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レポートの書き方ガイダンスに時間をとってみた

Posted on 12月 19th, 2007 in 未分類 by apj

 共通教育の科学リテラシーの話。今期の課題は、
・指定したテキストを読んで、箇条書きした項目がどのように書かれているか要約する。
・ニセ科学の例を自分で一つ見つけ出して、何がどうおかしいか議論する。議論の際に、テキストを要約したリストを、判断の基準として具体的にあてはめを行って書く。
という形にしてみた。普段は例を見つけて議論するだけだが、何に沿ってやるか定まらないらしいので、前半の課題で判断基準をリストアップしてまとめるという作業をしてもらうことにした。
 例を見つけて議論の方は、毎回似たような感じでやっているが、課題を出しただけでは何を要求しているかが見えにくいらしく、力を入れるポイントがずれたレポートが出てくることがあるので、今回は、1コマ使って教科書を読んでまとめる作業の説明や、ガイドラインについて詳しい解説をしてみた。レポート見本が欲しいという要望もあったので、実際に、ネットから拾ってきた某宣伝内容を添付し、簡単な議論と本の内容のあてはめをやった例も作って配ってみた。
 さらに、採点基準(これは前期のものと大体同じ)も印刷して配った。これは、単に私と趣味が合わないために点が下がった、などということが起きないようにするための(私に対する)縛りである。正解か誤りかがはっきり分かれるわけではないので、あらかじめ基準を作って示しておかないと、採点時に判断がブレてしまって良くない。
 まあこれで、何をどうすれば得点に結びつくか、ということが、そこそこ提示できたのではないかと思う。

クリティカルシンキングを教える方法は?

Posted on 12月 18th, 2007 in 未分類 by apj

 TOSSヲチ板の方に久しぶりに投稿があったりしたわけだが([947])。どうもこういうのを見ていると、学校の先生に知っておいてもらわないと困るのは、怪しい話にいきなり飛びつかないようにすこと、つまりクリティカルシンキングの方法ではないかと思った。
 私は、TOSSそのものに反対の立場ではないのだが、TOSSが実践例から怪しいネタを排除するしくみを持っていないことは確かなようで……。
 とても忙しい(必ずしも科学に詳しいわけではない、むしろ文系だったりする)先生方に、わかりやすさ重視で、変な話に対して「一寸待て」と言えるような考え方を身に付けてもらうにはどうすればいいのか、と思ったり。
 先生と言ったが、実はお役所の人についても同様だったりする。産業振興の企画に怪しいものが持ち込まれることも頻繁に起きているようで。
 多分、考え方を身に付けるには、各論だけではなくてもうちょっとシステマティックにやらないといけないので、「ニセ科学批判」だけでは、題材の一部にはなってもまだ足りない気がする。
 何かいいクリティカルシンキングの講義・実践例ってないかなぁ……。本は2冊ばかり買って目を通したのだけど、ちょっとどう実践したものか困っている。この辺がクリアできると、役立つ講義の持ちネタが確実に1つ増えるんだが。TOSSの方にはネタがたくさんありそうだから、問題有りそうな実践例を選んで批判的に見るとか副作用を考えるといったのが、とっかかりになるのだろうか。そのものズバリを使うと問題があるようなら、実践例で使われている資料そのものを題材にするとか……。
 まあ、「一見いい話」を否定したり、情緒的であるべき場合とそうでない場合を峻別したりといったことになるので、知っておいて欲しいと思う人にはなかなか声が届かなさそうなんだけど。

【追記】
 まだ確定していないが、来年度、集中講義で教育学部の学生を教える可能性が出てきた。それで、環境教育に怪しい燃費向上グッズを持ち込むとか、癒しなんちゃらを取り入れるような情緒と合理的判断をごちゃ混ぜにするようなことについて、もう少し敏感になって「ちょっと待てよ」と考えられるような基礎を教えるにはどうしたらいいか、ということを、今、かなり真面目に考えている。教師がみんな「素直な人」(by船井幸雄)では困るということだ。
 多分、理科が得意だという人の割合は少ないだろうと思う。これまでと違ったやり方を考えないと、言葉が届かないんじゃないかと思案している。

今の「ニセ科学批判批判」が使えないのはなぜだろう?

