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第9回
講義内容
- 化学反応とエネルギー
- 物質の安定性
- 標準電極電位
- 健康グッズの酸化還元電位の嘘
第9回の内容に関する質問とコメント
- 薬局では「飲むとやせる水」が売られています。商品名は忘れました。なぜ、1日2lほど水を飲むだけでスリムになるのか疑問です。ご飯を食べてしまえば意味がない気がします。
- 飲んで歩けばやせるという「アクティブダイエット」。でも、成分は果糖とかの糖類がけっこう入っているので逆に太る、良くてプラスマイナス0じゃ……。
- 今、コカ・コーラから「アクティブダイエット」という飲み物が発売されているが、宣伝などで「歩いてやせよう」というフレーズが使われている。それは、本当に歩いたり、運動をすればやせるのか?また、なぜやせるのか知りたい。教えてください。
→ダイエットの基本は、消費カロリー>摂取カロリー、を維持すること。運動をすれば痩せるわけじゃなくて、この条件を満たせば痩せる。
- アルカリイオン水を使用したうどんやそばという売り文句の商品をネット上だけでなく、山形内でも目にしましたが、通常の水を使用した場合と成分がちがったりするんでしょうか?うどんはともかく、そばは熱湯を使って練ると以前聞いたことがあるので、水を熱しているうちに普通の水を同じになったりするのでは?それともアルカリイオン水は熱しようと凍らせようと放置しようとアルカリ性に変化はないのでしょうか?
→電機分解しているので、pHも成分も少し違う。空気にさらして放置しておくと、二酸化炭素が溶けて、炭酸イオンと塩基の間で中和してアルカリ性が失われるはず。
- 硬水と軟水ってありますが、科学的にはどのような違いがあるのですか?
→カルシウムとマグネシウムの濃度が高いものが硬水。WHOの基準では、0〜 60mg/lが軟水、60〜120mg/lが中程度の軟水、120〜180mg/lが硬水、180mg/l〜が非常な硬水。料理で使うなら、出汁をとりやすいのが軟水、アクを取りやすいのが硬水。
- 自然発火というのを聞いておもったんですが、やっぱり人間にも当てはまるんですか。だとしたらそれは何℃ぐらいですか?
→人間の場合はそのままでは発火しない。理由は大量に水を含んでいるから。乾燥した紙の場合は大体230℃で発火する。
- 清涼飲料水を飲み過ぎると体がだるくなったりするとききますが、ペットボトル飲料でもお茶や果汁100%ジュースなら、そういったことはないのですか?まず「清涼飲料水」とはどういったものなのかハッキリわからないのですが
→「だるくなる」がどういうことかもはっきりしない。
- 最近見たのですが、電池のコマーシャルで新商品の電池に変えると聞こえる音や音楽がもっときれいに聞こえる、のようなことを言っていたのですが、電池によって音は変わるのですか?自分は機会の性能だと思うのですが。
→使っている間にどのように電圧が変化するかは電池によって違うはず。電圧の変動に対してどこまで音質を維持できるかは機械の性能による。使用可能な間、電圧の変動が少ない電池が出てくれば、より長い間いい音を楽しめるのではないか。
- 人間は身体中に存在する物質を1種類でも平均摂取量より多く摂取すると死亡するというのを聞いたことがあるのですが、例えば「最近怒りっぽいよ?」と友人に忠告されたから、カルシウムを多く含む食品やサプリメントを摂るとどうなるんですか?(またカルシウム以外の物資の副作用にyほる脂肪はここでは考えないでください)
→完全なウソ、デマでしょう。多少の偏食では人間は死なない。
こんなことがもし本当なら、たとえば、平均摂取量より多い食塩を、濃い味のみそ汁や塩辛い漬け物で摂取しまくっている東北地方の人々は今頃全滅しているはずだが、実際はそんなことはない。
- 活性酸素を吸うことでリラックス!というあおりの酸素発生機(?)のような機械が売っていました。活性酸素は魚の焦げに含まれたり、植物のストレスの原因物質で、身体に良くはないと思うのですが。第一、酸素過多が身体に悪そうなのですが……どうでしょう?
PS.日本で放送している科学(化学)番組で先生がオススメするものはありますか?
→魚の焦げに活性酸素が含まれているというのはデマではないか。活性酸素自体は反応性に富むのですぐなくなってしまう。活性酸素は劇物なので余分に吸わない方がよい。ただし、空気中にも微量存在するが、これは問題ないし、なくせばいいというものでもないらしい。ラットを使った実験では、活性酸素を除去するフィルターを通した空気を与えると寿命が短くなるという結果になった。生きものの体は今の環境を前提にして動いているのかもしれない。
残念ながらTV番組で信用できるものはない。NHKが比較的まともなことをやっているが、それでもたまにおかしな話が混じることがあるので油断できない。雑誌だと、「暮らしの手帖」はまともなことをやっている(広告収入を一切得ずに編集して本を売っているので、外からのしがらみで情報を曲げられてしまうことがない)。
基本的に、商品を薦めるものや、商品を薦めるのに使える本などを書いている人の記事は、情報がゆがめられているという前提で扱うべき。
- えんぴつの裏をぐーっと10秒間強く合わせると、はなす時に磁石になったような感覚になる、という遊びを小学生の時にやったのですが、どのような現象なのでしょうか。
→力をかけて急に抜くと感覚が違ったり、手の指に鉛筆がくっついたりといったことで普段と感じ方が違ってくるのでは。
- 電解セル、セル電圧って何ですか?それから授業に関係ない質問は答えなくなったのですか?
