【注意】このエントリーに限っては、実名と所属を晒している人以外のコメントは一切受け付けません。コメントされても削除します。注意を守れない人が2人出たのでコメント受付を停止します。コメントしたい方はメールで実名を明らかにしてメッセージをください。お2人とも多数意見でしたが、そのような意見すらなぜ実名で言えないのか、自分の胸に手を当てて考えてみて下さい。群馬大の処分を喜ぶような人達の圧力があるから、実名で物も言えない世の中になってるんじゃないですか?
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群馬大学長による、早川さんへの訓告に反対する。
最初にこの件をツイッターで書いた時は、ポジショントークであることにしたい人達が居たようだし、それに引っかかって私怨だという方向で発言したが、きちんと考え直した結果、やはりこれは公論であるという結論に達した。ひっかかったことについては反省します。ポジショントークでない理由は、後の方に書いた、私が実際にどういう種類の裁判をやってきたかを見てもらえればわかります。ポジショントーク程度の理由でつぎ込める金額でも時間でもないことははっきりしていると思います。
ただし、早川氏の暴言を認めるわけでもないし、数多くの差別発言に同意するものではない。早川さんの差別発言には擁護できる点が何一つない。
今回の暴言や差別発言は主にツイッターでなされた。私は早川さんをツイッターではフォローしていないし、早川さんの発言をRTして広めたことも無い(別の人の発言に混入していたのをそのまま使ったことはあるかもしれない)。血液型性格診断とホメオパシーに関する早川さんの発言を以前何かの折に見て、こりゃダメだと思って関わるのを止めていたというのが正直なところである。噂は見ていたが、今回、早川発言がまとめられているのを見て、福島の人たちに言及している部分その他について、やっぱりこりゃダメだという結論に変わりはなかった。
http://ow.ly/i/mYPM/originalについて。
訓告文書はこれ(見えなくなった時のために資料として貼っておく)。
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ところで、覚えている人も居るかもしれないが、早川さんと同様の事件が今から3年ほど前に起きていた。青山学院の瀬尾准教授が学外に置いていたブログで暴言を公開したというものである。当時私はブログを大学内に置いており、そこでこの話題を取り上げた。
「記事引用しておく」
「【業務連絡】時々サーバを止めるかもしれません」
「 いくつかメモしておく」
この時も、私は、瀬尾さんの暴言には全く賛成しないが、大学が処分することには反対であるという意見を表明した。私の意見は今もこの時と変わっていない。
この件を言論と表現の自由から論じるのは筋が悪いとさんざん指摘されてはいるが、それでも私はその一点のみによって、大学がしゃしゃり出ることには反対であるという(おそらくは)少数意見をここで改めて表明しておきたい。
まず、言論と表現は、大学人であろうと無かろうと原則として自由である。誰もが等しくもっている精神的自由権である。
過激な意見でも偏った見解でも時には暴言でも言う自由は誰にでもある。事が言論の場だけで済む範囲なら、言った内容次第で、反論されたり非難されたり軽蔑されたり相手にされなくなったりする。賛同されたり賞賛されたりすることもある。現実にはスルーされることの方が多いだろうけれども。では、言論と表現の自由が無制限に自由かというと、もちろんそんなことはない。表現の結果、他人の権利を侵害してしまうと、事後に責任を問われる。例えば、脅迫や、企業に対する虚偽の風説の流布が言論と表現の自由で保護されることはなく、刑事責任を問われる。他人の名誉を毀損したり侮辱したりした場合は、刑事責任までいかなくても、民事上の不法行為として損害賠償を請求される。
私が主張したいのは「ある人の言論と表現の自由を制限できるのは他人の権利である」ということに忠実であれ、というものである。もう一つ、この自由は、権利侵害をした相手に対して直接の責任を負い、それ以外の不利益は受けないことで初めて全うできるだろうというものである。
