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第11回
講義内容
- 昔からある疑似科学の例
- 科学の間違え方
- 間違いを防ぐ仕組み:人間は間違えるものである
- 水を巡る病的科学:ポリウォーター
- 最近の病的科学:常温核融合
- 最近の病的科学:ホメオパシー
第11回の内容に関する質問とコメント
- タイムマシーンは開発される可能性はありますか。
→今のところ、物理学はタイムトラベルを禁止していない。禁止していない、の意味は、時空を記述するアインシュタイン方程式の解の中に、タイムトラベルを許容するものが見つかっているということ。ただし、解としては病的なもの(非現実的なエネルギーなどを前提とするから)という扱いがなされているし、タイムマシンを作った時より過去にはさかのぼれないという制約もあるらしい。また、時空の方程式自体が将来別の形のものに取って代わられるかもしれない。私の専門ではないので詳しいことまではわからないが。
物理学は、何が不可能かは教えてくれるが、何が技術的に実現できるかについては答えてくれない。タイムマシンができるかどうかについては、厳密に言えば、否定も肯定もできない。
寝転がって読める解説書としては「タイムマシンをつくろう!」ポール・デイヴィス著(草思社)ISBN4-7942-1223-2、「タイムマシンの作り方 光速突破は難しくない!」ニック・ハーバート著(講談社)ISBN4-06-132798-4がある。"Time Machines: Time Travel in Physics, Metaphysics, and Science Fiction"(Second Edition), Paul J. Nahin 0-387-98571-9は、アメリカ物理学会の出版部が出しているもので、引用文献が充実している(SFファン必携、かな)。分野としては一般相対論や宇宙物理の理論家がいろいろやっている。
- 水が情報を記憶するなんて信じられない。もし本当に記憶しているなら、医療などでもの凄く役に立つような気がする。
→現実には、「水が情報を記憶して医療に役立つ」と自称して数十万円の装置を売りつける詐欺が横行している。また、もし水が本当に情報を記憶したらどうなるか、ちょっと想像してみて欲しい。パスワードから企業秘密からトイレで用を足しているあなたの姿まで、水を通してだだ漏れになるわけで、とてもイヤな社会が実現しそうだが……。
- 代替医療と民間療法というのは同じなのですか?
→代替医療というのは、文字通り今の医学の代わりに使うものである(それが良いかどうかは別として)。民間療法というのは、医学を積極的に使うまでもない致命的でない程度の病気や怪我の回復を早めたり、苦痛を和らげたりする、誰でもできる方法として伝わっているもの(風邪をひいたら卵酒を飲んですぐ寝るとか……)。ただ、これは私の理解であって、はっきりした定義は見たことがないので、探してみて欲しい。
- 今日は難しい内容ではなあったので興味を持って聞くことができました。代替医療を容認するかしないかは、何とも難しい問題である。誰もがしっかりとした医療を受けられるようにすることはできないのか、と思う。
→今のところは大丈夫だが、「患者自身の選択」が過剰に強調されるようになったら要注意。
- 疑似科学、病的科学について詳しく理解できた。ポリウォーター等は、知識がないと特に引っかかりそう(名前等が)だった。
- 科学の進展に間違いはつきものだから新発見があっても必ず第三者などを含めた厳正な判断をしその上で社会に正確な情報を与えるべきだ。間違いが発覚したら研究者は素直にそれを認めるべきである。
- ホメオパシーとか空想ですね。思いこみって強いのかなと思った。
- いくら専門家でも間違うことがある、ということをしっかり覚えておきたいと思った。また、間違ったことを発表した専門家は間違いに気付いたらすぐにその発表を取り消してほしいと思った。一生懸命実験して発見したことが間違っていたと認めることは、専門家としては恥ずかしいことかもしれないが、それを悪いことに利用する人などが出てくるかもしれないし、だまされてショックを受ける人もいるかもしれないので、間違いに気付いたらなるべく早く取り消してほしいと思った。
- デジバイオ社製電話線。たぷたぷしてそうですね。
- 最近視力が下がって悩んでいます。目が良くなる方法ってありますか。
→医学の出番なので、近くの眼科医に相談するべきかと。常識的な対応としては、暗いところで字を見ないとか、長時間パソコンの画面を見ないとか、時々遠くを見るとか。
- 病的科学ってこえー
- レフェリーがずるをするというのを知っておどろいた。レフェリーは大事だと思う。
- レフェリーがズルすることもあるなんていい加減ですね。科学は数学みたいに答えがひとつじゃないからめんどくさいのでしょうか。今年最後のリテラシーの講義おつかれさままでした。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!
