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政策変更した方が良いのでは

Posted on 11月 23rd, 2007 in 未分類 by apj

毎日jpの記事より。

研究開発人材:5年で質量とも低下 文科省調査
 国内の研究開発人材が、この5年で質量ともに低下していると、第一線の研究者が感じていることが、文部科学省科学技術政策研究所の意識調査で分かった。国は96年から5年ごとに科学技術基本計画を立て、10年間で科学技術分野に約38兆7000億円を重点配分してきたが、人材育成に関しては期待したほど成果が上がっていないようだ。
 調査は昨年11~12月、大学の学長や研究所の管理職、基本計画で重点の置かれた生命科学や材料科学、エネルギーなど8分野の一線の研究者ら約1400人に実施。研究資金や人材、産学連携などの現状を質問し、約1200人からの回答を分野ごとにまとめた。
 研究者の数や質を5年前と比較する設問では、「質が上がった」という分野は皆無。情報通信やものづくり、エネルギーなど5分野では「やや低くなった」と評価された。研究者の数もほとんどが「横ばい」か「やや減った」とされた。
 自由記述では、「ポストの減少で数も質も劣化」(環境)▽「博士号取得者は増えたが、全体として質は低下」(ナノ・材料)▽「分野内の領域ごとに偏りがある」(生命科学)--などの回答があった。
 同研究所の桑原輝雄・総務研究官は「現場の実感では、政策の効果が十分に表れていないと受け取れる。今後、聞き取り調査などで理由を探りたい」と話している。
 現在必要な取り組みとしては、各分野とも「人材育成と確保」がトップ。特に、基礎研究を担う人材育成が急務とされた。また、若手育成では、博士やポスドク(任期付き博士研究員)の就職支援を求める声が多かった。【西川拓】
毎日新聞 2007年11月23日 2時30分

 むしろ、政策の効果が十分現れたから低下したんじゃないかと思うんですが。
 まず、大学院重点化で博士の数を増やす政策をとったから、数が増えて、平均が下がった。増えた博士を、研究人材の流動化の名目で短期雇用に振り向けたから、就職難が知れ渡って、まともな人なら研究者を目指したいなどと思わないであろう状況が生じた。一方で、モラトリアムしたい人は定員増と定員を充足せよという政策誘導によって昔よりも進学しやすくなった。
 競争的研究資金を増やしたため、研究・教育をやる時間と手間が、書類書きに費やされることになった。法人化による中期目標・中期計画についても、研究・教育をやるはずの人手が振り分けられて、大学本来の仕事を妨げる方向に働いた。
 任期制になると、次の職のためにはまずは論文数が必要になるから、先が見えていて確実に論文が出る研究に向かう人が増える。
 昔は校費の額がそれなりにあったから、先が見えないことをやって失敗してもダメージがそれほど無かったけど、今は校費が減らされてしまっているので、ある程度結果が確実なテーマで研究費の申請書類を書くことになる。
 なお、大学について言えば、これからはポストが減ることはあっても増えることはなさそうだし、斜陽産業に人が集まらないのは大学に限らずどこの業界でも同じだったと思うのだけど。
 1つや2つなら何とかカバーできても、これだけ一度に重なったら、そりゃ影響も出るんじゃないか。

出張のため一旦東京に移動

Posted on 11月 22nd, 2007 in 未分類 by apj

 今日の午後の会議に出ないといろいろ差し障りがあったので、出張の日程を遅らせた。とりあえず一旦東京に出て、明日の便で福岡に行く予定。ウチの教授は既に旅立ったのだが、私は後から。学会は日曜日の夕方まであるけど、私は月曜日の午前中に学生実験の監督があたってて、早めにいかないといけないので、土曜日にさっさと戻ることに。何か、国内で国際会議をされると必要な日程しか参加しないという手段がとれるから、どうも慌ただしい。これが本当に海外だと、腹をくくって全日程参加で予定を組んで、早めに航空券を押さえてしまうのだけど。
 明日から連休のためか、山形→東京に向かう新幹線は、指定席は満席、自由席は混みまくりになった。普段なら、金曜日でもそんなには混まないのだけど。宇都宮のあたりで、車内販売のジュースを買おうとしたら、乗った頃は普通にワゴンを押していた販売のお姉さんが、袋を下げて箱を持って重たそうな様子で売りに来た。どうしたのかと訊いたら、途中で自由席にたくさん乗ってきたため、自由席のところのデッキからワゴンを動かせなくなってしまったのだという。「大変ですねぇお疲れ様です」と言いつつ、購入した。オレンジジュース1本分は軽くなったかも。

