横浜市水道局から開示された文書一覧(2019/07/21)
はじめに
そもそもなぜ横浜市水道局がNMRパイプテクターに走ったのかというと,水道局のOBが作ったコンサル会社の(株)アクアエンジが代理店になって売り込みをかけたらしい(https://twitter.com/G_rolling/status/1142441632177872899)。横浜市の結果は,効果があったという宣伝に使われているが,全部開示されたものの30番台後半の資料を見ると,目視で錆の状況は変わらず,錆自体の分析をしても設置の上流側と下流側で目立った変化はない(数ヶ月以上設置した後)と読み取れる。設置したすぐ後の結果が良さそうだったので,そのときの結果が宣伝に使われたのだろう。その結果,厚生労働省から説明を求められて,業者の説明を受けただけなので詳しくは業者にきいてくれという内容の回答をしているあたり,OBのやらかし案件で無碍にもできず,試験することにしたものの,多分中の人もいろいろ感づいてはいたんじゃないかなあ。
役所におけるOBの役割ってわりといろんなところで効いてるっぽいし,税金使って買ったものに効果が無いというのはお役所としてはまずいので,開示された内容は,パイプテクターに効果があってもらわないと困ることになってしまった人達がよってたかって出した結果であるはず。それが,装置上流と下流で目視で錆に違いは無く,錆自体の分析結果でも違いがあるといえない,横浜市には試験に適した水道管は他にないので,という理由をつけて終わっている。「勝負どころ」の導入で,どういう条件で効果が確実に見込めるかという予測すらまともにできなかったということの意味を,これから手出しする人はよく考えてもらいたい。
日本システム企画株式会社の説明に対して疑問を持たずに受け入れるコンサル会社って,不安要素が満載なのだが……。水道局OBで固めず,地元の横国か横浜市大の化学の専門家に相談した方が良かったんじゃないかなあ。まあこの件については,中の人,特に現場の人はOBとか上の方には一切忖度しない方が良いと思います。
全部開示されたもの
以下に,全部開示となり,pdfファイルで開示されたもの一覧を示す。一部のファイルについては,関連文書が分割されていた(起案,本文,添付資料)ので,閲覧を便利にするため,同番号のpdfファイルを私が1つにまとめた。
- (1) 平成25年度全国会議(水道研究発表会)発表論文「特定の電磁波を応用した防錆装置による配水管における残留塩素減少防止効果の検証」参考資料
- (2) 平成25年度全国会議(水道研究発表会)発表論文「特定の電磁波を応用した防錆装置による配水管における残留塩素減少防止効果の検証」報告書
- (3) 平成25年度全国会議(水道研究発表会)発表論文測定データ.xlsx(Excelファイル)
- (4) 厚生労働省からのNMRパイプテクターに関する質問への回答について(平成26年度水保第124号)
- (5) 調査及び研究に係る材料の購入について(平成27年度水保第840号)
- (6) 平成28年度 棚卸資産購入執行伺情報(NMRパイプテクター)
- (7) 平成28年度 物品購入等内訳書(NMRパイプテクター)
- (8) 平成28年度 製品指定理由書(NMRパイプテクター)
- (9) 平成29年3月17日NMR検証PJ報告書(最終版)
- (10) 平成28年度部内PJ報告書資料カタログ
- (11) 平成28 年度 第1回 NMR 装置検証PJ 議事録
- (12) 平成28年9月29日NMR装置検証PJ報告
- (13) 平成29年3月14日NMR装置検証プロジェクト報告
- (14) 平成29年2月10日NMR設置場所選定における評価
- (15) 平成29年2月13日寺前シー・サイドメゾン採水作業のお知らせ
- (16) 平成29年3月7日採水・測定及び検査結果記録票
- (17) 平成28年残塩調査 記入表(水質課兼用)採水・測定及び検査結果記録票
- (18) 平成28年残塩調査 記入表(港南中央)採水・測定及び検査結果記録票
- (19) 平成28年残塩調査 記入表(金沢区寺前2丁目)採水・測定及び検査結果記録票
- (20) 平成28年8月5日「NMR 装置検証PJ」における峰公舎の使用について(依頼)
- (21) 平成29年3月9日「NMR 装置検証PJ」における峰公舎使用中止の手続きについて(依頼)
