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ラジオの電話取材があったので受けました

Posted on 4月 5th, 2007 in 倉庫 by apj

 ラジオの電話取材があったので、今日の午前中は水の話をしていた。主なターゲットが年配の科学には詳しくない方だということで、以下のような内容を丁寧に話した。所属と肩書付きで出るので、大学教員としての営業活動の一環かなぁ。

・水は人間にとって必要だが「健康にいい水」は存在しない。一方、毒物や病原菌などが混入した健康に悪い水(安全でない水)は存在する。
・水関連の宣伝の9割は間違い。
・クラスターの小さい水がいい、というのはデマ。
・塩素殺菌は、感染症を防ぐために必要。使ったことによるメリットは大きい。一方、(水道水を)そのまま飲んでも寿命に及ぼす悪影響は小さい。例えば、タバコを止める方がずっと効果的。
・どうしてもカルキ臭が気になる場合は、蛇口のところにホームセンターで売っている数千円の活性炭入り浄水器をつけるか、氷水にしてレモンを一切れ浮かべて飲めばよい。
・高度処理水を提供している水道局のある地域では、水は基本的においしくいただける。
・井戸水については、場所毎に状況が違うので水質検査も含めた個別対応になる。
・還元=いいこと、ではない。人間の体の中では酸化も還元も起きていて、私達は生きていられる。二分法で善悪をわけてはいけない。
・活性酸素は必要。感染症と戦う武器である。もし本当に活性酸素を消去する水があったら、風邪引いた時に飲むと症状悪化は確実。現実にはそんな効果もないから、注意書きもないし、実際に飲んでも被害は起きない。
・「浸透性の高い水」は、もし本当にあったら危険。私達の体は、普通の水の性質を前提にして動いている。この宣伝をしていても、浸透性を測定しているものはほとんどない。実際には浸透性の高い水は存在しないので、飲んでも影響がない。
・そんなにミラクルな水があったら、とっくに普及している。今の混乱の状況は、ミラクルな宣伝に比して効果が無かったから起きている。消費者としては、即座に飛びつかずに判断を待ったってかまわないはず。そんなに効果のある本物なら、医者の管理のもとに使われ始めるはず。
・水は薬ではない。無理に健康にいい水というのを宣伝しようとするからフィクションになってしまう。
・安全な水、おいしい水で満足しましょう。

地方のいくつかの局で放送されるらしい。ラジオで喋るのには慣れてないので、日本語としておかしな部分があったら編集してくださいと伝えた(自分の講演の反訳を見て目が点になることが多かったり……汗)。

サンデー毎日が水素水を好意的に紹介している件

Posted on 4月 4th, 2007 in 倉庫 by apj

 サンデー毎日4月15日号に「松岡農水相の”ナントカ還元水”で話題の機能水「水素水」は体にいいか?」と題する記事が出た。水素水の効果を肯定的に書いているが、今の段階でこの書き方だと、インチキ宣伝を助長するだけの結果に終わるだろう。

一方で以前から飲用としての可能性も示唆されてきた。それを裏付ける科学的根拠として、電解還元水には有害活性酸素を消去する作用と活性酸素による遺伝子(DNA)損傷への防御作用があることを証明する論文も発表されている。

 白畑グループの細胞培養の実験のことだと思われるが、培養系で結果が出たからといって、飲んで何らかの効果があるかどうかはわからない。最近の平岡グループの動物実験の結果では、飲用しても目立った抗酸化作用は見られなかったという結果となっている。

 水素水については昨年3月に行われた「日本薬学会」で、県立広島大生命環境学部の三羽信比古教授らのグループが、新規の高濃度溶存水素水に抗がん効果と活性酸素抑制効果が認められるという研究成果を発表している。
 ヒトの舌がん細胞に通常の水と溶存水素の多い水を加えて培養したところ、通常の水ではがん細胞は増殖を続けたが、溶存水素の多い水では増殖が3分の1に抑制されたという。発がんの元凶と考えられる活性酸素が、溶存水素によって消去されたとの解釈である。