 山形は昨日から雪。しかし、最近まで気温が割と高かったので、地面がまだ十分冷え切っていないらしく、降った雪が水を含んだ状態で融けるのが早い。地面が冷え切ってしまうと、後はどんどん積もるだけになる。それでも、気温の低下が急だったり、雪の量が増えたりすると危ないので、今日はバスで通勤した。

 去年の今頃は、足首骨折で動けなかったり、山形を会場にして溶液科学シンポジウムをしていたり。去年は例外的に雪が少なく穏やかな冬だったので、今頃でも晴れていることが多く、降るといっても雨だった。去年が今年のような天気だったら、より一層大変だっただろうなぁ。

 最近の石油高騰のあおりをくって、暖房用の灯油が値上がりしている。例年なら、生協で灯油券を買うことで代金を積み立てておいて、差額は冬の終わりに精算ということになるのだが、値上がりが激しいので積み立て方式では対応できないということで、今年は灯油券が無い。配達を頼むとその都度(か月末にまとめて)清算、ということになってしまった。

マグローブ株式会社から圧力をかけられています(3)

Posted on 11月 21st, 2007 in 未分類 by apj

 引用部分が長いので、エントリを3つに分割した。

 通常、ネットにおける削除依頼というのは、名誉毀損が明白であった場合等であるが、マグローブ社は、単なる技術的な議論に対しても削除要求をしている。さらに、圧力をかけたという記述自体を削除させ、自らが行った無茶な行為を隠そうとした。

 もともとの削除依頼のきっかけになったのは、マグローブ社が採用している材料についての議論であるが、通常人の常識を持って読めば、製品に対して特に悪い印象を与えるような内容ではない。にもかかわらず、マグローブ社は削除させたがった。
 さらに、マグローブ社の製品とは関係のない、削除要求そのものについての情報も消させようとした。

 マグローブ社は、企業活動であれば何でも正当化できるとでも思っているのだろうか。企業活動に対してどんな批判も許さないというのは、むしろ反社会的な態度である。さらにいうと、提訴に乗じて言論を封じようとする行為は、ある意味暴力的ではないか。

 今回は、掲示板を管理しているお茶の水大がマグローブ社に訴えられ、私が訴訟参加してマグローブ社とお茶の水大の両方を訴えたという状態にあるため、お茶の水大側の訴訟維持の意味もあって、戦略上削除には応じた。しかし、このようなマグローブ社の行動は、広く世の中に知らせておく方が良いと考えているので、こちらにも書いておく。

 掲示板投稿として引用した部分の再利用は自由に行って欲しい。できれば、マグローブが大学に対して理不尽な圧力をかけてきたという事実も広めていただけるとありがたい。判断の参考のため、掲示板投稿本文を先のエントリーに全文掲載した。引用部分を読んでいただければ、削除要求が必要なほど変なことは書いていないのはわかっていただけると思う。また、訴訟で威迫しながら電話で法的根拠のないことを他人に実行させるような行為は、普通は圧力とか脅迫と呼ぶものであるから、今回のマグローブ社の行動を圧力と書いても別におかしくはないだろう。

マグローブ株式会社から圧力をかけられています(2)

Posted on 11月 21st, 2007 in 未分類 by apj

 そして、NGワードとして掲示板に書かないように対応したところ、さらに削除依頼が来た。その内容は次のようなものである。

[25210] 訂正:たった今、 マグローブからの圧力がありました
ID = 189a44eadbd01348f39644599fb62f65 ( 45d1b3cab8e43ed6553fd76cb4723fe9 )
apj のコメント: 2007-11-20 12:28 :
(このコメントは訂正済みです)

 さきほど、冨永教授から電話がありました。
マグローブの代表取締役の上森三郎を名乗る人物がが大学に電話をかけてきて、この掲示板投稿の[25196][25198][25197]を削除するように直談判しました。
その結果、冨永教授宛に電話があり、私のところまで連絡が来ました。(←連絡の経路がはっきりしないため一部修正しました。)
一応、証拠保全のため、掲示板から一時的に見えなくしました。
業務命令だということです。

 一応、裁判そのものについては、判決が出るまではここで書かないようにという連絡はきていました。それで、ヘッダ部分にはその旨記載してあります。今回は、製品の技術的な話題なので裁判そのものとは無関係だろうと考えていたのですが、技術的な話題でもだめだということになるとすると、大学としては吉岡氏に口実を与えたくないのではないか、という印象を受けました。そもそも訴訟の争点にすらなっていないのですけれど。

