薬学会シンポジウムとか
薬学会のシンポジウムで、水関連のニセ科学について話をしてきた。
発表直前に、「ニセ科学とは何か」の説明を頼まれたので、急遽スライドを並べ替えた。普通の会場だと、自分のパソコンを持っていって繋いで手元でスライドを変えながら話すのだけど、今回の会場は、パソコンを別の機器につないで、USB経由でマウスやキーボードを動かす方式だった。パソコンを受け付けてもらって繋ぐと、担当の人がマウスを振ると操作していてもポインタが動いてしまう。その状態でスライド追加をやって、余分なものを消したりしたから、1枚目のはずのスライドをうっかり消してしまっていた(オペレータ側でマウスを動かしたりしているチェック処理と私の操作が干渉したっぽい)。その上、Macだからか、演台の別のパソコンにスライドは出ているのに、そのパソコンから切り替えができない。合図して切り替えてもらうことになったが、元々かなり早くしゃべらないと終わらない量だったので、とても最後までたどり着けそうになく、磁気水の話をカットした。そのかわり、対策としてどうするかということを少しだけ入れた。
なぜ研究者が正しい情報を出さないのか、具体的に何をしているのか、とか、一部の研究者が怪しいモノに手を貸すことをどうにかできないのかといった質問が出た。また、情報を出して大丈夫なのかという質問もあった。
大学発で懐疑的な情報を出すことのやりにくさというのは、所属組織が訴えられる可能性があるという部分なので、研究者の情報発信について組織を免責する仕組みが必要である、と簡単に答えた。また、学問の自由との関連で、組織が法的責任を負うのは、むしろしてはいけないことだろうとも付け加えた。具体的な対策としては、教育面では、健康情報を評価するフローチャートなどを教えて実際に出回っている健康情報を当てはめて判断する練習をしてもらうといったことを一般向けにやっていると説明した。
全体が終わってから、共同通信社の人に、訴訟について訊かれたので、大学が訴えられたけど私は弘中絵里弁護士を代理人にして訴訟参加、冨永教授も壇弁護士を代理人にして訴訟参加、で、悪徳商法じゃないかと求釈明が連発され、訴えた原告は3人からあれこれ言われる事態になってます、と答えた。山形の方は削除要求に対する債務不存在確認訴訟で本人がやってる上、勤務先にも不作為を要求し、東京のは2年分の名誉毀損の責任追及だと……。「まあ、手間はかかるが代理人が仕事してくてるのでかなり楽、費用と時間はそれなりにかかりますが……訴訟はまあ普通にやるもんでしょう」と言ったのだけど、どうも向こうは「訴訟でとんでもなく大変なことになっている」というコメントが欲しかったんじゃないかと^^;)。でもなぁ、私の方は、弁護士&裁判所御用達の訴訟資料専用ファイルってすごく便利、と思ってたりするわけで、気にするところがずれているような。
再来年の集中講義の予定が入ってみたり。今度は水の物理化学で測定法込みで、という話で、やっと専門に近いことを話させてもらえることになった。