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第5回
講義内容
- 液体の動的構造とは?
- 動径分布関数の説明
- 水・氷の動径分布関数
- アモルファス氷
- 氷の水素原子の位置
- クラスレートとは?
- 水を特徴づける量
- 水の電気伝導
- 水の質量分析
- 水のX線・中性子散乱
- 構造モデル
- 分子動力学計算
- 氷の結晶と道徳の話
- 余談:それは道徳の問題か?(文部科学省「心のノート」3・4年生より、理科と道徳を混同するとまずいという話)
第5回の内容に関する質問とコメント
- 純水(完全な純水は無いといっていたが)はほとんど電気を通さないときいたことがあるのだが、水の電気伝導が食塩水よりも早いと言われ、良く分からなかった。以前聞いた話は間違いなのでしょうか。それとも”電気を通す通さない”のと”電気伝導”は別モノなのですか?
→純水はほとんど電気を通さない。電気をよく通すかどうかは、電気を運ぶイオンがたくさんあるかどうかで決まる。水の場合は、食塩水に比べてイオンの数は少ないが、イオンの動く速度が速い。
- あやしい話ってどんなのだろうと思っていましたが、具体的には最後の話のようなものがあるのですね。透明な氷と白っぽいものは何の違いでしょうか?
→白っぽい部分には、凍るときに閉じこめられた空気が入っている。
- 科学と化学の違いについて言っていましたが、つまり、物理、生物、化学、地学をひっくるめて科学なんですよね?
→分野としてはそうなる。医学や薬学も含まれる。もっと広い意味で「社会科学」も科学だという人もいる。まあ、分野の名称として「科学」ということもあるし、方法論として「科学」ということもある。
- 『水からの伝言』すごく面白いなあって思いました。
- 道徳も科学的観点から見ると変なのが多いなあと思った。似たような話で「日本酒を造るときに日本酒に音楽を聴かせると良い」というのがあって、これもウソなんかなぁと思った。¥¥
→「酒が音楽を理解する」という話になってしまうとオカルト。「発酵のときに外から音波を与えると様子が変わるか?」ということを科学の手続きで調べるのは、普通の研究。
- 江本勝氏の話で思い出したのですが、サボテンに毎日「おはよう」「おやすみ」「行ってきます」などと声をかけていたら、トゲが無くなった、という話がありました(TVで)。「嘘だろ〜」と思っているのですが、インチキですよね?
→トゲが無くなったことは事実だとしても、言葉をかけたことが原因だということの立証になっていない。【追記】それ以前に、「トゲが無くなる」というのはサボテンにとって非常によろしくないような……サボテン的には確実に不幸なんじゃないかと。
- 氷の分子も動いているというのは、はじめて知ったがびっくりした。どの程度の温度や圧力になると、完全に動かなくなるのだろうか。そういえば、スポイト一滴ぐらいの水に水分子はどれだけ入ってるんだっけ?「お水さんありがとう」は読んだことがある。言われてみればおかしいですね。「お花さんおはよう」とか。「植物の心」は昔からいろいろあつかわれているが、やっぱり科学的根拠は何もないのでしょうか。
→18g=18ccで6×1023個。1ccの50分の1程度が1滴だとしても、6×1020個位。
- 存在度がー1ってどういうことですか?
→よくわからない。プリントに出した図の元になっているのは、Nartenらの論文だが、動径分布関数であれば、何も存在しないところが0、遠方でピークがなくなったあたりが1になるはず。Nartenらの別の論文ではそうなっているし、実際、形は動径分布関数そのものである。とすると、本に載せる時に著者がグラフの縦軸をつけかえたとしか思えないが、なぜそんなんことをしたのかがよくわからない。
- アモルファスという表現がカッコいいです。アモルファスとはどんなものですか?日常で聞いたことがありません。今回説明されましたがイメージがわきません。実物が見たいです。
- アモルファス氷の形の例を教えてください!!
