「事象の地平線」過去ログ倉庫
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2007/08/17
まだちょっと違う気がする
【修正】
酔うぞさんのところでも取り上げられているが、YOMIURI ONLINEの記事より。
なお、読解力が根本的に欠けているのではないかと疑わざるを得ない結果が、この間の追試で出てきた。
・教科書に何種類か出ている相変化の概念図のうちの1つを描かせる問題を追試で出したら、本試験の時と違う問題なのに、本試験の解答と同じ図を書いてきた学生が数人。
・定圧熱容量の測定方法を簡単な概念図を描いて説明せよ、とやったら、定圧熱容量と定積熱容量が違う理由について解答した人が数人(2つの違いについては本試験で出題した)。
・必要がない場合に理想気体の状態方程式を勝手に仮定したら減点、と明記してあるのに、ちっとも守られていない。自分が答案に書いている式が理想気体の状態方程式かそうでないかの区別がつかないのか?
必修科目で、落とせば後でそうとう厳しいことになるのがわかりきっているのに、脊髄反射で書いたような答案が出てくるのは一体どうしてなんだろう。解答する前に問題を読んでいるかどうかについて小一時間問い詰めたくなる。試験時間は90分で5問、記述の量は多くならないように調整しているから、あせりまくって勘違いするような状況でもない。ゆとり教育世代の最初の学年だから、ゆとり教育がまともに機能していれば、読解力と文章表現力でひっかかったりはしないはずなんだが。
「言語力」育成、脱「ゆとり」も…中教審が指導要領改定へ酔うぞさんと同意見になるんだが、「体験学習で感じたことを作文にまとめ」るんじゃダメだろう。まずは、「体験学習で何をやったか他人にわかるように説明する作文を書く」でないと。何を感じたかを考えて掘り下げられるようになるのはもうちょっと大きくなってからではないか。予備知識も経験も足りない年齢だと、知らないことを知ること自体が面白いのであって、内容の評価はひとまずどうでもいいような……。
今年度中に改定が予定される小中高校の学習指導要領について、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は16日、基本方針を「ゆとり教育」から「確かな学力の向上」に転換した上で、自分の考えを文章や言葉で表現する「言語力」を全教科で育成していく方針を固めた。
国際学力調査で低下していることが明らかになった文章表現力や思考力を向上させる狙いがある。中教審は今後、各教科ごとに言語力の具体的な育成方策をまとめる方針だ。
学習指導要領は、小中高校の授業で行う内容や時間数などを定めた国の基準で、ほぼ10年に1回改定される。現行の指導要領は、学校5日制の完全実施など、学習内容を大幅に削減した「ゆとり教育」が柱で、小中学校は2002年度から、高校は03年度から施行されていた。
しかし、学力低下が指摘されているため、新たな指導要領では、「ゆとり教育」からの脱却を明確に示すことにした。
さらに、「言葉は学力向上のために欠かせない手段」と位置づけ、小学校の低学年から、国語だけでなくすべての教育活動を通じて言語力を育成する必要があると判断した。
例えば、小学校低学年では、体験学習で感じたことを作文にまとめたり、発表したりして、他の人と比べる学習を重視。中学の理科では、予想や仮説を立てた上で実験や観察を行い、結果を論述させる。体育の授業でも、筋道を立てて練習計画や作戦を考え、状況に応じて修正させる訓練を積むことを想定している。
経済協力開発機構(OECD)が2003年に行った国際学習到達度調査(PISA)では、文章表現力や思考力を測る「読解力」の順位が、日本は8位から14位に下落した。
中教審は、こうした力が欠けていることが、人間関係の構築が苦手な子供を増やし、いじめやニートなどの問題の遠因となっていると分析。言語力の習得を通じ、子供のコミュニケーション能力を向上させることも目指したいとしている。
(2007年8月17日3時1分 読売新聞)
文章で算数の問題を出すと、途端に回答が大混乱になる、といった報告があります。これ、大学でも状況は変わっていない。いや、トップクラスの大学の方は問題無しかもしれないが、ウチの場合、自然現象とその解釈を簡単に説明させるような設問を試験で出すと、ほとんどの学生がまともに答えられない(そんなわけで今日は必修2科目まとめて午後から追試をすることになっている)。理学部で、科学の概念が言葉として出てこないというのは、意味がわかってないし他人にも説明できないということで、じゃあ一体どうやってその先を考えるのだろう。
大学の試験などで「二つの説があって正解がない」といったことで「問題を出した方が悪い」と非難される論調がずーと続いていますが、採点側の都合ではなく、予備校の都合の面が強いというのが実感。出題する側が一番恐れているのは「マスコミの前で記者会見」「予備校にクレームをつけられる」の2点なので、解答が複数出ても採点基準さえしっかりしえいれば出してもかまわないと思うが、この意見は通らない。
なお、読解力が根本的に欠けているのではないかと疑わざるを得ない結果が、この間の追試で出てきた。
・教科書に何種類か出ている相変化の概念図のうちの1つを描かせる問題を追試で出したら、本試験の時と違う問題なのに、本試験の解答と同じ図を書いてきた学生が数人。
・定圧熱容量の測定方法を簡単な概念図を描いて説明せよ、とやったら、定圧熱容量と定積熱容量が違う理由について解答した人が数人(2つの違いについては本試験で出題した)。
・必要がない場合に理想気体の状態方程式を勝手に仮定したら減点、と明記してあるのに、ちっとも守られていない。自分が答案に書いている式が理想気体の状態方程式かそうでないかの区別がつかないのか?
必修科目で、落とせば後でそうとう厳しいことになるのがわかりきっているのに、脊髄反射で書いたような答案が出てくるのは一体どうしてなんだろう。解答する前に問題を読んでいるかどうかについて小一時間問い詰めたくなる。試験時間は90分で5問、記述の量は多くならないように調整しているから、あせりまくって勘違いするような状況でもない。ゆとり教育世代の最初の学年だから、ゆとり教育がまともに機能していれば、読解力と文章表現力でひっかかったりはしないはずなんだが。
カテゴリー:教育関係
タグ:
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posted at 2007/08/17 12:34:16
lastupdate at 2007/08/17 22:54:17
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