一通分の文章の量が少なくなったので、2回まとめて掲載します。
Subject: ホ−ムページの件5
Date: Thu, 6 Jun 2002 12:30:39 +0900
Organization: SUIKA CORPORATION
X-Priority: 3
2002年6月6日
天羽 優子様
株式会社プロホームアドバンス
担当者:□□□□
> 何を指摘しているかというと、
> 「体にいいとかおいしいとか、とにかくいい水であることを宣伝しようと狙って
> いるはず」
> なのに、安易に
> 「微生物が繁殖しない」
> などと言ったために、本来の意図とは違う意図に読める宣伝になってしまって
> いるということを指摘しているだけなんで。専門家でなくたって、この程度の
> レトリックは使うものだと思いますけどもね。
>
> 「いい水の宣伝のつもりで、毒か消毒薬ととれるような文句になってしまって
> ますが」
> と書いただけです。
>
おっしゃることはわかりますが、この文章の後の「私は飲む気がしない」と言ってしまった時点でレトリックの範囲では無くなってしまっています。公にして批判する文章としては、明らかに行き過ぎであると思われます。
また、これまでの議論がなぜこんなにもかみ合わないのかをずっと考えていたのですが、天羽さんのコメントは「この宣伝文句はこんなふうにも読める」という、本来の意図とは反対の意味に読ませることで生じる意外性を楽しむというパロディ性の強いものと考えて良いのでしょうか。
At 12:30 PM +0900 02.6.6, **** wrote:
>おっしゃることはわかりますが、この文章の後の「私は飲む気がしない」と言ってし
>まった時点でレトリックの範囲では無くなってしまっています。公にして批判する文
>章としては、明らかに行き過ぎであると思われます。
表現の自由の範囲だと思いますが。
「(その宣伝文句があるから)飲む気がしない」という記述をしているだけなので。
宣伝文句が違うものになってれば、また別のことを書くだけです。
>また、これまでの議論がなぜこんなにもかみ合わないのかをずっと考えていたのです
>が、天羽さんのコメントは「この宣伝文句はこんなふうにも読める」という、本来の
>意図とは反対の意味に読ませることで生じる意外性を楽しむというパロディ性の強い
>ものと考えて良いのでしょうか。
全部が全部そうではないですが、そういう部分も一部含まれています。文面通りに読むと全く違う内容を意味してるよ、ってことを示したところもあります。宣伝文句の中にはいろんな種類のものが入ってますから一通りの方法によるだけではコメントを書ききれません。
例えば、これまでにこのパターンで引っかけた代表的なものに「活性化」があります。磁気活水器で多用されています。
まず、
・ふつうの水処理について「活性化」という学術用語を適用することはない
・活性化、の本来の意味は、励起状態にするとか反応性をあげるとかそういう意味で、それぞれの状況によって具体的な自然現象が対応している。
という科学の側の常識をまず示し、
・具体的内容(励起なのか放射化なのかその他いろいろ)無しに活性化とひとくくりにするのは曖昧で実態がはっきりしないものだ
という指摘を行い(このあたりで、活性化という言葉をつかうといけないのか、ってな見当違いのクレームがくることもあって、使うなというつもりはないけど使って誤解されてもそれはそちらの責任だ、って返すわけで)、
さらに
(技術的処理に基づく)水処理で活性化というのなら、素過程としての自然現象が対応しなければならない。それが示されないのであれば、少なくとも「活性化」本来の意味として読むしかない。そうすると、活性化というのは何らかの形で反応性を高めることを意味するから、「活性化」はむしろ劇物を意味するもの。
と処理します。
ここまでやると、いわゆる「科学を騙った表現」が、具体的にどう変なのかを示すことができます。
これまでいろんな会社の宣伝を読んできましたが、「逆の解釈を許す余地のある宣伝文句」と「科学っぽい雰囲気を醸し出してるがきっちり確立してなさそうな部分」が大体一致していることが多いようです。
宣伝文句の中には、「明白な誤り」「科学っぽいけど実は科学じゃない表現」「本物の科学・技術」など、いろんなものが含まれているので、そういうのをひっくるめて、私の目で見たらどう読めるのかを1つの例として示すという書き方をしています。
Subject: ホ−ムページの件6
Date: Thu, 6 Jun 2002 17:00:24 +0900
Organization: SUIKA CORPORATION
X-Priority: 3
2002年6月6日
天羽 優子様
株式会社プロホームアドバンス
担当者:□□□□
> 私の目で見たらどう読めるのかを1つの例として示すという書き方をしています。
おそらく「軽い気持ちで読んでよ。」ぐらいの感覚で書かれているのではないかと思いますが、専門家が大学のアカウントを使って発言されていることを重要なことと受け止める人は多いと思います。
逆説的な裏読みをする場合があったり、必ずしも科学的な批判を行っているわけではないこと対して説明が不充分です。
実際には、天羽さんの発言は詐欺的な宣伝広告に対する科学的な糾弾をしていると一面的な捉え方をしている人も多いと思われます。
> 表現の自由の範囲だと思いますが。
> 「(その宣伝文句があるから)飲む気がしない」という記述をしているだけなので。
当社から見れば、「毒物と読めるのではないか」までなら突飛な発言なのでレトリックと読めますが、「飲む気がしない」は浄水器に対する批判として共感を呼ぶものだと考えます。
表現の自由と言われると反論しにくいのですが、そこは専門家としての責任感、倫理観に任されていると言う事でしょうか。
一度、受け入れ側の先生が当社の問題をどの様に考えられているのか知りたいのですが。
At 5:00 PM +0900 02.6.6, **** wrote:
>おそらく「軽い気持ちで読んでよ。」ぐらいの感覚で書かれているのではないかと思
>いますが、専門家が大学のアカウントを使って発言されていることを重要なことと受
>け止める人は多いと思います。
これも読解力の問題かと。
普通の文章には、重要な部分とそこそこの部分が混在するのが常です。だから、国語の試験で、「作者が最も言いたかったことはどこに述べられているか」なんてのが設問として成り立つわけで。
>逆説的な裏読みをする場合があったり、必ずしも科学的な批判を行っているわけでは
>ないこと対して説明が不充分です。
だから読解力の問題でしょう。感想の部分と科学的批判を分けて考えられない人は、それなりの受け取り方しかできないというだけの話です。
>当社から見れば、「毒物と読めるのではないか」までなら突飛な発言なのでレトリッ
>クと読めますが、「飲む気がしない」は浄水器に対する批判として共感を呼ぶものだ
>と考えます。
別にそういう解釈をしてもらってもかまいません。
書き手は、読み手に対して読み方を強制することなどできませんから。
>表現の自由と言われると反論しにくいのですが、そこは専門家としての責任感、倫理
>観に任されていると言う事でしょうか。
>一度、受け入れ側の先生が当社の問題をどの様に考えられているのか知りたいのです
>が。
知って何になるかが謎ですね。