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取材があって驚く

Posted on 4月 18th, 2007 in 未分類 by apj

 飛騨の中の人を訴えている件で、口頭弁論も始まってないのに、地元の新聞記者から電話取材があって驚いた。裁判所を定点観測していて気付いたらしい。私としては、法律的には何の目新しさもないきわめてありふれた名誉毀損訴訟のつもりでいたので、話題性は皆無だと考えていた。記者さんの話だと、山形地裁の損害賠償請求訴訟は年に二十件ほどあるが名誉毀損はかなり珍しいということだった。
 以前から書いているように、法的紛争は近代社会における個人の自立の証であるというのが私の考えである。つまり、紛争は普段の生活の延長線上にあるべきだと思っているので、芸能人や政治家でもない一般人同士の法的紛争が、地方限定とはいえマスコミのネタになるというのは、かなり違和感を持ってしまう。まして、先日、判決が確定した環境ホルモン濫訴事件で、原告が行きすぎたプレスリリースを出した(かなり見苦しい振る舞いを)見ているわけで……。
 でもまあ、ネットがらみの名誉毀損が珍しい、山形にはそんなに事件がない、ということを言っておられたので、もし記事にするなら、「ネットは怖い」という煽りはやめてほしい、「とんでもない人に関わった」という被告攻撃系の内容もやめてほしいと伝えた。その上で、
・ネットが社会に入って来たが、未だ過渡期で、昔なら法的紛争にならなかったものが紛争になるケースが出てきている。
・今回のも、限られた地方の中だけでの出来事だったならば、裁判所にまで話が行かなかったかもしれない。実際、被告との面識は全くない。
・個人と公人の区別、私信とは何かという区切りについてなかなか合意がとれず、トラブルの原因になっている。
・情報発信は、法的紛争まで含めて考えるべき時期にきている。
・「水商売ウォッチング」のような、理由無しに内容変更や削除ができない、脅したりごねたりする相手の言いなりになったが最後成立し得ないコンテンツを作っている場合には、特に紛争まで視野に入れる必要がある。
・名誉毀損訴訟の立証責任の配分は、「公然と」名誉毀損できるのが例えばマスコミなどの力のある団体、名誉毀損される側が政治家など、というパターンが続いた時代から変わっていない。個人対個人の名誉毀損が技術的に可能な時代になったのだから、少し変わる方がいいのかもしれないが、まだその動きは法曹にはない。
・プロバイダ責任制限法の考え方からすると、実際に情報を公開している人間が特定できたら直接当事者で解決すべきところ、今回は事実上「発信者情報開示済み」であるにも関わらず、大学(=お茶の水大)に対して削除要求が送られ続けた。大学を紛争から切り離すためには、民事の時効が来る前に私の方から提訴して、まずは相手の責任をはっきりさせる以外に方法が無かったという面がある。
・コミュニケーションのあり方について、従来は声が大きかったり単にしつこかったりする人の主張が通るという文化(?)があったが、ネットになってそれが変わった。紛争の原因として、一種の文化摩擦が(わりと広く)存在するのではないか。
 こんなことを話してみた。
 記事にするとき私の名前を匿名にしようかと言われたが断った。既にさんざん実名でネットで話題になったもめ事の、いわば最終処理なわけで、今更私の名前を匿名にしたって何の意味もない。紛争自体にニュースとしての価値があるとはとても思えないが、ネットの普及によって違う文化が共存せざるを得ない状態になったという視点から記事にしてもらえるのであれば、ネットとどう付き合っていくかという理解が深まるだろうとは思う。今更ネットのない時代に逆戻りはできない。記事にするかしないかも含め、あとは記者さんの判断にお任せするしかないですね。

キャンベル「生物学」など

Posted on 4月 17th, 2007 in 未分類 by apj

 黒影さんのところでも話題になっているキャンベル「生物学」の訳本を思い切って購入した。非専門家が手もとにおいてリファレンスにするには、The Cellでは分子生物学に偏りすぎだし、高校レベルの資料集だと足りない場合も多い。生協で見かけたので中身も確認できて、これならば、と思って買ってしまった。水がらみの話をしていて生物学の知識が必要なこともあるわけで、生理学もカバーする生物学の進んだ本が欲しかった。
 感染症関連のことを調べるのにブラック「微生物学」を持っているから、これでほぼ大丈夫、と思ったらブラックの方は第二版が出てる(汗)。鳥インフルエンザの件もあるし、最新版を買った方がいいのかなぁ。何せ、パンキョーやってると何訊かれるかわからんから、ある程度広く浅く調べる手段を持ってないとどうにもならない。
 今年臨時で担当している熱力学のための、読み比べ用の本として「熱力学の基礎」清水明著(東大出版会)を買ったがなかなかよさげ。これを機に自分ももう一回勉強し直しておくつもり。

