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第4回
質問とコメント
- 死体の冷凍保存をやっているようですが、どのような方法でやっているのでしょうか。ある程度損傷を押さえないと解凍しても意味がないでしょうから。
最後の道徳の話は、一瞬笑い話に聞こえましたが、相当まずい話だと思いました。教育がこんなのでは国家が破綻しちゃいますよ。
→死体は死体なので生き返らせる必要はないから問題ないのでは。解凍するときは埋葬するときになりそう。
- アモルファス氷は分子の並び替えがおわる前に固まるとのことでしたが、時間的にはどれくらいでできるのですか。
→ミリ秒以下だろうとは思うが、どうやって測定するのか……?
- 水と氷の中間のアモルファス氷を見てみたいと思いました。どういうものか見て違いがわかるのか見てみたい。
→見た目は氷のカケラにしか見えない。
- メタノールはすごい怖いものだと思った。工業用エタノールは主にどんなことに使っているのですか?
→主な用途かどうかまでは知らないが、例えばアルコールランプの燃料とか。燃やす場合はメタノールが入っていても無問題。
- メタノールとエタノールを間違えて持って帰ったとありましたが、そんなに見分けがつかないものなのでしょうか。
→同じような瓶、ラベルで、試薬名の部分だけが違う。
- 水、氷の動径分布関数かのグラフの「距離」というのは、どこからの距離を言っているのですか
→ある分子に注目した場合の、その分子からの距離。どの分子に注目しても同じように距離と分布をとることができ、実際に測定で得られるものは、いろんな分子を中心と考えた場合の平均値となっている。
- エタノールをのむと平気で、メタノールをのむと害が出るということがわかったんですが、プロパノールやブタノール、ヘキサノールなどをのむとどうなってしまうんですか。
→飲んでも失明はしないらしいが……。発がん性は無いので、香りをつけるために食品添加物として微量使われている。
- 関係ないけどメタノール恐い。やばい。何で失明するの?猛毒なの?
→失明のメカニズムまでは私も知らない。医者が知っているんじゃないかな。
- 水とエタノールの構造は全く違うのはわかるのですが、何故エタノールをとりすぎると危ないのですか。というよりなんで水は体の中にいっぱいとっても水っ腹になるだけで大丈夫なの?
→エタノールの麻酔作用で最後は呼吸が止まって死に至るから。水も極端に飲みすぎると体液の希釈が起きる「水中毒」という症状が出て、危険がある(精神疾患が原因で過剰に水を飲んだ場合に起きることが知られている)。
- メタンハイドレートの長所・短所や実用化に向けた取り組みを知りたいです。
→ネットで簡単に調べられる。go.jp限定にして「メタンハイドレート」をキーワードにして検索してみては。
- {H2O}nの水分子の数nは無限に続くのですか。
→あんまり重くなると飛んでくれなくなるから分析装置の中では無限には続かない。
- 水はH2Oが規則的に並ぶから固いのですか(固体になる)。ならば、アモルファス氷は規則構造を持たなくても固体(氷)になるんですか?シャーベット的な?ちなみに過冷却とは全く別物ですよね?
→水分子が動き回れなくなると固体になる。氷もアモルファス氷も固体。過冷却は、0度以下でもまだ液体の状態でいるものを指して言うので別物。
- クラストレートとハイドレートの違いは何ですか?
道徳の授業で間違った情報を当たり前のように教えているのには驚いた、小学生はともかく、周囲の大人が疑問に思わなかったのか不思議に思った。
→クラスレートは、包接化合物と訳されていて、結晶格子の中に、共有結合しないで別の小さな原子や分子が取り込まれたものをいう。特に、水が他の物質を包摂したものをハイドレートと呼んでいる。
一見道徳的に正しくて安心できる話が全部良いものであるとは限らない。
- どうにかして動物が光合成できるようになれませんかね?葉緑体を体内に注入したりして……。
→葉緑体だけじゃなくて、光合成のサイクルを回す酵素やら何やらをそっくり準備しないといけないので無理っぽい。ミドリムシが近いか、と思ったが植物に分類されてるし。なお、そのネタはSF作家の豊田有恒が「帰還者」で使った。
- D2OのDって何ですか?
