも例があり、今回も計三点出土。解読した奈良文化財研究所は「官吏が一生懸命活動していたことを示す史料」としている。(上杉順子)
(6/21 08:48)

 公文式を産んだ国だからなぁ……^^;)。
 試験でこの手の凡ミスはよくやらかしたから、他人事とは思えない。ただ、試験は媒体が紙だから多分証拠隠滅済みで、後から発見されてばれる事は多分ない……と思う。年貢の計算で間違いをやらかしてなければいいんだけど。

発言の責任は発言者個人が負うべき

Posted on 6月 21st, 2008 in 未分類 by apj

 改めてエントリーを上げておく。事象の地平線でも書いた、瀬尾准教授問題の続きである。
 あの騒動の時、私は、教員の発言は教員個人が負うべき、まして学外blogの内容について大学にクレームを付けるのは見当外れだ、という主張をした。この主張は今も変わっていない。
 たまたま大学が舞台であったから教員個人の発言云々と書いたが、より一般的には、「個人の発言についてのクレームをその個人の勤務先に言うのは見当外れ」ということを共通認識にしない限り、言論と表現の自由は現実に確保できない(∵コストが上がりすぎるから)というのが私の主張である。安易に情緒に流されて、気に入らない発言のクレームを組織に対して付けることを正当化している人達は、実は、自分で自分の表現の範囲を狭めていることを、もっと自覚すべきである。

 神戸の裁判に関連して、専用掲示板悪マニ会議室で、金属材料の専門家としていろいろ議論してくださっているmimonさんという方がいる。相手方の製品のマグローブの材料について疑問があり、耐久試験をしてから販売すべきだという意見等を述べておられた(この投稿で始まるツリー内に発言がある)。当然、訴訟の相手方の吉岡氏に取っては気に障る内容である。吉岡氏側からは、耐久試験をどのように行ったかということは全く出てきておらず、外見上は、耐久試験をせずに商品を販売しているように見えている。
 最近、こんな内容が投稿された

>>私の立場からすると、このマグローブ?がまともな会社ではないことを主張して、
>>人事とのいざこざを避ける必要があります。
>>そうでないと、騒ぎを起こしたというだけで、定年まで平社員のままということもありえるのです。
>今回の相手主張の嘘(誇張?)、マルチやダイポール、変な本の件で十分だと思いますけどね。
私宛ではなく、会社の人事部長宛に手紙を書くという、最低なことをしでかしてくれましたので、
マグローブ社にも、少し頭を冷やしてほしく、
お上のお墨付きがあればいいのにと、期待しています。

 mimonさんは、blogも開設して、同様の主張を述べているが、もちろんプロバイダが提供するblogサービスを利用した私的なものであり、今回はたまたま開設者の勤務先がわかっていたというだけに過ぎない。
 まあ、吉岡氏のサイトを見れば、大抵の人は「他人への中傷がてんこ盛り」「科学的にも間違いが多い」という判断ができるはずである。ただ、組織の側で何かを決定する立場にある人がバカだった場合には「面倒事さえ避ければよい」という判断をするかもしれない。もちろん、まともなことを言って、不当な処分をされたのであれば、とことん争えば撤回も名誉の回復も可能ではあろう。しかし、その争いを最後までやり抜くには膨大なコストがかかる。

 私は、瀬尾准教授の主張の多くに同意しないし、ろくでもない内容がたくさん含まれていたという判断をしている。それでもなお、所属組織にクレームを付けた人達に理を認めるわけにはいかない。あのとき電凸した人達は、多分道徳的に正しいことをしたと無邪気に思っているのだろう。
 しかし、一般に、所属組織にクレームを付ける側は「道徳的に正しいと思うから」や「正論が商売の邪魔だから」という区別などなく、「所属組織にクレームをつけたら有効であった」という結果を利用したいからやっている。もし、吉岡氏が「他人の商売の邪魔をする発言は道徳的にも倫理的にも悪」と心底思ってクレームをつけたのだとしたら、瀬尾准教授の件で「道徳的に悪だからクレームをつけた」と思っている人達と、一体どんな質的な違いがあるのだろう。何を道徳的に悪とするかというのは立場によって違ってくるし、旧blogでも指摘があったように、公共の福祉は少数派を排除しないから、どんなヒドイ内容でも読みたいという人の権利は保障されるべきだという話になる。