国連国際人権規約

Posted on 4月 16th, 2007 in 未分類 by apj

 一応あちこちで使いそうな資料なのでメモ代わりに。国連国際人権規約

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約
(A規約)
第三部

第六条
1 この規約の締約国は、労働の権利を認めるものとし、この権利を保障するため適当な措置をとる。この権利には、すべての者が自由に選択し又は承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利を含む。
2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためとる措置には、個人に対して基本的な政治的及び経済的自由を保障する条件の下で着実な経済的、社会的及び文化的発展を実現し並びに完全かつ生産的な雇用を達成するための技術及び職業の指導及び訓練に関する計画、政策及び方法を含む。

第七条
 この規約の締約国は、すべての者が公正かつ良好な労働条件を享受する権利を有することを認める。この労働条件は、特に次のものを確保する労働条件とする。
(a) すべての労働者に最小限度次のものを与える報酬
  (i) 公正な資金及びいかなる差別もない同一価値の労働についての同一報酬。特に、女子については、同一の労働についての同一報酬とともに男子が享受する労働条件に劣らない労働条件が保障されること。
  (ii) 労働者及びその家族のこの規約に適合する相応な生活
(b) 安全かつ健康的な作業条件
(c) 先任及び能力以外のいかなる事由も考慮されることなく、すべての者がその雇用関係においてより高い過当な地位に昇進する均等な機会
(d) 休息、余暇、労働時間の合理的な制限及び定期的な有給休暇並びに公の休日についての報酬

第八条
1 この規約の締約国は、次の権利を確保することを約束する。
(a) すべての者がその経済的及び社会的利益を増進し及び保護するため、労働組合を結成し及び当該労働組合の規則にのみ従うことを条件として自ら選択する労働組合に加入する権利。この権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序のため又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。
(b) 労働組合が国内の連合又は総連合を設立する権利及びこれらの連合又は総連合が国際的な労働組合団体を結成し又はこれに加入する権利
(c) 労働組合が、法律で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序のため又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も受けることなく、自由に活動する権利
(d) 同盟罷業をする権利。ただし、この権利は、各国の法律に従って行使されることを条件とする。
2 この条の規定は、軍隊若しくは警察の構成員又は公務員による1の権利の行使について合法的な制限を課することを妨げるものではない。
3 この条のいかなる規定も、結社の自由及び団結権の保護に関する千九百四十八年の国際労働機関の条約の締約国が、同条約に規定する保障を阻害するような立法措置を講ずること又は同条約に規定する保障を阻害するような方法により法律を適用することを許すものではない。

第九条
 この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める。

第十条
 この規約の締約国は、次のことを認める。
1 できる限り広範な保護及び援助が、社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し、特に、家族の形成のために並びに扶養児童の養育及び教育について責任を有する間に、与えられるべきである。婚姻は、両当事者の自由な合意に基づいて成立するものでなければならない。
2 産前産後の合理的な期間においては、特別な保護が母親に与えられるべきである。働いている母親には、その期間において、有給休暇又は相当な社会保障給付を伴う休暇が与えられるべきである。
3 保護及び援助のための特別な措置が、出生の他の事情を理由とするいかなる差別もなく、すべての児童及び年少者のためにとられるべきである。児童及び年少者は、経済的及び社会的な搾取から保護されるべきである。児童及び年少者を、その精神若しくは健康に有害であり、その生命に危険があり又はその正常な発育を妨げるおそれのある労働に使用することは、法律で処罰すべきである。また、国は年齢による制限を定め、その年齢に達しない児童を賃金を支払って使用することを法律で禁止しかつ処罰すべきである。

