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カルトと水

Posted on 10月 15th, 2007 in 未分類 by apj

 Yahoo経由産経新聞の記事より。

宗教法人「紀元会」幹部ら集団暴行に関与か 長野県警が捜索
10月15日9時40分配信 産経新聞

 長野県小諸市荒町のすし店経営、奥野元子さん=当時(63)=がで先月25日、同市の宗教法人「紀元会」の信者に集団で暴行され、死亡した疑いが強まったとして、長野県警は15日朝、傷害致死の疑いで、紀元会の本部などの家宅捜索を開始した。幹部や信者の女性らから事情を聴いており、容疑が固まり次第逮捕する方針。
 奥野さんの死亡当日、夫ら家族4人が犯行を認めて逮捕されているが、その後の捜査で、紀元会の宗教施設内で多数の信者が奥野さんを踏みつけるなどの暴行を加えた疑いが強まった。現場には当時、信者ら数十人がいたとみられ、幹部の指示のもとで行われた集団暴行だったとみて、県警は全容解明を進める。
 事件は先月25日未明に発生。奥野さんが顔面や両腕、両足などに殴るけるの暴行を受け、傷害の疑いで、夫のすし店従業員、奥野和宏容疑者(35)と長女、二女、二女の夫の計4人が同日逮捕されていた。
 紀元会は昭和45年に設立された神道系の宗教団体。「紀元水」という水を飲むと不治の病が治るなどと宣伝していた。

 「霊験あらたかな水」というだけならニセ科学のカテゴリーには入らないが、「水で何かが治る」話とカルトは親和性が高いようで……。そういえばホームオブハートも水を売ってたな。

【追記】
毎日新聞の記事より。

長野・小諸の信者集団暴行:「神様の水」うたう 治癒名目に信者集める

 ◇暴行現場隠ぺいか

 長野県小諸市で15日朝に始まった宗教法人「紀元会」の家宅捜索。本部施設で会合中に同居の家族を含む複数の信者から暴行を受け、奥野元子さん(63)が死亡した疑いが持たれている。教団は“神様の水”による治癒をうたい文句に信者を集めていたというが、県警は傷害致死容疑で教団関係者を逮捕する方針だ。家族による暴行現場の隠ぺい工作の疑いも浮上しており、捜査の行方が注目される。

 関係者によると、教団は群馬県富岡市から運んだとされる水を「紀元水」と称し「不治の病を治す」というふれこみで信者に配り、数万円単位でお布施を募っていた。

 教団本部近くの60代の主婦は「知り合いの信者ががんだったが、病院に行ってはいけない決まりがあるらしく、末期になるまで(教団の配る)水を飲まされたと聞いている」と証言。別の主婦は「施設裏の工場に給水車がやってきて、茶色や白のビンが運び出されているのを見かけた。いつかこういう事件が起こるのではないかと心配していた」と話していた。

 奥野さんも家族ぐるみで信者だった。近所の自営業の男性は奥野さんについて「関西方面から来た人で、教団幹部が連れてきたとも聞いた。しかし、近所づきあいがほとんどなく、よく分からない」と話していた。

 奥野さんは9月25日未明、病院で死亡が確認された。傷害容疑(その後、傷害致死容疑に切り替え)で逮捕された家族は「自宅で暴行した」と話し、家に争った跡もあったが、県警は教団内での事件だったとみており、教団との関係を隠すための偽装だった可能性もあるとみている。

 家宅捜索は午前6時過ぎに開始。車両が到着して捜査員約120人が施設内に入り、敷地外で信者らしき人たちが不安そうに様子を見守った。一方、小諸署には任意同行を求められた教団関係者たちがマイクロバスで到着。うつむき加減で捜査員に署内に入るよう促されていた。

 水で治るといってがん患者を集め、末期になるまで必要な医療も受けさせず、たまに、病死ではなく暴行で殺される、と。救いどころか被害しかもたらしてないがな。

ブックスタンド

Posted on 10月 14th, 2007 in 未分類 by apj

エレコムのブックスタンドが便利だという情報がMLから流れてきたので、衝動買いした。本やら書類やらを開いたままデータ入力するのに役立つということで、試しに使ってみようかと。amazonへの注文なので、数日したら届くと思う。