 これもまだ細胞培養の段階である。細胞培養の場合は、細胞外の環境が細胞膜を隔てただけで直接細胞に影響を及ぼすので、外の環境の違いに敏感である。一方、飲料水として摂取する場合は、水をそんなには飲めないし、単位細胞あたりの水素水の量を考えると、細胞培養で効果があったのと同じ条件が人間の体内で実現するとは到底考えられない。また、体内に入ってから目当ての細胞に到達するかどうかもはっきりしない。細胞培養の結果を根拠にして、飲用したときの効果を期待するのは間違っている。健康食品・グッズ関連の宣伝の多くが、量の違いを全く無視して行われているという現実があり、サンデー毎日の記事はこういったやり方を助長するものである。
 単純に分子状の水素が多く含まれた水が、試験管内で一定の抗酸化作用を示すことは事実だが、飲料水につかって意味があるかどうかとは別問題である。また、この記事では、水素の濃度や細胞に暴露した量など、定量的なことが何一つ出ていない。この記述をもって、直ちに、「がんに効くから水素水を飲もう」ということは、言ってはいけないことである。

一般にはあまり知られていないが、プロ野球や大相撲、トライアスロンなどで活躍するトップアスリートが水素水を愛飲してり、「疲労回復が早くなった」と、好評だというのである。

 インチキゲルマニウムブレスレットを流行させる片棒をかついだのが、この手のスポーツ選手達だったことをもう忘れたのだろうか。

 医療の世界にも、水素水の抗酸化作用に期待を寄せる医師がいる。兵庫県姫路市の入江病院の入江善一院長もその一人だ。
「水道水を入れたコップにクリップを入れたままにしておくと、2日でさびてしまいますが、水素水ならさびません。これは活性酸素を中和する働きがあるからで、水素は体のさび、すなわち老化や病気を抑える方向に働くと考えることができます。」

 高校の化学を勉強しなおしてもらいたい。ってか医者のくせに何でバカ健食業者もどきの発言をしてるんだよ。単に溶存酸素量の少ない水にクリップを入れただけでもクリップは錆びない。錆の話をするのなら、水素以外の気体がどれだけ溶けているかを言わないと何の意味もない。また、クリップが錆びないことと、水素水が人間に効くかどうかは全く別の話である。
 サンデー毎日のこの記事を鵜呑みにしてはいけない。

【追記】
マルチのナチュラリープラスが扱っている水も、この毎日新聞の記事の写真に登場している。肯定的な記事とセットになっているので、マルチの販促にこの記事が使われそうである。サンデー毎日の記事がマルチの販促に使われてもかまわないというのが、編集部の考えなのだろうか。

dtv-Atlas

Posted on 4月 3rd, 2007 in 倉庫 by apj

 この間の物理学会の物理教育のセッションに顔を出した時、後ろの方で何やら楽しげな本を出している先生がいらしたので、ISBNを教わって注文していたのが届いた。
dtv-Atlas Physik Band1, Band2の2冊。高校物理よりちょっと進んだ位(高専程度)の物理の全分野をカバーする図解で、左側がカラーの図、右側が解説になっている。このシリーズ、他にも出ていて図が実に教育的なので、エコロジーとか生理学とかいろいろ注文して届くのを待っているのだけど……いかんせん解説が全部ドイツ語だったり。辞書引きながら読んでいる。
 ところで、教養教育の第二外国語、理系の人間にはこういうネタを読ませることにした方が食いつきがいいと思うんだがなぁ。化学、生物学など一通り揃ってるから、生物系の人と数物系の人と物質・材料系の人位の3分割(医学部、農学部は生物系と馴染みがいいだろうし)で対応すればいいのに。
#私が学生の時は、リーディングのテキストが「オデッセイ」(こっちは英雄の冒険話だからRPGのノリで読める)だったりフロイトの書いたエッセーみたいなもの(日本語に訳したって何がいいたいのかさっぱりわからん)だったり。