 続きは裁判掲示板でお願いします。

http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php

 とりあえず、悪徳商法マニアックスの会議室の方にも、上記の3つのメッセージを投稿して、圧力があったことを報告しておきました。

【追記】
 また、大学からの指示通り、今後同様のことが起きないようにするための対策として、NGワードの設定をして明示することにしました。

[25217] 訂正
ID = 189a44eadbd01348f39644599fb62f65 ( 45d1b3cab8e43ed6553fd76cb4723fe9 )
apj のコメント: 2007-11-20 19:11 :
 電話してきた人は、代表取締役の上森三郎だそうですが、正式にどう名乗ったかまではわかりません。伝聞ですので。

[25219] 対応しました
ID = 189a44eadbd01348f39644599fb62f65 ( 45d1b3cab8e43ed6553fd76cb4723fe9 )
apj のコメント: 2007-11-20 19:36 :
 対応しました。お手数かけました>mimonさん。

 私が冨永教授から受けた指示は、訴訟が終わるまでの間は、「平成19年(ワ)第1493号 損害賠償等請求事件についてこの掲示板で話題にするな」であり、「吉岡氏関連情報全てについて話題にするな」ではなかったので、指示通りに話題の振り分けをやっていたのですが、どうも、大学的には吉岡氏の名前とマグローブという商品名自体がNGワードというつもりだったようです。

 ということで、固有名詞を踏んでの議論は、訴訟専用掲示板
http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php
の方でお願いします。掲示板のヘッダ部分からリンクを張っています。

 なお、固有名詞がNGワードだという情報をヘッダに追加しました。

[25221] 【業務連絡】NGワード一覧の検討について
ID = 189a44eadbd01348f39644599fb62f65 ( 45d1b3cab8e43ed6553fd76cb4723fe9 )
apj のコメント: 2007-11-20 20:28 :
 大学からの、訴訟関連情報(だいぶ広い意味)を書くなという指令には従わなくてはなりません。

 そこで、より確実にその指令を実行するために、NGワード一覧
http://www.i-foe.org/h19wa1493/ngword.html
を作って、ヘッダからリンクしました。
(追記)イチャモン除けのために、NGワード自体を訴訟専用サーバに置いてみました。

 NGワード決定そのものに対する議論をここで始めてしまうと、また収拾がつかなくなるかもしれません。そこで、専用掲示板
http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php
の方で、ご意見を募集したいと思います。

 NGワードの設定目的は、直接削除要求をされないようにうまく回避しつつ、最大限自由な議論をする、ということです。

 あらかじめ明示しておけば、つい書き込んでしまう人も減るでしょうし、うっかり書き込みがあった場合には、私の方でNGワードによる非公開の措置を迅速にとることができます。

マグローブ株式会社から圧力をかけられています(1)

Posted on 11月 21st, 2007 in 未分類 by apj

 マグローブ株式会社という、磁気活水器の会社が、掲示板の運営に圧力をかけまくっている。削除要求が出たコメントをここに引用しておく。この程度の、違法でも何でもない内容を削除させようとするというところに、この会社の性質が表れている。
 なお、私は、この会社と法的紛争の当事者であるということを念のため明らかにしておく。

 昨日、削除依頼があった掲示板の内容は、次のようなものである。

[25196] マグローブの構造上の疑問点
mimonのコメント

現在進行中の裁判関係の掲示板に書いた内容と重複するのですが、
http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php?n=51
今のところ、裁判で技術的なことを取り上げられそうにないので、こちらの掲示板にコピペします。
もともと、私の書いたことですので、引用符号(>)は、付けません。吉岡氏のホームページのネタにならなければ良いのですが。

先日(10月25日)開催された、マグローブの説明会の資料の中で、
http://www.minusionwater.com/biwakomesse.htm
断面の略図が載っていますが、本当に、接水部がステンレスの角パイプなのですね。ステンレスといっても、多分、一般的なSUS304あたりを使っていると思われます。角パイプに内圧がかかると、その角の内側には、大きな引っ張り応力が加わり、オーステナイト系ステンレスでは、応力腐食割れが発生しやすいです。私だったら、真っ先に塩化マグネシウムを使った加速試験を実施して、問題なくても、やはり、耐応力腐食性の高いSUS316LかSUS315J2を使うところです。
ステンレス鋼の応力腐食割れ試験方法については、JIS G0576が参考になります。
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