→見た目は普通の氷に見えていた。結晶構造という意味では、規則的に配列していないので、Ihのような図を示すことができない。
- センター試験に「科学」という科目はあった気がしないのですが、地域によって科目が違うなんてことはありませんよね?いろいろな感想質問に丁寧に答えて、プリントにのせてもらって、書く側にとってはとてもうれしいことです。ちかごろ寒さがきびしくなってきて、毎朝、窓と玄関のドアに露がたくさんついています。これは部屋の温度が高いのか、ただ寒すぎるだけなのか教えてください。部屋は7畳半でこたつがあります。
→私が、「化学」と書くべき所を「科学」と間違えたのかもしれない。試験科目は「化学」が正しい。人間が生活しているだけでも水蒸気を出しているし、部屋の外に排気するタイプではないストーブを使っても水ができる。外が寒いと、ガラス窓のところで冷やされることで水蒸気が水になる。
- 道徳まで取り扱うとは、科学といっているにもかかわらずなかなか広い範囲に踏み込むのですね。ただ、これらの問題はかなり難しいと思う。科学、科学をいいすぎるのもどうかと思う。
→科学のことを持ち出しているのは一体誰なのか、もう一度考えて欲しい。少なくとも科学の側から先に道徳にしゃしゃり出て「科学的根拠がこうだから道徳もこうあるべき」などと主張したことは無い。今回の問題は、道徳(モドキ)を主張する人が、自分の主張の裏付けとして勝手に科学(それも間違った内容で、正確には科学の言葉を借りたインチキ)を持ち出したことにある。
- 3時半を過ぎたぐらいから後ろのほうでこそこそ話してる人がいて気になった。ムカツイた。死んでくれと思った。前にテレビできれいな歌声できれいな形の水の結晶ができて歌が下手な人の歌だときたない結晶になるというのを見たことがあったが、まんまとダマされてしまった。その番組に出てきた教授っぽいやつは何なんだと思った。
→権威を利用した宣伝はとても多い。賞を取ったとか、博士号付きの人が出てくるとか。肩書きにだまされてはいけない。
- 水、氷の動径分布関数についてが興味深かった。メタンハイドレート以外にクラスレートの利用について知りたい。私も「水からの伝言」を見たことがあるが、その話の裏側を今日初めて知った。単に単語だけを抜き出して使うように強いるのは良くないと思う。心を豊かにする言葉を使えるようになっていく必要はあると思うが。
- クラスレートの使いみちを教えてください。
→材料としての使い道はメタンハイドレート以外にない。二酸化炭素でもクラスレートができるので、大気中の二酸化炭素を海底(高圧、低温)でクラスレートにして保管するという案も出ていたが、気候変動などで一度に大気中に放出されたらえらいことになるので、まだ検討中のはず。
- メタンハイドレートが有効利用できたら地球にやさしそう。ただ、だいぶ昔から知られているのであれば、そろそろ実用化されてもいいかも。どんな技術的な問題があるのか。
→圧力をかけるのをやめたら、メタンと水に戻ってしまう。また、石油の方が安い間は実用化はあまり進まなさそう。
- おしゃれな名字ですよね。ところで雪と氷の違いがわかりません。
→雪は空で結晶成長して降ってくるもの。水の結晶なら何でも氷と呼ぶ。「雪(ゆき)とは、空から落ちてきた水の結晶(氷の結晶というのも同じ)で、そのような現象が発生しているときの天気、地上に積もった堆積物をも指す。」(http://www.infogogo.com/雪.html)だから、氷の方がより一般的な名称。
- アモルファス氷作りたい。
→http://www.nims.go.jp/water/Publications/highpress2003.pdf
独立行政法人 物質・材料研究機構の一般公開をチェックしてみればどうか。もしかしたらやってるかもしれない。
- 余談がとても興味深かったです。いい話だとは思うんですが……。
- 最後に書かれていた余談も面白かった。出来れば来週ものせてほしい。道徳についての考えもおもしろい。こういうのが好きです。
- TVや雑誌の怪しいものには注意しなければいけないと思った。
- 信用しすぎてもいけないことを改めて感じた。
- 普通に考えるとばかばかしい話が信じられたりするのは怖いと思った。
- 「水からの伝言」の話は昔聞いたことがある気がします。その当時はその話を信じてましたが……。どうでもいいことですが「心のノート 小学校3・4年」の作文例が可愛らしくていいなと思いました。
