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第10回
- 高校2年の時に、核融合炉を50年後には実用化する見込み、というニュースを観たことがあるのですが、今日の講義で安全性が気になりました。
→それ以前に、安定して制御できる状態で長時間にわたる核融合が全く実現しそうにないので実用化(発電 つかうとか)どころではなさそうです。
- パンヴェニストの実験方法が間違っていないとしたら、どうして有りえないような結果がでたのですか。
→わかりません。パンヴェニストの実験材料そのものを調べた人は居ません。
- パンヴェニストの希釈の実験で、どうしてだんだん薄くしているのに、活量が上下するのかがよく分からなかったのでもう一度説明してほしいです。だんだん薄めたら、活量もしだいに増えるか減るかのどちらかだと予想していたので、実験結果に驚いた。生物学的活量とは具体的にどのようなことを指すのですか。
→結局実験結果が報告されただけで、ああいう結果になった理由は不明です。掲載したNatureの編集者も説明が付かない、と言ってるわけで。生物学的活量とは、この場合は免疫反応を起こさせる何かの濃度っぽい量です。分子が含まれてないので濃度とは呼べないので。
- スタップ細胞がどうしてそこまで騒がれて、どのような審査をして、結論がだされたのか知りたい。結局は何だったのか、よく分かっていません。
→どうしてそこまで騒がれて:若い女性の研究者が、生物学の常識に反する画期的な研究成果を出し、そのうえ医療関係への応用も見込める上、その分野の大御所も一緒になって共同研究していた。記者会見の演出(かっぽう着や実験室のカラーリングなど)もテレビ受けする内容だった。 どのような審査をして:追試と前後して前に本人によるデータ捏造が続々と発覚。本人の学位論文にも多数の剽窃が見つかった。理研が発表したSTAP製作方法も追試成功せず。小保方研に残っていた試料の遺伝子解析を行った。 結論:STAP細胞とされたものは全てES細胞だった。10年前につくられたものだった。意図的な混入以外あり得ないが、誰がやったのかまでは特定できなかった(鍵の管理状況から複数の人間が混入可能であったため) 詳しくは、日系サイエンス2015年3月号「STAPの全貌」を読んで下さい。図書館にも入っているはずです。
- 触媒について調べていたときに「希少糖」という自然界に微量しか存在ない単糖またはその誘導体なるものが食後血糖値上昇抑制作用・動脈硬化抑制、さらには抗肥満作用など、健康に良いと言っているサイトを見つけました。これは本当なのかなと思って詳しく調べてみると香川大学には希少糖研究センターがあり、血糖値抑制については論文も出ていましたが、まだまだ研究が進んでいないみたいなので「様子を見る」 と私は判断しましたが、先生は希少糖の健康作用についてどう判断されますか。
→以前紹介した健康情報を評価するフローチャートに則って判断します。複数の臨床試験で支持されるまでは、様子をみる、か、話半分にきいておく、です。
- ソ連が出てきたのですが、実際の所、アメリカとソ連はどの程度の科学力の差があったんでしょうか。競ってるように見えてアメリカの圧勝だったのか、やっぱり腐っても超大国だけあってソ連もそれなりにいい勝負してたのか、ちょっと知りたいです。
→技術的にはいい勝負まで行ってたと思いますし、分野によっては抜いていた時期もあったはずです。
- 論文の審査を遅れさせられてレフェリーに似たような実験をされて論文を出されたら嫌ですね。実際にはどのような例がありますか。
→レフェリーによる不正の報告は、http://current.ndl.go.jp/ca1829の文献(5)。具体例(著者名など)まではわかりません。
- 間違えた科学を間違いに気付かず発表したりすることでいろいろな問題が発生したりして、やっぱり科学は難しい世界なんだなと思った。
→間違いに気付かず発表しても、科学者の間のみにとどまるなら問題はさほど大きくなりません。追試をやってどうやら何か間違ってるらしい、ということで、そのうち消えて終わります。十分な追試が済む前に社会に出してしまうと騒動になります。以前、CERNの実験でニュートリノが光速度を越えたという測定結果が出たことがありましたが、別の実験グループは反論しましたし科学者はみんな(何かを間違えたんだじゃないかと)疑ってました。そのうち測定装置の不備によることが判明したので、ニュートリノ光速越え報告は撤回されました。新聞にも出ましたが、科学者のコミュニティだけで装置を確認したり精度を高めたりして決着させました。間違いをやった人達はどうなったかというと、そのまま研究を続けています。捏造には厳しく一発退場ですが、失敗を正直に報告したことについては寛大に扱われます。
- 寄り目ができると近眼にならないときいたことがあります。
→寄り目できますが私ど近眼ですけどそれが何か?
- 希釈を繰り返しているのに、反応が増加したり減少したりするという結果は驚きだった。
→結局追試では再現されませんでした。
- 今日の内容はとてもわかりやすく聞きやすかった。疑似科学は昔からある話であり、さまざまな例が存在することを知った。
- 医療の現場でもホメオパシーがあったことにとても驚いた。また、日本助産師会の見解も驚くべきものだった。医師になったときこういったことがあることも考えて行動したいと思った。
- 病的科学は実験技術の低い昔の話と思っていたが最近でもあることに驚いた。
- ホメオパシーを信じていたら、善意のつもりでやったことで命を落とさせかねない、ということが分かりました。ちゃんと病的化学、偽科学にひっかからないようにしなくては、と思いました。
- 学生証を忘れたので出席の確認をお願いします。ニセ科学が医学と結びつくと、人の命まで危険にさらすことになるので、将来気をつけようと思いました。
- ようやく痛いおもいをして産んだ我が子が勝手な判断のせいで殺されるなんて親の怒りが想像できます。命を扱う仕事をしている人がそんなんじゃ困りますね。
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