半年過ぎると……

Posted on 10月 12th, 2007 in 未分類 by apj

 科学リテラシー1回目の学生さんのコメントを整理していて気付いたこと。
1回目は、高校でほとんど理科をやってない人へのフォローということで、高校化学の入り口あたりの話をすることにしている。ところが学生さんの方は、筆記試験で化学の問題を解いてきた人も混じっているわけで、そういう人から簡単すぎてつまらないという意見がいくつか出てくる。まあ、一般向けに分類されている講義なので、やる前に説明して、簡単すぎると感じる人には、状況を理解してもらうように努めてはいるのだが……。
 ところが今回は「なつかしかった」「だいぶわすれていた」といったものが殆どだった。大学入試から半年経つと、だいぶ記憶が薄れるのかもしれない。

弁護士(=代理人)多すぎ

Posted on 10月 11th, 2007 in 未分類 by apj

モトケンさんのところで書き込んでたら、やたら人数の多い弁護団の話になったので、こちらにメモしておく。弁護士数百人という弁護団の実例は?という私の疑問に対し、惰眠さんが最近の例として山本弁護士のケースがある、と回答してくださった。それを受けて私の投稿。

No.380 apj さんのコメント | 2007年10月11日 20:57 | CID 88988  (Top)
No.379 惰眠 さん
 情報ありがとうございます。
http://www.mainichi.co.jp/universalon/narration/prt/10rtm137-400.html
によると「300人を超す弁護団が結成され、別に400人以上の弁護士が支援します。」とありますね。もはや「刑事弁護」ではなくて「ギネスに挑戦」の世界が展開している気がします。
 まあ、アピールしたところで、提出する書面の枚数が弁護士一人の時の300倍になるわけじゃないだろうし、法廷には代表の何人かしか来ないだろうし、あとは傍聴席が弁護士で埋め尽くされる可能性があるってことくらいでしょうか。裁判所にとっても特に迷惑ということにもなりそうにない。
 300人で弁論の書類を作る方が大変そうです。忙しい弁護士が顔を合わせるのはまず無理でしょうし、MLでやるとしても果たしてまとまるのかと……。300人というとウチの大学の一番大きい階段教室の収容人数ですぜ。出欠確認だけでも一仕事、打ち合わせは不可能だろうなぁ。

 これに対して、法務業の末席さんからのレス。

No.383 法務業の末席 さんのコメント | 2007年10月11日 21:40 | CID 88998  (Top)
>No.380 apjさま

横レスですが、ご容赦。

大弁護団ということなら、過去に甲山事件の差戻し控訴審で239名、しかも複数の日弁連の会長経験者や、名の知れた大物弁護士がズラリと勢揃い、という一種の「全日本選抜大弁護団」が結成された事例があります。

<以下参考までに>

ちなみにこの甲山事件の裁判、最高裁での無罪確定まで25年余りかかった殺人事件の裁判としては日本最長記録です。また、被告人は当初は不起訴でしたが、被害者遺族の申立で検察審査会が起訴相当の議決をしたため再捜査の上で起訴され、1審で無罪→2審差戻し判決→最高裁で差戻し支持→差戻し1審で再度無罪→2度目の2審で再々度無罪→検察が最高裁への上告断念と非常に複雑な経緯をたどりました。
また平行して事件を題材にした事実小説での名誉毀損の民事訴訟で被告が勝訴するなど、日本の刑事裁判史に残る事件です。

この異例ずくめの裁判の経緯の裏には、被害者遺族の強い処罰感情と、被告人に対する厳しいマスコミの報道姿勢、更には無理な捜査と起訴をした検察の意地とメンツが複雑に絡み合っていました。この点、今回の光市事件にも共通する部分があると思います。

ちなみに、この甲山事件で被告人を取調べて自白調書を作成した検事は、その後退官して今枝弁護士と同じ広島弁護士会にて弁護士登録をしましたが、弁護士となってから当時の取調べと起訴にはかなり問題があったことを自ら総括して論文を書いています。

<冤罪甲山事件のHP>
http://www.jca.apc.org/kabutoq/

<私説・甲山事件…真犯人は今いずこ…初動捜査に関与した一検事の感慨>
http://homepage3.nifty.com/akilaw/pdf/kabutoyama.PDF

 何だか、冗談抜きで弁護士がギネスに挑戦したがってるようにしか見えないのだけど。
 しかし、弁護士というとウルサ型の代表みたいな人達のうえに超多忙ときているわけで、二百数十人の弁護士が(技術的な意味で)どうやって意思の統一を実現したのかが気になる。今ならMLやら掲示板やらである程度楽にできるだろうけど、ネット普及前なんかどうするのかと。参議院の議員数とcomparableだぞ。共和制ローマの元老院も似たような数だったかと。

【追記】
関わってくる弁護士がやたら多い訴訟は?という意味で書いたので、民事の訴訟代理人と刑事の弁護人の区別が曖昧になっています。また、行政訴訟も入れてと考えていました。いずれにしても、弁護団が登場するような訴訟で、一体ギネス級は何人なのかというあたりが関心事なのです。

教員個人評価基準がニセ科学あるいは詐欺を後押しする?