サイゼリヤにクレーム

Posted on 4月 2nd, 2007 in 倉庫 by apj

 2日続けてクレームの話題になってしまってちょっとアレなんだけど……。
週末、東京に行った時、サイゼリヤの春の限定メニューのボンゴレのペペロンチーノを頼んでみたら、アサリの貝殻の細かい破片が全体に混じっていて、ガリガリいってちょっと食べるのが大変だった。モノがアサリだから、多少は貝の破片があったり、砂があったりするのは予想の範囲だが、一口ごとに破片が混じってガリガリなのは、ちょっと頻度として高すぎるだろうと……。それで、店の人に状況を説明したら、「今度はそんなことのないように自信を持って作ります」と、きちんと対応してもらえた。2回目に持ってきたものではガリガリなのは多少改善したが、二口に1回ガリガリいう程度にしか改善せず、やっぱり多い。こうなると、調理の問題ではなく、店舗にやってくる材料の工場加工の段階で殻を砕いてしまっているのではないか?ということになる。砕けやすい質の殻のアサリを材料にしてしまって、加工の方法と合ってないのでは?その加工法でもしスープを作れば殻のかけらは下に沈むし、貝のスープの最後の一口は大抵砂があったりするから客の方も飲まないしで問題は発生しないが、スープが無い上油まみれでパスタ表面にいろいろくっつきやすいペペロンチーノで使ったのがまずかったんじゃないか、とかあれこれ考えた。
 それで、サイゼリヤのお客様相談窓口の電話番号を調べて、店舗の対応もきちんとしていたことも含め、穏やかに状況を説明した。技術の方に伝えてくださいと頼んだので、まあ、そのうち改善するだろうと期待したい。

【追記】そういえば、昔ひいきにしていたイタリアンレストランでボンゴレのパスタをよく食べていたのだが、それはスープパスタで、結構なみなみとコンソメスープが入っていた。使っていたアサリの殻はかなりしっかりしていたが、スープにすると殻のかけらも砂も全部沈むから、食べる邪魔にならないという理由もあってそのメニューになっていたのかもしれない。クリームスープだと粘性が大きいから、なかなか殻や砂が沈まないが、コンソメスープなら大丈夫だろう。ということで、サイゼリヤには、来春の限定メニューにアサリのコンソメスープパスタを販売してはどうかと提案したい。

りそな銀行が受取手数料の負担申出を拒否した件

Posted on 4月 1st, 2007 in 倉庫 by apj

 先日海外送金のため、りそな銀行を利用した。金額は少額で40ユーロちょっとだった。窓口に行って、送金依頼書をもらって記入するとき、相手に額面通りの金額を渡すために、私が振り込み手数料と支払銀行の手数料の両方を負担すると言った。ところが、りそなの窓口担当は、支払銀行手数料は受取人負担でないと送金できないと言い張って、私が負担すると言っているにもかかわらず、用紙の受取人負担の欄にチェックさせた。その結果、相手が受け取る金額が足りなくなって、週明けにもう一回差額を送金することになった。振り込み用紙には、依頼人負担にチェックする欄もちゃんとあって、「依頼人負担にする場合は窓口にお申し出下さい」と書いてある。ところが、りそなの担当者は、手数料がわからないからできないと言い張って、依頼人負担にさせなかった。
 りそなの担当者が書類に書いてあることを無視してくれたおかげで、私は差額の数ユーロを送るのに、また何千円か手数料を支払うことになる。クソ対応をしてくれたりそなに、二回目の振り込み手数料を請求したい気分だよまったく。

 ってか、ユーロ圏の銀行に送金するのに、相手が過不足無くお金を受け取れるように手数料全部を送金者の負担にしてくれ、ってのはそんなに無理な要求か?最終的に指定した金額を相手が受け取れるようにするのが銀行業務ではないのか?それが出来ない振り込み手続きって、どこかに欠陥があるのでは。手数料情報くらい、普通は銀行間でやりとりしてるもんなんじゃないの?