- (22) 平成28年7月水質調査について(依頼)
- (23) 平成29年2月24日水質基準全項目(51 項目)の水質検査について(依頼)
- (24) 平成29年1月17日水維第674号平成29年NMR装置の検証プロジェクトへの協力について(依頼)
- (25) 平成29年2月1日付NMR装置検証に伴う採水について
- (26) 平成29年度水道局水道研究等報告会「核磁気共鳴(NMR)工法による口径50mm配水管における残留塩素減少防止効果の検証」報告書
- (27) 平成29年度水道局水道研究等報告会「核磁気共鳴(NMR)工法による口径50mm配水管における残留塩素減少防止効果の検証」参考資料(1)
- (28) 平成29年度水道局水道研究等報告会「核磁気共鳴(NMR)工法による口径50mm配水管における残留塩素減少防止効果の検証」参考資料(2).xlsx(Excelファイル)
- (29) 平成29年度水道研究結果報告一覧表
- (30) 平成29年度水道研究調書第3四半期(NMR)
- (31) 平成29年度水道研究調書第4四半期(NMR)
- (32) 平成25年度水道研究発表における「特定の電磁波を応用した防錆装置による配水管における残留塩素減少防止効果の検証」論文の提供依頼について(平成29年度水維第482号)
- (33) 平成30年度第1四半期水道研究調書(核磁気共鳴(NMR)工法による配水管における残留塩素減少)
- (34) 平成30年度第2四半期水道研究調書(核磁気共鳴(NMR)工法による配水管における残留塩素減少)
- (35) 平成30年度第3四半期水道研究調書(核磁気共鳴(NMR)工法による配水管における残留塩素減少)
- (36) 平成30年度第4四半期水道研究調書(核磁気共鳴(NMR)工法による配水管における残留塩素減少)
- (37) 平成30年度水道研究結果報告一覧表
- (38) 撤去した水道管から検出された錆の分析について(平成30年度水維第152号)
- (39) 撤去した水道管から検出された錆の分析について(平成30年度水維第421号)
- (40) 平成30年7月3日NMR撤去管錆の分析結果報告聞き取り内容
- (41) 平成30年7月3日NMR撤去管錆の分析結果報告聞き取り内容資料1
- (42) 平成30年7月3日NMR撤去管錆の分析結果報告聞き取り内容資料2
- (43) 平成30年7月3日NMR撤去管錆の分析結果報告聞き取り内容資料3、4
- (44) 平成30年5月16日NMR港南中央撤去およびサンプリング作業報告
- (45) NMR撤去管錆の分析結果報告(寺前二丁目)
- (46) 平成30年11月14横浜市工業技術支援センター分析結果報告書
- (47) 平成30年10月16日NMR寺前二丁目撤去およびサンプリング作業報告
- (48) 平成30年10月26日NMR寺前二丁目撤去管錆成分検査持ち込み資料
- (49) 平成30年度水道研究等報告会「核磁気共鳴(NMR)工法による口径50mm配水管における残留塩素減少防止効果の検証(2)」報告書
- (50) 平成30年度水道研究等報告会「核磁気共鳴(NMR)工法による口径50mm配水管における残留塩素減少防止効果の検証(2)」参考資料
一部開示されたもの
一部開示されたものは次の通り。なお,不開示の部分は書類中の印章のみ,とのことである。印影が複製され悪用されることを防止する目的で行われた部分不開示だろう。
紙媒体で開示されたもの
以下のファイルは,紙媒体で開示されたものをスキャナーでpdfにしたものである。番号とファイル名は整理のために私が適当につけたものである。
- (1)共同研究協定書(H24.07.03)
- (2)採水・測定及び検査結果記録票
- (3)水質検査結果書(H25.04.18)
- (4)水質検査結果書(H28.11.18)
- (5)水質検査結果書(H29.03.22)
- (6)水質検査結果書(H29.11.24)
- (7)核磁気共鳴(NMR)工法による排水管における残留塩素防止効果の検証
参考資料
「参考」という分類で開示されたもの。PowerPointのファイルなので,ブラウザで見えない場合はダウンロードしてから開いてほしい。なお,MacのPowerPointだとレイアウトが崩れるかも。