 個人の発言内容について、所属組織にクレームをつけるということがまかり通るようになったら、まともな内容の発言をするコストまで上がりすぎる場合が出てくるからまずいのである。

むしろ人文系の話題として

Posted on 6月 21st, 2008 in 未分類 by apj

 atom11の掲示板の方で、「1/4の奇跡~本当のことだから~」を学校で上映するのは問題ではないか、という意見が投稿された([26184]あたり)。石川県の養護学校職員の山元加津子氏の考えや活動の紹介ということだが、主張の論理が、

・世の中は全て、大きな力、村上和雄氏の言う、サムシンググレートで繋がっている。だから学校の子どもたちの絵や粘土作品と、ペルーの遺跡は似ているのだ。
・ペルーの不思議な土木作業は、遠い山から切り出した石を、今のようなインターネットでの情報のやりとりと同じような仕組みで送って貼り付けたのだ。だから、絵も簡単に拡大して張り付けることが出来る。だからナスカの地上絵もそうやって描かれたのだ。
・障害者である学校の子どもたちは、そういった大きな力から受ける回路が広いのだ。

 と、むしろトンデモの領域に突入しつつある。論理性とも合理性とも無縁の壮大な連想ゲームに、人として望ましい内容が抱き合わせになっている。やっている人達は善意だし、障害者が登場するので、批判をすると、反発される可能性が高いのでなかなか難しい。
 それでもいくつか問題だと思うことを書いておく。
 村上和雄の「サムシンググレート」を持ち出す考え方は単なる思考停止だし、ペルーの遺跡と似ていることの価値がどうなんだという部分も抜け落ちているから、何か言っているようでいて、話の中身が全くない。
 また、障害者である子供達を大事にしたいと思うあまりか、障害者の子供達が特別な能力を持っているということにしてしまい、だから障害者は大切にしなければならない、という持って行き方をするのは、やはり問題がある。障害者がそのような特別な能力を持っているという客観的証拠は無いから、そこが否定されると、「大切にしなければならない」の部分にまで影響が及んでしまう。山元氏は善意でやっているのだろうけど、弊害に気付いていないのではないか。
 では、障害者に特別な能力があると考えないと障害者を大切にできないのかというと、そんなことはないはずである。障害者かどうかとは関係なく、人間の尊厳性というものはあらゆる人に付与されており、これを実効性のあるものにするために人権を保障するということになる。人権の保障の具体的な方法なり内容なりを決めるときに、障害故に不自由になっている部分をうまく補って、結果として人間の尊厳性が等しく実現するようにしよう、と考えておけば足りるのではないか。
 障害者に対して安易に特別な能力を設定するということは、非科学・非合理であるというだけではなく、同時に倫理や哲学といった面の脆弱さを意味しているように思う。しかし、こちらについては、私も法学の基礎あたりを学び始めたばかりで、自分で論を立てることができるほどの知識も力もない。人文系の人に助けていただきたい部分である。

 なお、私達がタブーとして意識的に避けなければならないことの一つは、人の優劣や価値が科学によって決められるという発想をすることである。科学的に測定可能な能力を人の価値や存在意義と結びつけることには、可能な限り敏感であるべきだろう。人の優劣に科学的根拠があるという発想の行き着いた先がホロコーストだったという苦い経験があるわけで……。もっと積極的な言い方をするなら、世の中には、科学を適用してはいけないものがある、ということである。
 人間の尊厳や人の価値というものは、科学とは無関係に、別の思想の枠組みを使ってきっちり立ち上げておかないと、危なくて仕方がない。スピリチュアル系が安易に科学っぽいものを取り入れることに対して私が持っている警戒心は、どうもこのあたりにありそうである。

【追記】
「障碍者」が正しい表記ではないかと思ったのだが、引用部分に合わせてここでは「障害者」とした。

発信者情報開示

Posted on 6月 20th, 2008 in 未分類 by apj

 酔うぞさんのところ経由小倉弁護士のエントリーより。

18/06/2008
発信者情報開示の運用の見直しの必要性

 発信者情報開示の手続に関しては,そろそろ,開示請求者側の代理人として,主たるアクセスプロバイダやレンタルサーバ業者(商用ブログ事業者やレンタルサーバ事業者を含む。),巨大電子掲示板管理者等に,運用の改善を求めた方が良いかなという気にはなっています。壇先生や久保先生などもお誘いした方が良いかもしれません。

