「事象の地平線」過去ログ倉庫
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2008/01/06
対策方法が違うのでは?
【修正】
J-CASTニュースより。
高校で科目選択などでやってこなかったとか、高校で学んだ当時にあんまり必要だと思わなかったので学生が忘れてしまっているといった内容については大学でフォローするのが適切だが、中学校の内容をフォローするというのはどう考えても違うのではないか。もし、中学校の内容をフォローするとしたら、それは高等学校の役目だろう。
小学校の内容を身に付けていないのに中学に進める、中学の内容を身に付けていないのに高校に入れる、という、粉飾決算のようなことを繰り返した挙げ句に発生した事態なのだから、根本的な対策としては、大学の数を減らして浮いたリソースを小中高に振り向けて、各段階での学習内容が身に付くまで留年も有りにして、人手と時間と予算をかけてケアするしかないのでは。
先日の同窓会で、中学で教師をしている人がぼやいていたのは、分数がわからない中学生が3分の2居る、ということだった。ちょっと詳しく聞いてみたら、数や量の概念を全く分かっていないといいうことで、それでも「中学校数学の公式に当てはめて方程式を解く」ことは一応できるらしい。これは、中学受験などでほとんど選別せず、学区制でほとんどの人が公立小→公立中、と進んでいる状態での話である。中学受験で優秀な人の大部分が私立に行った後に残ったグループでの話ではない。普通に公教育をやって、小学校で身に付ける内容を身に付けないまま中学校に進んでいる人の割合の方が多いというのではどうにもならないだろう。だからといって教育内容を削減するようなゆとりにしたって問題は解決しない。超多忙な先生方にゆとりを持たせて、小中高それぞれで身に付けるべき内容を教育することに十分な手間と時間をかけられるようにするしかないのではないか。
私大生2割「日本語力中学生以下」 学力底上げにeラーニング導入中学生レベルの国語力を身に付けていないのに大学に入れるということが根本的におかしいのっであって、それを大学でどうにかしようというのは本末転倒ではないか。「大学でのeラーニング導入を推進しないと、今の大学は生き残れない」という、まず大学を残すことありきな話ではなく、せめて高校の内容をそれなりに身に付けている学生だけが大学に入れる状態になるまで、大学の数を減らすことだろう。
2008/1/ 5
「ゆとり教育」に端を発する学力低下が叫ばれるなか、「私大学生の2割の学生の日本語力が中学生以下」という驚きの調査結果が明らかになった。この調査を行った教育機関では、「大学でのeラーニング導入を推進しないと、今の大学は生き残れない」と提言している。
66%が「中学生以下」と判定された大学もある
大学生の基礎学力の低下を受け、独立行政法人・メディア教育開発センター(NIME)では、日本語・英語・数学の基礎学力を測定するための「プレースメントテスト」を開発し、各大学で提供している。調査は1998年から00年、04年から07年にかけて行われたが、「日本語力が中学生レベル以下」と判定される大学生の割合が非常に多いのだ。まとまったデータが残っている04年時点(24大学・7353人が受験)で、「中学生以下」なのは、国立大学で6%だったのに対し、私立大学では20%で、短大では実に35%。06年の調査では、66%が「中学生以下」と判定された大学もあった。
このプレースメントテストを開発したNIMEの小野博教授によると、大学での授業を理解するためには、高校生レベルの日本語力が必要だといい、この調査結果からすると、授業の内容さえ理解できない大学生がかなりの数にのぼる、ということになる。
小野教授は、
「大学の数を増やしてしまったことで、(1科目受験のみで合格できる制度が登場するなど)入試制度が変化しており、入試で受験生を選別できなくなっています。そこで、プレースメントテストを行って『学力別クラス編成』をする大学も多いです」
と嘆息する。
教育方法学が専門の藤川大祐・千葉大学准教授も、
「(自身が勤務する)国立大の学生を見ていても、ちょっとした漢字を書くのでさえいい加減だったり、簡単な数学が出来ない、という例が目立ちます。そう考えると、調査結果にあるような『私立大学で日本語力が中学生レベルの学生が多い』という話も、驚きには値しないと思います」
と話し、学力低下を実感している様子だ。
全国107大学がeラーニング参加を表明
これを受けて、2007年11月1日には、eラーニングを使って学力底上げを目指す「オンライン学習・大学ネットワーク」がNIMEを事務局として立ち上がり、全国107大学が参加を表明。08年4月からは、補講用の数学、物理、英語などの教材を配信する予定だ。
前出の小野教授は
「現状では、コンテンツが足らなさすぎます。まずは大学の先生たちが授業をやりたがらない分野を充実させたいです」
と話す。なお、「授業をやりたがらない分野」とは、「中高生の勉強をやり直すような内容」や、「SPI(企業の採用選考で使われる、マーク方式の能力・性格検査)対策などの就職準備」などだそうだ。
一方、藤川准教授は
「何かやれば学力は上がるものなので、eラーニングもひとつの方法だとは思います。ただし、(学力低下が指摘されている)これまで勉強してこなかった学生に、対面でない状況で教えたとして、どれだけ効果が上がるのかは未知数だと思います」
と、やや懐疑的な様子だ。
高校で科目選択などでやってこなかったとか、高校で学んだ当時にあんまり必要だと思わなかったので学生が忘れてしまっているといった内容については大学でフォローするのが適切だが、中学校の内容をフォローするというのはどう考えても違うのではないか。もし、中学校の内容をフォローするとしたら、それは高等学校の役目だろう。
小学校の内容を身に付けていないのに中学に進める、中学の内容を身に付けていないのに高校に入れる、という、粉飾決算のようなことを繰り返した挙げ句に発生した事態なのだから、根本的な対策としては、大学の数を減らして浮いたリソースを小中高に振り向けて、各段階での学習内容が身に付くまで留年も有りにして、人手と時間と予算をかけてケアするしかないのでは。
先日の同窓会で、中学で教師をしている人がぼやいていたのは、分数がわからない中学生が3分の2居る、ということだった。ちょっと詳しく聞いてみたら、数や量の概念を全く分かっていないといいうことで、それでも「中学校数学の公式に当てはめて方程式を解く」ことは一応できるらしい。これは、中学受験などでほとんど選別せず、学区制でほとんどの人が公立小→公立中、と進んでいる状態での話である。中学受験で優秀な人の大部分が私立に行った後に残ったグループでの話ではない。普通に公教育をやって、小学校で身に付ける内容を身に付けないまま中学校に進んでいる人の割合の方が多いというのではどうにもならないだろう。だからといって教育内容を削減するようなゆとりにしたって問題は解決しない。超多忙な先生方にゆとりを持たせて、小中高それぞれで身に付けるべき内容を教育することに十分な手間と時間をかけられるようにするしかないのではないか。
カテゴリー:教育関係
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posted at 2008/01/06 12:47:10
lastupdate at 2008/01/06 12:47:10
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