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第4回
- 超臨界状態の水面が消えるというのはどういうことですか。番外でそのような話があるのは知らなかった。いろいろとためになりました。
- 超臨界状態になると、水が液体の状態で容器いっぱいに膨張するのですか?重水素って地球上に無尽蔵に存在するものなんでしょうか?
→全体に膨張する、のイメージで合ってます。重水素はわずかしか存在しません。
- ”252生存者あり”という映画で、海底にあるメタンハイドレートが気候に何らかの影響を与えて雹が降ってきたというシーンがあった気がします。実際にありえますか?
→メタンハイドレートが大量に溶けてメタンガス濃度が急に変わったら、異常気象になるかもしれません。雹が降るかどうかは私にもわかりません。
- 「つけているだけで静電気でピリッとしなくなるブレスレット」というものがありますがそれもエセ科学ですか。
→空気中に放電するという製品もありますが、効果が確実でないこともあるようです。確実に防ぐなら、アースにつないでおくべきです。
- 水結晶の写真集の話で思い出したのですが、昔英語の読解問題で、植物に話しかけたり音楽をきかせたりすると元気になる、みたいな内容の文が出ました。これも似非ですか。
→科学としては似非。ただ、植物に話しかけるように育てれば、自然と注意して見るようになり、虫をとったり水や肥料をやったりするようになった結果よく育つ、ならありうる話。
- アモルファス氷は日常生活の中で使われる場面がありますか?
→無い。日常生活の条件ではアモルファスの状態ではいられないから。
- P5について。それは心の問題だと思います。合理的に生きることが正解だとは思いません。
→心の問題ではなく、道徳とは何か、という問題です。道徳の題材として不適切だろうという指摘をしているのであって、合理的に生きる云々は関係がありません。道徳と自然科学を結びつけると、どちらの理解もダメになるだろうという話です。プリントをよく読み直してください。
- 前回の授業で、山形の水がおいしくないという意見がありましたが、山形で育ってきた身として、大変憤慨します。山形から都会に出てった友達は水道水が飲めなくて買ってるって聞きました。山形の水がおいしくないなんて、いったいその方はどんなにDELICIOUSな水を飲んで育ってきたのでしょうか。その方の住んでいるアパートに文句言った方がいいのではないでしょうか。この場をかりて意見します。
→気持ちはわかります。しかし普通に暮らしていて山形の水をあちこちで飲み比べることもそうは無いでしょうから、その方にとっては、普段アパートで飲む水が山形の水なのでしょう。山形の水一般に文句を言う意図は無かったと考えます。水道管の防錆工事などの結果水が臭うようになることはどこでもあり得ます。大家に文句を言っても解決しないかもしれません。浄水器を使ったり、冷やすなどの工夫をお薦めするしかありません。また、東京や大阪では、浄水場が高度処理水を提供するようになり、東京都の水道水はペットボトルに詰めて販売されています。都会の水はまずい、は、今や定説ではなくなっています。お友達が水道水を飲めないのが事実でも、都会の水道水がまずい、は一般的には成立しないのではないでしょうか。
- 今日、水にレモンを入れたら美味しいと言ってましたが、飲食店でもレモンを入れているのを見たことがあります。それは、配慮なのでしょうか。
→カルキ臭を消すことを考えている場合も、香りが良いのでちょっとしたサービスのつもりもあるかと。お店によるのでしょうね。
- 海底や永久凍土中のメタンハイドレートを資源として利用する方法・技術はまだ確立していないのですか。
→まだ試験中のようですね。経済産業省 メタンハイドレート、で検索してみてください。
- 中学の授業で水に「ありがとう」と言っていると、水は透明なままだが、「ばか」などと言っていると水が汚れていく写真を見たことがありました。不思議だなあ、とは思ってはいましたが、嘘だったんですね。ちょっと残念です。植物にモーツァルトの曲を聴かせて育てるとよく育つ、というのは本当ですか。
→まともな実験結果は無いはず。与太話でしょう。
- なぜ、電子レンジではアルミホイルを使ってはダメなのですか?
