カテゴリ | 報文 |
資料名 |
磁気処理水など水処理器にご注意を! |
要約 |
市販磁気活水器の評価レポート。これまでに評価を行った磁気活水器の大半では、主張するような効果は見いだせなかった。ブランクに比べて有意な違いが見られた4つの例について検討したが、その後の調査により、磁気以外の効果であることがわかった。 【事例1】 【事例2】 【事例3】 【事例4】 この報文では、最後に、問題点として、
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コメント |
磁気処理は未だ効果を明らかにするための研究の段階である、というのが本報文の著者の判断である。 ブランクと差があったものが、ことごとく磁気以外の効果であることが判明したというのが興味深い。活水器からの金属の溶出や濾過器の併設によって、見かけ上の効果を示すものが混じっているということなのだろう。確かに「その磁気活水器の効果」ではあるかもしれないが「磁気の効果」ではないというオチになる。 亜鉛板を流路に接地すれば足りるところ、手間暇かけて装置を作り磁気活水器と称して磁石の効果を謳うというのは、そもそも商売としてどうかと思う。 磁気活水器の宣伝においては、装置設置後に配管内部の錆が減ったという写真が出されることが多い。水は常に流れているから、新たな錆の形成が抑制されれば、水流によって流された分だけ錆は減るだろう。このとき、ユーザーに見せられるのは「配管の写真」のみで、磁気活水器本体がどうなったかということは、なぜかいつも隠されている。つまりは、手品のような宣伝というべきだろう。見せられたものだけ見て効果に感動していると、他に何が起きているかを見落とすという意味で。 結局、物質の量と効果を見落とさずに評価した後でなければ、磁気の効果を云々することなど意味がない。 もし、危険があるとしたら、「水の活性化」だの「マイナスイオン」やら「還元」といった、実態を伴わない言葉に騙されて、磁気活水器本体から何が溶出するかを見落としたままで「ユーザーの声」を頼りに商売する、つまりはユーザーで試験しながら販売をするということだろう。微量の亜鉛程度なら害はないし過剰症も滅多に起きないということだが、アルミニウムだとまずいかもしれない。磁気活水器に限らず、麦飯石を使った濾過器を使って良いのかということは別に検討する必要がある。また、健康な人なら問題なくても、腎臓障害などがあると蓄積による被害が発生する可能性もある。 活水器を取り付ける時に接地が必要だ、などという場合は、管内部や装置そのものからの金属成分の溶出も考慮しなければならない。 この報文の内容は、既存の科学の範囲の話であり、反応論レベルでの詳細なメカニズムがまだはっきりしていなくても、磁気活水器の摩訶不思議な宣伝に比べれば、よっぽど腑に落ちる内容である。 |