→重水元素。Hの原子核は陽子が1個、Dの原子核は陽子1個と中性子1個。
- クラスレート・ハイドレートを調べることで、その氷ができたときの環境w調べれそうな気がした。確率の話を聞いたとき化学はあいまいだなぁと思った。水の質量分析のとき、水滴を膨張破裂させるとイオンになるより気体になるのでは、と思った。
- 水の写真集は高校時代のときに見ました。感動したんですけど…。学校でも教育内容を考えなければならないと思いました。エントロピーは乱れの尺度と言っていあmしたが、ある授業では熱量とききました。どっちがどうなんでしょうか?
→エントロピーの単位は、[J K-1]、単位モル当たりだと[J K-1 mol-1]だから、熱量[J]とは違う。
- クラスレートの話がとても興味深かった。最初にこの現象を見つけた人はすごいと思う。どうやって見つけたのか気になりました。プリントに載っていた道徳の話、びっくりです。本の著syさもどうかな…と思うのですが、それを授業で取り上げた先生には科学的な知識がなかったのでしょうか。科学的なものを道徳で取り上げることはそう簡単にできないんですね…。いろいろと考えさせられました。
→科学の成果は人の都合など織り込んでいない。人と人との関わりは人が決めること。科学として怪しいかと思ったが「いい話」だから使った、という人が出てきていることで、根本的に道徳をわかってない人が道徳を教えているということの方が実は深刻な問題なのではないか。「ありがとう」と書いた水の結晶がきれいだ、という話になったら、ほぼ確実に、友達の名前を書く人だって出てくる。一方、江本氏のやり方では結晶はでたらめにしかできない。お友達の名前を見せた水の結晶がきれいじゃなかったら、一体どうするのか。こんな話で道徳を教えた先生は、「実験してみたら結晶が汚いから○○さんとは付き合わない方がいいと思う」と生徒が言い出したら何と説得するつもりなのか。「水が決めた」のだから「○○さんは汚い結晶」は「科学的に実証された事実であってひっくり返ることは無い」という話になってしまうわけで、これはものすごく不道徳な上にいじめの原因を作るような内容である。
- メタノールを飲んで失明した人には驚いた。分子動力学の計算も進んでいるとあったが、絶対にしたくないと思った。自分は長時間どころか1問も解けなさそうだと思った。
- マジックナンバー(21)には驚いた。そして22,23が減っているのでとても不思議。
- アモルファス氷はふつうの氷とちがって、水を急冷するのが不思議でした。水って奥が深いです。
- クラスレートの話が興味深かった。科学者は、すぐに色々のものを発見してすごいと思った。
- クラスレートの例としてメタンハイドレートを知っていたがゲスト分子として様々なものが入るのは初めて知った。
- 結晶は奥が深くて面白いと思いました。
- 普段目で見れない小さな世界の話はすごく楽しい。「ありがとう」というとキレイな結晶ができるというのを道徳教科書で見た気がする。教科書に嘘が載っているとは思わなかった。
→本当に教科書なのか?学校の先生用の教材をまとめた本で取り上げているものはあるが、検定教科書に出たという話はきいたことがない。先生用の参考書だったのでは?