 とりあえずりそなのウェブサイトからクレームを出したので、返事を待つことになるんだけど。

 みずほからbank transferで送金ときは、受け取りの手数料も依頼人負担にできたと記憶している。ちょっと高めなんじゃないのという手数料が上乗せされた記憶はあるが、それでも、後から足りないなんてことにならないための安心料だと思うと納得はできる。

環境ホルモン濫訴事件:判決

Posted on 3月 30th, 2007 in 倉庫 by apj

 本日は年休をとって横浜地裁に来ている。
判決が出たので、裁判所となりの弁護士会館から実況。
判決は次の通り。
・原告の請求棄却
・反訴原告の請求棄却
・訴訟費用は折半

 集会の後、軽い昼食を数人で一緒に摂りながら判決やら訴訟の裏側についていろいろ議論した。
判決文は、応援団サイトの方に先ほど全文をアップした。控訴する場合は二週間以内にしなければならず、何もしないとそのまま判決が確定する。
 原告の請求棄却は、原告の「その批判文は名誉毀損だだだっ!」という主張は認められなかったということ。反訴原告の請求棄却は、「こんなことで提訴するのが既に不法行為だろゴルァ!」という主張が認められなかったとうこと。まあ、訴訟をする権利を入り口で狭くするのは良くないし、反訴とはまあ被告側の意気込みを示すものでもあるということなので、こんなもんだろういうのが弘中弁護士の話だった。
 また、名誉は毀損しているが責任はない、という判断になる場合と、そもそも名誉毀損にならないという判断が出る場合があるが、今回は後の方だということだ。
原告の松井氏は、判決の後記者クラブ(裁判所内にあるらしい)で会見すると予約を入れていた模様。ということは、請求が認められなかったことについては「不当判決だ、けしからん」等といったお約束の内容を言わないことには会見やっても様にならないし、そう言っちゃうと言った手前控訴しないわけにはいかないんじゃないかと思う。記者会見の内容、誰か知ってたら応援団の方に情報投下してください。まあ、明日あたり、新聞の片隅に小さく出る……かも。

 その後は都内に戻って、国際会議にエントリーするための発表概要を書いて送信してから、OCRで取り込まれた判決全文をアップしたりしていた。

常識的な回答

Posted on 3月 29th, 2007 in 倉庫 by apj

 とある方から電話で相談が来ていたので、出かける前にこちらから電話してみた。内容は、「**健康法」で言っていることは本当か、といったものだった。今流行中の「病気にならない生き方」の講演にも出向かれたとか。
 まあ、健康法について相談されても私は医者じゃないから詳しいことは答えられない。
・何とか健康法に踊らされてもいいことはない(危険な場合すらある)
・健康本は言論と表現の自由があって事前審査無しで出せるので、信憑性に疑問があるものが多い
・健康食品の宣伝に該当すると取り締まりの対象になるが、すべてを取り締まれるわけではない
・注意して見ていると、講演会に名を借りた健康グッズの売り込みのこともあり、ますます情報が歪められている可能性が高い。(癌に効くというふれこみのアガリクスでは、健康本の中身が全部フィクションで出版社の社長が逮捕された)
・信頼できるかかりつけのお医者さんを見つけて、長く付き合い(長く診てもらっていると医者の方も大体どういう状態の患者かがわかってくるはず)、医者のアドバイスをきくのが最も安全。
・新しい健康法に飛びつく前に、本当にそんなものが必要か、自分の主治医に相談するべき(でもまあ、心の安定まで考えると、健康被害の可能性が無ければナントカ療法は黙認という場合もあるかもしれないが……)
 こんな話をした。結局、きわめて常識的な内容になった。
 ただ、まずいなぁと思ったのは、こういう常識というか、一番信頼できるのは医師免許を持った医者、それも自分の体調を分かってくれているかかりつけの医者だという認識がぶれてしまう程に、変な健康情報が流れて揺さぶりをかけられているという状況が透けて見えるということだったり。