 とりあえず,弁護士が代理人についているのに本人の写真付き身分証明書の写しの交付を要求するのはやめてもらいたいし(本人から委任を受けていないのに委任状を偽造してまで発信者情報の開示請求をするなんてリスク犯しませんよ),投稿者のメールアドレスとして捨てアドが登録されていて意見照会ができない場合や,意見照会の結果真実性の抗弁の存在を基礎づける資料の提出がなかった場合には,速やかに発信者情報の開示に応じていただきたいものです。意見照会の結果のコメントが「申し訳ありません。発信者情報だけは開示しないで下さい」なのに,「当該犯罪を犯していないとの公的な証明書が提出されない限り,権利侵害が明白とは言えないので,開示には応じられません」という回答はもう止めてもらいたいものです。

 また,IPアドレスと投稿時間しか把握できていないレンタルサーバ業者等について言えば,発信者情報の開示請求を受けたら,当該投稿に用いられたIPアドレスからアクセスプロバイダを探し出して,当該投稿にかかるアクセスログを消去せずに保管しておくようにアクセスプロバイダに連絡し,そのような連絡を受けたアクセスプロバイダは当該投稿のなされた時間帯に当該IPアドレスの割り当てを受けていた人物を特定するのに必要な限度でアクセスログを切り分けて保管するようにしてもらいたいものです。

 ブログ事業者等には,匿名プロキシサーバを経由してのコメント投稿を禁止するようなシステムを採用してもらいたいものです。ブログのコメント欄で名誉又は名誉感情を毀損されるのはブログ主だけとは限らず,むしろ第三者の名誉又は名誉感情がコメント欄で毀損される例も少なからずあるので,匿名プロキシサーバ経由のコメントの投稿を認めるか否かをブログ主の選択に委ねるのも如何なものかという気がしつつあります。

 ここのblogはレンタルサーバに置いているが、匿名proxyからのアクセスは拒否することになっている。もっと正確にいうと、有力な匿名proxyリストをいくつか調べて、該当するものがあれば拒否するようにしている。コメント書き込み元のIPアドレスも全て記録している。
 今のところは、コメントを承認制にしているので、名誉毀損投稿が行われる可能性は低いと思うが、承認制を止めた場合には、第三者に対する名誉毀損投稿が行われる可能性は十分にある。私のところで押さえているのはIPアドレスだけなので、開示せよという要求があればとっとと開示して、あとはそのIPアドレスを持っているプロバイダ(こちらは、IPアドレスと顧客情報の両方を持っている)経由で本人にたどり着いて、当事者間で問題を解決すればよいというのが私の立場である。

割と「分からなくする」「データを持たない方が良い」になっているのですね。実際に、発信者情報開示請求が起きた頃には、データの整合性が分からなくなっている。

こういった傾向は、個人情報保護法などとの関係で、今後もどういう方向に向かうのかなんとも言いがたいですね。

少なくともプロバイダが「分かりました。データを保存します」と言っても実効性はないでしょう。

  これがあるので、以前、発信者情報開示請求をやった時は、まず、ログを保存せよという仮処分申立を先にやった。「保存します」だけでは実効性がないことは確かなので、一応、実効性がある方法をとってみることにした。6月頃にやって「その年の12月末まで保存する」という和解をすることでまずログを押さえた。この時は、発信者の方が「住所氏名を書いた書面で私に金を要求」したため、開示請求の提訴の前に発信者の特定ができてしまった。
 私の場合は、掲示板スクリプトを書いた本人であったので、データベースに保存しておいたアクセス元のIPアドレスから即プロバイダが判明したし、同時に嫌がらせのメールももらっていたので書き込み元から、相手が使用しているプロバイダもわかった。
 掲示板がレンタルサーバで、掲示板管理者のアドレスが捨てアドで連絡もつかない、といった場合にはどうするか。掲示板管理者の責任を問うならば、レンタルサーバ屋に対して「管理者(=サーバ屋の顧客)の情報を開示せよ」とやることになる(1)。書き込んだ人の責任を問うならば、「掲示板管理者はどうでもいいから、当該掲示板に対する書き込み元のIPアドレスを開示せよ」という話になる(2)。(1)の手続きで管理者の特定に時間をかけていると、管理者がわかってIPを出してもらったところで、既にプロバイダのログはない、ということが起きそうである。それならば、できるだけ迅速に(2)をやった方が良いのではないか。サーバ屋がIPしか持っていないでのあれば、開示したところで顧客情報でも何でもないから、契約上の問題は発生しないのではないか。掲示板と書いたが、blogのコメント欄も同様である。
 もう一つ、追跡で困るのが、嫌がらせのメールを延々送ってくるというパターンである。プロバイダ経由なら、投稿元のマシンのIPアドレスがヘッダからわかるが、webmailだと情報がないので、本人特定をするのにもう一手間かかる。webmailについて、ヘッダ情報にアクセス元のマシンのIPの情報を入れるとか、プロキシ経由での送信を拒否するといった運用をしてもらいたい。