- 水の「ありがとう」の話はどう考えても嘘だと思っていたけれど、まさか道徳で取り上げられるとは盲点でした。子供が本気にしたらどうするんでしょうか。
→既に、授業をきいた子供がその話はインチキだろうと指摘して、先生に叱られるといったことまで起きている。何でこんな「不道徳」な話を道徳の教材に平気で使うのかということの方が、科学以前に謎なのだけど。
- 「水の伝言」小学校の授業で私も見たことがあります。本気で信じていたので、江本さんの正直な発言にがっかりしてしまいました。そもそも、江本さんはなぜ、そのような写真集を作ろうと思ったのか気になります。
→金のため、だろう。元々江本氏は「波動」測定器というものを作って広めていた。箱があってデジタルの数値が出て、コードを繋いだ棒を押し当てて測定するという触れ込みだが、この測定器が全くのインチキで、ほとんど詐欺のような形で農家から大金を巻き上げたりした。その後、水に健康な波動を転写する、といった触れ込みの装置バイオシーパルスというものも出たが、主に健康に不安のある人を騙した挙げ句、特定商取引法違反で経済産業省から半年間の取引停止命令が出た。
つまりは、水が情報を記憶する、という話を広めることによって、詐欺的商法で得をする人達がいっぱいいるわけで、それを支える役を担っているのが江本氏という位置づけになる。
- 道徳にのっている作文(菊の例)は、理科で考える必要はないのではないかと思った。あくまで、1人のもののとらえ方を紹介しただけであって(小学3年生の)そこまで言う話ではないのではないでしょうか。
→道徳を説明したいのならもっと他の例を持ってくれば良いのでは。基本的に道徳は人と人の間の話なので、人と植物に広げることが妥当かどうかがそもそも疑問である。小学生の考え方は否定しないが、それを教材として編集したのは大人であり、肝心の大人が、道徳とは何かを捉え損なっているように見える。小学生の感じ方の問題ではなく、それを道徳の材料に持ってくる大人の問題。
- 道徳がここまで否定されるのかと思った。考えてみれば何となく納得するけど、私も道徳を倣ってきたのでちょっとショックでした。
→道徳はあくまでも人と人の関係に基づいて考えなければならない話。それを、安易に実験モドキなんかに頼るから説明がぐだぐだになる。否定されない道徳とは、あくまでも道徳としてきちんと考えられたものである。
- 私は教師を目指しているので、道徳的なことに関心を持たなければなと感じました。
- 「ありがとう」の紙を見せると水はキレイな結晶になる、ということが広まってしまったことに疑問を感じた。水は人の言葉を理解するというのか……。人間の言葉は人が作ったものであり、意味も人が考えたものだ。それを性質の違う水に聞かせて、しかも水が理解するなんて、なんて夢のような話だおると思い笑ってしまった。
- 道徳は道徳の勉強、科学は科学の勉強とふたつをはっきり区別するのは無理かもしれませんが、科学的に解明しようとちなくていいこともあると思いました。
- 人に教えるとうのは難しいなと思いました。「道徳の授業に答えなんてないんだよ」といっていた小学校の先生はあっていたんだと思いました。
- 将来、教師を目指すものとして、事実と反することはあまり教えたくないと思いました。
- 一見道徳的に良さそうなことでも、科学的に考えるとおかしいことがたくさんあるんだなー、と思いました。
→道徳的に良さそうなことの説明は、道徳の範囲でやればよいのであって、科学を持ち出すからおかしなことになるわけで、科学の誤用をしないように気を付けてほしい。
- 番外の話おもしろかったです。菊についての話をきいて、自分の小さいころ思い出しました。なんだか……いつのまにか自分も大人になってしまったんだなとちょっとせつないです。石も花も草も気持ちがあると信じていたあのころがなつかしいです。
- 番外編がおもしろかった。うそを結構教えられていたということが、ちょっとショックでした。
- 『水の結晶と道徳』については新聞記事や小論文で読み、知っていた。科学的に根拠のないことでも広まってしまうのはこわいことだと思った。
- エセ科学がまかり通る日本が「技術立国」と呼ばれるのは不思議ですね。
→私見だが、技術立国として成功してしまったことが当たり前になってしまったために科学のもたらす影響を忘れているのではないかとも思えてきて、頭が痛い。
- 「氷の結晶=全(∴美人=善より)」この法則は道徳的に致命的という話がとてもおもしろかった。「食卓の安全学」を呼んでいるが、一見すると美しい話だがよく考えてみると(というか明らかにおかしいのだが…)間違っている、そういったものにダマされないようにしなくてはならない、という提言に共通すると思った。科学技術という立場からの視点、深いと思う。将来的に必要なものだろう。
