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第6回
講義内容
- X線・中性子線でものを見る
- 光(電磁波)、光の放射、黒体輻射、光電効果
- 物質の波動性
- 量子力学構築へ
- 電子状態の記述と電子の軌道
- 水素原子
- 他の原子の電子状態
- 「波動」系インチキを見抜くために(周期表と物質の波動性と不確定性関係)
第6回の内容に関する質問とコメント
- いつだったか「動物が一生に打つ心拍数は種にかかわらず全て同じである」(だだし、条件として、健康で、老衰で亡くなること。バクテリアといった細菌類、微生物のことは私自身忘れてしまいました)とありました。そこでの例として、ゾウとネズミが挙げられていましたが、私はこの話、怪しいと思います。
→「ゾウの時間ネズミの時間」(中公新書)でしょう。怪しいかどうかはきちんと読めばわかるのでは。動物の1分あたりの心拍数は比較的簡単に測定できる。個体差があるとしても、ある程度の数測定すれば平均値がわかる。寿命の方は、手間さえかければ出るだろう。だから、この話は、最終的に、どのていどの精度でいえるかということを科学的に確認できる話である。だから、著者がどれだけ綿密に調査したかによって情報の信頼度が決まるはずだから、詳細がわかるまで、怪しいか怪しくないか判断保留にするべき。
- 人間が生活していく上で必要のないものではあると思いますが”黒色の光”を開発することは可能でしょうか?日差しの強いところで暗幕入らずの映画が上映されたりすることができれば結構な発明かも。
→目に見える光が届かなければ黒色になるので、黒色の光の開発は無理。なお、屋外で使える巨大なディスプレイがビルなどに設置されているので、そちらを使えば昼間に屋外で映画の上映は充分可能。
- 物質に波動があるなんて初めて知った。考え方は難しいけど知れてよかった。
→くれぐれも、怪しい方の「波動」と混同しないように。ミクロな世界では、波と粒子の性質の区別に意味がなくなるということ、実際、電子や中性子といった粒子が、回折、干渉といった波特有の性質も示すという実験事実がある、ということに過ぎないので。
- 気の合う人とか、何となく「波長が合う」ような感じがしていたのですが、それは気のせいだったとわかった。でも、波動でない別の何かがあるような気がする。
- 人も波動をだしているため気が合う人とは同じ波動をだしている、というインチキな話を読んで、前この話を聞いて信じていたので今それがインチキと知ってかなりショックでした。
- ミクロな世界を数式で示すなんて昔のおえらいさん方はもの好きです。さて「あの人と気が合う!」という場合はよく「おなじにおいがする」と言いますが、それも嘘だということですか?
→比喩の話と物理量をごっちゃにしてはいけない。気が合うことのたとえとして「波長があう」「同じにおいがする」と言うのは非科学でもなんでもない、普通の表現である。だからといって、実際に人体からまか不思議な波が発生しているわけではないし、同じと同定できる臭い物質(化学物質)が漂ってくるわけではない。波動の話が非科学なのは、「あの人とは同じ波動が……ウマも合うし」というたとえ話で止めておけばいいのに、「ウマがあうのは、(実際に測定できる物理量を伴った)波動が出ていて、それは、物質が波動性を示すこと同じ理由による」と、ありもしない自然現象を無理矢理くっつけるからである。
- 今回の授業で量子力学と量子化学の世界に興味を持ちました。紹介読本か何か簡単に読める本はありますか?
→amazon調べてみた。
◎「「量子論」を楽しむ本ムミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!」佐藤 勝彦著 ISBN4569573908
◎「量子力学とはなんだろう」 長岡 洋介著 ISBN4005004288
◎「ゼロから学ぶ量子力学」 竹内 薫著 ISBN4061546511
◎「なっとくする量子力学」 都筑 卓司著 ISBN4061545051
最初に2冊は文庫と新書で、まあ誰でも気軽に読める本。あとの2冊は最も易しい専門書。
専門に行ってから本気で勉強するなら、教科書は選ぶのに困るほどある。ただ、数学の準備が必要。簡単な微分方程式と、三次元の極座標表示での微分のやり方を知っておく必要がある。できれば、大学の線形代数も知っていた方が理解が容易になる。
- 私たちは紫外線にあたって、日焼けしても何日かたつと治ってもとのようになり体に害が残らない気がするのですが、紫外線は体にあてると良くないのですか?
→日焼け程度なら戻るが、強い紫外線だと肌の皮がむけることがある。つまり、軽い火傷と同じ。長時間当たっていると皮膚癌になる可能性も上がる。また、紫外線過敏症のように、紫外線に当たると皮膚が炎症を起こす人もいる。赤外線ではこんなことはない。
- 酸をなめると人間の舌にはすっぱく感じると聞いたのですが、お酒を割るための炭酸水は全くすっぱい味がしません。どうしてですか?