Posted on 10月 9th, 2007 in 未分類 by apj

 向こうの掲示板に投稿された内容だが、こちらでもまとめておく。既に知れ渡りつつあるが、朝日新聞の円天破綻の報道より。

勝手に学者を関連団体所長に L&G社
2007年10月08日03時01分

 健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区)による出資法違反容疑事件で、同社が学者らの名前を勝手に関連団体の幹部として使ったり、話を会員向けのDVDで無断使用したりしていたことがわかった。資金繰りが悪化していたとみられる昨年末ごろから、こうした動きを活発化させたという。同社は「広告塔」として複数の大物歌手による会員向けコンサートを開いており、学者らの名前も資金集めや商品販売に利用する意図があったとみられる。

 関東地方の私立大学の准教授(免疫学)によると、本人が知らないうちに昨年11月ごろ、L&Gの関連団体「自然免疫研究所」の「所長」になっていた。「研究所」の幹部にはほかにも多くの学者の名前が無断で使われていた。

 准教授によると、04年秋ごろ、L&G関係者から突然連絡があり、同社の波和二(なみ・かずつぎ)会長に自然免疫の話をした。その後、年に数回、会員のイベントで無償で講演したが、同社の投資商品を取り上げたり勧誘したりしたことはないという。

 同社は会員誌でこの准教授を「教授」として顔写真付きで紹介し、自然免疫に関する論文を掲載。その後、昨年末ごろになって、無断でホームページに転載し始めた。また、会員に配ったDVDでは准教授が免疫について話す場面を勝手に使い、健康食品の宣伝に利用していた。

 准教授は、同社が05年ごろに疑似通貨「円天」を始めたころから「おかしい」と思い始め、今年5月の講演を最後に関係を絶った。「自分の研究が悪用されたとしたら許し難い。消せるのなら消したい過去だ」と言う。

 一方で、L&Gが販売する健康・美容用品の開発に学者が携わるようなケースもあった。中国地方の私立大学の教授(生物化学)は同社に原材料を提供し、年300万~400万円を受領。数年前から年に1、2回、L&Gの講演会でこうした商品を宣伝した。会員向けのDVDにも登場し、健康商品をPRしていた。教授は「商品PRの機会をくれた波会長には感謝しているが、今となると私も被害者」と言う。会員のイベントで「私も会員」と発言したが「勧誘したことはなく、あくまでビジネスの関係。問題ある団体と知っていればかかわらなかった」と話す。

 この教授は同社が事実上破綻(はたん)していた今年5月末、月利1%をうたう「円天共鳴金」に100万円を出資した。「波会長から頼まれ、協力するために出した」と言う。

 記事中に登場する3人の学者はほぼ特定できている。ウェブ魚拓された証拠のページから引用すると、

本物とは何ぞや?
例えば
医学博士が開発し、自らが自信を持って
商品説明し、臨床試験もしている物、、かな。

で始まる、典型的な権威利用セールスの宣伝文句に続いて、

自分を守る力、自然免疫とは
・ アメリカではアトピーや湿疹等の治療に使用されている自然免疫デタント
・ 自分を守る力、自然免疫とは
(映像略)
(株)イムノヘルス ジャパン 代表取締役 国立感染症研究所(感染病理客員研究員)慶応義塾大学 医学部(微生物学・免疫学) 助教授森山雅美 医学博士

代化石珊瑚カルシュームと
スカールコラーゲン
・ 本物のカルシュームとは
・ カルシュームが不足すると。。。
(映像略)
国際食品機能学会 会長筑波大 名誉教授 細川淳一医学博士

CoQ10について
・ スカールコラーゲンとCoQ10
・ 変質しない安定なCoQ10とは・ CoQ10を配合したEXクリームとは
(映像略)
岡山理科大 臨床姓名科学科 学科長 浜田博喜 博士