Posted on 12月 17th, 2007 in 未分類 by apj

 poohさんところ経由、こしだのITジャーナルが面白いことになっている。何だか一種の実験をしているような感じである。 
 最初のエントリーが「ニセ科学批判批判?に思うこと」。これに案の定コメントがたくさんついた(私もいくつか書いたが)。次に、blog主のこしだすいさんの追記「ニセ科学批判批判?に思うこと 追記(覚え)」がアップされた。その次が「JANJANの石田剛記者からご返信をいただきました」。ここで、最初のエントリにたくさんついたコメントで、「石田剛」を騙ったものが大量に混じっていたことが公開された。次に、室井健亮氏ご自身のものかもしれないコメントがあることが示された「ニセ科学批判批判?再考(資料)」。しかし、投稿者の名前は室井氏ではないし、室井氏のページからコピペしたものならば、別人が投稿してもGoogle先生の判断が「ご本人」となるかもしれないことまでは否定できない。
 普通は、批判であれば何かしら建設的な方向に役立つはずである。しかし、私が見る限り、ニセ科学批判批判の議論をすると、
・同一人物のなりすましと騙りが横行
・意味のないコピペばっかり増える
・ついでに罵倒も増える
・中間的な結論すら全く出てこない
ため、ニセ科学批判批判の議論を見ても全く役に立たない。批判している人達は、一体何を見て批判しているのかが謎である。
 なお、室井健亮氏に関しては、氏の名前で激しくイタい厨なメール(誰がみても典型的な「かまって君」だと分かる内容)が2通ほど届いたこと、しかし今の段階では氏がそれを送ったとする証拠もないことを述べておく。誰かのなりすましだとすると、氏の評判を引き下げるメールが方々に送られているかもしれないが……。

 私は、確かにニセ科学批判にカテゴライズされる活動をしてきた。しかし、その中身は「水クラスターの話は間違いでNMRでは測れない」「マイナスイオン水と呼ばずに電解質の組成と量を調べるべき」「トルマリンによる水質改善の話は変だ」といった、個別の主張の集まりである。きくちさんの批判を見ても、水伝批判だったり、血液型性格診断批判だったりするわけで、結局は個別の議論になっている。
 ニセ科学批判批判という枠組みを立てるなら、その枠組みが具体的に、個別のニセ科学批判の内容にどう当てはまるかまで述べてもらわないと、全く役に立たない。「こうあるべきだ」という主張だけあっても、現実に行われていることとの関連が全く示されないのでは「だから何?」で終わってしまう。これまでのところ、私がニセ科学批判批判から学んだことは「具体例を踏まえないメタな議論はとことん役立たず」という経験だけである。

 役に立つニセ科学批判批判があるとしたら、
○ニセ科学批判批判の立場から見たとき、現状のニセ科学批判はどういうものであると認識しているのかが明確に述べられている。
○その認識は、個別のニセ科学批判のあり方をきちんと捉えた上でのものである。
○今のニセ科学批判のどれかががまずいと考えるならば、具体的にどうすればいいと考えるのか。個別の例ごとに、「こうあるべきだ、理由は……」と述べる。
といったものになるのではないか。

 そういえば、どこかで見た議論に、「新規な現象や効果を主張する側に立証責任がある」というのは科学だけのルールだろう、といったものがあった。確か、ルールを押しつけるなといった内容の主張だったかと……。ところで、「不当景品類及び不当表示防止法」の4条2項には、

2  公正取引委員会は、前項第一号に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第六条第一項及び第二項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

とあり、効果を主張する側が立証責任を負うことが明記されている。少なくとも立法者は「効果があると表示した者に立証責任を課そう」と考えていたことになる。私から見ると、科学で使っている基準に法が合わせたように見えるのだけど、社会学の人達にはどう見えているのだろうか。「合理的な根拠」は、おそらく科学的に妥当な手順を踏んでいるとか試験をしているといったことが想定されているはずだし、事業者自身が扱っている商品についての立証であるので「相当因果関係」程度で認められるとも思えないのだが……。

