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第7回
- エビデンスとして有意になるのは何人以上を母体とした統計ですか?医学の場合しか知りませんが、医学のように10万人だとしたら実験コストも時間もかかりすぎてやってられないと思います。
→疫学調査の場合は万人のオーダーですが、臨床試験の場合はもっと小さな規模なので何とかなっている。
- "ウコンの力"は酒を飲む前に飲むと2日酔いしないという話をよく聞きますが、これにevidenceはありますか?市販の湿布は何だか気休めの域を出ないような気がするのですが、どう思われますか?Alle効果について教えて下さい。
→まずそのエビデンスを示すのは売る側だから、私に訊くのではなく製造元に訊くべき。市販の湿布については、医薬品として売られているものには一定の効果があるはずだが、論文までは知らない。Alle効果は私も初めてみる単語なので答えようがない。
- 私の祖父が二百万円の浄水器を買わされそうになりました。イオンの力で水がものすごくキレイかつおいしくなる、とか言ってたらしいです。価格だけでサギだと断定し猛反対して購入を止めましたが、私の判断は正しかったのでしょうか。現代化学の粋を集めた浄水器なら二百万も適性価格でしょうか。
→その判断は正しい。イオンの力、というかイオン交換膜かなと思うのだけど、それでも三十万円から五十万円程度が相場。本気で水をきれいにする、つまり半導体産業用に純水を作るとなると二百万では済まないが、作る量も装置の規模も一般家庭で扱えるようなものではない。
- レポートのことについて説明お願いします。酸素と水素は気体なのにどうして水(液体)ができるのか鮨気でなりません。
→レポートについてはそのうち1コマ使って説明する。酸素と水素で反応させるとまず水蒸気ができて、その時の温度条件によって一部が液体になる。
- 近年水素が新しいエネルギーとして注目されてますが、なんで昔から使用しようと思わなかったんですかね?クリーンとは関係なく、あの爆発力はとても使えると思うのに。
→あまりに爆発しやすいと貯蔵・燃焼ともに安全に使う技術が必要、水素を作る方法が電気分解だとそこでエネルギーのロスが生じる。
- 健康情報の信頼性を評価するフローチャートは役に立つと思った。実験はexperimentとdemonstration別であることを肝に銘じたい。また、僕も血液型で人の性格を語るのは大嫌いなのでなんとかしてほしい。
→血液型については、そういう言説に出会った時にその場で否定してクレームをつけるしかない。他人がどうにかしてくれるのを待っていては解決しない。
- エボナイト棒を水が避けるのはなぜですか?
→http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/edunet/DB/data/019/jugyo019-example2.html に解説が。分子自身が電荷の偏りを持つので電気的な力を受ける。
- 先日、教習所で適性検査の際血液型を書くように言われました。もし性格判断の資料として使っているなら残念です。
→事故時の輸血を想定してのことかもしれないが、医療関係者からすると、自己申告の血液型を信じて輸血を間違ったら訴訟モノなので怖くて使えないはずだし……。
- 科学雑誌に論文を残せてもらうには掲載料のようなものが必要なのですか?それとも査読を通ればお金は必要ないですか?
→物理・化学系では掲載無料です。他の全ての分野が無料かどうかは知りませんが、掲載料を取る雑誌はあまりきいたことがありません。
- 何で体ってむくむんですか?
→医者にきいてください……。
- 論文が出されていなければ「ニセ科学」なんですか。どのくらいの根拠があればニセ科学ではなくなるのですか。
→新規なことであれば論文が出てかつ追試済み、あたりでニセとは言われないはず。
- この間、友達から血液型を聞かれたので、こういうデマが日本中に広まっていると思うと恐い。占いとかも科学的に見ると不確かなことなんですか。
→占いは科学で扱う対象ではない。
- 「A型の説明書」とかいう本もインチキってことですか。日焼け止めって科学的には効果あるのでしょうか。電池って充電できる電池を買って使った方が良いのでしょうか。それとも使い捨てのものでも良いのでしょうか。
→説明書シリーズに意味はない。日焼け止めはしっかり塗るタイプなら効果はある(中にはインチキ商品もあるかもしれないが)。電池は使い方による。
- 今から物理をいちから独学で始めて理解するのは難しいでしょうか。
→好きなら何とかなる。それに、せっかく大学に居るのだから、独学のみにこだわらず、空いた時間に物理系の先生をつかまえて質問すればいい。
- 卵は殻に密封されていて空気の通りがないのに何故卵は腐るのですか?