 最後の「姓名」は「生命」のtypoだろう。この3人がどの程度の故意をもって、破綻確実な違法商売に荷担していたのか、それとも完全に利用されたのかは、これから明らかになるだろう。
 先生方の行動パターンを見ると、2005年に怪しいと気付いて最近まで何もせずにいたというのが本当ならば、いかにも脇が甘かったとしか言いようがない。「私も会員」発言をしたのは、まあ詐欺に荷担したと言われてもしかたがないだろう。この場合、会員ということは出資したことを意味するわけだから、金銭面で詐欺商売を手助けしたことになる。筑波大の名誉教授もしっかり利用されている。
 個別の人達への批判は必要だが、それ以前に大学のシステムにも問題があって、今のままいけば、インチキ商法に荷担する大学の先生は、増えることはあっても減ることはないと思われる。
 まず、大学に対して産学連携の圧力がかかっている。これは、運営交付金を減らして、外部資金無しでは大学が立ち行かないようにされてしまっているからである。
 研究費を受領というのが私的な受領でなければ、必ず大学の事務の契約部門を通り、契約書を交わしてからの受領になり、教授会等でも報告されて承認手続きを経ることになる。つまり、研究費の受領とそれに伴う活動は、大学も認めた上ということになる。ところが、この手続きの中で、「産」が一体どういう性質の「産」なのかということは全く問題にされない。契約担当の事務部門は、特許の負担割合や利益の振り分けや守秘義務や研究費の額について書類を作っても、普通は、名義の無断使用の禁止までは契約書に盛り込まない。逆に、「こんなに活発に産学連携しています」という、大学側の宣伝材料を欲しがっている面もある。これは、ブランド、というかむしろ信用を守るという点ではいささかガードが甘い。また、企業が真面目な相談を持ちかけてくる一方で怪しい宣伝や資金集めをしているかどうか、などということを調査する部署は大学にはない。担当する教員に任されてしまっているのが現状である。しかし、教員にこの調査能力があるかというと疑問である。資料を集める手間も能力もないし、出資法云々ということになると、そもそも理系の教員では条文にあたって判断するあたりがハードルになる。かりに、途中で多少怪しいと感づいたとしても、産学連携の圧力と、それに伴う教員個人評価(学外からの相談件数、受託研究や共同研究の状況、学外での活動状況などが個人の業績の評価項目になるし、昇任給にも反映したりする)の前には、目をつぶるということが十分に起こりうる。産学連携を教授会承認する段階では、企業名と研究テーマと金額くらいしか出てこないから、相手が裏で怪しげな資金調達や宣伝をしていても、誰かがそれをたまたま熟知していない限り、ノーチェックで承認されることになる。
 ウチの大学では、教員の兼業にはまだ厳しく届け出が命じられているので、おかげで学会の役員をするのも面倒な状態で別の問題があったりする。しかし、もし、このまま人件費削減などが続けば、「食べていくのが難しい」という理由で、ウチの大学やそれ以外の大学でも、もっと制限なく兼業させろという話が出てくるかもしれない。その時には、今のままのチェック体制ならば、この手の詐欺的商法に大学教員が利用されまくるという状況が起こりうる。
 事前規制をあまりにかけてしまうと、教員の活動自体が妨げられるが、教員も知らない間に名前を利用されて防御もできなかったというのではどうにもならない。
 やるとしたら、
・受託研究契約時に大学名と教員名の使用を制限する。特に、製品の宣伝に直接利用されないように制限をかける。同時に、宣伝での大学や研究者の名前の使用をどう制限しているかを大学側が情報発信する。
→悪質な利用は防げないが、一定の歯止めにはなるし、社会に対する説明責任も果たせる。
 大学が直接販売まで行う場合以外で、大学名や教員名の使用を許すのは、現状では弊害が大きすぎる。
・講演会等の情報の再利用に制限をかける。講演を引き受ける時に明文で相手に通知する(学術、教育目的に限って再利用可、など)。
→こちらも、悪質な利用は防げないが、ポリシーを先に公開すれば、一定の歯止めにはなる。「バイブル本」ならぬ「バイブル講演」みたいなモンだし……。
・産学連携の相手の調査を行う。
→予算と人員をどうするか、どこまでのチェックをするかが検討課題。
・通報の受付。
→今時のことだから、宣伝はネットにも流れるだろうし、信じて取り込まれた人は疑わなくても、そうでない人がおかしいと気付いて連絡してくる可能性はある。
・被害発生後は、知っていて宣伝に荷担した事実があれば教員も民事訴訟の対象にする。
→後から求償されるとなれば、慎重に行動するというインセンティブになる。民事の不法行為論の基礎には報償責任という考え方がある。