 なお、近々私が始めるはずの訴訟のうちの1つは、どこまでの批判ならやっていいかをまともに法廷で問うものになる見込みで、ここまで行けば、ニセ科学批判といえども法学あるいは法社会学の扱う対象と重なってくると思う(今はまだ詳細を明らかにするつもりはない)。その時が来たら、ぜひ社会学の立場できちんと議論して読み解いてもらいたいものである。

【追記】「もっと休むに似ている」にて、室井氏=コピペ荒らしのふま=比ヤング、であることが立証された。これで、目立ったニセ科学批判批判の1つは全く意味が無い、只の議論妨害行為であることがはっきりした。
「比ヤング」「ふま」「夫馬」「うま」「トロッコ」「室井健亮」→?
「ふま」一族の陰謀(と、いっても個人)
外道照身霊波光線
ふーまーのーこーめーんーとー

ネットと新聞

Posted on 12月 16th, 2007 in 未分類 by apj

 イザ!の記事より。

【土・日曜日に書く】ネットで変わる情報空間

 産経デジタルが運営するインターネット上のサイト「iza(イザ!)」で記者ブログを書くようになって1年半が過ぎた。どんな記事が求められ、読者のニーズはどこにあるのか。新聞紙面との書き分けはどうするのか。まだまだ試行錯誤中だが、読者と頻繁なやりとりを行うブログ運営を通じ、実感したことがいくつかある。(阿比留瑠比=阿比留記者のブログはこちら

■マスコミへの不信

 まず、既成マスコミのあり方に対する強烈な反感と不信感だ。新聞やテレビは、情報を加工し、紙面や番組枠に収まるようコンパクトにまとめて発信する。記者として当たり前のように繰り返してきたこの作業は、多くの情報の受け手に、マスコミによる日常的な情報操作だと受け取られていた。

 昨年8月10日、「小泉首相の靖国関連ぶらさがり全文」という記事をブログに投稿した。政治部記者にとっては、日常の取材メモで簡単に読める首相と記者団のやりとりをそのまま載せたに過ぎなかったのに、これが大きな反響を呼んだ。この日のコメント欄には次のような書き込みが寄せられた。

 「マスコミは正確で豊富な情報提供をしない」「物を考える際に情報のオリジナルソースがどれほど大切か」「私たちは、たくさん語られた中からマスコミの都合のいい形にまとめられたものをずっと聞かされ読まされてきた」…。

 中には、記者に対し感謝を表すコメントまであった。間違いなく、読者は加工されていない一次情報を欲しているのだ。現在、MSN産経ニュースは官房長官の記者会見全文や裁判傍聴記の詳報を流しているが、これには記者ブログでの経験が生かされている。

■ネットの機動力

 産経新聞は今年1月13日付朝刊で、民主党の小沢一郎代表の資金管理団体の平成17年の事務所費が約4億1500万円に上ることを報じた。記者も同日のブログに「民主党・小沢代表の事務所費について思うこと」という記事を投稿し、この団体が小沢氏に多額の借金をし、利子を払っていることなどに疑問を呈した。すると、すぐにこんなコメントが届いた。

 「産経の13日の朝刊より1日早く、小沢氏の高額な事務所費について注目していたその筋では有名なサイトがある」

 そのサイトを見てみると確かに小沢氏の事務所費問題について、いろいろな角度から指摘がなされていた。小沢氏が提出した17年分の政治資金収支報告書には当初、実際には存在しない住居表示・地番が複数書かれていたが、この点についてもネットでは早くから疑問の声が上がっていた。

 驚いたのは、複数のネットユーザーが実際に法務局に赴いて登記簿を上げ、現地調査を行っていたことだ。その結果、収支報告書に記載された地番には小沢氏が説明した「秘書の寮、共同作業場」は見つからず、小沢氏に厳しい視線、批判が向けられていた。

 不特定多数のネットユーザーの機動力が発揮された好例であり、ユーザー同士の情報共有にも成功しつつあると感じた。新聞は、ネットの情報力を取り込まないと生き残れないという思いを強くした瞬間だった。