言論と表現の自由が無い場合とはどんな場合かを考えてみる。
政府に都合の悪いことを言うと投獄されるとか、ツイッターやウェブに出した意見が勝手に消されるといったことが起きるなら、これは言論の自由が無い、と確実に言える。今の日本はこれには当てはまらない。
しかし、政府が手を出さないからといって、実質的に自由があるかというと必ずしもそうではない。瀬尾さんの件を取り上げた時に引用したコメント
表現行為によって「世間という見えない相手の気分」を害したことを理由に、解雇などの現実的不利益を受けるおそれがある、というのでは、そもそも「表現の自由」の名に値しません。
に尽きている。言論と表現によって引き起こした権利侵害を直接賠償する以外の現実的不利益がある場合には、この部分を変えない限り、多くの人は、言論と表現の自由を手に入れられないだろう。このことは、ネット上の発言の多くが現に匿名で行われているということからみても明らかである。多くの人にとって、匿名でしか安心して発言できない社会が、言論と表現の自由の実現している社会とはとても思えない。それは民主主義の基本すらない封建社会の延長に過ぎないのではないか。
組織の内部統制との衝突について。もし、言論と表現の内容が「学生に対して侮辱を繰り返した」といったものであれば、これはハラスメントとして組織が統制する対象になる。発言者が所属組織自体を誹謗中傷したという場合も、所属組織名誉が毀損された状態だから統制と同時に争うべきものだろう。しかし、表現の内容と対象が組織外に向けられている場合にまで、世間に不快感を与えたという理由で組織が処分するということになると、事前に発言者を萎縮させる効果が極めて大きいので望ましくない。萎縮効果は、所属組織と構成員の力関係の差から生じている。そうは言っても、解雇の要件が厳しいのだから発言が理由で処分されたら裁判所で組織と争えという主張はあるだろう。しかし、現実の問題として、給料をもらっていて所属組織から追い出された状態で組織と争うというのは誰にでもできることではない。この部分のハードルが余りに高いと、言論と表現の責任を自分で引き受けようという人が出てこなくなり、相変わらず匿名発言が横行することになるだろう。
原則が自由であるべき発言について、所属組織の統制を横行させることに荷担し、処分されたら発言者と所属組織が争えというのは、争うべきポイントと優先順位を間違えている。こんなことを容認する限り、発言の自由(特に実名での)が広く普及することはない。
今回は差別発言が問題になったが、差別発言を取り締まる必要があるなら、立法すべきかどうか、立法するならどうするべきかを正面から論じた上で、差別発言をした人にどのような法的責任を負わせるかの合意をとるのが筋である。
早川氏を訴えるにしても差別発言では被害者が特定されないとか、今被災してる福島の人達にそんな余裕が無いという意見もあった。被害者に余裕が無いから、恣意性の残るルートを使ってどうにかします、というのはただの私刑を先に認めるに過ぎないのではないか。安易にこのような意見に同調すべきでない。
なお、自らの権利が侵害された時に法的紛争を行って回復を図るのは、法治国家の構成員の権利であると同時に、自分自身と社会にとっての義務でもある。最初から恣意性の入らないルートできちんと争うのが筋で、現行法で救済が難しいなら立法も含めて考えるのが本来あるべき姿である。
大学の場合は、学問の自由との関連から、教員の発言に対して組織は極力統制しないという方針でやってきていた。一方、民間企業ではそうではないし、今回の群馬大の処分を当然視する意見も多い。大学にいて、早川氏の差別発言を守れというと、大学に何か特権があるようなイメージを勝手に抱かれて反発される。実はそうではなく、大学に居ようが会社に居ようが、実名で発言できその責任を被害者との間のみで直接負うということが実現されているのが本来の姿であって、統制が当然だとする風潮は、自分から進んで言論と表現の自由を行使できる範囲を狭めていることになる。
