東京地裁の利用体験

場所:霞ヶ関にある。地下鉄丸の内線霞ヶ関駅下車。駅の案内を見ればどの出口が近いか出ている。法務省,法曹会館,弁護士会館などもある一角で,高裁と地裁と簡裁がほとんど同じ場所にある。

ボディーチェック:法曹関係者と一般人は入り口が別で,一般人向けの方はゲートがあって,手荷物チェックがある。空港でやってるのと同じ。荷物はX線検査,人間の方はゲートをくぐらされてチェックされる。危険物は預けなければならず,引き替えに番号札をもらって,出るときに返してもらう。私は普段持ってるスイスアーミーナイフを1本預けることになった。キーホルダーについてるミニサイズのものはチェックされなかったので,この点,空港よりもチェックの基準が現実的である。刑事部も同じ建物で一緒だし,ってことは当然ヤクザ屋さん関係の訴訟もここであるわけだから,まあ厳しいのも納得できる。
 個人的には,金属などの凶器のチェックだけで本当にいいの?と思った。爆弾を持ち込んで自殺覚悟で合同庁舎ごと吹っ飛ばそうという輩をちゃんとチェックできるのか?というのがちょっぴり不安。最近のテロは際限がないし,裁判所で身の安全が保証されないというのもどうかと思うので,しっかりチェックしてもらいたいものである。
 ナイフを返してもらう時に,「これでもう中には入らないんですね」と確認されて,「あぶないのでカバンに入れて出てください」と注意をもらった。

 エレベータは2種類。8階までに行くものと,8階以上に行くものに分かれている。乗り間違えないようにすること。庁舎内の案内板は詳しくてわかりやすい。多分,そうしておかないと迷う人が続出して大変なことになるのだろう。

訴状提出:民事部は14階に提出窓口がある。昼の12時から1時までは昼休みで窓口は閉まっている。朝9時から夕方5時まで。午後は込むので提出はできれば午前中に,と書いて貼ってあった。各窓口の案内もわかりやすく掲示されている。

 今回,本人訴訟でしかも初めてなので,とりあえず訴状と証拠書類を2部持っていって,14階の窓口のうち,質問受け付け窓口にまず行く。形式などが合っていることを見てもらって,訴額と貼用印紙額と予納郵券の額のチェックをしてもらう。ここで大丈夫ということになったら,地下1階の郵便局に行って切手と印紙を購入する。切手はちゃんとセット販売されていて,決まった額のセットを買うと,裁判所が必要とする組み合わせで袋詰めされたものを出してくれる。こういうセットは多分この郵便局でしかやってないので,自分で余所の郵便局で切手を買っていったりすると却って不便なことになりそうだ。私は郵券の額を間違えて書いていたので訂正印を押して書き直した。収入印紙は訴状正本のみに貼り付ける。

 窓口の人が,「被告の資格証明書が必要か?」とマニュアルを調べ始めたのでちょっと焦った。結局,相手が学校法人の場合は資格証明書が必要だが,国立大学が相手の場合は不要ということがわかったので,そのままの提出となった。大学法人化後は証明書が必要になるのだろうか。

 質問窓口は丁寧で親切そうである。私が訴状を見てもらっている間,別の人が電話での問いあわせに答えていたのだが「30万円以下の請求は少額訴訟手続も使えて・・・」ってな解説をしていた。素人向けの訴訟解説本に書いてある話なのだが,それでもきっちりと答えていたのだった。

 提出は窓口の受付カードを引いて,自分の番になるのを待つ。銀行や郵便局の窓口と変わらない。無事提出すると事件番号と第何部に回されるか書いた紙をくれる。以後の呼び出しとか問いあわせとかはすべて事件番号を示してすることになるので,事件番号は絶対に無くしちゃだめである。いろんなところにメモしておこう。送達その他の連絡などについては該当する民事部の書記官に問いあわせることになっている。

 訴状提出が2002年12月25日だったのだが,他に来ていた人達の話では,この時期の裁判所は混んでいるらしい。そう言われてみれば,エレベータが混んでいた。年内に片づく仕事は片づけるという方針で,関係者が殺到していたのだろうか。普段のトラフィックを知らないので何とも言えないのだけれど。

 

 ところで,江戸時代の奉行所って南町と北町の2カ所だったんでしょうかね?時代劇程度の知識しかないからよく知りません。1つの奉行所にお白洲はいくつあったんでしょう?誰か江戸時代の社会に詳しい人がいたら教えてください。ちなみに東京地裁の民事部は第50部までありました。法廷の数は,フロアの案内を見た限りではこれより少ないらしいです。

 そういえば,中学のときの修学旅行で国会議事堂は見学コースに入っていたが,裁判所は入ってなかったな。


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