【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。
トルマリンが水に対して何かミラクルな効果を及ぼす可能性が無いことについては、既に「電気石が作る水の界面活性」へのコメントで述べたが、現状のトルマリン販売の問題点はまだ他にもある。
ネットを検索していろんな会社のトルマリンの宣伝を見ればわかるように、マイナスイオン効果があると称して売られているトルマリンはほとんどが黒色のものである。
一方、「宝石のはなし」(技報堂出版) 白水晴雄(九州大学名誉教授) ・青木義和(九大理学部地質学教室 助教授)著、によれば、
焦電性の強さは個々のトルマリンによって違いますが、一般にピンクや緑黄色のものが一番強く、緑色や青色のものが次に強く、褐色や黒色のものは弱いようです。黒色のトルマリンには、ほとんど焦電性を示さないものもあります。また同じ結晶でも、加熱温度によって帯電の強さが違ってきます。
とある。この本では、「加熱によって表面が帯電する性質」を「焦電性」と定義している。
焦電性を示さないということは、もともと自発分極自体が無い可能性を示している。トルマリン販売業者が久保氏の間違った報文を信じてトルマリンを売っていることの責任を問わないという前提に立ったとしても、販売業者が久保氏の報文の通りにちゃんと焦電性を示すトルマリンを売っていなかったとしたら、消費者を騙していることになる。
多くのトルマリン販売業者の宣伝では、トルマリン一般の性質についての説明はしている。しかし、消費者が現実に入手するトルマリン鉱石の焦電性については、多くの業者は何も評価を行っていないらしい。測定結果をつけてトルマリンを販売している業者を見たことがない。黒色トルマリンの焦電性がものによってかなり違うということであれば、久保説に基づいて商売をするつもりなら、ちゃんと焦電性を測定して品質管理して販売するべきである。
現状のトルマリン鉱石の販売は、2重に消費者を騙すものになってしまっている。すなわち、
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