- 最後の道徳の話は、先生の意見に対してそうなんだなあと思うと共に、例に出てくる大人の方々にちょっとがっかりです。
- 教育委員会の人たちは、何でそんなにあのネタに魅力を感じているか、わけわからなかった。道徳の授業は大抵、学級活動に使われていたから、こんなことを教えられなかった僕は、ちょっとラッキーだと思った。
- 道徳のネタの話が特に面白かったです。
- 水に「ありがとう」と見せるときれいな結晶ができて「バカ」と見せるときたない結晶ができるという講演を高校の時に見せられた。高校の先生や周りの友達等誰一人信じていなかった。よく人前でこんなうさんくさい話を堂々と言えるなと思った。
- 余談の部分について。「人間は動植物と心を通わせ……」の所は面白い。人間の一方的な自己満足や利用なので、それを無理矢理道徳の教育に結びつけることは不可能である。「自己満足や利用させてもらってるから感謝しよう」とかの方が分かりやすく、かつうそなく教育できると思う。
- 水に「ありがとう」「ばかやろう」と書いたラベルを貼って結晶を作ると結晶が言葉によって変わると聞いたことがあったが、それはウソだったということが分かった。これからはもっと考え、こういったものにひっかからないようにしたい。
- 以前「水に『ありがとう』云々は根拠がない」という話を知人にしたところ「夢がない」などと逆に悪者にされてしまった。「そうだったら面白い」とは思うが「実際にそうだ」と信じることは別物だと思うのだが。道徳関連で1つ。昔どこかのテレビ局が行ったアンケート「あなたの好きな自然の風景」で断トツ一意だったのが「稲穂ゆれる水田」だそうで。……人工物なのに。
- きれいな言葉を使うと(人間の身体は半分以上が水分だから)心がきれいな人間になれると思っていたのに……ショックです。でもよく考えたら、きれいな言葉を使う人と使わない人では。他人から見たらきれいな言葉を使う人の方が、心がきれいな人間だと思われやすいですよね。改めて世の中のことを冷静に客観的な目線でよく考えなければと感じます。
- エントロピーがよくわからなかった。今日の講義は初めて聞く言葉が多かった気がする。世の中に間違った情報が流れているということはいけないことだと思った。
- 水に問いかけて答えを求めるなんて、この歳にもなると冗談だろと笑ってしまうが、小学生ならそれらしい証拠のニセ情報を与えられれば本気で信じてしまうのだろう。コワイと思った。
- 「水からの伝言」って化学を少しでもかじれば素人にも分かるはずなのに何で騙されるんだろう?道徳の「心のノート」にしたってほぼコントの領域だし、子ども向けだから手を抜いているのか?と私は思ってます。科学はデータの積み重ねから法則を導き出すのが基本なのにと思いました。
- 質問(コメント?)にこたえていただいてありがとうございました。文字で一つの事柄を方言するのが難しいように、自然の現象を数式であらわすのは難しいんだな(前々回の講義の凍結現象を現す数式みたいに)と思いました。
- 普段から接している水だが、さまざまな性質があっておもしろかった。
- 授業が進むにつれて、水という物質がなんだか不可思議なものに思えてきた。
- 水すごすぎ!
- 今日の話は大変難しく、あまり理解できなかったが、最後の、道徳の話は大変おもしろかった。学期末のレポートもそのような感じで書けばいいのでしょうか。
- 難しくてよくわからなかったです。もう少しわかりやすい話をお願いします。
- 最後のほうの「ありがとう」のラベルの雪の結晶の話おもしろかったです。私たちが提出するレポートもああいった感じで書くといいのですか?
- レポート等のことに関して、プリントに書いてくばってほしい。聞いただけでは忘れてしまいそうなので。
- 期末レポートに音楽とワインの関係について書こうと思っていたのですが、今日のプリントで似たようなことが書いてありました。これはもう題材を帰った方がいいのでしょうか?
- 寒くて集中できない。
- 早口で聞き取れなかったところがあったので、もう少しゆっくり話してほしい。
- 今日の講義もとてもためになりました。
- 今日も静かでよい授業だった。
- 今日もためになってとてもよかったです。
- ためになった。
- ステキなお名前ですね☆
- 少し難しくてついていけなかった。
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