 まあ、100%完全な方法は無いとしても、実質手がつけられない今の状態よりはマシになるのではないか。

メモ

Posted on 10月 8th, 2007 in 未分類 by apj

阪大VBLでお世話になった兼松先生が書いた記事。ちょっと前のもの。気付くのに遅れた。
http://www.nature.com/naturejobs/2007/070621/full/nj7147-1028b.html
ポスドクのキャリアについて。メモ代わりに貼っておく。

実験終了

Posted on 10月 7th, 2007 in 未分類 by apj

 実験終了して夕方に山形に戻った。
トンデモ本の世界U、V2冊購入。

これはやっちゃいかんだろう……

Posted on 10月 5th, 2007 in 未分類 by apj

 Yahoo経由、産経新聞の記事より。

【社会部発】ルームシェア殺人 少ない共通点、重荷に
10月5日8時0分配信 産経新聞

 「首を絞めて殺し、灯油をまいて火をつけました」。警視庁小金井署西国分寺駅前交番に1人の若者が姿を現したのは、9月20日の夕方だった。

 その数時間前。東京都国分寺市のマンション一室から火の手が上がり、焼け跡から首に電気コードを巻きつけられた細井悌司さん(32)が遺体で見つかった。

 殺人の疑いなどで逮捕された坂本貴尚容疑者(21)は、細井さんとルームシェアで同居する間柄だった。年齢が一回り違い、共通点が少ない2人はどう結びつき、なぜ事件に至ったのか-。

 坂本容疑者は平成17年に室蘭工業大学(北海道室蘭市)に入学したが、「声優になりたい」と上京を決意。インターネットの掲示板でルームシェア相手を探した。「こんな部屋でよければ」。細井さんに誘われ、昨年7月に同居を始めた。

 2人を知る男性は「細井さんはきちんとした生活をさせないと親御さんに申し訳ないという気持ちがあったのだろう。よく面倒をみていた」と振り返る。

 坂本容疑者にとって東京は幼なじみもいない見知らぬ土地。アルバイト先も細井さんが働く旅行代理店に求めた。今年4月に大学に休学届を提出。渋谷区の声優専門学校に通い、夢の実現に向けて歩み始めた。

 だが、細井さんは事あるごとに生活態度に口を出し、暴力を振るうこともあったという。知人男性も、坂本容疑者がしかりつけられる姿を度々目にしており、「(細井さんは)とにかく厳しかった…」と肩を落とす。

 自他に厳しい細井さんに対し「まじめで悪く言えば言いなりになるタイプ」(知人男性)の坂本容疑者。家でも勤務先でも顔を合わせ、1日の大半をともに過ごす2人だが性格や趣味の共通点はなく、東京での生活はやがて重荷となっていったようだ。

 そして9月20日早朝。坂本容疑者は寝ていた細井さんの首を電気コードで絞め、室内に火を放った。前夜に激しく口論しており、捜査幹部は「衝動的犯行だろう」と口論が引き金とみている。「生活から抜け出したかったんです」。警視庁の調べに、坂本容疑者は力なく答えた。

 一時の衝動が、大学を休学してまで追い求めた夢を打ち砕いた。その夢を実現させてやりたいと手を挙げた細井さんの人生も奪った。

 選択肢はほかになかったのか。「相談してくれれば方法を考えたのに…」。知人男性のつぶやきが胸に残った。(前田明彦)

最終更新:10月5日8時0分

 価値観も習慣も違う相手と住むのなら、特に、
>事あるごとに生活態度に口を出し
などということは絶対やっちゃいかんでしょう。というか、やれば確実にもめ事の種になる。特に、もし言う側が相手のためを思って、などと独善的なことを考えていれば、言われた側のストレスの大きさになど思い当たらないし歯止めもきかないだろう。
 この手の「口出し」は、親子の間柄でも、言われた側がストレスを溜め続ければ殺人に発展することがあるわけで、他人の間ではよりいっそう気を付けないとまずい部分ではないか。
 どういう生活をしてその結果どうなろうと、その人の人生はその人しか引き受けられないのだから、外からとやかく言うことが間違っている。まあ、他人の人生と自分の人生は別だし、他人の人生を変えられるなどと思うのは、親切心であってもおこがましいということに気付いてもらいたい。
 いずれにしても、誰かの生活態度をとやかく言うような人は、他の人と一緒に住むのがそもそもの間違いだと思う。