念のために言っておくと、大学からの情報発信でも、他人の名誉を毀損すれば訴状は来るし、ある程度具体的な内容の犯罪予告を行えば、教員でも学生でも逮捕される。完全に無制限というわけではない。
群馬大を批判する立場で発言すると、大学と大学人に特権があるのかといった反論が来るが、これも見当外れの意見であると考える。発言による権利侵害を引き起こした場合は発言者が直接侵害した相手との間で責任を負い、それ以外は負わないというのは、大学(人)の特権でも何でもなく、誰にとってもそうあるべきことである。たまたま、今、大学でのみこのことが比較的実現しやすいのだとしたら、大学を足場にして学外でもそのようにあるべきだと主張し変えていくのが正しいのであって、世間に迎合するのは間違っている。従って、今回の群馬大学のようなやり方を横行させるのは将来にとって好ましくないので、反対意見を述べておく。
情報発信によって、学生や教員が処分された事件として、首都大学東京の「ドブスを守る会」事件がある。学生が街頭で一般女性に対して名誉毀損や侮辱にあたるインタビュー映像を撮影してネットに公開したというもので、学生と指導教員が処分された。この事件を引き合いに出して、大学による処分は当然だとする意見も見られたが、それは違う。ドブス事件は、学生の卒業制作として教員の指導のもとに行われた、大学の正規の研究教育活動である。その研究そのものによって人権が侵害されたという事件なので、カテゴリーとしては、倫理委員会を通さずに非人道的な治験をした、というのと同種のものになる。瀬尾・早川の暴言とは構造の違う事件である。もし、ドブス事件が、、インタビューそのものは問題無く行われたがその経験を踏まえて女性一般に対してドブス云々の発言が公然とおこなわれたというものであれば、瀬尾・早川の暴言と同じ形の事件になる。
私がこの問題に神経質になっている理由も説明しておこう。
所属組織に発言を統制させればいいという発想が横行しているせいで、掲示板を母校のお茶の水大の研究室に置いていた時、私が掲示板に書いた内容について、神戸の磁気活水器販売の吉岡氏にお茶の水大学だけが名誉毀損で訴えられた。私は、私の恩師とともに訴訟参加し、責任は発言者にあると主張して裁判所で争い、勝訴した。この場合、裁判所が当事者として発言者の参加を認めたという部分に意味がある。統制する側に責任があるということなら、参加が認められないはずだからである。
この裁判の最中に、またもや吉岡氏が、私の職場に、私がウェブに出した文書についてクレームをつけてきた。組織だけ別にして訴えられるのを防ぐために、今度は私が、職場である山形大学と吉岡氏を両方とも被告にして、山形地裁に提訴した(訴訟物が同じなら二重提訴できないから、先に山形で始めれば神戸に持って行かれることがないから)。大学への請求は途中で取り下げたが、相手が反論してこなかったので、吉岡氏に対しては削除義務が無いという私の主張が認められた。責任が発言者のみにあって権利侵害した場合はその相手との関係において直接の責任を負うということが確立していないと、このように被告に勤務先を加える必要まで出てくる。
さらに、3年前に瀬尾准教授の件で、青学の処分に反対意見を述べたらどうなったか。
たまたま時期を同じくして起きた学生のブログ書き込みを利用し、私をハラスメントの加害者に学科ぐるみで仕立て上げるということが起きた。当時とは状況が変わったので、「私が加害者とされているキャンパスハラスメントについて」と、「古い資料(3年前)」で、何が行われたか可能な限り公開している。つまり、現状では、差別発言などしていなくても、発言の統制に対する反対意見を述べただけでこのようなことをされるのである。ついでに、組織の統制がいかにあやふやで信頼できないかも同時にわかるケースとなっている。
なお、このエントリーへのコメントは許可制とする。エントリーが取り上げているテーマを考慮し、許可の基準は、所属先と実名を公表していること(それを私が確認できる程度の情報を広く公開していること)、である。