資料制作中

Posted on 3月 29th, 2007 in 倉庫 by apj

 新年度が来週から始まるので、ガイダンスの時に学生に配る資料を作っている。私はカリキュラム関係だけなのでまだ楽させてもらっているが、特に大変なのが教務厚生委員が作る新入生向けの説明資料である。教養教育と学部の講義の両方について学生便覧があり、これを良く読まないと必要単位数とかどの分野から何単位必要といったルールを間違えて、単位不足で泣くことになる。しかも新入生はこの手の分書を読むのは不慣れの上、ガイダンスの一日で一度に大量にあれこれ詰め込まれるから、例年、夕方になるともう頭が完全に飽和してしまう。
 ウチの学科は担当者がマニュアルを作り、便覧の何ページに出ているという注意もつけたプリントを使って説明しているので、勘違いで留年する学生はほとんどいないが、それをしないと時々勘違いする学生が出てくる。
 いやもういっそのこと、入試の一部に「学生便覧を渡して読ませ、第一問:進級に必要な単位数はそれぞれの分野から何単位か。第二問:(授業時間割の例を示し)この時間割を組んだ学生は単位をすべて取得できたとして進級できるか……」ってな問題を出したらどうかという冗談まで出た。大学に入ってからやっていけるかどうかを見るのが入試だとしたら、これって絶対に必要な能力だよなぁ、と。

血液サラサラの嘘

Posted on 3月 29th, 2007 in 倉庫 by apj

 パンキョーのネタになりそうなのでメモ代わりに貼っておく。Sankei Webの記事より。

悪徳商法にご注意…「血液ドロドロ」実はウソ

 医師免許を持たない業者が血液の検査を行い、「血がドロドロです。サラサラにしなければ…」などと不安をあおって、高額なブレスレットやネックレスを買わせる悪質商法に関する相談が増加している。高まる健康志向とともに広がる不安心理につけ込んだ手口で、専門家は「医療機関以外での安易な検査は避けるように」と注意を呼びかけている。(山口暢彦)

「無料なので」

 国民生活センターによると、同様の相談が平成17年度だけで、589件寄せられたという。年々増加傾向にあり、8年度(132件)の約4.5倍に上っている。

 50歳代女性のケース。健康器具販売店を訪れた際、「血液を調べませんか」と店のスタッフに勧められた。スタッフは採った血を顕微鏡で見せながら、「血が動かないですね。70歳代(の血液)です」と説明。

 そのうえで、女性に磁気のある腕輪を身につけさせ、再び血液を調べると、「サラサラになりましたよ」と語ったという。腕輪の効果を信じた女性は、勧められるままに約20万円で購入した。

 ところがその後、病院で検査してもらうと、「血液に異常はなく健康体です」と告げられた。このとき初めて、女性は「だまされた」と気づいたという。

 別の60歳代の女性のケース。業者から「無料で健康チェックをする」という電話があり、自宅に招くことにした。やってきた業者は女性に対し、体に微電流を流し、悪い個所をチェックするという検査を実施。結果、業者は「1カ所だけ悪い値が出た」と語った。

 彼女は脳梗塞(こうそく)を患い、健康を気にしていただけに不安を感じた。血栓を溶かして血液をサラサラにするという32万円の健康食品を業者に勧められると、つい飛びつき、購入してしまったという。

医師法に違反

 センターによると、売りつけられるものとして特に多いのは、磁気ネックレスなどの医療用具(22.4%)や健康食品(21.7%)。ほかにも、ブレスレットなどのアクセサリー、ふとんなどの寝具類、浄水器などがあった。

 「そもそもこれらの悪質商法では、医師免許を持たない業者が検査などを行っているケースが多い」と、センター情報分析部の渡辺優一さん。その行為は、医師法に反する。また、「注射針にしても、こういった業者では使い回しされている可能性も否定できず、危ない」と渡辺さんは注意を呼びかける。