東海村へ

Posted on 10月 4th, 2007 in 未分類 by apj

 午後の講義が終わってから山形を発って東海村へ。連休中まで実験。
遅くなりそうだったので、Yahooの路線検索で、終電でたどりつくルートを予め検索しておいたら、宇都宮から在来線に入れという指示だった。終電の1つ前で何とかなったのだけど、上野から常磐線の方がシンプルで楽だったような気が……。
 まあ、何とか、先に来ていたグループ内の人とは無事合流できた。
 中性子の実験はやたらと待ち時間が長いので、ここぞとばかりに溜まってた本を読むつもりでいろいろ担いできたら荷物が重くなってしまった。読むだけじゃなくて書かなきゃならないものも抱えているので、デスクワークが中心になる。
 ところで、中性子の実験はある意味危険である。もちろん、設備やら実験手順はきちんと整備されているから、普通の人が考える意味での危険はないのだが、
待ち時間が多い+出歩かない+外食するしかないが店に行くと大盛りのことが多い+車で移動=数日続けるとデブになるw
という危険が(汗)。

極端に学ばない人は引きこもっていた方が無難

Posted on 10月 3rd, 2007 in 未分類 by apj

 以前、飛騨の人を訴えていた件。
20万円の損害賠償が認められる勝訴判決を得て、相手が何もしなかったので判決が確定した。で、別訴訟で忙しくてちょっと放置していたら、相手がメールを送ってきて、次のような流れになっている。
【最初】
相手:賠償金を支払うので銀行口座を指定してほしい
私:口座番号等を書いた手紙を配達記録で出した
【その次】
相手:こんな手紙じゃなくて正式なものがほしい。弁護士に相談して払うかどうか決める。
私:???。とりあえず裁判所行って確認する、と返事。なお、弁護士に相談しても払わないというオプションは無いことを通告。
【その次】
相手:暫く連絡がないから賠償金を受け取るつもりがないのかと思った。今月中に手続きをしないと受け取る意思がないものとみなすぞ。
私:民法174条の2より、確定判決の時効は10年なので貴方の主張には根拠がない。
【その次】
相手:とにかく正式の文書を送れ。なおこちらの都合によって支払わないこともある。
私:裁判所行って確認する。支払わないなら強制執行になるだけである。
(相手があんまり言うので、もしかして判決送達に何か手違いがあったのかも……?)
【今ここ】
・裁判所に行ったところ、既に判決は相手にも送達されていて、控訴期間が過ぎたのでそのそのまま確定していた。
・正式な文書云々は、相手の想像上のもので、賠償金支払いの根拠は、判決文の送達と確定のみである。裁判所がさらに文書を出すことはない。
・とりあえず、執行文付与と、送達証明書をもらう手続きを本日裁判所で済ませてきた。
・相手には、書面で通知した口座に10月中に支払わなければ強制執行に入ると通知。

 これ以外にも、訴状にいろいろ書かれていて応訴が手間だから無視したの(だったら素直に賠償金出せよ)、時効の計算がおかしいんじゃないかだの(これについては、本来被告が援用するはずのところきちんと訴状で私が説明するという親切設計にしておいた)、山形で訴えられるはずがないと話にきいたのにわけがわからなかっただの(不法行為管轄、民事訴訟法には書いてある)、被告のメールや被告が見ているウェブサイトの情報をのぞき見したことがプロバイダに確認した結果わかっただの(そんなことできるわけがない、プロバイダもそんなことを言うはずがないが……)、わけのわからないやりとりが続いている。

 で、相手は支払いを渋っている、というか支払うかどうかの選択権が自分にあると思いこんでいるっぽい。悪意でそうしているのかと思ったが、どうも、確定判決の意味やら効力やらが本当にわかっていなくて、素でそう信じてる可能性が出てきた。
 弁護士には相談したと言ってるが、それにしては連絡してくる内容がトンチンカンでこちらもわけがわからない。弁護士に相談した内容が現実と大きくずれていたのか、弁護士の回答を全く理解できていないのか、その両方なのか……。

 それで思い出したのが、poohさんのところのエントリのことだったり。
 極端に無知だったり、極端に学ばなかったり調べなかったりする人は、ネットに出て来ないで引きこもっていた方が本人の安全のためじゃないかなぁ。顔見知りならいろんなルートで問題解決ができるかもしれないけど、所属しているコミュニティがまったくかぶらないような場合は、問題解決の手段が法的手段以外に無くなるわけで、そうすると無知なのはかなり不利な結果を招くことになる。
 今回も、多分相手の無知が主な原因で強制執行せざるを得ない状態になりつつあるし。