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第10回
講義内容
- 表面の現象と水素発生反応
- 酸素発生反応
- 表面では意外なことも起きる
- どうして活性水素の話は怪しいのか
- 前回のまとめ
- 水と生物:化学感覚、水応答、生物の特徴
- 特許について
第10回の内容に関する質問とコメント
- エビの血は青いという話で思い出したのですが、生のエビは透明に近い色なのに、加熱するとなぜピンクっぽくなるんですか?カニも生だと外骨格の内側は透明っぽいんですか?
→http://www.astaxanthin.co.jp/index.htm
アスタキサンチンの作用による。また、生のカニの筋肉は透明っぽい。
- 水虫の薬の宣伝で「水虫菌の細胞膜を壊す」という宣伝をしてたのですが、なんで水虫菌の細胞膜でだけ壊せるのでしょうか?
→http://www.pf.chiba-u.ac.jp/bumon/bunshikinou/02koubunshikassei/nene/n/yakugakukougi.pdf
薬学の問題。真菌の細胞膜に結合して膜透過性を変えるとか、細胞膜の合成そのものを阻害するなど、いろんなパターンがある。
- 活性炭素ががんの原因になると聞いたのですが、活性炭素は実在しますか?
→普通に使う分には危険はない。手や衣類にくっついても大丈夫。吸い込むことについても、アスベストのような注意は必要ない。学生実験でも使っているし、市販の浄水器でも使われている。
- 最近おかしやアイスにまでやたら”特許出願中”と書いてあるので、会社ごとにいろいろ工夫して商品開発をしているなあと思っていたら、出願することは意外に簡単なんだと知ってだまされた気分だった。
→弁理士に頼むと出願1件で数十万かかる。それだけの意味があるなら、困難ではない。なお、1つの製品につき、関連する特許が1つで済むことは少なく、大抵は多数の特許がからんでいる。
- 同時に同じ作品の特許を出したら、どのようにして決めるのですか。
→出願が早かった方に優先権がある。
- 「あやしい科学」を判断する基準はわかってきました。では、「正しい科学」に基づいた製品はどのように見分けたらよいですか?やはり正しい実験結果ですか?
→科学的に正しい、ということの証明は簡単ではない。いろんな実験の積み重ねで正しさの程度が増してきて、「正しい」とされている。
- 一度立てた仮説に乗っかってる企業にしたら、「効果なし」や「有害である」といった証明をされたくはないというのは分かるが、実際に妨害するといった行動に移るのが現実にあるというのは初めて知ったし、。驚いた。ドラマとかでやってることは、現実にあったのを手本にしてるんですね。嗅覚の話がありましたが、昔、エタノール(アルコール)を直接鼻で吸ってしまい、痛みの様な感覚を持った事があります。これはどんなメカニズムでなったんでしょうか?(粘液に溶けて水溶液になったんですか?)
→膜表面で溶けて水溶液として感じているはず。
- 先生は何かの発明などでえ特許を取得したことはありますか?
→高温で誘電率を測定するための試料セルの製作で特許を出願したことはある。別の大学の先生と一緒に出した。その後権利化されたかどうかは不明。
- 中学のとき、理科の先生が携帯電話を持っていませんでした。その先生が言うには”携帯からは電磁波(電波?)が出て、人体に有害だから持ちたくない”そうです。これは本当ですか?
→電波が出ていることは本当、人体に有害かどうかについてははっきりした証拠はない。
- 牛のげっぷで温暖化。これってどうやって調べたのでしょう?