- ずっと前にテレビで月面着陸はウソだとやっていて、私も信じてしまった。この講義をうけてなかったら、ずーっとうそだと信じてたかもしれない……。
→「と学会レポート 人類の月面着陸はあったんだ論」山本弘 他著、楽工社 ISBN4-903063-01-1
- 某少年向け漫画雑誌に間違った科学情報に基づいたものがあったのを思い出しました。特に「MMR」なんて”ケッサク”です。
→フィクションはフィクションとして楽しめば良いが、どうせどこかで嘘をつくなら、ステキな嘘で楽しく騙して欲しいね。
- こんなにはっきりとマスコミを通して病的科学が発表されているのに驚いた。結局、名誉や利益が目的だったんだろうか(発表を撤回しないということは)。
- 偉い名誉ある学者が、オカルト的な研究にはまってしまったら、他の専門的な学者が。これはおかしいとメディアを通してすぐに反論し、すべてにおいて無視するべきだ。
→そういう学者を利用しているのがメディアの側だったりする上、批判したって業績にならないから、実は誰もやりたがらない。
- 近くの銭湯に、水道水をアルカリイオン水に変えてくれる素敵な機械が備え付けてありましたよ
- 大学の教授など、専門で学んでいる人だからこそ、自分の知識に自信があるから間違ってしまうんだと思った。
- 異常水は結局不純物が混じった水だったという話でしたが、沸点が150℃を越えるというのは、高校で習った沸点上昇が関係しているのか教えて欲しい
→成分から見て沸点上昇と考えてもかまわない。
- 授業の趣旨とはいえ、いつもこのように失敗(?)例ばかり挙げられていると世の情報を信用できなくなりそうです。といっているそばから耐震強度が問題になっているし……。
→騙されないように。で、社会に出たら騙す側に回らないように。
- 科学って難しい
- わかりやすかったです。
- 難しかったです。
- とても興味をひかれました。でも、少し難しいような気もしました。
- 今回の話とても面白かったです。
- とてもためになる授業でした。今日は暖かかったのでいいのですが、寒い時は暖房をつけてほしいです。
- 前回は電気の話で難しかったけど、今回は水のあやしい話でおもしろかった。12月にこんなに雪が降ってるので驚いた。水がキライになる時もあるのだと思った。
- 大事な実験室にアライグマが入れるということは、それ程の管理しかしていなかったのだと思った。
→東大では、大掃除で猫が発見されたことがある(実話)。さすがに実験室内はきちんと管理していたが、もともとあった建物の大部屋にすっぽり入る形でクリーンルームのユニットを設置しておいたら、元の部屋の天井とユニットの上面の隙間に猫が住みついていた。どこから入ったのか未だに謎である。
- ES細胞の黄教授は詐欺だったのだろうか?
→報道からは、捏造の可能性が高そうだ。自分も信じていたのか、知っててやったのか、これからいろんなことがはっきりしてくるのではないか。
- 山形も今年は例年にない大雪だそうですね。他県出身の私にはよくわかりませんが。先生も転ばないように気をつけてください。私はもう転びました。
→地元で靴を買うのが基本かも。暖かい地方の、とくにファッション性に優れた(?)靴はよく滑ることがある。靴底がどうなっているかで滑りやすさが全く違う。
- 明後日から冬休みなので……休みたいです。
- 暖かくして年末をお過ごしください。よいおとしを。
- よいお年を!
- 来年もよろしくお願いしまする!
- あけおめ!ことよろ!
- そろそろ何についてレポートを書くか探したい
- レポートで実際の企業名(または製品名)を挙げることは可能ですか。
→内容を公表するわけではないので問題なし。
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