第十一条

1 この規約の締約国は、自己及びその家族のための相当な食糧、衣類及び住居を内容とする相当な生活水準についての並びに生活条件の不断の改善についてのすべての者の権利を認める。締約国は、この権利の実現を確保するために適当な措置をとり、このためには、自由な合意に基づく国際協力が極めて重要であることを認める。
2 この規約の締約国は、すべての者が飢餓から免れる基本的な権利を有することを認め、個々に及び国際協力を通じて、次の目的のため、具体的な計画その他の必要な措置をとる。
(a) 技術的及び科学的知識を十分に利用することにより、栄養に関する原則についての知識を普及させることにより並びに天然資源の最も効果的な開発及び利用を達成するように農地制度を発展させ又は改革することにより、食糧の生産、保存及び分配の方法を改善すること。
(b) 食糧の輸入国及び輸出国の双方の問題に考慮を払い、需要との関連において世界の食糧の供給の衡平な分配を確保すること。

第十二条
1 この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。
2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、次のことに必要な措置を含む。
(a) 死産率及び幼児の死亡率を低下させるための並びに児童の健全な発育のための対策
(b) 環境衛生及び産業衛生のあらゆる状態の改善
(c) 伝染病、風土病、職業病その他の疾病の予防、治療及び抑圧
(d) 病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するような条件の創出

第十三条
1 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。
2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。
(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
(d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。
(e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。
3 この規約の締約国は、父母及び場合により法定保護者が、公の機関によって設置される学校以外の学校であって国によって定められ又は承認される最低限度の教育上の基準に適合するものを児童のために選択する自由並びに自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。
4 この条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行なわれる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。

第十四条
 この規約の締約国となる時にその本土地域又はその管轄の下にある他の地域において無償の初等義務教育を確保するに至っていない各締約国は、すべての者に対する無償の義務教育の原則をその計画中に定める合理的な期間内に漸進的に実施するための詳細な行動計画を二年以内に作成しかつ採用することを約束する。

第十五条
1 この規約の締約国は、すべての者の次の権利を認める。
(a) 文化的な生活に参加する権利
(b) 科学の進歩及びその利用による利益を享受する権利
(c) 自己の科学的、文学的又は芸術的作品により生ずる精神的及び物質的利益が保護されることを享受する権利
2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、科学及び文化の保存、発展及び普及に必要な措置を含む。
3 この規約の締約国は、科学研究及び創作活動に不可欠な自由を尊重することを約束する。
4 この規約の締約国は、科学及び文化の分野における国際的な連絡及び協力を奨励し及び発展させることによって得られる利益を認める。

 でもって、「批准151カ国中、この条項を留保しているのはマダガスカル、ルワンダと日本だけ」「高等教育予算は国内総生産(GDP)比で約0.5%と経済協力開発機構(OECD)諸国平均の半分」だそうで、ソースはここ
 まあ、批准しないならそれでもいいが、それが恥だってことくらいは自覚して、「先進国でござい」って顔で出てって常任理事国目指したりするな、分をわきまえてろと。

教員天下り推進案

Posted on 4月 16th, 2007 in 未分類 by apj

 教育再生会議がまたアホな提案をしているようです。元記事が消えてるんですが……。

また大学教員の給与についても、60歳以上で2割、63歳以上で3割それぞれカットし、実績のある若手に手厚く配分する仕組みを求める。

 つまりあれだ、給料を確保するためには半分天下りせよということだな。今でも「元大学教授」「名誉教授」「○○博士」の肩書で怪しい製品の広告に宣伝してる奴等が一杯いるわけだが、それをさらに助長しようという政策にしか見えん。カット分を、元の作業量をあまり変えずに稼ぐには、怪しくてもいいから企業に手を貸すのが手っ取り早い。60-65歳なら、多少後ろ指さされようが、もう異動を考えなくてもいいので、「評判」という抑止力は働かないだろう。この案が通れば「変な製品宣伝に登場する60歳以上の現職大学教授」が一気に増えそうな予感がする。

いまさらN88BASIC

Posted on 4月 12th, 2007 in 未分類 by apj

 学生実験でプログラムの体験をしてもらっているのだが、使用言語が歴史的理由でN88BASICだという……。まあ、2日で簡単な計算をしてもらうとなると、あんまりややこしい物は教えられないし、ループだとか条件分岐だとか、基本的な要素がわかって、一応簡単なグラフも出て動いた実感もつかめるから、複雑でないことがかなり大事だったりする。
 実験データの簡単な計算なんかをどうやるかという体験をしてもらうのが主目的なので、何でやってもいいんだけど。本格的にやるならFORTRAN使うかC(やC++)を使ったりということになるんだろうけど。