→そもそも密封じゃない。空気の通る穴はあいている。(そうでなければ、卵が孵るまでの間に中で窒息してしまう。)ゆで卵を作るのに加熱すると卵から気泡が出ませんか?
- 科学の実験は楽しいけれど死ととなり合わせということを忘れないようにしたい。
→そんな危険なものばっかりでもないです。
- 以前「ゲルマニウム磁石」というのを聞いた事がありますが、磁力が無いゲルマニウムが磁石になるというのはどのようなメカニズムなのですか。強磁性体というのは…?回答よろしくお願いします。
→ゲルマニウム磁石で商品を調べると、ゲルマニウムのネックレスに磁石を組み合わせた商品が出てくるので、ゲルマニウムそのものを磁石として使っているものではない。強磁性体というのは、磁石に付く性質をもつものを指す。磁場によって磁化されて磁石としての性質を持ち、磁場を取り去っても性質が残る。
- 炭酸飲料にラムネを入れるとものすごく泡が出るそうです。何故ですか?あと、海水はどっちモーゼですか。
→http://science.wao.ne.jp/experiment/recipe.php?contents_no=50333 ガリレオ工房が実験してます。溶ける時に小さな粉末になるものだと、粉末を核にして過剰に溶けていた炭酸ガスが出てくるということのようです。海水は……多分普通のモーゼだと思いますが正解は知りません。誰か実験してるかな。
- 電気化学で、液体の中に電子が入ることはない、というのは言われて見ればそうだな、という感じで、考えたことはありませんでした。血液型で性格が似ているというのは、人類が4種類に分けられるなんてありえない、と思ってきましたが、でもなんとなく似ている気がしてくるのは先入観でしょうか……。
→暗示の効果っぽいです。
- この前酢豚を作ったのですが、味付けの段階で失敗してしまいました。簡単に作れておいしい料理ってありますか?あと、寝るときに枕元に置いた携帯電話の電波による人体への悪影響についての研究がヨーロッパで注目を浴びているらしいのですが、電子機器の発する電波が人体に悪影響を及ぼすという話についてどう考えますか。
→美酒鍋とかどうですかね。https://www.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/soshiki/31/bishu-recipe.html 電子機器の電磁波程度なら弱いので水に遮蔽されて影響は出なさそうです。
- この前、僕の父さんが2酸化塩素を染みこました札をぶらさげておくだけで周囲の菌を殺菌できるという商品を買ってきたのでうが、とても危険な感じがします。その商品のうたい文句には「楽天の社長が大量に買いしめ野球選手に配った」とあります。ネットでみてみても安全面が危ないなどあまりいい声をききません。どうか先生もネットで商品を見て乾燥をください。商品名は「空間除菌ブロッカー」です。本当にお願いします。
→静かにしていればともかくちょっと動けば周辺の空気に殺菌可能な量がとどまることは考えにくい上、常に体に接触するところは2酸化塩素の影響で皮膚が炎症を起こしたりといったことが予想され、意味がない上に危険な製品。なお、部屋の除菌用の2酸化塩素は実は現在おうちで使用中(古本を買ったらタバコとカビの臭いがひどかったので、本を開いて一緒に除菌用2酸化塩素をビニール袋に入れて密閉。臭いとりには効果的)。
- ブルーベリーは目にいいといいますが、ブルベリーのサプリメントなどは効果があるんですか?