 センターに相談を持ちかける人の平均年齢は51・9歳。相談件数が増えていることについては、「健康ブームの高まりを背景に、過去に(比較的大きな)病気をしたことがあるなど健康に強い関心がある人が、トラブルに巻き込まれることが多いようだ」と話す。

早めに相談を

 「病院などの信頼できる場所以外で血液検査を受けてはいけない。もし健康に不安があるのなら、かかりつけ医に診てもらってほしい」と渡辺さん。

 また、かりに高額商品を契約してしまってもクーリング・オフなどが可能なケースも多い。「あきらめず、早めに最寄りの消費生活センターに相談してほしい」とアドバイスする。

 そもそも、何かを身につけて血液がサラサラになることなどは、科学的な根拠はない。

 慶応義塾大医学部中央臨床検査部の村田満教授(血液学)は「そもそも血液の“サラサラ”“ドロドロ”に、はっきりした医学的な定義はない」としたうえで、「一般的にブレスレットやアクセサリーを身につけて、血液の状態が改善することはありえません」と話している。
(以下略)
(2007/03/29 09:13)

 血液の写真は、撮り方によってドロドロにもサラサラにも見せることができる。見やすくするという理由で、生理食塩水を加えてから撮影することもあるので、濃度と加える量でなんとでもなる。さらに、少し時間が経って固まりかけたところを見せれば、誰の血液でもドロドロに見える。また、正常な人であれば、水を飲んだかどうかで血液の粘度は変わってしまう。
 講義では、同じ視野を見ているにもかかわらず明らかに血球の数が10倍以上違う写真を見せて(マイナスイオン業者が実際にパンフレットに掲載していたもの)、高校生物の浸透圧の話を復習しながら、写真がヘンであることを説明している。

私個人の対処

Posted on 3月 28th, 2007 in 倉庫 by apj

 以下,大学がどうするかは知りませんので,私個人にさしあたってできる対処ということで。

 例のシオザワ氏ですが,使っている回線を持っている事業者がわかった(回されてきたメールヘッダから、メール投稿元のホストIPが124.34.12.27だとわかった)ので,プロバイダ特定のため問い合わせ中である(回線事業者が他のプロバイダに回線を貸し出していたりするので,まだはっきりしない)。特定できたら,迷惑行為を山形大学と私に対して働いたということを理由に,発信者情報の開示をかけてみる予定。プロバイダの本店所在地でまたログを消すなという仮処分を突っ込んでから,プロバイダの代理人弁護士と交渉になるんでしょうかねぇ……。

 今回,私が書いたのは,本当っぽい個人情報が出ていてもそこは信じず別の観点から情報を見ようという,ネット上の情報のリテラシーについての話である。新聞記事の内容と法的手続きの議論しかしておらず,シオザワ氏についてはそれっぽい情報の見本として2ちゃんねるに出ていた名前と住所らしきものを引用しただけで何も書いていない。第一,匿名掲示板のこの手の情報は信じる方が間違っている。従って,シオザワ氏に対する名誉毀損など成立もしないと考えている。また,仮に,シオザワ氏が2ちゃんねるの運営サイドを提訴していたとしても,それは本人にとって正当な行為であるので,提訴したことが知られたことそのものによって本人の名誉が傷つけられるとは通常考えられない。
 いずれにしても,気軽に大学に何か言えば何とかなると思いこむ風潮の方はどうにかしないといけないと思うので,今回は可能な限り相手を追求する方向で動くことを試みる。これは,お茶の水大の方で水商売ウォッチングを始めたときからずっと考えていたことである。

 でも,相手に到達する手順をあれこれ考えていると,何だかもう,訴状が来てくれた方がいっそ楽なんじゃないかという気がしてきた。相手の特定に手間暇かける必要がなくなるので……。
 飛騨の人対応でプロバイダ2社を相手に東京地裁に何回も通ってがさがさやってたあの手順を,相手を変えてまたやるのかと思うと正直うんざりしてくる。本業だって十分忙しいのに……orz。