→なぜだかよくわかりません。ただ、酸といっても種類によって味が違うので……。
- 以前、”植物が謳う”というような文句で植物の葉野中にある水分を利用して(振動によって)音楽を流すというものがTVでやってました。面白いとは思いましたが、それが何の役に立つのかはサッパリ解りませんでした。ほんの少し見ただけで理解できなかったものもありますが、こういった利害がイマイチ解らないもの、この講義を受けてからやたら目につくようになりました。
→植物内の水の動きは、植物の生理学の研究対象。それを音楽に変えるのはただの遊びだから、役立てようと思ってはいけない。そこに、何か理屈をつけて役立てようとすると嘘が入ってくる。
- 水には硬水と軟水があるけれど、電子的には同じなのですか。
→水分子そのものに変化が起きるわけではない。電解質の量のと種類によって、まわりの水分子が少し影響をうける。電気的に引き合ったりするから。
- 烏龍茶が体内の余分な油分を排出してくれるというのを雑誌で見たことがあるのですが、これは本当ですか?
→どうも嘘っぽい。お茶の成分は、フラボノール、カテキン、γアミノ酪酸、カフェイン、ビタミンC,E、βカロチン、セレン、と、多糖類など。烏龍茶は発酵を途中で止めるので、これらの物質およびこれらが参加した物質が含まれる。薬理作用や生理作用はそれぞれあるが、油分を排出することに効きそうな物質はない。この手の話は、まずは、どの物質が問題の作用を持つのかまで確認する必要がある。あるいは、どういう実験結果から出てきた結論なのかを確認した方がいい。元の情報までたどれない形で、お話だけ出てきたものは、話半分というかマユツバで聞いた方がよさそう。
- ポカリスエットをとると身体の電離質のバランスが正常に保たれるときいたことがあります。けれども、高校のとき、化学の先生から、大量に飲まない限り、そのようなことはあり得ないと教わりました。やはり1,2杯飲むくらいでは効果がないのでしょうか。
→この講義では製品名の伏せ字不要。
それはさておき、人間の身体は恒常性の維持というのがあって、電解質のバランスは大体一定に保たれている。これが大きく崩れると命に関わるから、病院の治療では輸液といって、足りなくなったものを直接血管に入れて補ったりしている。健康な人でも汗を大量にかくと、身体の中のナトリウムが減ることは確かで、水と一緒に補うことには意味がある。しかし、バランスを調整するのはあくまでも人体の力であって、ドリンクそのものの作用ではない。ドリンクは、必要なものを補って、身体がバランスを調整することを助けているだけである。
- 金や、他の物質などは精製したら全て同じと言ってましたが、そうしたら、例えば「○○から取れる金は良質だ」とか言いますが、この良質ってのいうのは何ですか?不純物が少ないということですか?
→不純物が少ないという意味でよい。また、不純物が少しはあるが精製しやすい場合もこう呼ぶかもしれないが。
- この前ふと思ったのですが、今僕は「Dr.Grip」というシャーペンを使っています。その説明によると人間工学に基づいて設計されており、書いてもつかれないということをウリにしています。それが気に入って使っているのですが、本当にそうなのか疑問に思えてきました。疲れ方は個人差もあると思うし、いくらつかれないと言っても書き続けると疲れるだろうし…。僕は販売会社に騙されていたのでしょうか?
→個人差があるから、合う人と会わない人がいる。私にはDr.Gripは太すぎて使いづらいが、別の人は書きやすいと言っている。どちらも正しい。作る方は持ちやすさを考えて設計していると思うが、それが合うかどうかは各自試してみるしかない。
- ケータイから電磁波が出てるときいたことがあるんですが、それは人体に影響あるんでしょうか?
- 携帯電話から電波が出ているわけですが、コンクリートの壁も突き抜けれる程の電波は人体の有害ではないんですか。
→今のところ健康被害が出たという話はない。
人間の身体はほとんどが水だから、携帯電話で使われている周波数帯の電磁波をよく吸収する。さらに、水は熱容量が大きいから、携帯電話程度の電磁波を吸収して熱が発生してもほとんど温度が変化しない。また、携帯の電磁波は、直接、化学物質を変化させるほどのエネルギーは無いから、細胞を傷つけたりといった効果も無い。
- パソコンを使うとき、電磁波を吸収して成長するというサボテンを近くに置いて操作するとサボテンなしの時より疲れないのですが、それは本当にサボテンが電磁波を吸収しているということでしょうか?
