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東京図書GJ!

Posted on 7月 9th, 2007 in 未分類 by apj

 東京図書から、「実践形式で学ぶSPSSとAmosによる心理・調査データ解析」小塩真司著が送られてきた。見所は中級編で、血液型性格診断のデータをどう解析するかが詳細に述べられている。「悪魔の証明」の難しさについても触れた上で、

「ないこと」は証明できないが、今回のように明確な関連が示されない以上、研究者としては「明確な関連はみられない」と判断するのが妥当なのである。

と結んでいる。

ニセ科学フォーラム

Posted on 7月 7th, 2007 in 未分類 by apj

 ニセ科学フォーラム参加のため上京したが、上京すると他にもいろいろすることがある。
 午前中はまず歯医者へ。かかりつけの先生が大塚で開業していて、ちょっと前から虫歯っぽかったので、来週からの海外出張前にどうにかしておきたい、と思って予約していた。思ったより穴が開いていて抜髄ということになり、麻酔して大穴開けて中をキレイにしてもらった。おかげで顔半分が麻酔でしびれてしまった。まあ、麻酔が切れる時刻がちょうど発表時間なので何とかなるだろうと思いつつ池袋に移動。
 昨日のLOFTの買い物で買い損ねた文具をどこで手に入れるか、特に製図用シャープペンをいろいろ見たいが、と考えていたら「LOFTがダメなら東急ハンズに行けばいいのに」(マリー・アントワネット調)というフレーズが浮かんだので、ハンズに行って用を済ませた。池袋は便利だ。
 麻酔がかかっていて何もかめそうにないので昼食はあきらめて、オレンジジュースのLサイズを買って会場の学習院へ。発表は、ほぼ同じ内容で2回目なので、前回よりはこなれたと思う。自分のメモ用にICレコーダーに録音もしておいた。
 全員の発表が終わったあと、交流会。丸くなってテーブル付き椅子に座って弁当を食べながら意見交換。
 そのあと、2次会というか飲み会へ。そっちも結構もりあがったが、なんだか疲れてきて、デトックスネタになったあたりで
「昔から疳の虫を足裏から引っ張り出すというのはあったから、足裏デトックスを受け入れる下地はその辺からではないか」
「しかし、重金属イオンを引き出すにはしっかり電位をかけないと……」
「それは足裏電解研磨では?」
「軽石以外のもので足裏を研磨したくないし」
 と、だんだんわけのわからない発散した議論になってしまった。

 どうやってニセ科学の問題を普通の人にわかってもらうか、というアイデアをいろいろ伺うことができた。考え方はさまざまなので、むしろ多様な方法があっていいと思う。できれば、今回話をしたメンバー以外に、広く伝える役割を担ってくれる人が出てきてほしい。層が厚くなった方が、いろんなパターンの情報伝達ができて、いい結果につながるのではないかと思う。
 個人的な収穫は、まともにきちんと物を考えている人、いろんな分野で深い知識を持っている人と知り合いになれたということか。一人でできることは限られている。ニセ科学批判の活動をしていて、自分の知らない分野をしっかり押さえている人と知り合えるというのは、私が人から学ぶ機会が増えることでもあり、ありがたいことだと思った。大学の先生なんかしていると誰かから教わるという機会が減りがちだが、本当はそれではいけない。

東京に移動

Posted on 7月 6th, 2007 in 未分類 by apj

 明日の講演のために東京に移動。
到着したのがそれなりの時間だったので、池袋近辺で少し買い物できた。
講演資料は講師が自分で用意することになっているので、230部を大学のリソグラフで印刷し、自分でホチキス留めして作った。スライドをまとめたものだが、ちょっと読みにくい部分ができてしまった……。

座長断った

Posted on 7月 4th, 2007 in 未分類 by apj

 秋の物理学会の座長依頼が来たけど断るしかなかった。同じ日程で、日本化学会の東北地方大会が山形大であって、ウチの学科は世話役しないといけないんで、私、そもそも秋の物理学会に参加もできないし。今回だけは無理ぽ。

【判決】平成19年(ワ)第140号 損害賠償請求事件

Posted on 7月 3rd, 2007 in 未分類 by apj

 飛騨の中の人を訴えていた件で、判決が来た。

主文 
1 被告は、原告に対し、20万円及びこれに対する平成19年4月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する
3 訴訟費用は、これを15分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。

 理由を読んだところ、きわめて妥当な判断がなされたと考えられる。名誉毀損を認めた上で、私が、被告とのやりとりのページを公開したことも考慮した上で、その公開がきっかけであったことを差し引いての認定という形になっている。つまり、やりとりを公開したことが、ある程度対抗言論となっているとみなされたのではないかと思う。ウェブでの表現や議論は、極端な中傷や個人攻撃としてエスカレートしない限り、対抗言論でもってお互いに名誉の回復を図るのが健全だろう。何でもかんでも訴訟で解決するという考え方になってしまうと、司法は機能しているが、コミュニケーションは最初から不能あるいは壊れている、ということになるので、社会としてはまずいだろう。また、今回の提訴で私が一番裁判所に認めてもらいたかった、大学に対する名誉毀損については、理由中に、