→牛のげっぷの総量と組成の平均は、調べれば見積もれる。本当に温暖化に影響するかどうかは、可能性を指摘しているだけで証明したわけではない。
- 例えばマヨネーズで「コレステロールが低下する」とか「体に脂肪がつきにくい」などの特定保健用食品に認定された商品があります。これらの機能は信用してよいものなのでしょうか。先生が第7回の講義のときに教えてくれた「健康情報を評価する方法」に値するような調査を厚生省は行って特保に認定しているのでしょうか。
→特保についてはヒトでの試験を要求しているが、厚生労働省が試験をしているわけではない。なお、もっと緩い基準で認可する条件付き特保というのもあるので区別が必要。
- 産学連携が最近よく言われていますが、「活性水素」の真実(?)の話を聞いて、産学連携の悪い部分を知った気がします。業者から研究費など援助してもらっているなら「先生の名前を使わせてくれ」と業者から頼まれることはあるだろうし、いつの間にか自分がやっていることとは違う内容で宣伝文句に使われていそうです。この場合、先生から業者にストップをかければ大事にはならなかったのでしょうか?
→普通の産学連携の場合は、大学を通して契約書を交わしてから研究に入る。普通の業者であれば、大学に対して守秘義務を課してきたりするし、大学と何をやっているかということも公にしたがらないから、宣伝に使われることはまずない。私も一件会社と一緒にやっているが、機密保持をどうするかの方に神経を使っており、宣伝に出ることなどあり得ない。
まともでない企業の場合は、調べてくださいといって装置を持ち込んできて、しばらくすると勝手に名前を使って宣伝することがある。
こういう内容で宣伝していいですかね?とパンフレットを送ってきたので、科学的にまずい部分を指摘したら、よくわかりました、と言った。その後、その内容を直さずに「内容をチェックしてもらった」と言って宣伝しに行った実は、売り込みに行った先の人からちょっと前に私に問い合わせがあり、水に関して情報提供したばっかりだった。直接話をした内容と、宣伝文句が食い違っているということで私に通報があった。こいつに何か言うだけ無駄だと思ったので、ウェブで「勝手に名前を使われた」と事実を公表した。その後は特に動きはない。
- びっくりしてしゃっくりが止まった人っています?
→世の中広いので、そういう体験をした人がいても不思議はないが……。
- この前、名水と呼ばれる水が実はのめなかったというのを見ました。何をきじゅんに名水とか決めているんですか?
→http://mizu.nies.go.jp/meisui/info/kijyun.html
環境省が名水百選を選んだ時の基準。飲料水の基準を満たすという条件はない。
- 店でよく「弱酸性ボディソープ」が売ってますが「お肌にやさしい」というのを宣伝もんくにしてます。本当に肌にやさしいのでしょうか?弱酸性が肌にやさしいのなら、なぜ他の会社のボディソープは弱酸性にしないのかなと思うのですが。
→製品の企画をする側がどういう戦略を持っているかによる。弱酸性以外のいいところを強調して売るというやり方もありうるし。まあ、絶対に弱酸性でなければならない、というほどのものではないということだろう。
- うま味は日本人が発見したということで思い出したのですが「味の素」ってうま味成分が入ってるんですよね?使いすぎると体に悪いと聞きますが本当でしょうか?
→グルタミン酸、過剰症、中毒、といったキーワードで探すと情報が見つかる。
- うま味は日本人しか感じることができないと高校の化学の先生がおっしゃていました。本当でしょうか?
