EndNote for Palm OSを使う

 EndNoteという文献リスト管理用ソフトがある。現在のバージョンはEndNote7で,日本での総代理店はユサコ株式会社である。日本語には対応していないが,エディタを使ってコピー&ペーストすることで一応日本語の文献も入力できる(時々文字化けするけど,文献リストを出力させる先の環境が日本語対応していれば大丈夫)。

 EndNote7から,Palm用のアプリケーションとコンジットが付属するようになり,自分の文献リストをPalmに入れて持ち運べるようになった。論文のコピーがたまってくると,忘れて2重コピーしないためにも,どの文献が手元にあるか手軽に知ることができると便利である。

 ところが,もともと英語環境しか想定していないので,そのままではPalmOS用のアプリケーションをインストールできない。ENPalmInstallerをダブルクリックしてもPalm用アプリケーションが展開されないのだ。調べた結果,英語版のPalm Desktopを使っている場合であれば,インストール可能であることがわかったので,やり方をまとめておく。なお,当方の環境は,Mac 0X 10.3 Panther + Palm Desktop 4.0(日本語版)+ PEG-NX80V(SONY CLIE)で,MissingSyncを使用している。

  1. US版のPalm Desktopを上書きインストールする(Palm Oneインターナショナルのサイトからたどっていけば無料でダウンロードできる)。
  2. ENPalmInstallerをダブルクリックすると,コンジットとアプリケーションがそれぞれ以下のフォルダにインストールされる。
    Macintosh HD:Library:Application Support:Palm HotSync:Conduits:EndNoteConduit
    Macintosh HD:Users:apj:Documents:Palm:Users:apj:Files to Install:EndNote.prc
  3. EndNoteConduitを,Macintosh HD:Library:Application Support:Palm HotSync:コンジット:EndNoteConduitとなるように移動させる。
  4. EndNote.prcは,どこか他のわかりやすいところに移動させておく。
  5. US版のPalm Desktopをアンインストールする。
    (これをやると,HotSyncできなくなってしまう。)
  6. 日本語版のPalm Desktopを上書きインストールする。
    (私の場合,US版のインストールとアンインストールの時に,どこかのディレクトリのパーミッションが変わってしまったらしく,自分のアカウントではディスクに書き込めないというエラーが出て上書きできなかった。そこで,NetinfoManagerでrootのアカウントを有効にし,パスワードを設定後一度ログアウトし,rootでログインしてから,日本語版Palm Desktopのインストールを行った。この操作で,root用のユーザ情報が書き込まれるので,一度ログアウトし,再度自分のアカウントでログインしてから日本語版Palk Desktopを再インストールした)
  7. Missing Syncを上書きインストール。
    (これは念のために行った。もしかしたら不必要かもしれない。また,CLIE以外のハンドヘルドを使っていてMissing Syncが不要の場合はやる必要がないだろう)
  8. Macを再起動。
  9. 日本語版Palm Desktopソフトウェアのメニューから,HotSync-ハンドヘルドファイルのインストール,を選び,EndNote.prcをインストールするファイルとして登録。
  10. EndNote7で,Tools-Configured Handheld Sync...メニューを選び,HotSyncでどのリファレンスファイルを転送するか忘れず指定しておく。(これを忘れると,HotSyncのときにエラーメッセージが表示され,ログにファイル指定がないことが書かれるので,再度メニューからファイルを指定してからHotSyncすればよい)
  11. HotSyncすると,EndNote.prcがPalm本体にインストールされ,EndNoteに登録した文献データとの同期もとれた。

 いまのところ,登録したデータは正常に見えている。日本語で登録したデータが文字化けしているのは,まあ,もともと英語にしか対応していないソフトウェアだから仕方がないのだが・・・・。

 こんなややこしいインストール手順を踏むハメになったのは,EndNote for Palmがインストーラでしか提供されていないからだ。インストーラの環境チェックで引っ掛かるらしく,EndNote.prcがどこにもできないために,一度英語版のPalm Desktopをインストールしなければならなくなった。確かに,英語の環境だと,ユーザがほとんど何もしなくても,コンジットも使える状態になるしアプリケーションもPalm本体にインストールされるので,親切ではある。が,単純にコンジットとEndNote.prcを圧縮しただけのものも提供してくれていれば,ちょっとPalmに慣れた人なら自分で適切な場所にインストールすることができるはずだ。インストーラを使わないものもダウンロードできるようにしておいてほしかった。だって,EndNote本体は日本のユーザーにも販売してるわけだし,日本人ならたいていは,日本語版のPalm Desktopを使ってるだろうし・・・・。

 EndNote.prcについてはいくつか要望がある。smallフォントを選べないから,一度に表示できる情報が少ない。また,ワイドハイレゾにも対応していない。日本語対応が無理としても,この2点は改善してほしい。次のバージョンに期待したい。