→http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail65.html ヒトにおける有効性については、参考になる十分な科学的根拠はない。
- 研究対象について疑問に思ったのですが、ある物質の効果を調べるために使うことができる生物はラットだけなのでしょうか。(人間への効果と近いものが得られるのは猿だと思うのですが…。)
→猿を使った実験もあります。多分、飼育コストや管理の問題から使いやすいものがまずは使われているのでは。
- 水が磁力に反応する性質があることを初めて知りました。
→しかしこの性質は弱い上に、磁場を切ったら全く後に残らないことに注意。
- 友達にも血液型で性格判断する人がいます。そのことを言われたときにどう対処すればいいですか。
→その話には根拠がないので続けていれば嘘つきになるよ、と忠告する。
- 英語の教科書に、夏の間にソーラーパネルで発電し余った電力で水を電気分解→タンクに大量の水素を貯める→太陽光が弱い冬期に水素と酸素を結合させて電力を得る、という家に住む人が紹介されていましたが、これも今日の授業であったようにかなり危ないのではないでしょうか。
→設備の設計と管理次第。
- 電気分解って高校までやっていたのより、凄く、凄ーく深いんですね。興味あります。あと、どうして窒素ガスを吹き込むと水中の二酸化炭素が追い出されるのですか?
→ヘンリーの法則の問題。大量の窒素を吹き込めば、窒素の分圧が他の気体に対して高い状態になり、窒素以外の気体を追い出せる。(実は二酸化炭素だけじゃなく酸素も追い出されている)
- 私はバイトで飲食店の裏側を知りました。あまり外食はしたくないと思うようなこともあるんですが、エビデンスにはそうゆうことはないと思ってもいいんですか。実際にやっていることを多少は飾り立てて書いていたり、異なる事を書いていたりはしないんですか。エビデンスがあれば本当に大丈夫ですか。
→エビデンスという言葉の意味を誤解しているようにも見えますが……。食品管理の問題と、特定の食品に何らかの効果があるかどうかは別の話ではないですか。
- 最近は物理出身者が生物化学分野との垣根を崩すようにして研究をしている人が多いと聞きます。僕はそのことに価値を感じています。物理学的な考えを生物化学に持ち込むことで新たな道が切り開かれるのだと思います。先生はどうお思いでしょうか。
→自然は一つなので、学科の垣根にこだわる必要はないです。
- 健康情報を評価する研究デザインは無作為割付臨床試験か前向きコホート研究だけしか正当なものではないのですか?またそういった研究の被験体になってみたいと思ったらどうしたらいいですか。
→精度の高いのがこの2つということです。被験者は……選ぶのは研究者だから何とも言えません。
- ウルトラマンのゼットンは1兆度の火の玉を吐くことができると言われていますが、実際に日本で一兆度の火の玉が吐かれたとしたら日本はどうなってしまうのでしょうか。地球は大丈夫でしょうか。
→水爆で1億度超えるらしいし、その温度なら原子の構造は維持できずプラズマになってるかな。1兆度ってビッグバン直後の温度。あとは量による。
- 先生は研究で行き詰まった時やリフレッシュしたい時何をしますか。先生の休みの日のスケジュールが気になります、と友人が言っていました。
→簡単な自炊でも気分転換にはなる。何も考えたくなくなったら、プラモデル作るとか何かと手を動かす。
- 電極表面の細かな変化を知れてとても興味深い。ところで僕は将来化学に関する何らかの研究をやりたいと思っているのですが、先日テレビで高校生向けの科学の討論番組に出演していた方(大学教授?忘れてしまいました)がおっしゃっていたのですが「研究者を目標にするのではなく、自分が知りたいことを求め続けた結果研究者になっていたというのが望ましい」(多少違う部分がありますが)とのことでした。天羽先生は研究者を目指すことについてどのように思いますか。
→夢を壊すようで悪いが、第一に経済状態。研究を仕事にするなら博士号が必要だが、大学院で博士前期課程を終えて就職したのと比べて、3年分の授業料+3年間にもらえたはずの給料が無い、ことを考えると、人生で一千万円以上のロスになる。さらに、企業就職できればいいが、大学は構造不況業種で採用が増える可能性はないし、三十台前半を不安定な非正規雇用で過ごすことになり、それでも仕事があるかどうかわからないリスクがある。銭勘定を先にするべき。
- コーラで骨は溶けるんですか?自分でもちょっと調べてみたんですが、はっきりこうだという結論は得られませんでした。コーラが好きなので心配です。
→飲んでる限り溶けるはずがない。高校生物の範囲で考えると、生物の体には恒常性の維持という機能があるので、普通の食品で骨が溶けるほど体内のpHやその他の条件が変わったら、骨の心配の前に命の危険があるのでは。
- 以前にTVで「1人が海外旅行に行くと300年分のレジ袋分の石油を消費する」という話を聞いてから(言っていたのは地球温暖化反対で有名な人)遠慮無くレジ袋をもらうようにしてますが、最近のエコブームもやっぱり踊らされているのでしょうか?