内側の管に孔があいても、外には水が漏れない構造のようですが、ネオジム磁石や鋳鉄は、いくら鍍金をしていても、ステンレスに囲まれて接水すれば、早期に腐食してしまいます。

吉岡氏は、京大工学部卒らしいので、その辺は考慮していると思いたいのですが・・・。

[25197]もし、一般向けの解説が可能でしたら追加を
apjのコメント

>オーステナイト系ステンレスでは、応力腐食割れが発生しやすいです。

 多分、一般の人は、ステンレスにいろんな種類があって、耐久性にも違いがあるということを詳しく知らないのではないかと思います。私も、合金材料の特性に詳しいわけではありません。手軽に知るには、どんなものを見たらいいでしょうか。

>ネオジム磁石や鋳鉄は、いくら鍍金をしていても、
>ステンレスに囲まれて接水すれば、早期に腐食してしまいます。

 これで引っ掛かったのが、「磁気活水器で防食効果があった」とされるケース一般をどう考えるかということです。

 先日、水商売ウォッチングの方に、磁気活水器で効果があったケースをきちんと調べたら亜鉛板の効果だったり併用する濾過装置の効果だったりした、という文献を紹介しました。
 業者が知らずに耐応力腐食性の弱い材料を使ってしまったために磁石ともども腐食が起きたとして、その現象が、亜鉛の犠牲陽極を使ったのと同じ効果を水道管にもたらすのではないか?ということです。「効果有り」と判定されたケースで、実は磁気活水器自身が水道管の犠牲陽極となっていた、というものが混じっているのではないかと思うのですが、この可能性はあるのでしょうか。

[25198]ステンレス鋼の手軽な解説
mimonのコメント

> 手軽に知るには、どんなものを見たらいいでしょうか。
「手軽に」というと、とりあえず、新日鉄の解説から入ったらいかがでしょうか。
http://www5.mediagalaxy.co.jp/nssc/products/index.html
さすがに、応力腐食割れなんていうマニアックな話題は、載っていなかったと思います。新日鉄、JFEスチールなど各社が、ステンレス鋼のカタログをホームページに載せていますので、詳しくは、そちらをダウンロードして、ご覧ください。
新日鉄↓
http://www5.mediagalaxy.co.jp/nssc/products/shohin/koushu.html
JFEスチール↓
http://www.jfe-steel.co.jp/products/list.html#stainless

> 実は磁気活水器自身が水道管の犠牲陽極となっていた
磁気活水器の内管と、配管の材質の組み合わせにより、その可能性はあります。
マグローブの場合、角があっても、一応ステンレス鋼ですので、鉄管(SGP(JIS G3452)など)に対して犠牲陽極になることはないと思います。内管が腐食して、孔が開いた場合に、配管を保護する働きがあるのか、可能性はありますが、期待はできません。磁石や鋳鉄にされている鍍金の質により、挙動が異なるからです。

というか、壊れることで効果が出るような設計をしてはいけません。

JSTグッジョブ?

Posted on 11月 20th, 2007 in 未分類 by apj

 asahi.comの記事より。

諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定
2007年11月20日17時04分

 国営諫早湾干拓事業(長崎)は、科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例として、文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれている。

 事例概要として「ノリを始めとする漁獲高の減少など、水産業振興の大きな妨げにもなっている」と干拓による漁業被害を挙げ、「走り出したら止まらない公共事業という国民的批判と不信を生み出した」と指摘。諫早湾を分断した干拓堤防や調整池からの排水、干潟の消失などが原因と分析している。

 さらに、教訓として「国はある時期に実施決定した公共事業であっても、社会経済条件の変化について的確に再評価を行うべきである」とまとめた。

 こうした評価について、農水省諫早湾干拓事務所は「農業面や防災面では高い評価を受けている」と反論する。

 JSTの前身は科学技術振興事業団。失敗から得られた知識や教訓を後世に生かすことを目的に「失敗知識データベース」を公開している。諫早のほかには、日航ジャンボ機墜落事故(1985年)、スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗(2003年)などが失敗百選入りした。

 防災面については計画されてから実行されるまでの間に堤防が無かったことによる災害が何件おきて被害がどの程度だったのか、農業については堤防を作ったことでどれだけ収穫が上がったのか、で評価すべきで、そこから建設費用と漁業被害の金額を差し引いた上で、利益ありと言えるのか、という評価でないとなぁ……。被害発生の方はデータが出てそうだから、メリットの方も金額で言わないと意味がなさそう。