■情報ニーズとは

 ネットが普及する前までは、情報は新聞、テレビなどのメディアが発信し、読者や視聴者は、基本的にその情報を受け取るだけという一方的な流れが固定化していた。もちろん、投書や情報提供、苦情電話などは毎日、数多くメディアに寄せられていたが、新聞の読者数やテレビの視聴者数に比べれば、ごく少数だった。

 一方、「イザ!」は双方向型の情報空間を目指している。まだ必ずしも十分に機能しているとまでは言えないが、記者と一般利用者がブログで相互にコメントし合うことによって、新たな発見も生まれている。こんなこともあった。

 安倍晋三前首相が病に倒れ、入院してしばらくしたころ、記者のブログのコメント欄に、千羽鶴を折り届けて安倍氏を励まそうという有志による運動がネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」内で始まったという紹介が書き込まれた。

 最近になって「ところで、千羽鶴運動のその後は?」との問い合わせがあり、安倍事務所に照会したところ、秘書がきちんと千羽鶴を受け取り、安倍氏もそれを承知していることが分かった。早速、千羽鶴を撮影してブログで報告しようと事務所を訪ね、千羽鶴を手にした笑顔の安倍氏の写真を載せた記事を投稿できた。

 これには多くの好意的コメントが寄せられ、アクセス数も多かった。従来の新聞ではニュース価値がないと判断したであろう話でも、読者のニーズが高いもの、本当に知りたがっていることは少なくない。それを再認識できたのも、ブログを通じてのことだ。

 (あびる るい=政治部記者)

 一次資料にアクセスできるのが新聞記者の強みだったわけだが、ネットで情報共有がなされると、一般の人でも一次資料にたどり着けるようになり、その結果、新聞の優位性が揺らいだということか。
 「既成マスコミのあり方に対する強烈な反感と不信感だ」は、情報の加工の段階での優劣の付け方が合わなかったのだろう。読者が「他に報道すべき問題があるだろう」と思っているのに大見出しで書かれた記事がずれている、力を入れて報道している内容がずれている、といったことが続いたことが、不信感につながったのではないか。単にコンパクトにまとめて報道するだけなら、反感や不信感は持たれずに済んだので。

 なお、私がマスコミを信用しない理由の1つに、環境ホルモン濫訴事件の扱いがある。原告の「提訴しました」プレスリリースを掲載した新聞が、原告敗訴の報道を同程度に扱わなかったというのでは、偏っていると言われても仕方がないだろう。

「ニセ科学訴訟」は、実は実現が難しい

Posted on 12月 13th, 2007 in 未分類 by apj

 つむらさんのblogを読み直したりして思ったこと。これまで、ニセ科学批判が企業の利害と結びつくと、批判活動そのものが訴訟のリスクに晒されるということを認識していたが、訴訟でニセ科学批判の内容について争うというシチュエーションは、実はなかなか実現が難しいのかもしれない。
 お茶の水大が訴えられた件は、ニセ科学とは関係のない「マルチ商法」をからかった内容についてだから、訴訟の結果がどうなろうが、結果が出てしまえばニセ科学批判そのものに対する影響は皆無である。結果が出てしまえば、と書いたのは、「マグローブ株式会社から圧力をかけられています」のエントリで書いたように、本当は訴訟に関係がないのに過剰反応して削除を決める、などということが現実に起きたからである。しかし、結審してしまえば、もはや訴訟の攻撃防御など考える必要が無くなる。
 私がこれからやる予定の名誉毀損訴訟は、責任を問える文言はむしろ科学ともニセ科学とも関係が無かったりする。ある言説がニセ科学かどうかという話と、人の社会的評価の変動をもたらす表現は、大抵の場合重ならない。つまり、言説に対する論評では名誉毀損は問えない。業務妨害にしたって、虚偽でも風説の流布でも無い、普通に思いつく範囲のことであれば、商売に影響したところで不法行為とはいえない。
 まあ、最初の提訴自体がほとんど言いがかりのような内容だから、「ニセ科学批判をやっていると嫌がらせの提訴を受けるリスクが高まる」ことはあるのだろうが、「ニセ科学か否か」「ニセ科学批判をすることの是非」を裁判所で争うことには、ちょっとなりそうにない。