こっちは真面目なSETIのようで

Posted on 6月 20th, 2008 in 未分類 by apj

 asahi.comのニュースより。

「宇宙人探せ」全国一斉作戦 西はりま天文台が呼びかけ
2008年6月19日
 世界天文年に当たる来年、日本各地の天文台が一斉に「宇宙人」探しに乗り出すことになった。国内最大口径(2メートル)の光学望遠鏡を持つ兵庫県立西はりま天文台(佐用町)の鳴沢真也主任研究員が、24日から熊本県で開かれる日本公開天文台協会の大会で呼び掛ける予定で、すでに10カ所近くから内諾を得ている。全国規模で探査を行うのは、世界で初めての試みだという。

 計画では、望遠鏡やアンテナを一つの星に集中させ、地球外文明からと思われる信号を捕まえる。日本で唯一継続的に地球外文明探しを行っている西はりま天文台が、星から発せられるレーザー光を監視。同時に、東海大学環境保全学科の藤下光身(みつみ)教授(電波天文学)らが、星からやってくる電波の探知を試みる。

 他の天文台は、目標の星に望遠鏡を向けて周囲の夜空をビデオ撮影するなどして見つかった信号が、人工衛星などの人工物が出す信号や他の自然現象ではないかどうかをチェックする。07年にてんびん座で発見された、地球に似ているとされる太陽系外惑星のグリーゼ581cなどが候補になっている。

 地球外文明を探す「地球外知的生命探査(SETI)」の試みは、60年代から世界各地で行われ、謎の信号を受信したこともある。だが、別の施設で観測されないなど再現性がなく、地球外文明による信号とは断定されていない。天体観測施設を持ち、一般向けの観望会などを行っている数多くの公開天文台が参加することで、データの信頼性を上げる狙いがある。(久保田裕)

 UFOに着陸許可なんて言い出さず、こっちの活動を応援すればよかったのにねぇ……。

確認せずに他人を攻撃するとものすごいことになる……

Posted on 6月 20th, 2008 in 未分類 by apj

 訴訟掲示板の方で話題になったので、まとめておく。参考資料としては経緯を公開している。私と訴訟合戦を繰り広げることになった吉岡氏の件である。
 吉岡氏は、「水は変わる」という、私に対する名誉毀損本を出版し、ウェブでも内容を公開している人で、こちらの訴訟も来月から弁論が始まる。

 事の経緯を時間の順にまとめると、

(1)2003年11月から12月にかけて、吉岡氏と私の間にメールのやりとりがあり、内容を公開した。
 この時、吉岡氏は、磁気活水器を私にしきりに勧めたが、どの製品を勧めているかは、訊いても答えなかった。
 私は、吉岡氏が、一体何の製品を扱っているのか全く知らないままにメールのやりとりを終えた。
(2)2004年3月、フォーラムにて吉岡氏と名刺交換。名刺にも、何の製品を扱っているかの情報が無かった。
(3)1年半以上、吉岡氏の方から私には音沙汰無し。私も、特に何もせず、吉岡氏のビジネスがどこでどうなっているのか全く知らないまま時間が過ぎた。
(4)(2005年の夏から秋頃、多分、公取が動いたらしい。私はそんなことを全く知らなかった)
(5)2005年10月、水商売ウォッチングを排除せよとの吉岡氏からの要望書がお茶の水大に届く。
 2年近く何の動きも無かったのに、一体どうして今頃?と、私も冨永教授もびっくりする。
(6)2005年10月から11月頃、吉岡氏が「水は変わる」(要望書とほぼ同じ内容)をウェブサイトで公開する。
 これによって、掲示板常連の人達がネットサーチをした結果、吉岡氏のビジネスが株式会社エッチーアールディのダイポールという磁気活水器の販売であると判明。
(7)2005年12月、エッチアールディを含む磁気活水器3社に排除命令。
(8)2006年1月、吉岡氏が、ダイポールの販売をしていることを書いた手紙とともに製本版「水は変わる」をお茶の水大の理学部長に送る。
(9)以後、吉岡氏は「水は変わる」のサイトで、天羽に対する人格攻撃を繰り返し、きくちさん、こなみさん達にも言及してめちゃくちゃな中傷を続けた。また、吉岡氏は人生100年ネットというサイトで、公取に従うつもりがないとか、「水は変わる」を出した理由は公取に対抗するためで、公取が動いたのは天羽が告発したからで、天羽は東京都にも影響を及ぼした、などと書きまくった。
(10)2007年2月10日、マグローブの設立ネタが掲示板に書き込まれた(神戸の裁判につながる最初の書き込み)