→電磁波の波長による。可視光であれば確実に吸収、つまり光合成している。もっと長い波長の電磁波なら、水で吸収するかもしれないが、それは当たったところだけである。パソコンのまわりをびっしりサボテンで覆ったのならともかく、人が普通に使っている状態では、電磁波を減らす効果はほとんどないはず。こういう話をきくと、むしろ、サボテンから何か微量の化学物質が出てないか調べたくなる。思わぬ微量成分が効果を示すこともあるので……。なお、疲れるかどうかの定量評価も微妙だから確認が必要。
- ちょっと思い出したのですがジアゾニウム塩は乾燥すると爆発すると聞いたのですが爆発したらどの程度の威力がありますか?
→威力までは分からないが、量によって違うだろう。乾燥した状態で加熱したり光が当たったりすると窒素ガスを出して分解する。これが急激に起これば爆発する。
- ブルーバックスとは何ですか?
→講談社が出している新書で、科学をテーマにしたもの。生協にもある。
- 赤外線には熱以外の害はないのか?
→普通は無い。赤外でも、パルスレーザーのように著しく強い光を使った場合は熱効果以外の現象が起きる。
(追加:赤外線分光という実験方法があって、光源として役に立っている。それでも、最終的には熱に変わる)
- 世の中にはけっこうインチキやらが横行していてビックリ。TVショッピングでだまわれそうになったら、この講義のことを思い出そう……。
- みんな色々な質問を出していて、それを読むのが毎回楽しみです。水の話、私も信じかけていたので、うそだと教えてもらって良かったです。
- 物理を受けていましたが、初めて聞いた言葉もあり。やっぱり大学は違うと思いました。
- コメントの斬鉄剣の話の中の「空想科学読本」は私も読んだことがある。タケコプターとハイジのブランコの話が面白かったです。最近コメントを読むのが楽しい。
- 世の中インチキが多いんだなと思いました。
- 回を重ねるごとに水のすごさと不思議さに引き込まれます。
- カツ事件の続き。高校まで遠かったので朝6時30ぐらいに弁当が出来て、12時30ぐらいに食べ、気づきました。カツは出来たてだったので朝40℃〜50℃ぐらいでアルミケースにソースをかけ入れたと思います。妹がいたので家に帰って確認したところ、ソースのついた部分はやはり穴があいてました。ブルドックソースは中濃。アルミケースも普通にスーパーとかで売ってるものです。ソースの成分がはっきりしない以上どうしようもないですが、カツによる熱+ソースの中の酸+Alで反応が起きたのかと…。取り上げてもらいありがとうございました。
- 一口にインチキと行っても、ものによってはいかにも本当っぽく書いてあるのだなと思いました。自分も気をつけねば……
- ものすごく難しい内容であまり理解できなかった。でも分かれば面白い話なんだろうなと思った。(他3名)
- だんだん本格的んいなり難しくなってきた。
- 今日の内容は少し難しかった。でも、「波動」系インチキの話はわかりやすくて面白かった。
- 今日はセンセイの言った通り本当に難しかったです。この先ついていけるか、また不安になりました。
- 高校の時に途中まで物理を履修していたので半分くらいは分かったと思います。
- 物理的な話があってむずかしかったけど、奧が深くていーですね。
- 雪の結晶の写真集をぜひ見たいと思った。(他1名)
- 電子の軌道についてよくわからなかったが、興味はあるのでもっと学びたい。
- 波動という名前だけが一人歩きしていろいろな嘘に使われていることがよくわかった。
- 高校の物理で習ったλv=cが復習できた。波長の短長の性質を応用することで夕日が赤いことも説明できると思った。地球では24時間、四季それぞれで波長は常に変わっていると分かった。
- やっぱり物理は難しいなあと思った。頑張ります!
- 難しくて、ところどころしか分からなかった。でも1つでも多く新しいことを知るのが大切やあと思うので、気長にいきます。
- 今日の内容は少し(だいぶ?)難しかったですね。脳みそでかみ砕きにくかっったです。
- 結構むずかしくなってきた。ついていけるか不安です。
- 「波動」系インチキの話で[嘘]の記述がもっともらしく述べられているのでウソを見抜くのは難しいなあと改めて思いました。
- 光を粒子っぽく考えることができるのはすごいと思った。
- 「波動」系インチキがあるなんて知らなかった。私はきっと今までいろんなインチキにだまされていたと思うので、これからはだまされないように気を付けたいです。
- インチキを見抜くのはやっぱりむずかしい、とあらためて感じた。見抜けるように努力したい。
- 「量子力学」とか「量子化学」とか、イマイチ難しすぎてわかりにくかった。
- (質問の続き)殻を割った卵が爆発した時、外側の卵白から固まっていました。
- 講義にはあまり関係ないが、質問コーナーの斬鉄剣の話にとても興味を持った。流石、石川五右衛門。
- 光について深く理解できた。
- いつも思うのですが、波長や振動というのは人の目には見えないが電子や水には影響を与えているのがわかる。
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