→金属はマイクロ波を通さないので、食品内部からの加熱ができません。
- 3次元にいる私たちが2次元をつくれるなら、4次元の人達は3次元をつくれるのですか?
→作るというのではなく、2次元を簡単にイメージできる、ということでしょう。たとえばプリントには、二次元の絵で液体を描いたものを載せましたが、インクの分子も紙の分子も3次元構造を持っています。でも、平面のみのものとして簡単に見て思い描くことができます。4次元の人達というのがもし実在したら、3次元のものを簡単にイメージできるのかな、と想像してしまいますね。あくまでも想像ですが。
- なぜ、氷は表面がぬれるとあんなに滑るようになるんですか?
→大雑把な説明としては、固体の表面の原子や分子は自由に動かないから引っかかるけど、液体の分子は自由に動けるから。氷に限らず廊下でも雨の日は滑りやすい。
- アモルファス氷は規則構造をもたない(乱雑な水分子の結晶化?)とありましたが、ではアモルファス氷自体のエントロピーは正の値であるということなのですか?
→Nature 342, 782-783 アモルファス氷のエントロピーはIhより大きい、という見積もりがなされている。
- 店で売っている氷は全体的に透明でとても口溶けが良いが、家で実際作る氷は一端が少し白っぽくなっているのはなぜですか?水は電気を通すというが、海で電気を流すとどれくらいの範囲まで電気が伝わるのですか?
→製氷皿に入れて氷をつくりながら途中で見ると、先に凍った上の方が透明。上から凍って、水の中にとけている空気が抜けられないから泡になって残って白っぽくなる。確か、紙コップに水を入れ、水がしみ出さないくらい小さな穴を底の中央に開けておくと透明氷ができたはず。純水は絶縁体。水の中はイオンが動くので、電気が伝わるというのとはメカニズムが違う。何回か後の電気分解の話のところで説明する。
- 講義の内容とはあまり関係がないのですが、ポカリスウェットに使い捨てカイロの中身を入れて暫く放置するとFe3+は電離しますか?
→やってみて溶液が何色になるか確認してみては。
- 氷Ihでは0Kになってもエントロピーが0にならない…とのことですが、結晶中でH原子が動き回っている状態にある、という理解で合っているでしょうか。水の質量分析の仕組みがよくわかりませんでした。すみませんが、もう少し易しく教えていただけないでしょうか。
→動き回る、というのではなく、2つあるどちらの居場所に居るかがランダムだということです。酸素と酸素の間に居ることは確か。容器内の気圧を下げて、微量の水を入れると、圧力差があるので、強力な霧吹きみたいな感じになる。微量かつ霧吹きは超強力なので水滴は小さいサイズにばらばらに。そこに、放電で作ったイオンをくっつけて、電気的に引っ張ったあと磁場で曲げる。重さによって曲がり方が違うので、質量がわかる。
- 南極の氷をボーリングしてどうやって中に含まれる物質を調べるんですか。
→ボーリングして持って帰ってきて、氷を溶かすと、中に含まれている気体や、氷ができたときに大気中を漂っていたものが取り出せる。
- 氷Ihが0Kになってもエントロピーが0にならないというのが非常に興味深い。前回の内容が今回になってわかるということもある。メイオウ星の惑星カロンの氷の話、興味深い。「クラスレート」=「ハイドレート」か?先生にはお子さんがいらっしゃいますか。子どもにはどのような情緒の教育を施すべきだとお考えですか。
→子どもはいない。もし私が教育するなら、情緒は濫用するなと教える。
- 小学生は正しいか正しくないかを自分で調べることは難しいと思う。そんな小学生に対して間違った道徳や知識を教えていたなんて信じ難いし、あってはならないことだと思うが、考えてみればそんな授業を受けたことがあった気がする。
- サボテンを育てるときは話しかけながら育てると花が咲く、という話を聞いたことがありますが、話しかけることに意味があるのではなく、話しかけるくらいにこまめに世話をすると当然よく育つってだけの話なんでしょうね。
→そういうことです。
- 言葉に木されないように、事実に基づいて判断をする必要があると思った。