なお、これらのうち、被告がお茶の水大学ホームページ運営委員会に対して電子メールを送信したものについては、特定かつ少人数に対してされたものとして公然性の観点から名誉毀損の成否が一応問題となり得るが、特に読者を限定しない形で私立大学内の委員会組織あてに送られた電子メールの内容は、他者に伝播する可能性は十分に存すると認められることから、名誉毀損が成立するものと認められる。

 という判断がなされた(お茶の水大は国立大学法人だが、まあこの部分は常識的に考えて、国立私立を問わず成立すると考えられるだろう。)。実は、飛騨の中の人を訴えた理由のかなりの部分が、これを裁判所に認めさせたいという点にあった。告発系のウェブサイトを大学内に作ると、大学宛のクレームというのが当然やってくる。そのクレームに、好き勝手なことを書いて発信者の名誉を毀損してはいけない、ということで、「大学に何でもいいからとりあえず文句を言えば何とかなるんじゃないか」という安易な考え方に対して、一定の歯止めをかけることができるのではないかと理解している。

【追記】判決全文をアップした。なお、賠償金額20万円というのは、飛騨の人が示談金と称して要求してきた金額そのものでもある。何だかシャレのわかる裁判官というかブーメラン判決というか……。

女だというだけでこんなのと一緒にされたくない件

Posted on 7月 2nd, 2007 in 未分類 by apj

 東村山市民新聞がとてつもなく痛いことになっているようです。
 まとめはこのへん
 元性風俗ライターの市会議員が、当選前の職業を理由に、女性市議から辞職を迫られている件。
 性風俗マニアだったということにして、慰安婦問題と関連させて辞職を迫っているが、出ていた性風俗関連の映像って、ライターとしての仕事の一部だろうと……。女性市議はしきりにマニア云々とレッテルを貼ろうとしているが、これは単にその手の発言を期待される立場の職業人として言っただけじゃないのかと。私には、朝木直子氏(東村山市議、東村山市民新聞編集長)と、矢野穂積氏(東村山市議、東村山市民新聞発行人)が、薄井氏に対して名誉毀損を行っているだけにしか見えないのだが。
 性風俗ライターをすること自体は犯罪でも何でもないし、世の中に性産業がある以上、それに特化したジャーナリストが居ても別におかしくない。議員として誰かにセクハラしたのなら別だが、議員になる前の性風俗ライターとしての仕事そのものが、辞職云々という話になるのはどう考えてもおかしい。

 民主国家というのは、誰でも政治に参加でき、その機会が過ぎると誰でも一市民に戻る、というのが前提ではなかったのか。そんな基本的なことも理解しようとせず、過去の職業であった性風俗という単語にだけヒステリックに反応し、本来なら市政を行うのが業務の筈の市議が、別の市議の足を引っ張る仕事に熱中するというのはどう見てもおかしい。

 今日の最初のエントリ「ストローマン (straw-man argument)」の実物見本を現役市議がやっている、という例で、なかなか興味深いというか強烈である。

 彼女達を批判すると、薄井さんの仲間の『セクハラ支持ネットオタク』に載せてもらえるそうなんだが、ココも載るかな?ac.jpでやるのはけしからんとか何とか言い出すかな?

【追記】
Yahoo!ニュースに記事が来た。

東村山市議:元風俗誌編集、ネットの発言巡り波紋 /東京
7月2日14時0分配信 毎日新聞

 ◇市議2氏、セクハラと辞職求める/市民団体、職業差別と2氏を批判
 東村山市の男性市議が過去に風俗誌編集者として発言した内容を巡り、市議2人から「セクシュアルハラスメントに当たる」と辞職を求められていることが分かった。一方、性風俗産業の労働者を支援する団体は「風俗業への職業差別だ」と市議2人に反発、近く文書で抗議する構えで、波紋が広がっている。
 辞職を求められているのは、無所属の薄井政美市議(44)。毎日新聞記者や風俗誌編集者などを経て、市内の再開発を巡る住民投票運動にかかわり、4月の市議選で初当選した。
 薄井市議は選挙前の今年初め、インターネットのアダルトサイトに出演し「人妻は体をほめろ」などと発言。この動画が当選後も同サイトにアップされていた。これに対し、朝木直子市議(39)が5月末、任期開始後の継続的な女性べっ視発言だとして、人権侵害を理由に条例に基づき辞職勧告決議を議長に求めるよう市長に申し出た。同じ会派の矢野穂積市議(59)も自身が発行する地域紙で「超セクハラ市議」などと批判した。
 両市議の言動に対し、性風俗産業の労働者の健康や安全を訴える市民団体「SWASH(スウォッシュ)」の要友紀子代表(31)は「薄井氏の発言は特定の風俗利用者に向けた過去のもの。それをセクハラとして辞職を求めるのは職業差別だ」と批判する。同団体は今月21日、抗議文をホームページ(HP)上に掲載。近く両市議に郵送する。抗議への賛同人は宮台真司・首都大学東京教授、武者小路公秀・元国連大学副学長など約220人に上っている。
 両市議は地域紙のHP上で「市議の任期開始後の(動画での)言行が問題の核心」「職業差別と議論をすり替えたうえで抗議するのは筋違い」などと反論している。
 動画は管理会社が6月下旬削除した。薄井市議は「申出書の審査を控えているので見解は控えるが、今後何らかの対応はする」と話している。【伊藤直孝】