→電解セルは、電気化学反応をさせるための容器。ビーカーに溶液を入れて金属板を入れたものと思えばよい。セル電圧は、金属板の間にかける電圧。
質問には基本的に答えている(たまに書き忘れることがあるけど)。単なる感想については、コメントしないことがある。
- 今回はさすがにハードでした。嘘こいてる(明らかなもの)企業を訴えることはできないのでしょうか?
→具体的な被害が発生するまで訴えることはできない。
- 「化学便覧」等に出ている標準電極電位の値はΔfGから計算した値であって実測値ではない、実測すると定数表の値と多少異なるのが普通であると書いてあったが、ΔfGからの計算値と実測値ではどれだけの差がそれぞれの化合物において違うのか知りたい。
→酸化還元電位の差が0.2V程度のものについては、実測と計算値が逆になることが知られている。つまり、最大で0.2V程度は変わってしまうということ。測定のときのpHや濃度によっても変わる。具体的には、それぞれの条件で測ってみないとわからない。
- 電子レンジはどのようにしてモノを温めているのですか?
→水は、マイクロ波から遠赤外線(数GHzから数THz)の電磁波を吸収する。電子レンジは、2.45GHzのマイクロ波を用いて、そのエネルギーを水に吸収させることで温度を上げている。大抵の食物には、水が含まれているので暖めることができる。
- 電話はどのようにして声が伝わっているのですか?
→音が聞こえるのは、スピーカーの膜が振動して空気を振動させて、それが耳の鼓膜を振動させるから。順番としては声→空気の振動→マイクの(膜の機械的)振動→電気信号に変換→スピーカーの(膜の機械的)振動→空気の振動→耳の振動。個別の技術としてどう実現しているかは、電話会社に訊くかネットで調べるかしてほしい、なお、電話線は4本の金属線の集まりだが、うち2本はベルを鳴らす電源だったりするので注意。昔、ネットワーク対応のfaxプリンタの、10-BASETのジャックに、電話線のプラグを入れた人がいて(一回り大きさが違うが似た形なので)電話がかかってきたためプリンタが壊れたことがある。
- 実家にアルカリイオン水の浄水器があるんですが…アルカリイオン水は飲むと本当に健康にいいんですか?
→アルカリイオン水の顕著な効果は期待できないが、一日に水を飲む量を増やすと体調が良くなる人が一定数いることは確か。2000年の臨床試験では、腹部愁訴について、普通の蒸留水を飲んだ人の6割強が、アルカリイオン水を飲んだ人の8割弱が改善した。純粋にアルカリイオン水の効果があったのは10人のうち一人以上二人未満。
- ピップエレキバンか何かの貼る肩こりの薬のCMでゲルマニウムが入ってるとやっているのを見たことがあるのですが、本当に肩こりに効くのですか?
→ゲルマニウムが効くことは期待できないが、他の成分も同時に入っているはずで、そちらは効くかもしれない。
- たくさん同じ情報があると信じてしまうことを私もしていました。かといって他と違う情報を信じることはなかなかできません。自分で見極めるためには、まだまだ知識不足だと思いました。今、すごく知識を増やしたいと思います。
- 世の中にある嘘くさい科学を見抜くには基本的な知識だけでは難しいと、前回、今回の電気化学の講義で痛感した。また「自然のエネルギー」と聞くと神秘的でスゴいエネルギーだと感じていたが、先生の話を聞いていたら確かにそうだと思った。
- 疑いの目で見ると市場やTVには色々な嘘くさいものがありますね。ゲームではお偉いさんが監修したゲームで脳が活性化されるというのがありますが、今の自分ではもはや欲しいとも思わないでしょう。また思いっきりテレビでももう何でもからだに良いと言いまくってるし、バラエティー番組をうのみにしないことが大切だということを実感しました。
- 「〜のエネルギー」というのは〜の不思議なパワーってことを言いたいんだと思います(それこそ科学でもなんでもないウソですが……)
→まとめてコメントする。情報を判断するにもコスト(手間など)がかかることを忘れてはいけない。すべてのいい加減な情報について、ところん調べて自分で判断していたら、手間がかかって仕方がないし、本業にも差し障る。基本的な知識を増やして、怪しい情報と距離を持ってつきあえるようになればいい。100%完全に正しく判断しようと思わない方がいいし、実際無理である。私だって、自然科学ならかなり広い範囲で怪しいかどうかを見抜けるが、例えば経済学や歴史学になったら、正しく判断できるかどうか怪しいものである。要は、生きていく上でくだらない情報に振り回されて大きな無駄をしなければよいということ。
なお、専門家がいい加減なことをやるとなぜいけないかというと、倫理や道徳の問題ではなく、専門家があてにならなくなった場合、社会を構成する人々がいろんなことの判断にかけるコストが増大するから。