→「味の素」は国際企業として展開、うま味調味料を供給している事実を考えると、日本人以外がうま味を感じられないとは思えない。
- 先日家にゴキブリが発生しました。現在は様々な駆除をする製品がありますが、どれが効率良く駆除できるのかわかりません。もう、この際、彼等を根絶する手段はありませんか?人間(自分)の買ってだとは思いますが……苦手なんで……
→東西冷戦の頃は核戦争で人類が絶滅してもゴキブリは生き残るだろうと言われていた。人類の歴史よりゴキブリの歴史の方が長かったはず。まあ、家の中に食べ物を置かないようにすれば少しは減るかと。
- 睡眠学習は本当に意味があるのですか?逆に脳が安まらず、結果的に頭が悪くなりそうなのですが。
→http://www.ipc.fukushima-u.ac.jp/~p225/slpfaqj.html
長期記憶に入らないらしい。
- 特許の話はとても興味深かったです。特許が認可されていると科学的にもきちんとした検証がされているのだと思っていたので驚きでした。企業と大学の産学連携の話がちょっと出ましたが、実際にそうやってできた怪しい商品ってあるのですか?もしあったらそのエピソードが聞きたいです。
→製品開発のエピソードではないが、2006年3月28日付けで京都大学の白川太郎教授が懲戒解雇された件が近いか。その理由の一つが「1)A社に対して、京都大学教授の肩書き及び顔写真が付され科学的根拠の少ないコメントを広告に使用することを許可し、これが平成16年8月30日(月曜日)の新聞朝刊の折り込み広告として配布されたことについて、同年11月 11日(木曜日)に医学研究科長から文書による厳重注意を受けたにもかかわらず、その使用を停止させるための有効な措置をとらず、平成17年6月及び同年 10月にいたっても同様の内容が同社のパンフレットに記載されて顧客に配布された。」というものだったりする。この教授は他にも不正経理を行っており、懲戒の主な理由はそちらだと思われる。
- 頭のいい偉い教授が企業とつるんで、宣伝してしまえば、一般の人達は誰でも信じてしまう。また、一つの商品を買うのにいろいろ調べているのも面倒で、多くの人は何となく買ってしまうことになるので、国でしっかり機関を作って、取り締まるべきだと思った。
→あえて逆の意見を書いておく。まず、大学には学問の自由というものが認められているが、これは
、時の企業や権力者の利害に反しても真実を述べなければならないという理由による。すると、研究や発表の内容そのものを取り締まるという仕組みを作った場合に、それが悪用される可能性も考えておかなければならない。宣伝なのか形を変えた研究成果の社会還元なのかは、そうそう明確に線引きできない。同じ大学内で、宣伝する教授と批判する教授が居るという事態もあり得るし、大学に貢献しているのが研究費をとってくる宣伝する教授の方だということだって十分あり得る。
いろいろ調べるのが面倒だというのはまさにその通りで、社会で専門家があてにならなくなったら、各自が判断することになり、判断のためのコストが社会全体で増大することになってしまう。・
国に取り締まることを要求するのは良いが、その費用をだれが払うのか?取り締まるとなると、役人を最低一人は貼り付けて、一ヶ月くらいは調査して報告書を作っていろいろやって初めて行政が動くことになる。税金をそういう形で使ってよいという合意は得られるのだろうか?「小さな政府」には逆行することになる。
- 以前、高校の先生が地球より大きい隕石が接近していると言っていましたが、現代の科学技術で衝突を防ぐことはできるのでしょうか?
→そのサイズだと壊すのもずらすのも無理では。
- サクランボの盗なんが増えているのですが、どんな装置をくししても、盗難されるそうですが、先生ならどうしますか?水を使ってからどうにかできませんか?
→しっかりガードする以外に方法はないだろう。畑の周囲を38度線(北朝鮮と韓国の境界)並みの有刺鉄線で囲って見回るとか。軍施設並に人手を入れて警備すれば、そうそう盗めなくなるはずだが、人件費でサクランボの値段が今の倍くらいになってもおかしくはない。
- 水って不思議ですよね?
- 日本人がおいしいと感じる水は、なんすいかこうすいのどっちかわすれてしまいましたが、何の味を感じてどちらをおいしいと言っているのですか?
→個人差があるので「日本人」で括って議論するのは無理。
- 臭い物質は水溶液になってから感覚を引き起こすことをはじめて知った。特許についての話がとても参考になった。
- レポートがなかなか進みません。活性水素のはテレビで見たこともあり、頭から信じていたので、ちょっとショックだった。大学の教授が、このような行為をすることはあまり感心できるものではないと思った。
- 「活性水素」の話のように教授が提案をしておいて、その後自分のやったことに責任を持たないのは非道いことだと思う。科学について詳しくない人はだまされてしまうからだ。
- 「ゲーム脳」がデマだということは小学生でも分かります(実際、小学生のときに先生から話しをされたが、私を含め友達の誰もが矛盾していることを理解していた)。
- ゲーム脳について、インチキだとわかってよかったです。
- ゲーム脳についての話はとてもおもしろかったです。このようなことを提言する人でも教授になれるのはなぜなのでしょうか?