 いや、とうとう実習用のNECのPC-9801シリーズが動かなくなったので、Windoswで動く互換BASICをいじっているところだったりするわけで。

人多すぎで教室変更

Posted on 4月 11th, 2007 in 未分類 by apj

 今学期だけローテーションで回ってきた共通教育総合分野の講義、今日から開始なので指定された教室(130人ほど)に行ってみたら、廊下にまで人が溢れていた。立ち見の人、ざっと60人( ロ)゚ ゚
 総合ってこんなに受講者多かったっけ、でもまあ200枚のくじを作って130人を選んでいたら90分経ちそうだしなぁ……ってことで300人規模の部屋が空いてるか、事務に走っていって確認、変更可能だったので全員1階から2階へ移動となった。急だったので移動したことを黒板に書き忘れたもんだから、帰っちゃった学生さんもいるかもしれないので、後から掲示して対応しないといけない。移動したことを察知してやってきた勘の良い学生さんもいたんだけど。
 しかし、「科学とニセ科学を考える」なんてタイトルつけたのがいかんかったのか(汗)。学生は「あるあるの効果で関心が高まってるのかなぁ」とコメントしていた。ルーチンでやってる教養の化学Aでもニセ科学の話題は扱ってるが、そっちを去年受講した人も来てるので、そうそうネタかぶりはできんし……。

今日はガイダンス

Posted on 4月 9th, 2007 in 未分類 by apj

 本日はガイダンスの日。学年別に集合させて、学務からの説明の後学科の説明をして、理学部改装工事に伴う変則開講の説明をして……午後後半は担当する1年生を部屋に呼んで、コーヒーを出しつつ時間割表作りをやる。1年生、朝からいろんな人の話をきかされて大変そうだが、めげずに夕方には時間割を組んで解散した。
 講義開始が明日からだから、今晩中には決めないと、受講届けが出せないんだよなぁ。ガイダンスが金曜日だと、土日ゆっくりとシラバスを見て、何を履修しようか考えることもできるのだが。

忙しい中で吹いた

Posted on 4月 8th, 2007 in 未分類 by apj

 パンキョーの資料作りがなかなか進まなくて土日を潰してるわけだが、それでも一応投票に行ったりしてた。で、mixi見てたら思わず吹いた。
 「若い女性が体目当ての男と付き合って云々……」というシチュエーションは、まあ、漫画でもドラマでも現実でもそうそう珍しい話ではないのだが、これに対するオバ(=年配女性)の立場からのつっこみ文句で「目当てにしてもらえる体があるだけ、 よくね?」というのを見てしまい、思わず、ごもっとも……と呟きつつ吹いた私が居ましたよ。その発想はしなかったなぁ。他のバリエーションとしては「金目当て」の場合に「目当てにされる金があるなんてよくね?」だそうで。うーむやはり持たざる者から見るとそうなるわな。
 そしたら、戸籍係経験者曰く「カラダ目当てなんて可愛くてマシな方、配 偶 者 資 格 目 当 て ではなくて幸せだと思いますが何か?(笑) 」orz。何でも、怪しげ国際結婚が山ほどあるらしい。現実の方がとっくに斜め上を行ってる気がしてきた。

 マイミクさんの日記を見てたら、F尺度のテストが紹介されていたのでやってみた。結果はこんな感じだった。
あなたのF尺度 は: 2.5
あなたは『自由主義者』です。 自己中心的、相対主義、即時志向、感覚主義、快楽志向が特徴です。

因襲主義: 中産階級の諸価値に対する執着。 2
権威主義的従属: 内集団の理想化された道徳的諸権威に対する無批判な態度 2.5714285714285716
権威主義的攻撃: 因襲的な諸価値を侵犯しようとする人々を探し出し、非難し、拒絶し、処罰しようとする傾向性 2.125
反内省性: 主情的で、想像力に富んだ、柔軟な考え方への敵対 1.75
迷信とステレオタイプ: 個人の運命について神秘的な規定要因を肯定しようとする信念。 固定したカテゴリーで考えようとする専有傾向。 2.5
権力と「剛直」: 支配者-服従者、強者-弱者、指導者-追随者、という思考枠組みへの先入観。権力をもった人物への一体化。 自我の因襲にとらわれた諸属性を過度に強調すること。 強さとタフネスについての誇張された主張。 2.125
破壊性とシニシズム: 人間的なものに対する一般化された敵意と誹謗。 5
投影性: この世の中には野蛮で、危険なことがらが横行していると信じたがる傾向。 無意識の情緒的衝動の、外界への投射。3
性: 性的「現象」についての誇張された関心 2