- 自然のエネルギー、水本来のエネルギー…。ウソだけど、それはそれでいいんじゃないっすか?婦等思慕効果でしたっけ。お腹痛がってる子供に「お薬だよ」って言ってデンプンを飲ませると治るやつ。思いこみで体が気持ちよくなるならいいんじゃないかな。宗教みたいなもんですよ〜。ウソは良くないですけどね。
→病気の実態が本当に無いならプラシボでも暗示でもいいのですが、この手のウソを放置しておくと、もっともらしい体験談付きで商売に使われることがほとんどである。で、問題なのは、本当に治療が必要な人が信じてしまって、適切な治療を受ける機会を逃すことがある。病気の自覚症状は、良くなったり悪くなったりすることがある。たまたま良くなるタイミングにあたっていて、問題ないと思いこんだ挙げ句手遅れということが起こり得るから、体験談にだまされるなと言い続けている。
- あるある大辞典などは芸能キャリアが長く国民に好感を持たれ信頼されているタレント(志村けんや堺さん)を起用している上に、1回の放送で必ず1〜2回はいかにも物知りそうな白衣を着た人物が効果の説明しているので信用してしまうと思う。加えてその番組自体も何年も放送され続けていてお茶の間に浸透しているのでついつい「これだけ長く放送されているんだから信用できるだろう」と思ってしまうと思う。あと僕も先週この欄何も書いていなかったんですけどちゃんと出席してますよ〜(^^;)v。
→理由を一つ一つ考えてはどうか。
芸能キャリアが長く国民に好感を持たれている=芸を評価されたのであって科学的判断能力や知識を評価されたわけではない。
物知りそうな白衣を着た人物=演出。ドラマでは、医者や大学教授が白衣を着て出てきて、大抵の場合本物よりもずっと権威と威厳に満ちあふれている。
番組が継続=視聴率がとれ、かつ、問題を起こさなかったから。番組は広告を提供するスポンサーのためにある。
- 酸化還元電位の低い水が良いというのがウソというのは初めて知った。だまされないようにしたい。
- 多くの健康グッズを考えると、現代人は「健康」という言葉に弱いことがよくわかる。今日の内容はかなり難しかった。
→これだけ長寿が実現してるのにおかしな話だ。
- 科学的な効果を主張している側の目的がどこにあるのかを考えると、本当かどうかのとりあえずの目安になるんじゃないかと思った。医療関係にたずさわる知人が「でも、テレビでMさんがそう言ってた」という老人がとても多いと言って笑っていた。
→情報提供元の立場を考えるというのは非常にいい着眼点。
健康グッズ・健康食品業界から広告収入を得ていれば、スポンサーに都合の悪い情報は出ないことが予想される。記事内容が、特定の製品を薦めるものであった場合、その製品を売りたい人によって情報がゆがめられている可能性がある。本当に正しい情報が欲しいのであれば、広告収入にある程度頼っていたり、記事の筆者が自分で健康グッズを売っていたり健康関連企業に使われそうな本を出していたりするような雑誌や番組を選ぶことが間違いでは。
逆に、ネットの場合は安価に情報発信できますから、おかしな情報がノーチェックで流れるかわりに、正しいけれど利益にならないのでスポンサーがつかない情報も同時に流れる。
- 他の教科ではレポートの提出はしなくていいいのですか?
→他の教科のことまではわからない。
- 今日の授業を聞いて、バラエティー番組の健康についてやCMをうのみにしないようにしようと思いました。また、同時に雑誌に書いてあることも信じないようにしたいです。
- 健康グッズのところがおもしろかった。
- 電気化学は興味があった分野だったので楽しかった。
- 他の講義でも「エンタルピー」と「エントロピー」が出てきていたけれど、この講義のプリントでそれぞれの意味がわかった。
- 今回の話は最初から難しくてほとんど理解できなかった。化学用語が多く出てきて、本当に文系でもついていけるのか心配になった。
- 難しくて理解できなかった。
- 難しくてついていけるか心配なので、がんばらなければ……。
- 内容は難しかったが、化学で出てきた用語がちょっとわかったので、少し理解できた気がした。
- 酸化還元電位が普段の生活の中で意識されるものだと思っていませんでした。プリントに書いてあった宣伝文句はほんま嘘くさって感じでした。あと、あるある大事典やすぱすぱが微妙だと知り、ショックでした。
- 健康グッズ関連の宣伝は本当にデタラメなものばかりなんだとつくづく気付かされます。
- 難しい内容だったけど、興味があることだったので理解したい。
- 今回の授業もためになることが多く、面白かったです。
- クーラーは使った方がいいと思う。
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