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第11回
講義内容
- 昔からある疑似科学の例
- 科学の間違え方
- 間違いを防ぐ仕組み:人間は間違えるものである
- 水を巡る病的科学:ポリウォーター
- 最近の病的科学:常温核融合
- 最近の病的科学:ホメオパシー
第11回の内容に関する質問とコメント
- 日経サイエンスを読んでいるのですが、面白いのですが、難しすぎて内容が理解しずらいです。他に面白い科学誌ありませんか?
→ナショナルジオグラフィック日本版http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/
あたりがおすすめ。写真も多くて楽しめる。Newtonも良いが、内容が少し偏っているように思う。
- 「かんせつに水がたまる」ってどんなことですか
→水ではない。
メカニズムの一つは、病気が原因で、関節内のヒアルロン酸の分子量が小さくなって、レオロジー的性質を示さなくなって(普通の水溶液に近づき)クッションとしての役割を果たさなくなるというものだが、ほかにもあるかもしれない。
- 海水で石けんを使ってもあまり泡立ちません。なぜですか?塩のせいか?
→Ca,Mgが加わると、脂肪酸塩を生じて沈殿するから洗浄力が落ちる。
- 「ウサギはさみしいと死ぬ」などと言われていますが、ウサギは本来野生で単独で生活するものだから
逆に多いとストレスで死ぬという話を聞いたのですが本当ですか?
→私もよく知らない。
- 重水ってどうやって作るんですか?あと、重水が病気の時に効くと聞いたことがあるんですけど、本当ですか?
→http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V01/N04/19560802V01N04.HTML
原子力関連の文書なので、なかなか詳細が出てこない。
重水が効くと言う話は、健康情報を評価するフローチャートにあてはめて、信頼性についてはを自分で判断するように。
- 渡り鳥は太陽と星と少しの電波(地球の磁場?)を感じ取って目的地をめざすらしいですが、人間の出している携帯や衛星放送の電波には影響されないんでしょうか?
→現実に渡っている所を見ると影響されていないらしいが……。
- 「皮フ呼吸」て本当にしてるんですか?
→両棲類はしている。人はしていない。
- ほこりとかってどこからくるんですか?
→部屋の中のものであれば、衣類などの繊維から離れたものが多いのでは。
- 水を飲むだけで太ってしまう「水太り」の人がいますが、あれは何で太ってしまうのでしょうか?いつも質問に答えて下さってありがとうございます。
→本当に「水だけ」で「太って」いるのかが疑問。
他に何か食べたりしていたら、水を飲むだけで太ったとは言えないし、水を飲んで体重が増えても、それは余分な水が体の中にあるだけだから、太ったとは言えないだろう。
- 粒子と原子のちがいってなんなんでしょう?原子は高校でも学びますが……
→原子は、高校で出てくる通りのもので、原子核の周りに電子が存在し、陽子の数で物質の種類が決まるもの。粒子はもう少し一般的な概念で、塵や埃のようなものを意味したり、分子や原子があつまったものを意味したりすることがある。原子を原子と考える時は、陽子があって中性子があって、同位体なんかもあって、電子のやりとりで分子になって……といった性質を考えるが、原子を粒子と考える場合は、質量と電荷と大体のサイズ位しか考えない。
- 一日の野菜を野菜ジュース一杯でとれるというのを最近よく見かけますが、本当にそれだけのものが入っているのでしょうか?
→これは自分で一本買って検証してみてほしい。成分は容器に書いてある。普通に野菜から摂る、1日に必要な栄養素が含まれているかどうかチェックすればよい。ヒトにとって何がどれだけ必要かは、栄養、摂取量、といったキーワードで調べれば出てくるはず。
- 科学誌の掲載チェックの時にレフェリーがズルして自分のモノにしてしまった場合、投稿した人がそれ以前に学会で発表していたら、レフェリーがズルしたのを明らかにすることはできるのでしょうか?
→まあ業界内では誰が何をしているか大体わかっているから、ズルすればバレて信用を落とす。それでも、論文は先に出た方に優先権があるから、そっくり同じものを後から通すのは難しくなる。少し書き換えて別の論文誌に出すという手は使えるが、それでも非常にやりにくくなる。
- 過酸化水素の分子式はどのようなものなんですか。
→H2O2。
- 病的科学の話しのところで、自分のやっていた研究中に思いがけないものができて、(まったく悪気なくかんちがいで)周りに教えたくなる気持ちも分からなくはないかなとも思いました。ある講義で先生が、大学院は簡単にはいれるよみたいなことを言っていたのですが、今いる大学じゃなくて別な大学院に入ろうとするのは大変ですか。最近だんだんとやりたいことが見えてきたので。
→どこの大学も大学院の定員は増やしているから、大学入試より易しいところはたくさんある。ただ、大学によってというよりは、専攻によって違うから、自分が行きたい分野は早めにチェックした方がよい。やりたいことが見えてきたのなら、経済的に余裕があるなら進学を薦める。
- ちょっと関係ない話ですが、私は野菜が嫌いでほとんど食べないので野菜ジュースでビタミンを摂っています。でも私の親は野菜ジュースはジュースだからダメ、ビタミンは生野菜からとりなさい、といいます。野菜ジュースに含まれているビタミンは良くないものなのですか?