特に私に反対意見「職場の統制は当然だ」を持つ、これまでハンドル名だけで発言してきた方々、どうか安心してもらいたい。あなたが多数派だ。大衆の感情とも一致している。あなたは差別など許さない立派な人格と見識をお持ちなのだろう。あなたの主張によれば、所属と実名を明らかにして私にその反対意見を述べても、職場で圧力がかかるおそれはまず無い。にも関わらずご自身が、なぜ所属と実名を晒して大衆の感情に合致する意見を述べられないのか、本当の問題はそこにある。
早川さんを支持する人、あるいは、早川さんの福島に対する発言が差別ではないと考えている人、は、私と意見を異にする。ただ、このエントリーは、早川さんの発言内容に対する評価について議論することがテーマではない。それでも議論したいのなら、自らの言論を発言者に帰属させるという意味で、実名を明らかにした上でコメントしていただきたい。
いつまでも多くの人が匿名でしか発言できない状態を作り出しているのは、早川処分で溜飲を下げているような人達が原因を作っているのだと私は考えている。
数日前に弁護士の山口貴司氏に会ったら、早川氏の発言内容には同意しない&群馬大の処分に反対、の意見表明で、いろいろおかしなメールが来たと話しておられた。多分、本当に対処しなければならない相手は、実は早川氏でなくて(早川氏の言論はそろそろ全部まとめて相手にしない、でよさそう)そのようなメールを送ったりする人達なのだろう。彼らがあるべき姿を歪めているのではないだろうか。
【追記】
このエントリーに限り、扱っている内容に照らし合わせ、実名が明らかな人のみコメント可という条件を設定しています。
mimonさんは実名所属を把握しているのでコメントを残しました。
技術開発者さんは実名所属を知りませんので、ここからは削除しましたが、内容が一般的な議論であり論点を含むため、掲示板の方に再掲しました。
エンパワーさんは、実名所属を知りませんので、いただいたコメントは削除しました。
【追記】
昨年から訴訟恫喝をウェブで行っていたクリス・バズビー基金が、私も訴訟対象リストに入れました。これについては、御用ですが何か?と2回ほど向こうに書き込んだのは私なので、特に不満はありません。
さて、http://www.cbfcf.org/ に書かれている一部を引用します。魚拓はこちら。
CBFCFは、当会の理事3名に対し、執拗に嫌がらせ行為・及びストーカー行為をおこなっていた山形大学(学長 結城 章夫)の天羽優子並びに片瀬久美子並びに堀田昌宏・高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木 厚人)の野尻美穂子・大坂大学サイバーメディアセンター(センター長中野 博隆)の菊池誠に対し刑事告訴と損害賠償請求(1億6千万円)の民事訴訟をすることに致しました。
この5名は、自信のブログやツイッター内で、当会の理事及び理事の会社に対し全くのデタラメを公言し威力業務妨害・誣告罪・名誉棄損・損害賠償請求をおこなう事に致しましたので、ご報告させていただきます。驚くことに、この者達のすべてが、政府関係施設で働いています。
当然なことながら学長や理事長やセンター著などは、大変、良識的な方々であります。
しかるに、これら非常識なものを断罪しないのであれば、それは、いかがなものか?と首をかしげたくなります。
そこで、当会は、最初、これらの学長やセンター長などに対し、配達証明付き内容証明を送ることにたしました。
もちろん、ここに書かれていることは事実無根です。誣告とありますが、私はまだバズビー基金の中の人を告訴はしていませんから、完全な嘘です。
所属組織に文句を言うというのは、訴訟恫喝を行うような輩の常套手段であることがよくわかります。群馬大にクレームを付けていた人達は、このバズビー基金の中の人と同類あるいは同レベルだってことを自覚すべきです。
【追記2012/01/23】
pontaを名乗る人が説明も読まずにコメントしていたので削除しました。このエントリーに関する限り、実名以外でのコメントは一切受け付けません。実名や所属を晒せない人は、このエントリーにコメントする資格がそもそもありません。多数意見に乗っかって批判を書くだけのことすら匿名でしかできないのなら、なぜそんな行動しかとれないのか、自分自身の胸に手を当てて反省してください。