 (1)から(3)までは、単なる、磁気活水器信者とのやりとりに過ぎなかった。吉岡氏も、自説を存分に述べたと思う。

 吉岡氏の間違いの始まりは、(4)で公取が動いたことが天羽の影響による、と思い込んだことにある。
 実際には、私は、HRDについて公取に報告したことなどないし、(5)の時点では公取が動いていることを全く知らなかった。だから、2年近くたって要望書が届いたときに、一体何が起きたかよくわからなかったのである。
 また、今更吉岡氏の期待を裏切って悪いが、東京都が活水器への注意喚起文書を出したことに、私はまったく関与していない。東京都が相談したのは冨永教授だったのである。熱心に私を攻撃する理由の1つだったようだが、残念ながら空振りである。
 ところが、吉岡氏は(4)の想像というか妄想に基づいて、私を攻撃する文書を出してしまった。文書を、お茶の水大に送るだけならまだしも、ネット公開なんかしたものだから、それをきっかけにいろんな人が吉岡氏をウォッチすることになり、HRDの関係者であることが比較的速やかに判明した。このため、排除命令が出た時にも掲示板で吉岡氏が関連づけられてネタにされ、動きが無ければ無いで時々話題にされることになった。このウォッチの流れが続いていたから、マグローブを作った時も、いち早く掲示板に書き込む人が現れた。このため、「水は変わる」が違法な文書であるという認識で私が書き込み、それに対して逆ギレした吉岡氏がお茶の水大を提訴するということになった。とうとう私の方も、「水は変わる」の名誉毀損の責任を問うことにして、年始提訴になった。
 つまり、妄想で他人を攻撃→みんなにウォッチされる→新ビジネスまでからかわれる→提訴→妄想の責任を問われて今度は被告に、という流れになったというわけである。

 もし、吉岡氏が(4)の妄想を抱かず、「水は変わる」を出さなかったとしたら、ネットで注目されることなど無かったに違いない。すると、HRDに排除命令が出ても、マルチのお仲間以外で、そのことを吉岡氏と結びつける人は居なかっただろう。掲示板の過去ログを見ればわかるように、吉岡氏が「水は変わる」をネット公開する前は、吉岡氏が何を売ってる人かという情報は誰からも出てきていなかったし、誰も積極的に調べようとはしていなかった。吉岡氏と並んでダイポールの講習会の講師に名を連ねていた人達は、今、全く注目されていない。多分今頃は、排除命令に従って穏当な表示をするようになったダイポールを、とりたてて騒ぎも起こさず順調に売っているに違いない。
 吉岡氏が注目されていなければ、HRDから別れてマグローブを作っても、既にたくさんある磁気活水器のメーカーがまた1つできたというだけのことだから、掲示板にわざわざそのネタを書き込む人はまず居なかっただろう。すると、私の方もコメントするきっかけもないし(「水は変わる」がなければ、万が一投稿されても、何だまた磁気活水器マルチかよ、位の印象しか無かったはず)、神戸の裁判も無く、東京の裁判も無かっただろう。