→化学物質としてのビタミンは、ジュースでも生野菜でも全く同じはず。違う化学物質ならそれはもはやビタミンとは呼ばない。
- 産学連携について、地方の国立大は政府からの金がどんどん減らされる時代だから、それに水を差すような動きはナンセンスだと思う。理学部ではどのような産学連携を行っているのですか。
→教員ごとに個別に企業と共同研究をしたり、奨学寄付金を受け入れたりしている。私の場合は、ホンダ技術研究所から研究委託されていて、技術相談に乗ったり実験を一緒にやったりしている(詳細は守秘義務があるので書けない)。奨学寄付金をもらって、企業に依頼された測定をやっている先生もいる。
まあ、まともな産学連携はやれる範囲でどんどんやればいい。しかし怪しい企業に名前を使われて評判を落としたり、ニセ科学に荷担して消費者に被害を発生させたりしてはいけない。
ただ、研究費を受け入れればそれでいいかというと、ちっともそんなことはない。私が昔いた研究室は資金力はあったが、教授が「お前の論文より特許が先」と言い張って朝令暮改な指示を出しまくって、卒業できなくなる院生が続出した。大学の本来の業務が崩壊するような形での産学連携はするべきではない。産学連携の方向を間違えると、あなたが4年生や院生になったとき、研究費が潤沢な研究室に行ったはいいが、産学連携のテーマの下働きに使われて実質使い捨てという可能性だってある。それでも研究費の受け入れに水を差すなと主張し続けることができるのか?
一つだけ言えることは、金が無いと仕事はできないが金がありすぎると仕事が荒れる、ということだろう。
今すぐにはわからないかもしれない。気にせず勉学に励んで欲しい。多分、5年後くらいにはわかってもらえるだろうか。
- 先生は自分の名前が企業に利用された時、裁判とかに訴えることとか考えないのですか?
→最終的には考えるが、モノには順序がある。情報公開してそれで止まれば、対策のコストとしては安く済む。もし、それでもやめずに繰り返すようなら、内容証明を送ってみて、それでもだめなら証拠を押さえた上で、裁判をやって差し止めることを考える。多分、名誉毀損訴訟になるだろう。
- 疑似科学は多少はお騒がせかもしれないけれど、こんな感じで科学が審査されて発展してきたのなら、それ自体は悪いものではないなと感じた。ただ、核融合の例みたいなのはお騒がせを取りこして真面目に研究している人たちには迷惑だろうなと思う……。
- 今まで難しい内容が続いていたけど、今日の内容は比較的分かりやすくてよかった。
- 今日の講義は、物理のような式が出てこなかったのでちゃんと聞けた。
- だんだん山形の暑さが生じてきたので、できればエアコンをつけて欲しいと思いました。
- 冷房つけてください!暑くて死にそうです。
→一人100ワットだからなぁ……。
- 今の時代、企業の生き残りはとても難しいのだと感じた。
- 世の中のうそから真実を探すのは大変そうです。
- 一つの主張に対して短期間の間に世界中で実験、検証されたことがすごいと思った。
- ポリウォーターの話がおもしろかったです。
- 科学の間違いを防ぐ仕組みには大変納得しましたが、審査に不正があるのには残念に感じます。純粋に科学をしている人に失礼だと思いました。
- 今回の話は、前々回、前回に比べると楽しかった。科学者の中でも、今日学んだように間違いがあって、正しい意見があって、それをぶつけたりして発展されてきたんだなあ、と思った。
- 本当に、様々なウソが「ホント」のこととしてながされているなあと思った。
- 悪い企業の宣伝に勝手に名前を使われたり、大学の教員になると色々大変なことが多いということが分かった。
- 科学とは間違いがあるということをふまえてうまく付き合って行くべきだと思う。
- 今日は難しかった。
- 科学にもあやしいものがあるものだなと思いました。あと、科学が社会にどのように関係しているのかもよくわかった授業でした。
- 今日の話は理解できた。ホメオパシーの話はおもしろかった。
- 科学者も教授も人間ですから…。と思うようになりましたが、立場を考えてもらいたいですね。
- 名前だけでいいから貸してほしいなんて怪しすぎですね!!知らないうちに使われていることもあるなんて怖いです……。
- いろいろな疑似科学が存在しているのだなと思った。
- 単純に科学を研究してる人達なのに、自分の名前を悪用されるなんて大変な世界だと思った。
- 今日の話は分かりやすくてよかったです。人は間違えることがあってもしょうがないので、間違えたときに、そのことをちゃんと認められることが大事だと思った。
- 疑似科学や病的科学、ジャンク科学など、科学のように見えるが過学区でないものがあるというのが面白かった。自分もだまされたりしないようにしたい。(そういえあb、ホメオパシーはいつだったか新聞に載っていた気がする)。
- ネットにつないでないんできついです。でも頑張ります。
→プリントを持って図書館に行けば、1階にネットできるコーナーがある。
- レポートはもう書き始めた方がいいですか?
→例年の課題はウェブにも書いてあるし、講義でも何回か伝えている。ネタを早めに探しておく方が楽だと思う。期末はいろんな講義の試験やレポートが集中するから。
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