教育関係の報道2件

Posted on 11月 19th, 2007 in 未分類 by apj

YOMIURI ONLINEの記事より。

大学進学に資格テスト、教育再生会議が検討

 政府の教育再生会議(野依良治座長)は20日の合同分科会で、大学進学希望者に「高卒学力テスト」(仮称)を実施し、合格者に大学受験の資格を与える制度の検討に着手する。

 受験生の負担増につながるとして、一部委員からは慎重意見も根強く、年末の第3次報告に向けて大きな議論を呼びそうだ。

 「高卒学力テスト」は、高校生の学力低下の問題や昨年に全国各地で相次いだ高校の必修科目の未履修問題などを受け、生徒の学力水準や履修状況をチェックするのが狙いだ。

 制度設計の素案によれば〈1〉国公私立や選抜方法を問わず、大学進学を希望する人は必ず受験〈2〉受験科目は、必修科目から保健体育、芸術などを除いた国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語〈3〉全科目の合格者に大学進学資格を付与――などが主な柱。難易度は「高等学校卒業程度認定試験」(旧・大学入学資格検定)を想定しているという。

 だが、大学入試センター試験も引き続き実施するため、受験生の負担増を懸念する声が根強い。そのため、センター試験で一定の点数を取れば、その科目を免除する案も検討する。また、「高等学校卒業程度認定試験」を廃止して、「高卒学力テスト」に合格した人に高校卒業の資格を与える一本化についても今後、議論となりそうだ。

(2007年11月19日15時57分 読売新聞)

 高校の履修状況がそもそも信用できないことが未履修問題ではっきりしたのだから、高校の出す成績評価を信用しろという方が無理なわけで、それならば、高卒時の学力を試験で一律にチェックするしかないという当たり前の話。高校に進学しても最終試験に受からないと学歴が得られないということになれば、そもそもやる気の無い人は時間と金のムダだから最初から進学しなくなるだろうし、高校卒の資格が欲しい人は本気で勉強するだろう。教育再生会議にしては珍しくまともな案ではないか。高校教育の実質化(できれば小中学校の教育の実質化も)をさっさとやってもらいたい。もちろん、ここでの実質化の意味は、お情けで卒業させたりせず、学ぶべきことをきちんと身につけた人だけ卒業させる、という意味での実質化ね。
 次はNIKKEI NETの記事

全部授業で教えて・大学生4人に3人回答
 大学生の4人に3人は「自分で勉強するより、必要なことはすべて授業で扱ってほしい」と考え、授業内容では「最先端の研究」よりも「学問の基礎」を重視している学生の方が多いことが18日、東大研究グループによる調査で分かった。
 授業と直接関係のないことを、独自に学ぶのは少数派であることも判明。高度な専門知識を自ら習得するという学生のイメージからは程遠く、受け身の傾向の強い現在の学生像が浮かび上がった。
 調査は今年、全国の国公私立127大学の協力を得て実施。約4万5000人の学生が回答した。
 調査結果によると、意味があったと思う授業は「教養・共通教育」が44%、「専門教育」は59%。その内容については複数回答で「学問の基礎を教えてくれた」がトップの55%、「実践的な知識や技能」が50%で「最先端の研究成果」は14%だけだった。〔共同〕(15:41)

 まあ、学部では基礎を身につけるしかないわなぁ。研究のことが多少でも分かり始めるのは卒研になってからだし、分野によっては修士まで行っても研究なんか無理、ってのもあるし。ただ、自習する気がないのは困る。例えば、教科書を選んで説明したとして、家に帰って教科書のその章の演習問題を自分でせっせとやる、といった自助努力は必要なわけで。
 

池田信夫による名誉毀損になるかもしれない実例証拠保全

Posted on 11月 18th, 2007 in 未分類 by apj

 このエントリは、状況によっては追記あるいは削除します。
なお、クレームがあったら手段を問わず実名で公表しますのでそのつもりで。

このエントリのコメント。

技術者の既得権意識 (池田信夫)

2007-11-14 16:18:05

私の経験では、技術者はコスト意識なしに「いいもの」を追求する傾向が強く、既得権意識が強い。そして今回のように外部から批判されると、「素人が何をいうか」と脊髄反射する。この短い記事にたくさん集まった「はてな」のネットイナゴの反応が、それを典型的に示しています。