 こう振り返ってみると、全ては、吉岡氏が「公取が動いたのが天羽のせいだ」という妄想を抱いたことから始まっている。それ以前にメールのやりとりがあったではないかというツッコミもあるだろうが、あれは、吉岡氏の方が、頼みもしないのに勝手に磁気活水器擁護を始めただけである。何て言うか、もう、ご苦労さんとしか言いようがない。そんな無駄なことはせず、私の批判などスルーして新会社を立ち上げていれば、今頃は訴訟もなく、ビジネスに専念できたはずである。世の活水器メーカーの数は多いから、そのうちのいくつかに私がコメントしたとしても、吉岡氏のマグローブに偶然あたる確率は、かなり低かったはずである。マグローブの宣伝自体は科学的とは言えないが、他の磁気活水器だって似たようなものなので、マグローブが格別目立つというわけではない。今現在マグローブが格別目立ってしまっているのは、吉岡氏の執拗な個人攻撃によるものであって、製品自体が謳う性能や、アレな宣伝文句によるものではない。吉岡氏の戦略は、悪目立ちしたい場合にしか有効ではない。

 これだけいろいろやることになった原因が、吉岡氏の妄想だけ(しかも中身が丸ハズレ)というのは、ある意味凄まじいオチではある。何だかもう脱力するしかない。

 なぜこの話が今頃出てきたかというと、これまで、何故か誰一人として「HRDを公取にちくったのはお前か」という質問を私にしなかったからである。吉岡氏は、かつてのマルチのお仲間にそういうことを主張していたらしいが、私の方は吉岡氏のトンデモ文書(人生100年ネットに出たもの)にわざわざコメントする必要性を感じなかったから何も言わなかった。たまたま、一昨日、あなたが吉岡氏憎しでHRD社を公取に告発し云々、と書いた人が居たので本当のことを述べることになった。

 いずれにしても、相手が本当は何をしているかということを知らずに、勝手な想像で攻撃をしかけると、この程度の紛争にはなるということである。私としては、状況判断を間違えて、脅せばなんとかなるだろうという安易な思いこみで他人を攻撃する人をそのまま許すつもりは全くない。相応の代償は支払ってもらう。吉岡氏には、これから、当分の間東京地裁でお付き合い戴くというだけのことである。

ビリーバーは説得できない

Posted on 6月 18th, 2008 in 未分類 by apj

 ニセ科学に限っての話として始めるが、「ビリーバーは説得できない」というのは本当である。ただ、これは、いわゆる「上から目線」でもないし「お前がバカだから」といった意味でもない。

 私が今ぶつかっている、説得できない場合の典型的な例としては、吉岡英介氏との紛争がある。吉岡氏は「磁石で水は変わる」と強固に主張し続けていて、過去に、関わっていたビジネスが公取の排除命令を受けたことも納得せず、かといって客観的な証拠を出して説の精度を上げるでもない状態で、紛争を続けている。こうなると「ビリーバーは説得できない」どころじゃなくて、「ビリーバーとの論争の行き着く先は法的紛争である」と言った方が、事実を正確にあらわしている。
 別の説得できない例としては、ニセ科学を信じることが心の安定になっているような場合がある。例えば、いろんなナントカ健康食品の遍歴を重ねて今は水にはまっている、という人の家族から相談されたことがあった。説得の方法を教えてうまくいったとしても、その人は今度は別のカントカ健康食品にはまることが予想され、健康食品による健康被害の可能性が現実にあることを考えると、無害な水にはまっているほうが安全だから、むしろ説得すべきじゃないという結論になった。何かに頼ってないと不安というのは、人生観の問題なので、科学の知識を伝えたり、今信じているものがまずいということを伝えただけでは、どうにかできるものではない。

 「ビリーバーであること」を支えている主な理由が、吉岡氏の場合は「商売」、相談者の方の場合は「人生観」と思われる。何を価値あるものと考えるかというのは人それぞれだから、「ビリーバーを説得する」ということが、場合によっては「その人の価値観自体を変える」ということになってしまう。これは難しい。普通はネットの対話でどうにかできるようなことではない。家族や近しい友人であっても、対話によってある人の価値観を変えさせるということができない場合はいくらでもある。ある程度の強制力をもってしても無理だったりする。第一、「その人の価値観を変えてやろう」などというのは、かなり大きなお世話でおこがましいことだったりするのではないか。

 「ビリーバーは説得できない」というのは、「ある個人の価値観自体を変えさせるのが不可能な場合が多々ある」という、極めてありふれた現実を別の表現で言ったに過ぎない。
 信じている内容がその人個人の人生観にまで深くリンクしていなければ、対話で説得できるかもしれないのだけれど。

【この件について言及しておられる方々】
「ビリーバーは説得できない」について(思索の海)
説得という事(Interdisciplinary)
信奉者の説得について(Skepticism is beautiful)
「説得する」(Chromeplated Rat)