活動報告など

Posted on 12月 10th, 2007 in 未分類 by apj

 午前中に朝日新聞社の取材でインタビューを受けた。購読者専用のインターネットサイトの「科学面にようこそ」の年頭書き下ろし原稿の取材。紙媒体の方ではないので読者が少ないかもしれないが、ニセ科学やら科学一般について話をした。そんなに長い記事にはならないらしい。
 午後から絵里タンの事務所で打ち合わせ。

 岩波「科学」12月号の「心にのこる1冊」に寄稿したのが掲載された。私が学部の頃に読んだ「理工系物理学」について書いた。

と学会例会、その他

Posted on 12月 9th, 2007 in 未分類 by apj

 と学会例会。本日の発表ネタは、JR東日本の社内販売カタログTrain Shopより、「ビューティーボイストレーナー」。器具を口に咥えて「あー、うー」と発声したり、音叉で音程をとるのを補助するというものだが、咥えた姿がどう見ても、大の大人がおしゃぶりを咥えています本当に(ry。12・1月号のカタログの32ページに出ているので、JR東を利用する人は、ぜひ見て欲しい。写真には一見の価値がある。モデルが美人のお姉さんなだけに何だかシュール。
 山形のご当地戦隊の紹介は次回ということにした。

 せっかく上京したので、と例会の前にジュンク堂に立ち寄り、「法学の基礎[第2版]」団藤重光著、「法律を読む技術・学ぶ技術」吉田利宏著、を購入。内容紹介はいずれ水商売ウォッチングin actionの方に書く予定。

またまた上京

Posted on 12月 8th, 2007 in 未分類 by apj

 明日はと例会なので上京。最近寝不足だったので風邪ひいたのでのんびり出てきた。
 しかし月曜日は、午前中に取材が1件、午後から絵里タンの事務所で打ち合わせの予定。訴訟試料やら六法やら全部担いできたので荷物が重い。先週の土日は4年生帯同して実験だったので、月曜日についてはその分の代休を充てたのだが、職場に行かなくて良いというだけで、なんか休めないなー。別件でどたばたしていたら準備書面案がまだできてないし、明日のと例会は書面書き内職かも(汗)。

国セン相談窓口存続

Posted on 12月 7th, 2007 in 未分類 by apj

 asahi.comより

消費者相談窓口存続へ 国民生活センター廃止案転換
2007年12月07日16時52分

 内閣府は、所管する独立行政法人「国民生活センター」について、消費者からの相談を直接受け付ける窓口を存続させる方針を固めた。独法の整理・合理化の一環として廃止を検討してきたが、消費者団体の強い反対に加え、福田首相が消費者重視を政策の基本に据えることを打ち出したことから方針を転換した。

 岸田国民生活担当相が7日午後、渡辺行革担当相との会談で伝える。その際、渡辺氏は同センターと別の2独法の消費政策部門との統合を提案する見込みで、岸田氏は内閣府の所管とすることを条件に賛成する考えだ。

 内閣府によると、直接相談窓口を残したうえで、自治体の中で消費者相談を担当する消費生活センターとの情報共有に携わる部門を強化。国から消費生活センターへの資金援助も検討する。一方、直接相談窓口の廃止とともに、消費者団体などから疑問の声があがっていた商品テストの一部外部化の方針は変えないが、委託先の研究機関との連携を強化する。

 直接相談窓口をめぐっては、内閣府の有識者検討会が9月、「全国の消費生活センターの相談業務と差異がない」として廃止を提言。消費生活センターで解決できないトラブルや専門的な相談への対処に特化する形での合理化を検討していた。

 しかし、消費者団体から「被害を見つけ出す能力が薄れる」などと批判が続出。さらに福田首相が国民生活センターを視察し、「こういう機関は国民の生活を考えた場合には大事にしなければいけない」と表明したことなどから、再検討を進めていた。