中でもお笑いなのは、arakik10というイナゴで、この牧野氏のサイトを引用しながら、「科学計算とWebサーバか何かを同列にイメージしている愚論」と書いている。このarakik10こと荒木圭典は、岡山理科大学の知能機械工学科の助教授で、どうせスパコンがらみの補助金で食ってるんでしょう。匿名のつもりでも、頭隠して尻隠さずで、グーグルで調べれば身元はすぐわかる。文献を引用する前に中身ぐらい読め。

このエントリ本文の最後の方

(*)匿名のつもりでも、きのうの記事について自分のコメントを否定するサイトにリンクを張った荒木圭典のような間抜けもいる。こういうイナゴの実名は、わかり次第、今後も公表する。

 一応証拠保全しておく。批判の範囲を超えて中傷になっているという判断が出る可能性もあるので。
 なお、論評そのものに対して「愚論」と言うのは、論評に対する評価だけれど、「間抜け」「イナゴ」は、人に対するものなので、名誉毀損は成立しうるんじゃないかな。
 ついでにいうと、上記のコメントは、池田さんの脳内「技術者」というわら人形に対して批判しているだけに見える。

 この話の発端は、あらきけいすけさんのこのエントリだと思うのだけど、最初の方に「ぼくが愚論と評したのは「目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。」の部分。」とある。

【ばんぷさんの情報提供により追記】
このはてなブックマークにある、「2007年11月14日 arakik10 科学計算とWebサーバか何かを同列にイメージしている愚論。http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/articles/future_sc/face.html14」という1行の書き込み。
あらきけいすけのブックマークにも全く同じ記述がある。

 ということで、池田さんが反応したのはこの1行の記述ということらしい。
はっきり言ってblogのコメント欄であらきさんに対する反論を唐突に書くのは、ただの憂さ晴らしにしか見えないし、本名と違うユーザ名を使うことが普通のはてなで、ほとんど実名でやってる人だとはいっても、わざわざ本名で言及するというのは、批判を逸脱している。というか、論評の内容で勝負せずに、個人攻撃にすり替えようとする池田さんの意図が見え見えだというか。

スペルチェッカーがうざい

Posted on 11月 17th, 2007 in 未分類 by apj

 Mac OS X 10.4.11にアップデートしたら、Safariの「入力中に自動スペルチェック」が勝手にONになっていた。で、職場のMacだと、何かformに入力するたびに、スペルチェッカーが無いというダイアログボックスが出て、OKをクリックしても延々出続け、強制終了もできず、再起動する羽目になった。
 この間もJournlerで同じような目にあったばかり。
 入力→スペルチェッカーを見る→スペルチェッカーが無かった→警告を出し、スペルチェッカー関連のオプションをOFFして続行、という実装ではだめなのか?

白河高校また未履修

Posted on 11月 16th, 2007 in 未分類 by apj

asahi.comの記事より。

未履修問題、発覚後も継続 福島・白河の県立高校
2007年11月16日21時01分

 家庭科の未履修が昨秋発覚した福島県立白河高校で、3年生が卒業するまで日本史の授業で世界史を教え続けていたことが16日、県教育委員会の調べで分かった。今年度も3年生の情報Aで他教科への振り替えが行われていた。県教委は今年度分に関して「授業時間が不足する可能性もある」として是正を命じた。

 記者会見した遠藤教之校長は「受験を控えた生徒のためを思って続けていた。再発防止に努めたい」と話している。

 県教委によると、昨年度の3年生の日本史B(4単位)の授業で、問題発覚以降も109人に世界史を教えていた。担任や教科担当など多くは未履修と知っていたが、遠藤校長は「知らなかった」と話している。

 9月25日に「家庭科以外にも未履修がある」との手紙が県教委に届いて発覚した。県教委は家庭科の問題が判明後に調査に入ったが、「時間割りや教育計画が偽装されていたために見抜けなかった」という。

 PTAの労働争議で、訴状を受け取り拒否して差置送達になるは、裁判には出てこないは、裁判逃れでPTAを解散するという偽装倒産まがいのことまでやらかしてくれた福島県立白河高校が、またやってくれていた件。日本国の法律を堂々と無視する教員とPTAが居る高校にふさわしいカリキュラム編成かも。ってか、裁判を無視するような学校はそりゃ偽装もするという、ある意味わかりやすい振る舞いではあるが、そういう態度を続けるのなら、法治国家である日本から出て行ってもらいたい。