7月2日朝刊

 一体どっちが名誉毀損なんだよ……。あと、職業差別云々だけじゃなくて、民主国家の根幹に関わる部分を理解していないってところも突っ込んでくれ。

ストローマン (straw-man argument)

Posted on 7月 2nd, 2007 in 未分類 by apj

 ハーバード大学医学部留学・独立日記のエントリ「ストローマン (straw-man argument)」より。

Wikipedia “Straw man”より

ストローマン (straw-man argument)とは、議論において対抗する者の意見を歪めて、それに基づいて反論するという誤った論法、あるいはその歪められた架空の存在自体を指す。語源は仕立て上げられた架空の存在を藁人形に見立てたことから。

ストローマンの手順

・相手の意見を歪めた説明を相手が提示したものとして引用する。
・これに対する自らの反論を示し、論破されたものと扱う。
・相手の意見に同調する不完全な擁護意見を持ち出し、充分な主張・再反論がされたように見せかける。
・批判されて当然である(本来無関係でも一見関係のありそうな)問題や考え方を創造し、さも相手側の意見はこれを象徴するものとして強く非難する。

簡単な例:
A氏「私は子どもが道路で遊ぶのは危険だと思う。」
B氏「そうは思わない、子どもが外で遊ぶのは良いことだ。A氏は子どもを一日中家に閉じ込めておけというが、果たしてそれは正しい子育てなのだろうか。」

 「藁人形」のニュアンスが日本と向こうじゃだいぶ違うが、この手の議論のパターンが存在することはよく知られている。

シャープペン

Posted on 7月 1st, 2007 in 未分類 by apj

 最近、シャープペンを買おうとすると、グリップの部分にラバーやゲル状素材をかぶせたものがほとんどになっている。しかも、手が疲れないという理由でやたら太い。手に合う人がたくさんいるからそうなっているのだろうけど、私は太すぎるものは書きにくいので、普通程度のものを選んで買っていた。しかし、国内メーカーのものに、柔らかめのラバー素材をかぶせたものが増えてきて、使いたいものがほとんど見当たらなくなってしまった。仕方がないので、製図用のrotring製のものや、STEADLERのものを選んで買ってきて使っている。FABER-CALTELLが出しているものは、ラバーが入っていても固めなのでそこそこ使いやすい。一方、ゲルを使ったと称するものは、握っても握った中でペン自体がぶよぶよふらふらする感じで、ちょっと使う気がしなかった。誰か、握って柔らかい感触のペンが好きな学生さんがいたら譲っちゃおうかなぁ……。

公開講座で話をした

Posted on 6月 30th, 2007 in 未分類 by apj

 午前中、数理の翼で話をする内容について打ち合わせ。
 午後から、京都女子大学の公開講座「市民のための科学リテラシー入門 ニセ科学にだまされないために」で話をしてきた。今回は「水商売ウォッチングの現場から」ということで、何がきっかけでサイトを作り始めたか、変な宣伝文句を批判していくうちに見えてきたこと、間違った科学に基づいて製品の評価をして販売すると、被害が発生したときに装置のせいではないことの説明が難しくなって企業にとっても危険だといったことを入れた。
 講演終了後の交流会で、聴講者に消費生活相談員の方が大勢いらしていたことがわかった。浄水器やマイナスイオン製品の相談が頻繁にやってきているらしい。
 また、以前、波動転写機を売りつけられかかって相談メールを送ってこられた友澤さんのゆかりの滝本行政書士事務所の方もいらしていて、お菓子をいただいてしまった^^)。
 さらに二次会に行ったのだが、終電になりそうで、途中で切り上げて一旦東京に戻った。

いろいろ準備

Posted on 6月 29th, 2007 in 未分類 by apj

 午前中出勤。午後から西に向かって移動……のため一旦東京に移動。
 東京の弘中絵里センセんとこでちょいと相談事(内容は秘密です)。
4冊セット差し替えCDROM付きの民事訴訟書式集を見て、マニア心をくすぐられまくりでとっても欲しくなったんだけど……。結構高いらしいし、定期的に改訂されたところの差分を送ってくれるという、一度売りつけてメンテでも儲けるというビジネスモデルで販売されているものらしい。一般人が買っても元はとれないだろうなぁ、絶対。
その後東京から京都に移動。明日の講演のスライドをまとめている。
 何か山形で土砂降り、東京でも降ってて気温が高くて汗だく、京都は雨は止んでたがいかにも湿度が高くて不快。梅雨だなぁ。