- 強は科学よりも道徳がとても難しいものだと感じた。「心のノート」は自分も使ったことがあったと思う。自分が使ったものも何か問題があったのかもしれないと思った。
- 道徳の話を嘘でつくるのは、いけないことだと思った。
→昔話を題材にした場合は、その話を本当だと思う人は居ないわけで……。
- 取り上げる話題を慎重に選ばなければならないことから、「教育」は大変だなあと思いました。
- 分子同士の動きが計算機で計算できることにびっくりしました。他の授業でも番外の水の結晶と道徳が出てきたのですが今回の方が詳しく説明があったのでおもしろかったです。
- 授業の後半で先生がおっしゃっていたことが心に残りました。私も正しいことを子供たちに教えていくべきであり、情緒的に考えすぎて科学の正しさを失ってはいけないと思いました。
- 水の話は有名だけど、うさんくさかったのが、今回で晴れて嘘だと分かってスッキリした。水や氷はまだまだ分かってないことがあるということがなんだかワクワクしました。
- メタンハイドレートがすごく気になった。うまく取り出せれば天然ガスとして利用できると聞き、科学の進歩を感じた。「水の結晶と道徳」の話を聞き、本当に実際にそのような道徳の授業がされているのは少しあきれた感じがした。
- 化学を少ししか学習していない自分にとって聞き慣れない古葉が多く、化学アレルギーになりそうだった。今日は復習をしっかり行いたいと思う。水の結晶と道徳という項目で、水に言葉の紙を貼ってうまいまずいという事例は実際に私の祖母がやっていた。おそらく、今だに信じていると思われるので、指摘してあげたい。
- 菊にティッシュの包帯の話は一見ただの良い話だと思ってしまいがちだけど、いろんな角度からとらえると、そうとも言い切れないのだと気付いた。
- 最後の科学と道徳のことが難しいがおもしろいと思った。
- 資源としてメタンハイドレートが注目を浴びているというこだが、273K、26気圧などがどのくらいのものなのかよくわかりません。天然資源物として活用されるまでの開発に私も興味が沸きました。深海の海底や永久凍土という条件がありますが、ぜひ、新たな資源になってほしいと思います。水の結晶だけでなく、道徳的な考え方にまで影響を及ぼす世の中に出回っているインチキな言葉にだかされないよう、科学の知識を深めたいと改めて思いました。
- 水についてますます興味が出てきました。
- 水の電気伝導のところにあった「氷の電気伝導度は水より大きい」というのが初耳でした。道徳の授業って難しい…と思いました。文学作品と道徳的な作品の区別ができないと、小学生などが誤解してしまう。教育をする人はそのへんをしっかり考えれる人でなければいけない!と思いました。でも、こうやって「合理的に考えろ!」と箇条書きに出されると、ちょっと夢が壊れるような気持ちになって、さみしくなりました。
→逆ではないかと。むしろ、道徳を科学なんかに規律されてたまるかというか、人が道徳を作れるということに感動すべきものがあるというか。
- 将来教師を目指す身として、事実と反することは、いくら道徳的にすばらしくてもあまり教えたくないと思いました。
- 水分子はこの形でしか存在しないと思っていた。なんか難しいです。
- 小学校の道徳の話がおもしろかった。何かの本にあったが、文系の学部を出て化学があまりできない、または苦手な人が教師になるので理科の学力が向上しないのは仕方ないとか……。
→「水からの伝言」に限って言えば、むしろ文系の人の方が一蹴するような話。これを広めた自称文系の人達の文系学問の学力が不足していたと考えるしかない。
- 水の結晶と道徳の話は、聞いた時には冗談だと思った。
- 専門的な話ばかりで、理解できる部分が少なかった
- 先生はなぜ化学を学びたいと思ったのですか?きっかけなどを知りたいです。
→私は実は物理出身で、化学よりも物理額の方が専門。ただ、化学の分野には物理化学といって、物理学との境界となる分野があり、物理学の方面から液体の研究をしたりすると、物理化学とほとんど内容がかぶってしまうため、化学系の学科に職を得ることになった。毎年研究を出している学会も、化学会ではなく物理学会である。
- 先生に夢はありますか?
→特に無い。やりたいことが仕事も仕事以外も含めてたくさんあって、実際に手を出していたら忙しくて……。
- 化学をやってこなかったからいまいち難しい用語は分からないが「学ぼう!」と思わしてくれる授業で毎回有難いです。将来の為にもしっかり知っておきたい事がたくさんあります。何故先生は水を取り上げたいと思ったのですか??
→研究テーマが水や水溶液の化学物理であったことと、水関係のインチキな話が世の中に出回っていて消費者被害を発生させているので、そちらも何とかする役に立ちたいと思ったから。
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