 まあ、権力は逆らうためにあり、権威は攻撃をしかけて潰すためにある、ってスタンスで暮らしている私としては、妥当な結果というべきなのかなぁ。よくわかりません(笑)。
 注意書きとして、「F尺度のFは『ファシスト』のFです。F尺度の高かった人は変な政党に入党しないように気をつけてください(笑) F尺度の信頼性は統計学的に90%程度とかなり高いらしいです。(昔の話ですが) アドルノF尺度について興味のある人はアドルノ著「権威主義的パーソナリティ」を読んでみてください。」とある。手軽に読めるなら、とamazonで調べたんだが、8400円は高すぎる……。

推薦入試やAO入試はいい加減にやめた方がいいのでは

Posted on 4月 7th, 2007 in 未分類 by apj

asahi.comの記事「入学前補習、大学で当たり前に 中学校レベルも」(2007年04月07日13時55分)より。 

多くの大学では来週から本格的に授業が始まるが、新入生に入学前から補習する「入学前教育」が今や普通の光景になっている。面接中心で合否を決めるAO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試が広がり、学力試験を受けない新入生が増えたことが直接のきっかけで、学力低下への危機感が背景にある。予備校講師を招いての基礎集中講義、インターネットを使った英語の復習など内容は「充実」する一方だ。

大学入学前に講義を受ける高校生たち。私語も少なく、表情は真剣だ=埼玉県上尾市の聖学院大で
 「この課題について、皆さんが自由に感想を述べて下さい」

 埼玉県上尾市の聖学院大。リポートを書く力を養う「文系国語表現力基礎」を講義したのは、現役の予備校講師だ。高校3年の男子生徒(18)は「細かく教えてもらえてわかりやすい」。「基礎数学完成」の初回では、中学レベルの基本的な計算を復習した。

 3月末まで続いた同大の入学前教育は、英語と数学、国語にコンピューター教育の4教科。1コマ90分の授業を1日に4コマが基本で、全教科を受けると、午前9時から午後5時近くまでと高校並みだ。

 教員の間で、98年ごろから新入生の学力低下が話題になり始めた。「辞書が引けないとか、大学で学ぶためのスキル(技術)がない学生が目立ってきた。大学教育とは切り離し、まず基礎学力を、となった」(山下研一広報センター所長)。00年のスタート時は、推薦入試や、AO入試の合格者だけが対象だったが、一般入試で学力試験を経た新入生も加えた。

 東京電機大は02年に一部の学部で導入し、今は全学部が推薦入試やAO入試の合格者向けに実施している。前年秋の合格から入学までの期間が長いため、「学力維持」が目的の一つだ。

 工学部では、年明けから入学までの3カ月間、高校の学習内容を復習。数学では通信添削を採り入れ、英語ではインターネットを活用する。IDとパスワードを入学予定者に与え、ネット上の学習プログラムにアクセスしてもらう。

 教材の作成から指導まで大学教員が積極的にかかわり、入学予定者の9割が参加した。工学部事務部の篠澤篤課長は「一定の質を保証して学生を卒業させるのが大学の使命。今後も続けていかなければ」と話す。

 国立大も例外ではない。02年度入学者から始めた東北大工学部は、AO入試の合格者が対象で、狙いはやはり「モチベーション(やる気)の維持」。今春の入学予定者の参加率は、数学物理学演習と工学英語で9割を超えた。

