「事象の地平線」過去ログ倉庫
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2006/02/21
印象操作 in forbes
【修正】
既に田崎さんのページでも告知があったし、きくちさんのblogでも取りあげられているが、こちらでも。事の経緯は、物理学会のニセ科学シンポジウムについてForbesが取材に来て、田崎さんが応じたところ、間違いを含んだ記事が掲載されたというもの。
【誤】もう容赦できぬ!
【正】容赦できぬって……そもそもニセ科学を糾弾する会ではないんだけど。
【誤】日本物理学会が”ニセ科学”の教科書掲載に蜂起
【正】学会全体で行動を起こしたわけではないし、教科書掲載の事実もない。
【誤】文字を認識する水が道徳の教科書に掲載
【正】道徳の教科書に水伝が出た事実はない。一部の教師(特にTOSS)が道徳の指導のために勝手に水伝の話を使っただけ。
既に田崎さんがクレームを出し、編集部からはお詫びの電話があり、次号に訂正を掲載することになったとのことである。
確かに、物理学会 vs. ニセ科学という図式は分かり易いかもしれない。しかし、そういう単純な対立として考えたのでは、ニセ科学をうまく扱うことなどできないだろうというのが私の問題意識である。非科学、未科学、科学に分けたとしても、それぞれグレーゾーンがあり、どう分けるかを考え続けるしかないのではないか。また、科学(技術)スゲエの裏返しで、科学で説明できないことに価値を認めたがる心情が出てくる(にもかかわらず科学に頼ろうとするから話はややこしい)面もあるわけで、単純な対立を煽られても困る。
【誤】もう容赦できぬ!
【正】容赦できぬって……そもそもニセ科学を糾弾する会ではないんだけど。
【誤】日本物理学会が”ニセ科学”の教科書掲載に蜂起
【正】学会全体で行動を起こしたわけではないし、教科書掲載の事実もない。
【誤】文字を認識する水が道徳の教科書に掲載
【正】道徳の教科書に水伝が出た事実はない。一部の教師(特にTOSS)が道徳の指導のために勝手に水伝の話を使っただけ。
既に田崎さんがクレームを出し、編集部からはお詫びの電話があり、次号に訂正を掲載することになったとのことである。
確かに、物理学会 vs. ニセ科学という図式は分かり易いかもしれない。しかし、そういう単純な対立として考えたのでは、ニセ科学をうまく扱うことなどできないだろうというのが私の問題意識である。非科学、未科学、科学に分けたとしても、それぞれグレーゾーンがあり、どう分けるかを考え続けるしかないのではないか。また、科学(技術)スゲエの裏返しで、科学で説明できないことに価値を認めたがる心情が出てくる(にもかかわらず科学に頼ろうとするから話はややこしい)面もあるわけで、単純な対立を煽られても困る。
実のところ、物理学会といえば、ニセ科学な学会発表も許すことでその筋に知られている(というか、ニセ科学な発表を排除するしくみを全く持たない)。ずいぶん前だがUFO研究家の清家新一氏が発表したときは、前後の相対論の研究発表ずっとギャラリーが多かった。素粒子・宇宙論の一部には、「重力発電」シリーズが毎回出ていたし、生物物理のセッションで「人間の意志が観測結果に影響する」という超能力まがいの発表がなされたこともあるし、ダムの管理とDNAの遺伝情報の類似性について発表したおっさんのすぐ後が私の先輩の「低振動数ラマン散乱によるDNAの測定」の発表だったこともある。
私はいつも講義で「学会発表だけで内容を信用してはいけない。論文になって追試されてようやく信頼できるようになる。口頭発表は単なる情報交換以上の意味を持たない」と言ってるのだが、物理学会はまさにそれを実践してくれている。まあ、聞いてる方もプロなのだから、疑わしければ自分トコで追試すればぁ?ってことになるだけなのだけど。
カテゴリー:疑似科学・ニセ科学
タグ:
0 cool
posted at 2006/02/22 16:16:36
lastupdate at 2006/02/23 10:04:18
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