→原因はともかく地球の平均気温自体は上がっている(観測事実として)なので、温暖化反対の主張に意味はない。本気でそう思っているなら海外旅行をやめろという話になるはずだが、そうなっていないのは欺瞞がどこかにあるのでしょうねえ。
- 水の電気分解ですべてが分かっているものだと思ったので、まだ不完全だと知っておどろいた。高校の化学の教科書に載っているようなレベルのもので、他に完全に解明されていないものはあるのですか。教えて下さい。物理の波が本当に身の周りにあるのかと知ってはいても半信半疑だったが、水の反磁性体のところできれいな波ができていておどろいた。ちなみにこれは縦波ですか、横波ですか?
→電池の記述が単純ではない(反応が進むと別の反応も起き始める)といった話をきいたことがある。詳しくは電気化学を専門にしている人にきいてみてください。込み入った話のようです。モーゼ効果の写真は、波というより単に凹んでいるだけなので、水面の動きは無いから波とは言えないです。
- チョコを食べ過ぎて鼻血が出るのは何故ですか。
→本当にそうかというのも理由も含めて私には応えようがない。
- ダイエットに効果的なのって木綿豆腐でしたっけ?絹豆腐でしたっけ?
→だからその「効果的」て言説自体をまず疑えというのがこの講義のテーマなわけだが、理解して質問を書いてるか?
- 酸素と水素の爆発事故が印象的です。正しい知識がなくて安易に新しい物を使おうとするのはあぶないと思った。
- 水を電気分解してガスを使う装置を売ったということに驚き、中学英のときの実験で缶一本に水素をたmて発火させるということをしたのだが、想像以上に音も大きくとても驚いた記憶がある。小、中学生程度の理科の知識でもおぼえておきたいものだ。
- 液体の中に電子が入ることがないのは知りませんでした。
- 健康情報を評価さうる方法が分かってよかった。だまされるところだった。
- ニセ科学は怖いと思った。
- 知識不足のために実験の途中で亡くなってしまった人の話をきいて残念だなと思いました。先生は色んな広告に対して一つひとつ向き合っていてすごいなと思いました。
- 金沢市での爆発火災事故や、空き缶に洗剤(?)を入れたmのを電車に持ち込んで爆発してしまった事故は、化学の基礎知識があれば防げただろう。身の回りにひそむ危険は、できる限り回避したい。
- 科学的根拠のないものは軽く受け流せるようにしたい。
- 純水では電気が流れないんだー
- 世の中嘘だらけだと思った。
- 水に強力な磁石を近づけると遠ざかろうと動くことが興味深かった。
- アースファイヤーはなかなかかわいそうだった。周りに知識がある人がいて、ちゃんと注意すればよあかったのに。名前自体うさんくさい。
- 水が磁石に反応するということに驚きました。4ページの「健康情報を評価する方法」がチャート形式で分かりやすく、今後このようにして正しいかどうかを判断していこうと思いました。
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