→教授になってからおかしなことを始める人がときどき居る。
- ゲーム脳ってインチキだったのですか?!小学生か中学生の頃、読書感想文の課題図書に入っていました。授業でも、ゲーム脳の例が挙げられゲームについてどう思うかの作文を書かされた記憶があります。ゲーム脳の話は否定派だったのでインチキと知って安心しました。
- 大学はいろんな研究をしていって、いろんな事を証明していく場だと思っていたのに、大学発の怪しい話があることに驚いた。
- 僕は味覚と嗅覚の関係について興味があったので、今回の話はおもしろかったです。
- ゲーム脳の話は自分も半ば信じていたところがあったので、聞けてよかった。電気化学の細かい説明が聞けてよかった。
- 酸素発生で金属の種類、pHによって過程が違うことを初めて尻、関心した。
- 特許のはなしが興味深かったです。特許庁というものがあることをはじめて知りました。
- 特許はじまんするようなものじゃないと思う。最近お店で「特許出願中」とか書かれている商品があるけど、そういう商品はあやしい気がする。
- 特許の話は高校の時に少し聞いた気がする。その時は特許の方法だけだったので、今回の講義で、もっと細かいことまで知ることができた。
- 特許が特にすごいものではないことがわかった。
- みなさん『特許』という言葉にだまされているんですね。私は全く関心がありませんでした。
- 特許のしくみについてよく分かってよかったです。特許には科学的な根拠があると思っていたので以外でした。
- あるある大事典とか健康番組は信用しないようにしたい。
- やっぱり今回も難しかったです。
- 世の中には根拠のないことが多く広まっていて、気をつけていきたいと思った。
- 木曜日は1時間目が英語で毎回テストでW杯とあわせて地ごくです。でもがんばります。よろしくおねがいします。
- 電気化学は本当に難しかったです。でも最後の”水と生物”の話は興味深かったです。
- 苦手な分野のhなしが増えてきました。頑張ります。
- ”また「あるある」大事手にダマされた”という本はおもしろそうですね。
- また「あるある」大事典にダマされた を読んでみようと思った。ダイエットには興味がないが、何か役に立つと思うから。
- 牛と赤い布のことがコメントに書いてありましたが、牛は色盲なので、色は関係ないハズ。「ひらひらするもの」が牛を興奮させると聞いたことがあります。
→http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/10_Q&A/Q&A-table.html
「十分な明るさと各色が細かな点として混在していなければ赤、青、緑とほぼすべての色を見分けることができます。しかし、赤から緑がかった色については十分な明るさが無いと区別しにくいようです。また、赤と茶色の区別がつかないなど類似した色の区別は明るくてもできないようです。
1. 牛は実際のところ、色盲であるかないか?
答え:白黒の世界と言う意味で「色盲」を使っているのなら色盲ではありません。しかし、人で言う「色盲」という意味なら色盲です。
2. 『赤いマント』の赤は牛には○○色で見えている?
答え:赤いマントの赤はウシにも赤に見えています。闘牛場のように十分の明るさがあって、しかも比較的大きな面積が赤一色であるのなら、赤に見えるはずです。」
- TVやパソコンの前で手を振る→直流と交流って習いました。発光ダイオードとか振ると残像するハズです。
- 森教授脳(笑)このテーマについての話はとてもよかったです。感動しました!
- 正直な人が攻撃される嫌な世の中ですが、いいつでも正しい人はかっこいいです。悪に負けずにがんばって下さい!!
- テストorレポートのことを教えてください。
→http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/wiki/index.php
から、科学リテラシーの項目を見るように。
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