テレビや小説だけかと思ったら……

Posted on 12月 5th, 2007 in 未分類 by apj

 Yahoo経由毎日新聞の記事より。

<収賄容疑>学位取得に便宜…名古屋経済大教授を逮捕
12月5日23時32分配信 毎日新聞

 名古屋市立大(同市瑞穂区)の大学院医学研究科教授当時、医学博士の学位取得に便宜を図った見返りに学位申請者から現金を受け取ったとして、愛知県警捜査2課などは5日、名古屋市瑞穂区春山町、名古屋経済大教授、伊藤誠容疑者(68)を収賄容疑で逮捕した。伊藤容疑者は審査の口頭試問の内容を事前に漏らした疑いがあり、県警は特別捜査本部を設置した。また謝礼が同研究科で恒常化していた可能性もあるとみて、全容解明を図る方針だ。

 調べによると、伊藤容疑者は同研究科臨床機能内科学教授だった05年3月下旬、教授室内で、同25日に授与された博士学位論文審査で有利な取り計らいをした謝礼として、審査を申請した5人から5回にわたって1人当たり20万~30万円の計百数十万円を受け取った疑い。伊藤容疑者は「現金は受け取ったが、有利な取り計らいはしていない」などと容疑を否認しているという。

 県警は贈賄側の5人については(1)容疑を認めている(2)既に医者として勤務している--などの理由から逮捕を見送り、容疑が固まり次第、贈賄容疑で書類送検する方針。県警は5日、伊藤容疑者の自宅を家宅捜索、6日には名市大を捜索する。

 名市大によると、学位取得に必要な論文などの審査は3人の教官が担当。申請分野を専攻する教授が「主査」、他の2人が「副査」を務める。「主査」は申請者を受け持つ主任教授が就任することが多く、副査は互選による。3教官が審査会を開き、申請者の口頭試問などを経て約40人の教授で構成する教授会に諮り、可否を決める。

 伊藤容疑者は02年4月から同大学院教授として勤務し、審査委員会の主査を務め05年3月に退官。名古屋経済大のホームページによると、現在は同大教授として臨床医学などを教えている。

 ◇複数の医師が「謝礼渡した」証言

 愛知県内の複数の医師が5日、毎日新聞の取材に対し「自分も学位取得の際に指導教官に謝礼を渡した」と証言、事件の背景にはこうした慣例があった疑いが強まった。また伊藤容疑者については「お金に執着がある」「親分肌」との評があり、謝礼の見返りに口頭試問の内容を漏らした疑いがあることが逮捕につながった。

 名古屋市立大で博士号を取得した医師は「学位取得の謝礼を指導教官に渡すのは一般的で、自分も数万円を持っていった。伊藤さんは見えっ張りでお金に執着がある人だったので、謝礼を拒むことはなかったのではないか」と話す。同大を80年代に卒業し、別の私大で博士号を取得した医師も「先輩から博士号を取得した後に指導教官に謝礼20万円を渡すよう教えられた。全国の医学部で定着している慣例で、礼儀として当たり前と思った」と言う。

 一方、別の医師によると、伊藤容疑者は「親分肌で酒好き」。有能な弟子を海外の大学に送って英語論文を書かせ、自分も共同執筆者に名を連ねることで力を発揮したという。この医師は「努力家の一面がある一方、逆らう人は完全に排除するタイプで、遠い病院に飛ばしたりもした。伊藤容疑者が教授になった時の教授選挙で、伊藤容疑者に反発した医師が団結して引きずり降ろそうとしたこともあった」と話した。

最終更新:12月5日23時49分

 えーと、医学部じゃ博士号取るのに謝金が……ってな噂があったけど、まさか本当だったとは。私は博士(医学)と博士(理学)の学位2つ持ちだが、どっちも謝礼なんか要求されなかったし払わなかったし、払うのが慣例だという話も無かったぞ。逆に、審査の時に委員長先生の計らいで審査委員全員と私がなぜかイチゴショートケーキをもらってしまったり(つまりケーキを食べながら学位論文審査だった)、論博の時は大学の事務に納める審査料は払ったが、無事に通ったら世話人の先生がお祝いに一食御馳走してくれた……なんか逆だぞ^^;)。