 大学で勉強するのに何が必要かというと、基礎学力と勤勉さ(あるいはダントツの要領の良さ)に決まっている。学力試験をすれば、基礎学力もわかるし、そこに到達するまでにどの程度勤勉にあるいは要領よく勉強してきたということも大体わかる。ところが、入試の多様化の掛け声で推薦入試やAO入試をやり、必要条件である学力を十分にテストせずに入学させるケースが増えた。そりゃ、入ってからどうにもならなくなるのは当たり前だろう。
 推薦入試やAO入試は、本人が入ってから大変だというだけではない。大学と高校の両方にとってもマイナスな面が多い。
 推薦入試は学力試験の前期日程よりも早く始まるし、学力試験のような対策もたてにくい。ただでさえ受験指導に忙しい高校の先生にとっては、受けさせるのに手間がかかる。もし推薦入試で落ちた場合、当然受験生はめげたり落ち込んだりするし、推薦をアテにして勉強しいた場合は調子も狂うから、私立の試験や国立の前期日程に向けてやる気や勉強のペースを維持するための余分な指導が必要になる。また、今の入試は受験産業によってかなりのところまで合否を予測できるようになっているが、推薦入試は合格する人数が少ない分、年によって難易度の変動幅が大きく、予測が難しい。
 大学にとっては、推薦入試のために学力試験とは別の問題を作ってブラッシュアップしなければならなくなる。さらに、入試のために教員を貼り付けることになる。推薦で学力試験で取るよりいい学生が来てくれるかというと、そのことについては何故かみんな黙っている。さらに、大学受験の競争倍率が下がりつつあるという現実がある。対応しにくい試験をしたら、受験生に敬遠されて、競争倍率の低下に直結することになる。
 山形大学でも、今年は志願者数が減ったために上の方では対策を話し合ったらしい。ウチの場合は、前期日程でも小論文やら面接試験やらをしている学科があるのだが、まずは試験を普通の学力試験に変えない限り、どんな対策を話し合っても無駄だと思う(もう1つは、入った後で得られるものが「お買い得品」だとわからせることか)。予測と対策の効かない入学試験は嫌われるのが当然である。受験生にとって結果が予測しやすく、他の大学を受けるための対策と同じ方法が使える学力試験であれば、受けてみようかと思ってくれる人が増えることが予想される。受験生確保のために推薦入試などやめてはどうかと言ってみたのだが、どうも、文部科学省の意向でそれはできないらしい。国家一種に合格した官僚なら、大学で必要なのは基礎学力だとわかりきっているはずなのに、大学に対しては学力以外の部分を見て学生を入れろと強制するつもりらしい。一体何を考えているのか。
 学生は入ってから学力不足で苦労する率が高くなり、高校は結果が予想できなかったりで指導が大変だし、競争倍率低下に悩む大学にはさらに競争倍率の低下をもたらすのが推薦入試ではないのか。誰の得にもならないような制度を続けてどうするのだろう。大学入試は1、2回に分けての学力試験のみの形に戻すべきだと考える。

話し合いがついた

Posted on 4月 6th, 2007 in 未分類 by apj

 着任した直後に、大学の名前を使った宣伝がなされていると通報されて、ネットで事情を公開していた(株)ケイエイアイ(現・オサリティ)の大城社長と話し合い。
 宣伝パンフレットを見たら、まだマイナスイオン大流行の影響が残っているが、「健康にいい」といった類の宣伝はすっかり姿を消し、装置の製造元も変更され、放電型の空気清浄機として販売していることがわかったので、ウェブサイトの方を書き換えた。まあ、一部表現がまずいところは赤を入れてパンフレットを返したのだけど。
 もう大学の名前が使われることはないだろうし、ネット販売のルートで測定結果が出回って別会社に使われる可能性もほとんどないと思われる。
 暫く会わない間に、危険でない微量のオゾンが出来ることは別途測って確認していたし、オゾンの作用で脱臭効果や抗菌効果があるという宣伝になっている。血液サラサラの話も無くなっていた。まあ、健全に商売してくれるのなら、地方大学の職員としては地元企業が活発にやってくれる方がいいわけで、まったり見守りたいと思う。
 1つ面白いと思ったのは、湿気の元になるような水を入れたコップなどを置いて十分時間が経ってから湿度を測り、その後コロナ放電装置を動かすと、湿度が40%程度に上昇するという話である。また、放電型の「マイナスイオン発生装置」は、ある程度湿度が無いと動作させてもイオン測定器にカウントが出ないということだった。自分で実験したわけではないので何とも言えないが、本当であれば、空気あるいは飛んでくる水蒸気を帯電させることで、空気中に滞留する水の量が変わるということになるなので、面白い現象だと思う。これについては、乾燥対策には有用だろうが、原理については無理に説明しようとするとウソになってしまうので、きちんと測った測定結果だけ使って宣伝してはどうかと提案しておいた。イオン発生量が湿度に依存するのであれば、加湿器のみで静電気対策をして部屋全体を湿っぽくしてしまわず、湿度をコントロールしながら放電装置を動かすという方式による静電気対策というのも有りかもしれない。