- 番外の話は共感できる内容だった。昔、野菜に音楽を聞かせるとおいしくなるということがメディアで取り上げられたが、本当は意味がないのだろう。
- 番外、余談の内容が非常に興味深く面白かった。
- 番外のところの話を読んで、小学校の夏休みの自由研究か何かで同じような実験をした子がいたのを思い出しました(彼女は植物に水を与える時に「有難う」と声をかけるのと「ばか」と声を掛けるのとでやってました)。そうなんだーと思って聞いていましたが、今考えると不思議な話です。
- 番外の話を聞いて、道徳や表現の問題は難しいなと思いました。自然科学と情緒を混同させてしまうと謝った知識を身につけてしまう可能性があるとわかった。
- 今日の話は難しかったです。
- 先生の批判の仕方がとてもおもしろかったです。プリントも永久保存します。
- 最後の話をきいて、科学リテラシーをとって良かったと思いました。というのも、道徳を教えるのに同じような間違いを自分もしてしまいそうだからです。
- 授業は様々な角度から化学を考えておりスゴイと考えた。道徳についてまで考えるとは思わなかった。科学を使うべき所を理解してやっていきたい。
- 確かに、工藤君の言うバーロォには愛がありますね。
- 最後の道徳の話がとてもためになりました。
- 番外の「水の結晶と道徳」の話がおもしろかったです。私も道徳で「心のノート」をやりましたが、この例を見てみるとどの題材に対しても批判的に見ることができると思いました。
- 中、高までに習ったことのより深い所を学べるので、おもしろいし驚きが多いです。
- 水の結晶の写真集、見たことがあります。他にも、モーツァルトを聴かせると綺麗な結晶ができるというような内容のものも見たことがあるような気がします。ずっと疑問に思っていましたが、今回ははっきりと間違っていると分かって良かったです。
- 水の結晶と道徳について。こんなものが道徳の授業として使われるんですね。化学的にもそうですが、道徳としても特に胸に響くこともないし何故授業に使われてたのか本当に疑問です。キクの作文は、おそらく作文を書いた子どもが受けたけがが骨折などの添え木を必要とするものではなくすり傷程度のものだったため、人間の方に合わせた文学表現だったのだと思います>ティッシュではだめ。
- 個人的に最後の道徳の話が一番印象的だった。一種の芸術表現としてはアリだと思うが、確かに道徳の教材としては不適切なのかもしれない。このような価値観とインチキを結びつけて人を振り回すのは、今日の科学的根拠のないウソで人々を騙すことと根本的には同じことだと思う。
- 水に「ありがとう」のラベルをつける話は確かに小学校のころ聞いたおぼえがあります。当時は何の疑問もなく見ていた文章も今にしてみれば矛盾があって少しこっけいでした。
- 科学の枠にとらわれない先生の話はめちゃくちゃ面白く、学ぶ意欲が沸きました。日頃、自分がつっこんだことのない科学の問題点ばかりでした。
- 水の結晶や菊の話を読んで、いかに道徳というものが難しいか改めて気付いた。そして私も情緒に毒されていると思った。
- エセ科学というのは、いつまでもなくならないものだと再認識した。
- ありがとうございます。ありがとうございます。
- 関西弁を話す男性に魅力を感じますか?
→私も出身が関西弁圏(滋賀県)なので、関西弁に違和感はありません。しかし男性の魅力とはたぶん別の話です。
- 嫌いな食べ物は何ですか?
→こう聞かれると、上等のお茶とまんじゅうが、と答えてみたい誘惑にかられますね。
- 目悪いんですか?
→私?今のところ近視だけ。そのうち老眼も出るはず。
- プリントの字をもっと大きくしてください。
→印刷枚数を考えるとちょっと難しい。大きい字でないと読めない状態ですか(視力的に)。そうであるなら、縮小前のものを一部用意しますが、どうしましょうか。
- 先生が一番尊敬している科学者は誰ですか?
→有名どころは直接会ったことが無いから、尊敬できるかどうか決められるだけの情報がない。本などから凄いし面白いと思うのは、ランダウとかファインマンとかボルツマンとかファラデーとか……。
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